浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

一生モノ

2009-03-12 22:19:43 | 日記
「勉強」ってのは楽しいものじゃない。楽しいものであるはずがない。だって「勉めることを強いる」ってことでしょ。つまり「むりやり努力させる」ってことだよね。

そんなのが楽しいはずがない。

だけんども、ある一定期間、勉強をしないと次のステップにはいけないもんなんだろう。

僕の考える、勉強の次の段階が「学習」、つまり「学んで習う」、そして最終段階が「学問」、「学んで問う」。

「学んで問う」というレベルになるとこれほど楽しいものはないよね。

スポーツだって一緒だけど最初はつまらなくても基礎をしっかりやって、そのうち、コーチについて指示通りやって、最後には自分のものにしてく、っていうステップなんだろうなぁ。

学生時代を振り返ってみると試験勉強とかそういうのをしっかりやった覚えはないんだけど、僕は早いうちに英語が好きになったので、英語だけはかなり学んでた。

はっきり言うけど数学とか化学とかの授業中も机の下で英語の参考書とか読んでましたから。

「英語の実況中継」とかいう予備校の英文法講義を口語で収録した参考書があってそれを何度も読んでた覚えがある。

面白かったんですよ。「おお!過去形と過去完了はこう違うのか!」とか新たな発見があってね。

今、考えると何たる失礼な生徒かと思うけどつまらない英語の授業の時もこの本読んでたこともあった。ひどい生徒だ。

大学入っても言語学とか英米文学は好きでしたよ。授業は出なかったけどね。

逆に早めにあきらめたのが(あきらめが早いのが僕のいいところでもあり悪いところでもある)、音声学。つまり英語の発音とか。1年の時に必修科目で授業を受けてたけど早い段階で「どんだけ英語を英語らしく発音しようと思ったってネイティブにはかなうわけないや」とあきらめた。

もちろん、だからと言って音声学が意味の無い学問だと思っているわけではなくて僕が興味をもてなかっただけ。

「ネイティブにかなおうがかなうまいが自分は自分の英語の発音を高めていくんだ」と真摯に努力している人を否定するつもりはまったく無いです。それはそれでその人の道だし。

早い段階であきらめたので僕の英語の発音というのは完全に日本語訛り。だから「英語喋れるんでしょ?喋ってみてよ」と言われても「本当に英語科?」と疑われることもある。

そもそもさ「英語喋ってみてよ」って言ってくる人ってどういうのを期待しているんだろうね??

返答に困る会話なんだよな。もう少しテーマを絞ってくれると話しやすいんだけど。

英語の発音に自信が無い分、小さい子がバキッと英語喋ってるの聞くと「うーん、うまいなぁ」と素直に感心してしまう。

オーストラリアに住んでいるEmilyさんの息子とたまに札幌で会って遊ぶんだけど、彼は日本語と英語のバイリンガル。5歳くらいの男の子なんだけど、彼が英語を話しているのなんか聞くとやっぱり「うまいなぁ」と思う。

面白いのはオーストラリアに住んでいるからやっぱりオーストラリア訛りなんだよね。

「数数えられるよ、聞いてて。ワン、トゥー、スリー…」とすごくいい発音をするんだけど、「8」のところでやっぱり「アイト」って言うんだよね。

聞いているこっちとしては途中までもううっとりするくらい「うまいなぁ」と思ってるから8のところでなんとなくカクッとずっこけることになる。


よく「英語を話せるようになりたい」とおっしゃる方がいらっしゃるんだけど、そういう人たちってどうなりたいと思っているんだろう?

たとえばネイティブのように綺麗な発音をしたい、と思っているのかそれとも海外の人とコミュニケーションをとりたいと思っているのか。。。

僕は実はあんまり「英語を話せるようになりたい」って思ったことが無い。

それよりも学問としての言語学が楽しいなぁと思っているだけ。

コミュニケーションを取るだけならまぁ英語が扱えなくても日本語やボディランゲージを駆使すればどうとでもなる部分もあるしね。

うちの母なんかは40代で生まれて始めての海外旅行でニュージーランドに行って一切、英語喋れないのに到着した空港で友人作ってたらしい。

なんかですね、そろそろ春なんで書店とか行くと英会話の参考書なんかがあってふとそういうことを色々思っただけです。

学問は一生モノだなぁ。

今は世界史をもうちょっとちゃんと学びたい。中学でも高校でも常に日本史の授業しか取ってなかったので僕の頭の中に「世界史」という空白がぽっこりあるんだよね。

いや、もちろん、他にもたくさんの空白があるんだけど。

今日なんて大学受験用の世界史の参考書を本気で買っちゃおうかと書店で悩んでました。

オリエント史をインド=ヨーロッパ語族(実はこれ僕の卒論でも調べたんだよな、言語史の視点だけど)のあたりから古代ギリシャ、マケドニア、と体系的に頭に入れたい。

そうすると古代ローマまでスカッとつながって、もっとすっと理解できると思うんだけどね。
コメント (3)
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