浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

ポップコーンの話じゃない

2010-04-29 22:42:01 | DVD、映画
キャラメルポップコーン食べ過ぎてどーもすいません。だっておいしんだもの人間だもの。映画観てるとときって、目や耳は働いているんだけど口が暇だからついつい食べちゃいますなぁ。

キャラメルポップコーンって映画館以外ではあんまり食べないけど、食べると美味しくないですか?やめられないとまらない。でもさ、すごく嫌なのがキャラメルポップコーンの底のほうにポップしてないポップコーン(って表現でいいのかな?つまりはまぁ固いやつ)があってそれかんじゃうと固くてやだよね。映画館ってくらいから最後残ったやつがーっと飲もうとするとよくそうなる。僕だけ?

つーことで今回も映画館で観てまいりました「シャッター・アイランド」。


マーティン・スコセッシ監督レオナルド・ディカプリオ主演で「ミスティック・リバー」の原作者の小説を映画化、だってさ。

マーティン・スコセッシ監督といえば有名なのは「タクシー・ドライバー」、それと僕らが大好きな「グッド・フェローズ」ですね。

今回の話は、

精神を病んだ犯罪者だけが収容される刑務所のある孤島、シャッター・アイランド。そこにやってきた捜査官(ディカプリオ)。しかしこの島にはある秘密があった。。。

ってことだそうです。

映画『シャッター アイランド』予告編(90秒)


えっとねー、最初から「この映画には謎があります。見逃さないように」とわざわざご丁寧に目の錯覚を利用した映像なんかも作って(これは日本側が作ったんだと思う)説明してくれるんだけど、正直「んなことわかっとるわ!」と思うね。どんな映画だって多かれ少なかれ謎があってそれを知りたいから観に行くわけでしょうに。

で、結局この映画の「謎」が最後分かるわけだけど、…そんなに重大な謎かなぁ?映画のオチとしては良くあるでしょ。ミステリィ小説としてもよくある。これを「史上最大の謎」とか本気で思うんであればその人は「ミステリィ小説なんて読んだこと無いんじゃないの?」と思うね。

じゃあ落ちがよくあるから駄作かと言うと僕は決してそんなことないと思う。

少なくともスコセッシ&ディカプリオコンビの前作「ディパーテッド」よりは数段面白かった。

この映画で一番面白かった部分は(僕は)「自分が真実だと思っていることが実はぜんぶ虚構だったら」ということだと思う。

「すべての世界が5分前に作られた、と仮定しても何も矛盾は生まれない」ということはよく言われているけど「もしすべての世界が虚構だったら?」ということは古来から色んな人が考えたことだよね。それに対するひとつの回答が「すべてが虚構だったとしても『虚構かも知れない』と考える自分は確実に居る。」と言う思想が『我思う、故に我有り』と言うデカルトの言葉だよね。

でもね、それすら本当なんだろうか?

今後、技術が進んでバーチャル・リアリティ(って言葉ももう懐かしいな)で人生を体験出来るかも知れない。脳に直接刺激を与えることで体験していないことも体験した、と感じられるかも知れない。そんな技術が進んでも我々は今いる現実は確かに現実だ、と言い続けられるんだろうか?それでもまだ『我思う、故に我有り』と言い続けられるんだろうか?

この論争は70年代くらいのSF小説でさんざん語られた話だよね。えーっと何だっけ、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」とか。

そのいわば古典的な恐怖のテーマをベースにしているんで、この映画は非常に古典的な話だと思う。確信は無いけどたびたび古典的恐怖映画ヒッチコックを彷彿とさせるシーンもあったし。観ながら「ああ、古典的だなぁ」と思ったもの。決して「古臭い」という意味ではなくて。

あとはすべてが(一応)明かされた後での最後のディカプリオのせりふね。見た瞬間には「あー、そうですか」と僕は思ったけど後で考えてみると実はすごい選択をしていることを示唆しているのかも知れないな、と思ってます。

故にこの映画はミステリィ映画としてではなく非常に古典的な恐怖映画として観たほうがいいと思います。「途中のヒントを見逃さないように」とか(余計なお世話で)言われるけど普通に見てたら気づかないし。公式サイトで見終わった人用にヒントが出てるんだけど、「そんなん言い方次第やんけ!」と思うものばっかり。

