ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ロワールの赤ワイン

2010年11月04日 03時45分04秒 | ワインの事

フランスの大きなワイン産地にロワール河流域があります。

フランスのやや北を東から西に流れ大西洋に注ぐロワール河は1000キロに及ぶ長い河です。上流から下流にかけて沢山のワインを生み出します。

他の産地と違うのは葡萄品種が上流、中流、下流で全て違うと言う事です。ブルゴーニュは北も南も同じですし、ボルドーは主と従が入れ替わるだけです。

例えば白では上流はソーヴィニヨンブラン、中流はシュナンブラン、下流はミュスカデです。他にもありますが、ま、大まかにはそういうことです。

赤はというと、上流はピノノワール、中流はカベルネフラン、下流はというと殆んど赤は作っていません。

ですからソムリエ試験などでは覚える事が満載で、受験生にとっては頭が痛くなるような産地、と言っていいと思います。

今月は白赤一種ずつをグラスで開けています。

白はサンセール。良く使いますし、有名ですね。青い清清しさを持つ白です。ソーヴィニヨンブラン種です。

赤はシノン。有名って言えば有名ですが、何処でも使っているかと言えば意外と見かけないのがロワールの赤ではないでしょうか?重くなく適度にタンニンがあり、フレッシュさがある内に飲んでしまう事が多いですね。カベルネフラン種。ブルトン種とも言いますね。

しかしロワールの赤(他にもアンジュー、ブルグイユ、サンニコラ.ド.ブルグイユ等があります)は和食には合わせ易い、いや、合わせる機会が多いワインだと思います。

例えば現地ではマトロート.ダンギーユ=鰻の赤ワイン煮や鯉のシャンボール風など川魚をしっかり炊いた料理などと合わせます。煮付けや照り焼きにした魚と合わないわけがありません。醤油とかを使ったものでもいいですし、私が良く言う「青魚には赤」にも最適です。

何故良いのかと言うと

1:色が濃い。つまり色素は香りをマスクするのです。

2:重くない。これは魚の柔らかい触感を覆ってしまわない、と言う事。

3:少なすぎないタンニン。青魚やブリ、鰻など旨い魚には多少なりとも脂分がある。

ざっとこんな所です。

おうちでワインを、と言う時に重宝するワイン。まずはそむりえ亭で試してみて下さい。

ちなみに今月は鰻の代わりにカンパチを赤ワインで炊いたものがあります。いいコンビです。