浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

悪役レスラーは笑う

2005-12-29 03:49:13 | 
大体プロレスという世界自体が虚実が入り乱れ、時に交わり面白い。
そのノンフィクションというのは大体名作が多い。
いや、プロレスに限らないな、格闘技の世界は、
真剣勝負の間に生まれるドラマが常にある。

その中でも特にプロレスは金も乱れ飛ぶし、
豪快な登場人物が多いし。
本題とはずれるけど、プロレスの裏話でおもしろかったのは、

クマと闘ったヒト
中島らもとミスターヒトの対談。(というかすばらしい雑談)
これは面白かった。

話を戻して、
悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷 森達也/著


力道山の時代に活躍してたヒールの元祖、グレート東郷という
レスラーを追ったノンフィクション。
国民的英雄、力道山がなぜ国民的ヒールグレート東郷と親交があったのか、
そもそもグレート東郷はなぜ、アメリカ人からは卑劣なジャップといわれ、
日本国民の感情も逆撫でするようなヒールの道を選んだのか。
古し話なので謎は謎のままになるところもある。
けれど謎が謎のままであること自体がプロレス的といえばプロレス的。
面白い世界だよ、ほんとに。

著者の森達也氏はかなりノンフィクションを書いてる気がする。
今年は「職業欄はエスパー」も読んだし。

十分楽しめる三ツ星★★★☆☆

4TEEN

2005-12-27 16:14:17 | 
しかしいいですね、年末は。
いろいろな話題作が文庫になって。

やっぱり新潮文庫はいい。
一番好きな文庫ですね。
背表紙(というのかな、本棚に入れたときに見える部分)も、
作家毎に色が違ってわかりやすいし。
星新一は緑だったな、そういえば。

ということで直木賞受賞の、
4TEEN 石田衣良/著



14歳かぁ。振り返ってみると自分が14歳のときって、
一番バカで扱いづらくて、それなりに楽しんでたような気がする。
石田衣良の小説っていつもそうだけど読みやすくて、
それなりに世相を切っている感じがする。
しかし、直木賞取るほどのものかな?

悪くないけど二つ星★★☆☆☆

タイムカプセルいつあける?

2005-12-25 00:05:10 | 


トワイライト 重松清/著

新幹線に乗るときに駅の売店で購入。
小学校時代に埋めたタイムカプセルを掘り起こすために
集まった40代の「元」少年少女の話。

新幹線で読んでいたからちょっと我慢したけど
もし一人で読んでいたら涙を流していたかも知れない。

この物語の主人公は僕よりちょうど一回りくらい上で、
彼らのように大阪万博に思い入れはないけど、
(僕にとっての万博はなんと言っても筑波化学万博である)
雰囲気はよくわかる。

そういえば最近はタイムカプセルなんて埋めているのかね?

「太陽の搭」の現在を表す顔が怖い顔をしている理由なんかに
ぐっと来た。

必読の五つ星★★★★★

模倣犯読了

2005-12-23 13:53:39 | 
たっぷり楽しませてもらいました。
これだけの分量があればね。




色んな糸(登場人物、出来事、事件)が絡み合ってごちゃごちゃになって…
すごい話だったなぁ。
こういうのを書けるということがすごい。

しかし作品としては僕は「火車」のほうが好きですが。

年末年始にお勧めの四つ星★★★★☆

ここにヒーローがいる。

2005-12-21 23:45:42 | 
「一番面白いスポーツは?」と言われると、
決められない、というしかないけども、
少なくとも、
「日本で、生で観戦して、一番面白いスポーツは?」と聞かれると、
僕の答えは決まっている。

それはアイスホッケー。

これだけ臨場感があって、スピード感があって、
ゲーム性があるスポーツはない。
なんでみんな見に行かないんだろう、ということが
不思議でしょうがない。

日光アイスバックスというチームがある。
日光をホームグラウンドにした市民チーム。
このチームはもともとは古川電工を母体としていたが、
不況だとかそういう理由で廃部になろうとしていた。
そのときに、立ち上がったのが日光の居酒屋の店主、高橋健次氏。
彼はアイスバックスを存続させるために、東奔西走した。
しかし、そのとき彼は癌で余命一年だった。

正にここにヒーローがいる。
チームを存続させるための資金が足りなくて走り回る。
「忙しくて死んでる暇がない」と言い放つ。

僕は一度、アイスホッケーの全日本選手権の会場で、
彼を見かけたことがある。
病気にも関わらず旨そうにタバコを吸い、
仲間とホッケー談義を本当に楽しそうにしていた。
いい笑顔をしていた。

自分が余命1年だったら、こんな笑顔ができるだろうか?