そんな分かりづらいある意味後付けのヒント探しに一生懸命になるよりもヒントをまぁ一種のサブリミナルだと思ってしまって映画に身をゆだねてしまったほうが楽しめますよ。

2分の1と200分の100

2010-04-28 20:43:19 | 日記
twitterいちおうやってます。はじめたのはたぶん早かったんだよなぁー、まだ日本版サービスが開始してない頃。

ネット見てたら話題になってたから。

はまってる、ってほどじゃないけどまぁ一日数回くらいはチェックしたり書き込んだり。twitterについては今度ちゃんと書こうと思っているけどまぁ楽しんでますよ。でも最近ビジネス本でよく見る「twitterがビジネスを変える!」なんてのは眉唾ですけどね。「twitterはビジネスを"ちょっとだけ"変える」ってのなら納得するけど。

twitterに限らず色々なネット情報サービスで見るのが「S/N比」という概念。

Sはシグナルでつまり「有益な情報」、Nはノイズで「意味ない、むしろ邪魔な情報」。つまりS/N比が高い、ということは「邪魔な情報」に対して「有益な情報」が多い、ということになるので、そのほうが有用な情報サービス、ということになる。

この「S/N比」、元はオーディオ関係のワードだったみたいです。

というのも先日お会いしたある方からその人の著作を頂いたんだけどそこにその話が出てたから。

どういう話だったかと言うと(ざっくり要約して引用)

---
私はオーディオが趣味なんですがオーディオにはS/N比という言葉があります。Sというのはオーディオで言うとちゃんとした音、ピアノの音やヴォーカルの声、だと思ってください。一方、ノイズは無駄な音、雑音です。以前、オーディオはこのS/N比が高ければ高いほど良い、と思われオーディオマニアは色々な機材を買い揃えてこれを高めることに必死になっていました。

しかしその後、デジタル化されCDの時代になるとこのS/N比は飛躍的に高まり、中にはNがほとんど0に近い、という場合もあります。

そうなると不思議なもので聞いていても「どうも物足りないなぁ」と思うのです。昔、レコードで聞いた時に感じた躍動感や臨場感と言う物がまったくなくなってしまうのです。

我々の人生も同じようなものではないでしょうか?

我々の周りには色々な情報があります。中には役に立つものもありますし、もちろんまったく役に立たない無駄なものもあります。

でもそれらがあるからこそ人生は臨場感あるものになるのではないでしょうか?
---

うーん、さすがいいこと言うなぁ。

そう考えるとさ、S/N比が同じ2分の1でも「2分の1」と「200分の100」ではまったく違うよね。

そういうことを考えて僕は雑多な本を読み、雑多な映画を観て、雑多なサイトをチェックしているんだと思うな。

色んな人と会ったり酒を飲んだりするのもそう。「大事な人、有益な情報を与えてくれる人としか付き合わない」という考えもあるかも知れないけどそれじゃつまんないよね~。

色んな人いるからたのしんじゃんね。

勝つために戦え!

2010-04-26 22:29:44 | 
それはボートの外のこととか連立方程式は人生に役立つよん、とか映画におけるフード理論とか色々話したい話はあるんだけどあらかた話して気も済んだ感じもするので、今日は読み終えたばかりの本の話。

勝つために戦え!〈監督篇〉
勝つために戦え!〈監督篇〉

押井守というアニメ映画監督が監督を語る、というインタビュー集。

「勝つために戦え」と言われるとずいぶん勇ましい感じがするし、「勝つことがすべてじゃないでしょ?」と思うかも知れないけど、そういうニュアンスとはちょっと違う。

そもそも「勝つために戦う」って当たり前じゃん、と思うかも知れないけど、そうでもないんだよね、それは僕も思う。

たとえばさ仕事で議論をしていても「この人、自分の意見を通したいだけなのかな?それとも僕と一緒にいい仕事したいのかな?」と思うことがある。

一番やっかいな勝負ってのは「その勝負における勝利が明確になってない」ってことなんだよね。自分は相手を倒したいのか?それとも自分が生き延びたいのか? 場合によっては相手を倒さなくても自分が生き延びればそれは勝ち、ってこともあるだろうし。

