ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

「冷涼」なワイン

2017年02月07日 03時08分57秒 | ワインの事
最近の「はやり」の言葉です。

どっしりと重いワインに対する対義語として使われているようです。


昨日はお客様と「冷涼」なワインについて話していました。


しかし、それは簡単な解釈ではないかもしれません。


どうしても「冷涼」は北の産地を思い浮かべがちですし、南のワインの高額のものは確かに「ずっしり」「どっしり」が多いことも否めません。

しかし、そうとばかりは限らないのです。


例えばドイツやアルザスのピノノワールの昨今の良い(高い)ものはブルゴーニュの銘品より重く感じたり、堅かったりします。


或いは南の産地のお安いものは「暑い産地だから冷たくして飲める」冷涼感があったりするのです。


また酸の強い北のワインはいつまでも口中に酸味が残って「鋭い」感じが、むしろ重く感じるものです。

「重いワイン」の対義語ならば「軽くてすっきり」。

それが極端というのなら「エレガント」とか「優しい」ということになりますが、そうでもないということなのです。


また緯度が低くても標高の高いところのワインには「冷涼感」がありますし、北でも品種が熟しやすいものならアルコールもしっかりありますし酸も控えめ。



そむりえ亭のコンセプトだと軽いも、重いも、酸が有るも、無いも、etcすべて揃えなければ仕事になりませんから「冷涼」なワインに縛られることはありません。


しかし、ワインを愛好する方々にはそういうものを探す機会があるはずです。

どうぞ「北」とか「涼しい産地」に縛られずに探していただければと思います。


勿論「解釈」の問題ですから、何が「冷涼」か?は私と違うのかもしれません。


あ、昨日話したお客様とは上記のような話はしていません。

もっとお気楽なお話でしたので、あしからず・・・・


            樋口誠