共通テスト、マスクで鼻覆わず失格 6回注意
このニュース、聞いて開いた口がふさがらなかったのですが、マスク警察が監督官にまで登場したかという感想です。
これは「マスクルールをなぜ守れない?」というルールに固執するあまり、「なぜマスクをしなければならない?」という大元のことを忘れてしまう人の典型ですね。
ハンナアーレントではありませんが、考えずに言われたことを真面目に実行した人たちが、実はナチスでありました。
もちろん、マスク警察がナチスだと言ってしまうと、共産党が現政権をナチスになぞらえるみたいで、居心地がよくありません。
ただ、ナチスをはじめとするファシズムの本当の恐ろしさは、「言われたことを考えず忠実に実行する」ことに違いありません。
藤沢周平でしたか、司馬遼太郎でしたが、“生類憐れみの令”を出した徳川綱吉将軍を、「世を治めるより、罰則に注視した人」と評しています。
実際の綱吉公は、そうでもなかったというのが、最近の研究ですが、世の中には「ルールの是非より、罰則に固執する」人間というのが少なからずいることは確かです。
共通テストで失格とされた子は、6回の注意に従わなかったと言いますから、相当な頑固者か変わり者だったかもしれません。
しかしながら、6回の注意ということは、試験が相当に進んだ段階であったわけで、おそらくはまだ未成年の受験生に、一生がかかった試験にこの処置というのは如何なものでしょう。
マスクで鼻を覆わなかったからって、ほかの生徒にコロナが感染するかどうか、考えればわかりそうなものでしょうに。
深い事情はわかりませんが、私にはこの監督官。
参勤交代の前を横切った子供を、切り捨て御免してしまったような行為に思えますが如何でしょう。