再度の非常事態宣言が出されたばかりですが、せっかくの晴天。
気をつけて外出です。
昨日は上野国立博物館のお蔵出し、「牛にひかれてトーハクまいり」に行ってきました。いや、ええもんお持ちでんな〜(ふろむニセ関西人)♪
この日の目的はズバリ、長谷川等伯の「松林図屏風」。
言わずと知れた等伯晩年の最高傑作ですね。
この屏風絵、今までに何度となく見たことがあるのですが、先ずは最初に見た時のことを思い出しながら、近くによって凝視します。
写真でおわかりになるでしょうか。
この絵は何枚もの小さな紙を張り合わせて描かれてます。
初めて見た時は、そのことに驚いたのですが、それから修復でもしたのか、あまり継ぎ目は見えません。安倍龍太郎先生の「等伯」では、一番最後のクライマックスに、なぜ紙をつなぎ合わせて描いたのかが、克明に書かれてます。
たしか、描いてるうちに大きくなって紙をつなげたことになっていたのかな(いかん記憶が定かでない)。
でも、この絵。松の幹や枝などが一気に描かれているので、最初から繋いでないと難しかったように思えます。
長谷川等伯はたいへん背の高い人だったそうで、たしかに絵を寝かせたまま一気に描くには、相当なリーチと体の長さが必要だったように思えます。
私じゃムリだな(笑)。
でも、そんなテクニカルなことより、この絵のすごいところは何といっても臨場感ですね!
等伯は能登の武家の出身と言いますが、さながら北陸の山道を歩いている空気感が絵の中からこぼれ出てきます。
それは等伯自身が見た風景であり、肌で感じていたものが、タイムスリップしてきたかのよう。
狩野派が躍起になって長谷川派ツブシにかかったのもうなずけますね。
いや、長谷川等伯。まさに唯一無二の絵師であります!
「牛にひかれてトーハクまいり」 の等伯「松林図屏風」は、残念ながら今日までの展示ですが、同ミュージアムの平成館で没後400年 特別展「長谷川等伯」 / 平成館 特別展示室 2010年2月23日(火) ~ 2010年3月22日(月)が開催予定です。