小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

参院選にのぞむ既得権益列島

2013-07-19 10:58:43 | Weblog
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写真は京都美山の観光大使(自称)として、絵地図のラフをUPです。

一昨日、丸の内で行われて勉強会では、私のクライアントが水産加工と漁協のことで講師をつとめました。

その話の内容が、まさに既得権益の話でして、日本の水産加工の発展を阻害している話なので、ほとんど受け売りになりますが、私なりに咀嚼して記事にしてみます。

通常の工業製品の場合、鉄や石ころを加工して付加価値を高め、車や電気製品に変えていく作業ですが、水産物の場合は水揚げされた時がベストという点が大きく違います。
(わたしの仕事も、ただの布切れや紙に絵を描いて付加価値を高めていく作業)。

つまり、水産物の場合は地産地消という方法が一番ベスト、ということが言えますが、それでは水産産業を発展させるという意味においてはあまりにパイが小さい。

産業全体を考えた時に、地産地消は必ずしも良い考え方ではないということですね。



日本が発明した水産加工技術、養殖技術というのは大変なものだそうですが、エビやサーモンの養殖などはほとんど海外でなされていて、日本国内ではなされていないとのこと。

日本の海岸線の長さは世界第6位。
暖流の黒潮と寒流の親潮がぶつかる絶好の漁場は世界でも類を見ない、水産物の宝庫だそうです。

ところが水揚げされる水産物ですが、たとえば秋鮭を冷凍したものを、中国に安価で売り、中国はサーモンフライにして欧米各国に高値で売るのですね。
日本で水揚げされたサバやサンマも、アフリカの発展途上国に信じられない安価で買いたたかれる、そんな現状があるというのです。




それじゃ、なんで水揚げされた水産物が日本で加工できないのか?

国内の水産加工技術が海外に流出してしまっていることもあるのですが、その長い海岸線のほとんどは漁協が権利を持っていて、彼らが加工業者を入れさせないというのですね。

まあ、これこそ既得権益の良い例・・・と言いたいところですが、お金がからんでいるならまだしも、漁協のトップの多くが16歳くらいから漁に出て、50年がかりで今の地位を得たからそれを手放したくないというのが実際の理由なんだとか。

「オレが長年かかって築いてきた今の地位をどうしようっていうのか」

早く言えば、お山の大将でいたいわけで、それを侵す水産加工会社は入れるワケにいかないというわけです(噂によると、日本発祥で世界に広がった格闘技。あのオリンピック重要種目のあの世界も、同じお山の大将の世界とか。あくまで噂ですが)。


藍工房。京都市内から移り住んだアーチストのアトリエです

既得権益というのもバカバカしい話ですが、漁協も農協も平均年齢は67歳とか70歳近く(平均ですからね、若い人も入れた平均よ)ですから、あと10年もすれば、お山の大将もそんな元気はなくなるでしょうけど、それを待っているのも得策ではないでしょう。

10年って、過ぎちゃえばすぐだけど、待つには長過ぎる時間だもんね。



で、こちらがあ@花さん編集の橋下氏の演説の文章

こちらが橋下さん演説「映像」のダイジェスト
10分足らずにまとまっていて、なかなか面白いです。

ひとつ違うかなと思うのは、農協に所属してる農家ですが、彼らは既得権益を必ずしも享受してるわけじゃなく、農協以外に売りたいんだと思います。それができないのも既得権益ですね(まあ、時間の関係で、橋下さんですからそのくらいのことはわかって発言しているはずですが)。

筒井康隆の「農協、月に行く」とは、また違う、かわいげのない時代になってきたと思います。
コメント
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