スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ニューイヤーカップ&無限数

2021-01-07 19:46:12 | 地方競馬
 第64回ニューイヤーカップ
 カシノルシーダは発馬のタイミングが合わずに2馬身の不利。サヨノグローリーはすぐに控えました。先手を奪ったのはジョーロノ。半馬身差の外にピースフラッグで半馬身差の外にハートプレイスとこの3頭は雁行。4番手にワールドリングとサイダイゲンカイ。6番手にトランセンデンスとキャストロポポとなりここまでは一団。離れてキャッスルヒーロー,また離れてサヨノグローリー,さらに離れてカシノルシーダと,残りの3頭はばらばら。前半の800mは49秒0のハイペース。
 向正面の半ばからトランセンデンスが進出開始。ピースフラッグとハートプレイスは一杯になり,3コーナーでは追い上げたトランセンデンスが逃げるジョーロノの外に。3番手はキャストロポポとワールドリングの併走となり,後方から進出してきたサヨノグローリーが5番手に。直線の入口では前の2頭が後ろを大きく引き離し,外のトランセンデンスがジョーロノをあっさり差すとそのまま抜け出して優勝。逃げ粘ったジョーロノが3馬身差で2着。大外から追い上げたサヨノグローリーが6馬身差で3着。
 優勝したトランセンデンスはここが北海道からの転入初戦。北海道時代はデビュー戦を勝っただけですが,きわめて安定した走りで重賞でも2着に入っていました。実績面では上位の存在でしたから,順当な結果とみてよいと思います。距離の延長についてはまったく不安がありませんから,クラシックでも有力馬となり得るでしょう。父はトランセンド。祖母の父がマンハッタンカフェ。Transcendenceは超越。
 騎乗した船橋の森泰斗騎手東京2歳優駿牝馬以来の南関東重賞42勝目。第60回,63回に続き連覇となるニューイヤーカップ3勝目。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞45勝目。第57回,58回,62回に続く2年ぶりのニューイヤーカップ4勝目。

 同じものが無限infinitumであるとみられる場合もあれば,有限finitumであるとみられる場合もあるという点では,ガリレイGalileo Galileiもスピノザも一致しています。これは河合がコラムの中で指摘している通りです。しかしこの一致には,河合がコラムの中で指摘していない相違もあるのは間違いないと思います。少なくとも連続体の部分について,というかこれは連続体の部分に限らずどんなものについてでもいえるのですが,あるものが可能性として無限であり,現実的に有限であるということはスピノザは認めないでしょう。また,連続体の部分のような,物体的実体substantia corporeaにおいてではなく,有限なあるものについて無限といわれる場合には,それは数によって算定し得ない限りでの無限であり,それは実際には無限ではなく,無限定indefinitumないしは無際限indefinitumといわれなければならないでしょう。
                                        
 ガリレイとスピノザの類似点について,河合が触れていることはこの二点です。ですから両者の類似に関する考察はここまでです。ただ河合は,コラムの最後のところで,興味深いことをいっていますので,それをこのコラムに関連する最後の考察とすることにします。
 ふたつの平方数の間には必ず比例中項があります。たとえば平方数である4と9,すなわち2²と3²の間には比例中項として6が入ります。つまり4:6は6:9です。これが立方数になると,ふたつの比例中項ができます。たとえば8と27,すなわち2³と3³の間には,12と18というふたつの比例中項が入ることになります。つまり8:12は12:18でさらには18:27です。このとき,1と平方数および立法数の間には必ず比例中項があります。1:XはX:X²でかつX²:X³だからです。そのうえ1は平方数でもあり立法数でもあります。すなわち1²は1であり1³も1です。そして1はすべての数のべき数です。つまりX⁰は1です。
 ガリレイはこれらのことを理由として,1が唯一の無限数であると『新科学対話Discorsi e dimostrazioni matematiche, intorno a due nuove scienze attenenti alla mecanica ed i movimenti locali』の中でいっているそうです。ガリレイが示した実例,正確にいえば,河合が『新科学対話』から抜き出している部分を理由として,1を無限数であるという根拠が僕にはまったく分からないのですが,そのことはここでとくに問いませんし,その必要もありません。
コメント
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