この著者の言う「映画監督にとっての勝利」というのは非常に明快。つまり「次の映画が撮れること」 次の映画が撮れる限りいくら工業的に失敗しようが作品が駄作だろうが監督としては勝ちだ、と少なくともこの著者は言ってそして信じている。だから自分は勝っていると。

それが正しいかどうかわからない。「いくら偉そうなこと言ったって撮った映画が評価されなきゃ負けでしょ」という意見もあるかも知れない。でも撮れることが勝ちだ、と言っているこの著者はそれはそれで明快だな、と思うね。

じゃあ僕にとっての「勝利」とは何か?実は非常に明快。「死ぬときにパンツ一枚履いていれば勝ち」という明石家さんまの言葉どおり。ほんとにそう思ってるんだけど。

あとね、「一番いい勝ち方は不戦勝」とも思う。

もちろん誰かと戦わなきゃいけない時があるけど、人を負かすのって面倒だよ。恨まれるしさ。一時勝ったとしても人の恨みを買ったらいつかまた戦わなきゃいけなくなるしね。それよりも誰も行ってない山を見つけてそこに勝手に旗立てて「俺、勝った!」と言えるほうがいい。

どれだけでも巧くやれる

2010-04-24 00:56:18 | 仕事
どもーん、浅草の旅ガラスです。

なんかねー、仕事たっぷりあるんですわ。一気に量が増えたんで行かなきゃいけないところも増えたしかかってくる電話も増えた。これまた「北」が苗字につく人が多くてわけ分からなくなるんだよね。

こないだ「ハートロッカー」と「マイレージ・マイライフ」という映画を見て、どちらも僕にとっては「仕事観」を考える機会だったなぁ。

どちらも「決していい仕事じゃない、でもその仕事を出来るのは自分だけ」って話だったでしょ?

はっきり言うけど僕、仕事楽しいです。

そりゃもちろん面倒なこともあるしやなことも多いけどそれでも「あー、楽しいなぁ」と思ってやってます。

この年になると、ってのも嫌な言い方だけど、少なくとも「自分が何なら巧くやれるか?」ってことがおぼろげながら分かってくる。

たとえばマイケル・ジャクソンは歌うのと踊りが上手だった。

それと比べると申し訳ないけど僕も得意なことがあるんだよね。それで少なくともこの得意なことは今の仕事で出来ることなんですわ。

非常に限定された範囲だけど、僕がいまやってる仕事は少なくとも僕の会社では僕が一番巧く出来ると思ってる。

僕の仕事はマイケルと違って人を熱狂させるようなものじゃないし、よーくよく考えれば人を救ってるわけでも何かを作ってるわけでもない。だからそんなの巧く出来たところでなんになるの?と思えば思えるけど、それでも自分が一番巧く出来て社会とつながれるのはとりあえずこの仕事ですからね~。

そうやって腹くくっちゃうとねー、楽しいよ。

「苦手なことはそれなりにしか巧く出来るようにならないが、得意なことであれば人はいくらでも巧くやれるものである。」と言ったのは塩野七生だったか。

だから楽しくて仕事しちゃうわけです。

こないだ高校生の甥っ子に「仕事ってつまんない」って言う大人いるけどそれ聞いて仕事ってつまんないものなんだな、と思ったらダメだから!だって俺は仕事楽しいもん!」って説教しといた。

で、僕はONとOFF切り替える、ってのがあんまり好きじゃないから常にON。

ほら、よく言うじゃないですか、「仕事が終わったら自分の時間」とか。

それってさ「じゃあ仕事しているときは自分の時間じゃないんかい!?あなたは一日のかなり多くの時間を自分の時間じゃなく過ごしてるの?」って意地悪言いたくなるね。

僕は仕事してても遊ぶこと考えたりしてるし遊んでても(たまに)仕事のこと考えたりしてる。24時間自分の時間、大事な人のことを考えて過ごしたいからね~。

うらやますぃーーー

2010-04-19 22:38:06 | DVD、映画
最近ねー、映画ばっかり観てますわ。

もともと映画好きだったけど数年前に「なんだよ、どれも一緒じゃないか」と、もう食傷気味になってあんまり観てなかったんだよね。一年間に映画館に一度も行かない、という年だってあったと思う。観たとしても邦画を観たり。