命を賭けた最終ピリオド

必見、必涙の五つ星★★★★★

でかけるときに

2005-12-20 23:52:06 | 日記
いつも必ず持っていくものは、財布、携帯、タバコ(&ライター)。
ライターはたまに忘れるけど、それ以外のものはなかなか忘れない。

で、この季節、「あーもってくればよかった」と思いつつ、
ついつい忘れるのがリップクリーム。
いつも困る。。。

フェルマーの最終定理

2005-12-20 13:55:05 | 


フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
サイモン・シン/著


「博士の愛した数式」から僕の中で続いている数学熱。
数学における最大の謎だった「フェルマーの最終定理」が証明されるまでの
ノンフィクション。

大丈夫です、数学あまりわからなくても読み物として理解はできます。
しかし、本当にこれだけの人を悩ます定理(予想)を立てた
フェルマーはすごいね。
ワイルズの証明までの道のりを読んでいるとどう考えても
フェルマーはこれ証明できてなかっただろうな、と思うけど。

楽しめる四つ星★★★★☆


天才のバー

2005-12-19 10:23:57 | 日記
僕もiPodが調子が悪くて、電源が入らなくなってしまった。
説明書やサイトを見て、リセットなり何なりを試してみたんだけど、
反応はなかったので、銀座のapple storeに行って、
genius barに行ってみてもらった。

保証書も一応持っていったんだけど、
「どうせ預けてまた取りに来て」といわれるんだろうなぁと
思っていたら…、
その場で見てもらって「保障期間中なので取り替えます」と
すぐに新しいiPodと取り替えてくれた。
今までずっと一緒だった機体と離れるのはちょっと寂しいけど、
それでもすぐにまた聞ける、というのはうれしい。

さすがアップル。話が早い。

iPodの調子が悪くなったらすぐにアップルストアに行くのがお勧めです。

日常に潜む謎

2005-12-16 01:39:21 | 日記
街を歩いていると(歩いてなくてもいいんだけど)
色んな謎が潜んでいる。

ずーっと考えているのは、
なぜ江戸時代に飛脚は馬を使わなかったのか?
ということ。
飛脚より馬のほうが速いだろうし。
そう考えてみると「駕籠」というのも不思議。
なんで馬車を使わなかったんだろう??
「車輪」が発明されてなかったのかな?

最近の謎は名古屋駅のところで見つけた漫画喫茶の看板。
「女性無料」と書いてある。
??
たとえばクラブとか、そういったところで女性無料なのはわかる。
女性がたくさんいる店には男性も来るから。
でも漫画喫茶??
女性がたくさんいる漫画喫茶に男が行くのかな?
ナンパできるから?
できなそうな気がするんだけどね。
そもそも漫画に一生懸命になりそう。
カップルで来て欲しい、ということかな?

そう思ってその看板に電話してみましたよ。
聞いたところ、カップルで行っても席は基本的に男女別。
??
何の意味があるんだろう?
不思議だ。。。

どうせ俺がターゲットだろ!?

2005-12-14 00:24:07 | 日記
電話をドコモのD902iにしたんですが、
最近のiアプリにはいろいろなゲームがあって。
パケホーダイにしてることもあるし、移動も多いから何かいいゲームないかなぁと
思ってたら、
同僚が桃太郎電鉄をやってて「なつかしー」と思ってダウンロード。
検索していたら、「街」があって、これも即効ダウンロード。

桃太郎電鉄はかなりメジャーだけど、
「街」はあまり知られてないんじゃないかな。
名作ですよ。


弟切草、かまいたちの夜、に続くシリーズなんだけど。
サターンで出たということでどうもマイナーな感じがするんだよな。。。
でも名作。

こういうシステムを見ると、携帯ビジネスはうまいと思うよ。
昔のコンテンツを月額315円で売る。
何人がダウンロードするかわからないけど、
もし1万人だったら、月額315万。
それが三ヶ月で約1000万になるわけだから。

こういう昔のゲーム、サターンとかPSとかは、
明らかに僕ら(30代)がターゲットだね。
見るたびに「どうせ俺がターゲットなんだろ!?よーしわかった買うよ!」
と思ってしまうね。

