スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

タヤスツヨシ&第三部定義三

2007-04-12 20:56:59 | 名馬
 京浜盃を勝ったトップサバトンの父,タヤスツヨシも日本で競馬をした馬ですので,これを紹介することにします。
 日本の競馬の歴史で最高の種牡馬といえばサンデーサレンスということになると思うのですが,このサンデーサイレンスは引退後にすぐにアメリカから日本に輸入され,種牡馬としての活動は日本でのみ行いました。海外から日本に連れて来られ,種付けだけしてまた帰国した馬が何頭かはいますが,こうした事情でサンデーサイレンスの産駒のほとんどは日本産。タヤスツヨシはその初年度産駒にあたります。
 2歳の夏にデビュー,3戦目に勝ちあがると暮れに特別と重賞を連勝してクラシック路線へ。3歳になり2着・5着と2戦を消化して皐月賞に出走すると2着。このレース内容がよかったのでダービーでは1番人気に推されました。後方から大外を追い込み,この過程で左に斜行して他馬の進路をやや妨害する場面もあったのですがきっちりと差し切って優勝しました。秋は不振に陥り,菊花賞トライアルの2戦を5・7着と敗れ,本番の菊花賞も6着に敗退。結局そのまま引退し,種牡馬になりました。
 種牡馬の世界にはシャトル種牡馬というのがあります。サラブレッドは春が出産シーズン。したがって北半球と南半球では馬の出産時期も種付け時期も異なります。これを利用して,春に北半球で種付けし,北半球の秋に南半球に渡って種牡馬活動をするのがシャトル種牡馬。タヤスツヨシはこのシャトル種牡馬の1頭で,日本とオセアニアで種牡馬として働いています。そして種牡馬としての初の大レース勝ち馬となったのがオーストラリアでGⅠを2勝したHollow Bulletという馬。また,昨年のダービーグランプリを勝ったマンオブパーサーもタヤスツヨシ産駒で,日本ではこれが初の大レース勝ち馬となっています。

 明日は武雄記念の2日目優秀の飛龍賞。並びの予想は武田-阿部-望月の東日本,三宅-山口の西日本。九州4人は別れて,荒井-藤野の佐賀と井上-大塚だと思います。これを前提にすればまず荒井選手◎。そして武田選手○と阿部選手▲で,大塚選手△。

 これで,『エチカ』においては善悪というのは,各々の人間が意識する喜びlaetitiaの感情affectus(善bonum)であり悲しみtristitiaの感情(悪malum)であるということは問題ないかと思います。そこで,感情一般というものがどのように定義されているのかをみておくことにします。これは第三部定義三です。
 「感情とは我々の身体の活動能力を増大しあるいは減少し,促進しあるいは阻害する身体の変状[刺激状態],また同時にそうした変状の観念であると解する(Per Affectum intelligo Corporis affectiones, quibus ipsius Corporis agendi potentia augetur, vel minuitur, juvatur, vel coercetur, et simul harum affectionum ideas.)」。
 身体の活動能力Corporis agendi potentiaうんぬんという部分については第三部諸感情の定義二と三も参考にしてください。
 これでみると感情というのは『エチカ』においてはある特殊なことばであることが分かります。すなわち感情はまず,人間の身体のある状態のことを意味します。そして同時に,その状態の観念ideas,身体がそういう状態にある当人の精神mensのうちにあるその観念も意味するのです。これがなぜ特殊なのかというと,前者が延長Extensioの様態のある状態であるのに対し,後者は思惟の様態cogitandi modiだからです。つまり感情ということばは,延長の属性Extensionis attributumのもとでも思惟の属性Cogitationis attributumのもとでも意味をもっているということになるのです。
 なお,これはここでの考察からは余談になりますが,感情はラテン語ではaffectusです。これに対して実体の変状substantiae affectioとか,この定義で身体の変状affectionumといわれる変状はaffectioです。日本語だと感情と変状ではまったく違って思えますが,原語では類義語というか,なにがしかの関係をもっていると考えられます。
コメント
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