洋画より邦画のほうが面白い、と思ってた時だってあった。最近の邦画はドラマのスピンオフ映画ばっかりで「ケッ!」と思ってますが。

今年の2月くらいから色々あって休日に結構暇なんでだらだらとDVDを観始めたんだけどいや~、やっぱり洋画の底力はすごい!

一説にはアメリカの不景気でハリウッドも空洞化した、と言われているけどいやいやいややっぱりすごいですよ。

で、先日見たのが「第9地区」。

はっきり言っときます。傑!作!で!す! 何も知らなくても楽しめます。ですから映画嫌いじゃない人はぜひすぐ映画館行って観てきてまたお越しください。予告編も観なくていい。むしろ観ないほうが楽しめるくらい。これ以降、僕は極力ネタばれしてないつもりだけどこれも読まずにまーっさらで観たほうが楽しめると思う。もう久々に「え?まだ観てないの?うらやますぃーーーー!これからめっちゃ楽しめるじゃん!」って思うもの。

とにかく騙されたと思って映画館へゴー!

映画『第9地区』予告編


はい、お帰りなさい。ね、面白かったでしょ?

話としては、南アフリカ、ヨハネスブルグ上空に巨大な宇宙船が現れてから20数年後、中に居たエイリアン(通称"エビ" 似てるから)は難民となりヨハネスブルグ第9地区に居住していた。

最初はドキュメンタリー調に描かれるんだけど、円盤が到着した映像には年月日も入ってる。円盤到着が1982年(たぶん)なので、この映画は正に今、現代、という設定。

エイリアンはたびたび人類と小競り合いを起こす。決して人類を倒そうというわけじゃなく、ゴミを漁ったり暴動したり、結果として火事を起こしたり。そもそもエイリアンの姿形が醜悪なので人類からは嫌われている。人類、特に第9地区付近に住む人間は「エイリアンを追い出せ」と言い出している。その追い出しを委託された民間企業の係員の男、ヴィカスが主人公。

これは本当に素晴らしい設定ね。もちろんヨハネスブルグということでアパルトヘイトも想像する。

冒頭にヴィカスが第9地区のエイリアンの家(というかバラック)を回り立ち退き合意書にサインさせるんだけど、ここはちょっとコメディ。

ここまで描き方が秀逸。

観ているほうとしては、「エイリアンか…」⇒「うわ、エイリアン最悪じゃん!出てけよ」⇒「いやいやでもヴィカスの立ち退かせ方もひどくないか…」っていう心境の変化がある。「ポップコーンみたいな音がするでしょ?」って笑顔で言われてもなぁ…。

素晴らしいのはこのヴィカス、という主人公が決して悪人ではなくいたってふつーのふつーのサラリーマンだってことなんだよな。

その後、ヴィカスが○○して○○○○○化し追われる立場になるんだけど、、、ここからは逃走逃走追走追走戦闘銃撃エビエビロボそして戦闘、のハイスピード&オンパレード。ここ面白かったねぇ。

でさ、やっぱり素晴らしいと思うのがこの映画が単なる「お話」じゃなくて、「うーんそれってやっぱ怖いなぁ」と身につまされることなんだよね。

もちろん人種問題とかもあるけど、たとえばさ、主人公が○○したのは業務中に変な○○を吸っちゃったからなんだけど、彼を狙う企業は「彼が○○○○○とS○Xしたから」、というデマを流すんだよね。彼は追われながらも妻に電話し「戻って君を抱きしめたい」と助けを求めるんだけど企業のデマを信じている妻は「抱きしめられたくない」と拒否する。

これってさー、浮気の疑いをかけられた男の「分かってくれない」という悲しみだよね。ほんとに浮気してたらそりゃ言い訳のしようがないけど浮気してないのにその疑いをかけられて奥さんにまったく信じてもらえなかったら悲しいよなぁ。

