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ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

VD○とかVD△とか・・・・・・

2015年11月20日 03時10分20秒 | ワインの事
先日終わった年に一度のソムリエ協会の呼称資格認定試験。


受験生は色々と勉強をするわけです。

どんな世界の試験でも出てきそうなのが「略称」です。

ワインの場合、MC法(昨日のヌーボー等の作り方です)とかMLF(マロラクティック発酵)とか・・・・・


それと並んで「覚えなさい」と言われるのがVDLとかVDNとかいうものです。

酒精強化ワインのタイプを指す言葉ですね。


代表的なものにはポルトガルのポートワインやマデイラ、スペインのシェリー、イタリアのマルサラなどがあります。

上記のVDL、VDNはフランスでの言い方です。

「L」が付くのは「発効前の果汁にアルコールを添加しミュート=発酵停止により強化されたワイン」で「N」が付くのは「発酵前」でなく「発酵中の果汁に・・・・」となります。

いずれにせよ殆どのものが甘口。


何しろこのタイプの場合、ポートワイン、マデイラ、シェリーなどがあるが故にVDNもVDLも出番が少ない「可哀そうな存在」です。

が、それ故にお値段が安く、しかも掘り出しものがあったりするものです。

例えば今月私が入手したのは南仏のルーションというところにあるリヴザルトというVDNの古酒。

1953年=62年前の甘口ワイン。

色は琥珀を帯びて輝きを放ち、香りも芳醇です。

得てして濁りがあったり、不用意な酸化を帯びていることもありますが、ご愛敬の範囲なんです。

とはいえ今回入手のものは樽のまま眠っていたものを最近ボトリングしたばかりですから濁りもなく素晴らしい出来栄え。

そんなものがグラス1,500円で飲めるなんて幸せですね。


皆さんも探してみてください。

「リヴザルト」のほかに「バニュルス」「モーリー」「ラストー」などで探すと良いと思います。

あ、もしスペインの「フォンディジョン」というのが見つかればハッピーかなあ・・・・

食後はチョコのお供、フォワグラなんかとも合いますし、単独でも楽しめます。


            樋口誠