スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

デイリー盃クイーン賞&神政国家

2023-11-30 19:11:39 | 地方競馬
 昨晩の第69回クイーン賞
 発馬直後はライオットガールとパライバトルマリンの逃げ争いになりました。3番手にビジン。4番手にノーブルシルエット。5番手にティーズハクア。6番手にグレースルビーとテリオスベル。2馬身差でゴールデンヒーラー。9番手にサルサレイア。10番手にサブルドール。最後尾にエイシンレミーで発馬後の正面を通過。パライバトルマリンが先手を奪うとビジンが2番手に上がり,3番手にライオットガールとなりました。発馬後からずっと押していたテリオスベルは向正面の入口では3番手付近。ここからさらにパライバトルマリンの前に出ようとしたのですが,パライバトルマリンが譲らなかったので,向正面からこの2頭が競り合うレースに。最初の800mは48秒0のハイペース。
 テリオスベルの上昇で3番手になったビジンは早々に一杯となり,4馬身差の3番手にライオットガールが上がって3コーナーに。ここからライオットガールが内を回って差を詰めました。直線に入ってもパライバトルマリンとテリオスベルの競り合いが続きましたが,外に出されたライオットガールが競り合う2頭を楽に差して優勝。パライバトルマリンを競り落としたテリオスベルが2馬身半差で2着。逃げたパライバトルマリンが4分の3馬身差で3着。
 優勝したライオットガールはレパードステークス以来の勝利で重賞2勝目。このレースは重賞を勝っている3頭の能力が明らかに上位。このレースは斤量が軽い馬が食い込んでくるケースがあるのですが,テリオスベルのように道中から動く馬がいると能力の勝負になりやすいので,よほどのことがない限り3頭の争いになるだろうとみていました。4着以下に9馬身の差がついていますが,これが現実の能力差だと思います。パライバトルマリンとテリオスベルの早い段階からの競りを後ろでみていられた分だけライオットガールが有利になっただけで,3頭の間に大きな能力差があるわけではないと思います。母の父はハーツクライ。英語表記はRiot Grrrlで,1990年代のアメリカのサブカルチャー運動のひとつ。
 騎乗した岩田望来騎手と管理している中村直也調教師はクイーン賞初勝利。

 後藤の論文の標題は「スピノザ『神学政治論』からメンデルスゾーン『エルサレム』へ」でした。なのでこの部分は,ユダヤ教の教義とユダヤ人国家の関係をどうみるかと関係します。
                                   
 スピノザは『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』の第17章で,ユダヤ人国家,これは当然ながらスピノザがいっているわけですから,旧約聖書に記述されている,かつて存在したユダヤ人国家を意味するのですが,そのユダヤ人国家が神政国家といわれた理由を説明しています。これをごく簡潔にいうと,ユダヤ人国家における法lexと,ユダヤ教という宗教religioとの間に何らの区別も存在しなかったからです。他面からいえば,ユダヤ教の教義というものが,その国家Imperiumにおける法であったということです。ここでいわれているユダヤ教の教義というのは,モーセの法規,これは律法と呼ばれているもの,とくに祭儀の律法を意味するのですが,その法規と同一視することができるのであって,これを神政国家というのであれば,かつて存在した唯一の神政国家がこのユダヤ人国家であったという点について,メンデルスゾーンMoses Mendelssohnは同意していたと後藤は指摘しています。
 これが神政国家といわれることの具体的な意味は,モーセがユダヤ人にとって神Deusとされているという点に集約されます。つまりモーセの法規が神の法規であるということは,この国家を統治しているのは事実上はモーセであるということです。つまり国家の指導者がユダヤ人を統治するのではないし,ユダヤ教会の聖職者がユダヤ人を統治するのではなく,ユダヤ人の神であるモーセが直接的にユダヤ人を統治する,あるいは統治していたという意味です。そしてこのようなユダヤ人国家およびユダヤ教の教義に関して,スピノザとメンデルスゾーンは一致していたということです。さらにこのことを基礎として,スピノザは教会の権力全般を批判しようとしました。そしてその権力への批判を企てるという点では,やはりメンデルスゾーンはスピノザと一致していたのだと後藤はいっています。
 ところがこの先で,というのはこうした神政国家が現に崩壊した後の解釈について,スピノザとメンデルスゾーンの間で解釈の相違が生じることになりました。
コメント
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