それから、主人公の左手が○○○○○化していくんだけど、これってすごく仮面ライダーをイメージした。仮面ライダーもさ、悪の組織に捕らえられて改造されて、そこから脱走して、その組織と戦う、って話でしょ?この主人公もひょんなことから左手があんなことになっちゃって…。うん、面白かったな。

誰か現代版本気のライダー映画作ってくれないかな。

こういうさ、なんていうの「異種族だと思ってたところに一人入ってみたらその異種族にもそれなりの理屈があることに気づき、その異種族側に立って戦う」っていう話はよくあるよね。「ダンス・ウィズ・ウルブス」もそうだし「アヴァター」もそう。言っちゃえば「ラスト・サムライ」だってそうなわけです。

でもさ、僕がそういうのに本質的に共感できないのは、それらの映画で描かれる主人公が「かっこよすぎでしょ!」って思うからなんだよね。

そりゃたとえば「アヴァター」だったら地球人は薄っぺらで自分のことしか考えてなくて一方ナヴィ族は自然を大事にして素晴らしい人たちですよ。その人たちのために、今まで自分が生まれ育った土地や同じ種族を捨てて、異種族の側に立つってのはそりゃ素晴らしいし真っ当だしカッコイイですわ。でもね、俺には出来ん! つーかみんなどうなの?出来るの? まぁ出来ないからかっこよくて映画になるんだろうけどさ。

一方、この「第9地区」の主人公は結局行動原理が「自分のため」ということだけだったから非常に感情移入できた。あんなんなったら誰だってそーする、俺だってそーする。ずっと自分のために行動して来たけど最後の最後に。。。(以下略)


色んな要素が詰まってて、深読みしようと思えばいくらでも出来る。だけどなーんにも知らなくてもじゅうぶん楽しめる。監督・脚本のニール・ブロムカンプって人は30歳でこれがほぼ長編デビュー作だって。こんな映画を作る才能がどんどん出てくるんですからやっぱりアメリカ映画の底力ったらすごいよ。

ところでドラマを見てなくても、原作本読んでなくても誰でも楽しめる最近の日本映画ってあるの?あったらおせーて、観るから。

崩壊じゃなくて別次元

2010-04-18 14:03:05 | 食べ物
いやーん、奥様見ました?こないだの「わが家の歴史」っていうドラマ。

面白かったですね~。

昭和感覚丸出しの僕にはたまらないドラマでした。リアルタイムで知っていることはさすがに少なかったけどそれでも面白かったなぁ。ドラマとしても面白かったしね。なんたって大泉洋が良かった。あとは高田純次かなぁ。そうだそうだ、空気読まない人の役の山本耕史が一番良かったんだ。個人的にはこの人が助演男優賞。

なんて話を会社の後輩(1983年生まれ)としてたんだけど、「あなたは若いからぴんと来なかったんじゃないの?」と聞いたら「いやいや福岡出身なんでどストライクでしたよ」とのこと。なるほどねぇ。

興味深かったのがお茶の間の風景。

よくさ、ホームドラマとかだと「なんでテーブルの3方向にしか人が座ってないの?」って話もある。ほら、サザエさんなんか思い浮かべてもらうとテーブルの3方向にしか人が座ってないじゃない。もちろんそれはテレビ的に4方向に座っちゃうと一人はカメラに背中を向けちゃうから、ということなんだけど、今回のドラマでは「いや、3方向で正しい!」と思った。

昔のうちはね(今もかもしれないけど)お茶の間にテレビがあったんだよ。4方向に座っちゃうと一人はテレビが見られない、だから3方向に座ってたんだね。

僕の実家だってそうだったし後輩の家もそうだったらしく「昔はそうだったよね~」と盛り上がってた。

で、お茶の間の話から子供の頃の食生活の話になった。

彼は結構きびしめな家庭だったらしく、冷凍食品、ジュース、お菓子は食べさせてもらえなかったらしい。で、子供の頃、そういうのが食べたくて食べたくて仕方なかった、とのこと。

