小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

宮崎進~シベリア・鎮魂のカンヴァス ~

2010-08-09 09:23:48 | Weblog
昨日、日曜美術館で「宮崎進~シベリア・鎮魂のカンヴァス ~」を見ました。
いや、涙なくしては見られませんでした。
(昨日、放映される前にブログでアップしとけば良かった・・・)。

以前、このブログでも紹介したように、
宮崎先生は大学時代、私が尊敬している恩師です。
先の大戦で中国に1年間出征し、
その後4年間シベリアに抑留された体験をお持ちと書きましたが、
志願兵として参戦し、中国に行く前、広島に駐留していたとは知りませんでした。
さらに帰国したあと、広島に戻って先生一人だけ助かったことに
自責の念を感じていたことなど、
現在パーキンソン病と闘っていること、
テレビを見てはじめて知ったことが多かったです。

2004年くらいに横浜美術館で個展をされた時はお元気だったけど、
すこしご病気がすすんでいるご様子でした。
しかし、喋ることはご不自由だったものの、
そこから出る言葉や、時折見せる目の光を見て、
まだ先生の意思は萎えていないと感じました。
言葉が不自由になりながらも、テレビ出演をしているところに先生のご意思を感じました。

横浜の個展のパーティーでは、シベリアの話を向けられて嫌な顔をされていたので、
話をしたくないのだなと思いましたが、
テレビを見て、ほぼ同じ時期にシベリアで抑留されていた地を再訪していたのに
反対に驚きました。

あの時、嫌な顔をされていたのは、話をしたくなかったのではなく、
軽々しく、その話をするなということだったのでしょう。
自分の個展にパーティーなんかする人じゃありませんから、それはなおさらだったのでしょう。

近年描き上げた作品には、シベリアの地で世を去った戦友たちの顏が
いくつも並べて描かれていました。
また再放送があれば、ぜひ見ていただきたいもの。
オンデマンドでも見られるかもしれません。
私などが言うのはおこがましいですが、これが本当の絵描きです。

画像は先生の若い頃の作品「漂泊」です。
コメント (4)
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