コンビニで出ている廉価版の懐かし漫画もそう。

文庫カバー

2005-12-12 22:30:12 | 
ほぼ日でやってる、ボーズの明日に向かって捨てろという
連載がすごく好きで。
僕自身も者をためてしまう人間なので気持ちが良くわかる。
貧乏性な上に雑貨やくだらないものがすき、最近は多少小銭を持っている、という
のが性質が悪い。

中学校か高校のころ、文庫カバーを集めていた。

こういうもんですね。
最近はこういうベージュのなんか文章が書いてあって、
書店の名前が書いてあるのが多いんだけど、
昔は、これ自体が広告になっていたと思う。

覚えているのは、C・W・ニコル氏がシリーズで出てたりして。。。
コピーは「本があれば、彼はいつまででも待っててくれる」とか。
新潮社の「想像力と数百円」というのもあったと思う。

少ない小遣いで文庫本ばかり買っていて、
たとえ只でもらえるカバーとは言え、大事だったのだ。
クッキーの空き缶に何十枚も持ってた。
もう捨ててしまったけど、スキャナ(なんて当時なかったけどさ)
で読み込んでサイトにアップしたら懐かしいと思ってくれる人が
何人かいたかも知れない。

ところでどんなオンザロックにも哲学があるように、
どんな文庫カバーにも哲学がある。
ただ、文庫本の表紙に折り込むだけの店、
表紙を一度はずし、表紙に包んでくれる店。
駅の書店なんかで買うとそりゃ時間がないので適当に包まれるだけだけど。

一度、アメリカ人に、
「なぜ日本人は本にカバーをかけるの?」
ちゃんと答えられなかったけど、うーん、いろいろあるんだよ、
という話ですね。

文庫カバーはちゃんとした物も売っているけど、
わざわざ買うまでもないなぁと思っていたんだけど、
後1冊新潮文庫を買うとYONDAクラブに応募できるから、
その文庫カバーでももらおうと思ってます。

昭和史

2005-12-12 15:39:23 | 
昭和史について、興味があるんだよね。
自分が生まれた時代(昭和末期だけど)に何があったのか。。
知れば知るほど闇の深さを知るというか、一筋縄ではいかないような。
もちろん平成だっていろいろあるんだろうけど、
昭和のほうが少し遠い分、丁度いい感じに熟成されて、
「まぁ今だったら言えるか」ということが多くて
新しい事実を知ることが多いような気がする。
古い時代ならではの豪胆さというのがある気もするしね。

どうも平成の出来事は狡猾すぎて何が起こっているか
わからないことか、あまりに常軌を逸して理解しかねる
ことのどちらか両極端な気がする。

東京アンダーワールド  /ロバート・ホワイティング・著



戦後のどさくさにまぎれて大儲けして、そして(案の定)最後には
没落していった「六本木の帝王」の行動を通した昭和史、戦後史。
ロッキード事件や、佐川急便事件と言った誰でも知っている事件も出てくるし、
誰も知らない(であろう)宝石強盗事件なんかも出てくる。
団塊の世代の人は「あの事件の裏はこうなっていたのか」と
思うだろうし、僕らの世代は「それってそういう事件だったのね」と
思うと思う。

「再発見」と「新発見」の違い。

ところでこの映画、マーティン・スコセッシ監督で
映画化という話なんだけどどうなんだろうね??
うわさがひとつも聞こえてこないけどぽしゃった??

個人的にはこの本の主人公である「ニック・ザペッティ」は
なんと言ってもロバート・デ・ニーロにやっていただきたいなぁ。
途中から、トラブルに巻き込まれていくザペッティを
デ・ニーロの困り顔を想像して読んでいた。

監督スコセッシ、主演デ・ニーロ、でどっかに北野たけしを
使ってほしいね。
それだったら必ず見に行くね。
(イメージ的にどこかで小雪が出てきそうな感じがするけど)


かなり楽しめる四つ星★★★★☆

スカイ・クロラ

2005-12-07 02:14:00 | 
森博嗣のS&Mシリーズのことを思い出していたら
久々に森博嗣の本が読みたくなった。

いまさらミステリのシリーズを読み始めるのはちょっと
かったるいので(ごめん。。)
このスカイクロラシリーズを買ってみた。



なんたって装丁がきれい。
本を単に情報の入れ物と考えるではなくて、
物体ととらえたときに、装丁はとても大事。
飾っておきたいくらいきれい。

内容は戦闘機乗りの話。
いろいろな謎があるけども、それは明かされないまま。

透明感、というと言葉がいいけども、
何も残らない、といえばそうとも言える。
それが飛行機の、雲の、空の宿命といえばそうとも言える。