勉強が苦手で本も殆ど読まない私が中学や高校の頃に読んだのが三木清さんという哲学者の本です。
難しい本でしたが父の勧めで読み進めるうちに引き込まれていったのを覚えています。
実際の所は何もわかっていなのですが、中に幾つかのセンテンスは朧に頭に残っています。
「全てのものが偶然であるならば希望というものは持てないであろうし、全てのものが必然であるならば、また希望を持つことも無かろう」「偶然であり必然である、そんな人生を運命と呼ぶ」
というようなことが書かれていました。
接客をしていると、それが不思議なくらい目の当たりにされます。
あるお客様が来られている時に、初対面ながら関わりの深いお客様が来られる。
ある人が久しぶりに来られた翌日に、その方に「以前勧められた」と言ってお客様が来られる。
たまたま横に座った方が遠い郷土が同じでご近所さんであったり、同じ趣味であったり・・・・
何万分の一の確率なんですよね。
しかし、そういう事は頻繁に起こるのですね。
よくよく考えると必然的な要因もあるのです。
が、今日来られるかも知れないお客様の隣にそういうご縁があるのか、無いのか判りません。
いや、どこかで繋がっているかも判りません。
そこが面白いところです。
私の仕事は「縁」や「繋がり」を売る商売ではありませんし、そうしたいのでもありません。
でも、それに囲まれて仕事が出来るとしたならば楽しい仕事です。