スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

NARグランプリ&第一部定理一四証明

2021-01-19 19:07:53 | 地方競馬
 昨年のNARグランプリは13日に発表されました。
                                   
 年度代表馬はアフター5スター賞JBCスプリントを勝った大井のサブノジュニア。昨年は大レースの勝ち馬が2頭いましたが,より格上のレースを勝ったこの馬の方が選出されるのは自然と思います。部門別では4歳以上最優秀牡馬と最優秀短距離馬を受賞。
 2歳最優秀牡馬はゴールドジュニア,ハイセイコー記念,全日本2歳優駿を勝った船橋のアランバローズ。これは当然の受賞で,古馬がもっと低調であれば,年度代表馬もあり得たところでした。
 2歳最優秀牝馬はリリーカップとエーデルワイス賞を勝った北海道のソロユニット。東京2歳優駿牝馬は大敗してしまいましたが,重賞の勝ち馬はこの馬だけですからこれも自然かと思います。
 3歳最優秀牡馬は東京ダービーを勝った船橋のエメリミット。この選出は個人的には意外でした。この馬が選出されたというのは,昨年の3歳馬は低調であったということでしょう。
 3歳最優秀牝馬は桜花賞東京プリンセス賞を勝った船橋のアクアリーブル。この馬は負けたレースも手堅くまとめていますから当然でしょう。
 4歳以上最優秀牝馬は報知グランプリカップ,マリーンカップ,クイーン賞を勝った大井のサルサディオーネ。重賞を2勝していますから当然です。
 ばんえいはこのブログでは扱っていないので割愛します。
 ダートグレード競走特別賞馬は帝王賞JBCクラシックを勝ったクリソベリル。この2戦で負かしている馬との比較でも,この馬の選出が妥当だと思います。

 第一部定理一四は,神Deusのほかにはいかなる実体substantiaも存在しないということをいっています。これは存在する実体は神だけであるという意味です。第一部定理一四系一で,神は唯一であるといわれるとき,それは複数の神があるのではなく唯一の神があるということをいっているとすることは,解釈の上では可能ですが,自然Naturaのうちに存在する実体は神が唯一であると解する方が適切だといえるでしょう。したがってこの系Corollariumは,定理Propositioからの帰結事項だといえるのです。
 ではスピノザが第一部定理一四を,どのように論証しているのかを,ここで詳しくみていきます。
 まず援用しなければならないのは第一部定義六です。ここでは,神が絶対に無限なabsolute infinitum実体であるといわれています。
 次に,第一部定理一一において,絶対に無限な実体が必然的にnecessario存在するといわれています。したがって神は存在します。神のほかにはいかなる実体も存在しないという場合には,神は存在することが前提になりますから,ここまではそのことを論証するための前提条件の証明Demonstratioといっていいでしょう。
 ここからスピノザは背理法を導入します。すなわちまず,神のほかに何らかの実体が存在することを仮定するのです。ここでは仮にこれを実体Xとしておきます、この実体Xは第一部定義四により,何らかの属性attributumによってその本性essentiamを構成されなければなりません。しかるに第一部定義六から,神は無限に多くの属性によってその本性を構成されます。したがって,実体Xの本性を構成する属性は,神の本性も構成するのでなければならないことが帰結します。ところが第一部定理五により,同一の本性naturaeを有する複数の実体は存在し得ません。よってこの場合は,実体Xは神と同一の属性によってその本性を構成されなければならないので,存在することはできないのです。そしてこの実体Xは任意のものなのですから,このことはどのような場合も成立します。いい換えれば,神以外にはいかなる実体も存在し得ないということが導出されます。そしてこれが,第一部定理一四がいっていることでした。
 僕はこの論証にはある弱みがある,神が唯一であるという点に対して弱みを抱えていると思うのです。
コメント
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