うーん、まぁ気持ちはわかるなぁ。

僕の実家も小さいころはそういうのダメだったもん。コーラなんてあーた、「骨溶ける!」って言われてたからね。たまーにお歳暮とかでカルピスもらった時はうれしかったなぁ。

こういうのってさ、昔は「うちは厳しいなぁ」と思ってたんだけど今考えると「ああ、あれはありがたいことだったんだなぁ」と思うね。だってさ、夕食にしたって冷凍食品出してたほうが母親は楽だろうし、そりゃお菓子やジュース上げとけば子供は簡単に喜ぶだろうから手間はない。でも体のことを考えてあえてそうしてたんだろうなぁとこの年になってやっと分かりますよ。

日本の食卓が崩壊している、というのは知識としてなんとなく知ってはいたんです。でもこの本読んで「ああ、こりゃもう崩壊じゃなくて別次元だな」と思った。
家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇家族の勝手でしょ!写真274枚で見る食卓の喜劇
どうやら一般家庭の食卓の写真を撮ってもらい、それを集める、という調査をやってる会社があるらしいんだよね。その写真の中で特徴的なものをまとめたもの。

いやー、すごいわ。

たとえばこれ。ネットにあったこの本の写真がこれだけだったんだけど。

小さいお子さんのいる家庭の夕食の風景。総菜屋さんのお惣菜のパックまんま。

はっきり言いますけどね、こんなのまだマシですからね。

家族三人の夕食がマックのバリューセット3つということだってあるし、それだってまだ、まだ、えーっとギリッギリまだマシに感じる。朝食がうまい棒3本の食卓だってあるわけだから。

ほんとくらくらしてきますよ。

近年の色々な傾向をまとめてて、たとえば「素」料理が増えてきた、なんてことも書いてある。「素」料理はたとえば出し汁に冷凍うどんを入れただけの素うどんとかパックの焼きそば炒めただけの素焼きそばとか。それが夕食になっちゃったりする。

あと近年増えてるのが「ちぎり目玉焼き」だって。

朝食に目玉焼きを焼くけど家族の起きてくる時間がばらばらでいちいち焼くは面倒だから、4個とかまとめて焼いて食卓においておく。家族は起きたら自分で食べる分をちぎって食べる、と。

いや、あのですね、僕そういう食卓を非難しているわけじゃないんですよ。働くお母さんも増えたろうしそういうお母さんが毎日しっかり料理するって大変だろうし。そもそも僕の食生活だって褒められたものじゃないことは重々承知。

でもまぁ自分の母親はよくしてくれてたんだな、と改めて感謝してます、というだけ。

ほら、そろそろ母の日だしね。

とにかく母は偉大ですよ。

メモリとハードディスクともうひとつ

2010-04-17 12:26:50 | 日記
昔、人と話しててその人がこんなこと言ってた。

「僕ねー、瞬間的な思考は早いと思うんだけど記憶力はあんまり自信無いんだよね。まぁメモリはでかいけどハードディスクが小さい、みたいなもんです」

うん、これは言い得て妙だよね。

言うまでもないけどメモリというのはパソコンの処理速度の速さでハードディスクは記憶容量のこと。

それ以降僕はなんとなくそんなことを考えている。もちろん人間はパソコンじゃないからそんなデジタルな概念で言い表せるとは限らないけど、目安としてね。
僕個人はどっちかというとハードディスクで勝負してるほうだと思うんだよね。
って話を先日飲みながらしてたらある人からこう言われた。

「いや、showさんはハードディスクもメモリも大きいと思いますよ」


Oh!イッツ・b、いや違う、Oh!いいこといってくれるじゃな~い。…と思ってたら続きがあった。

「でもバッテリー少ないからすぐ電池切れますよね」

いや、ほんと巧いこと言うなぁ。

そうです、僕、バッテリー少ないから持久力は無い。仕事とかしててもすぐ電池切れて隣の後輩に「もう俺帰っていい?」とかすぐ聞くし。

人間関係ではね、そんなことないと思うんだけど。

ドッピオさんなんかもハードディスクでかい人だなぁ。昔の友人の誕生日とかかなり覚えてるし、毎回笑うけどヨーディッパディーの歌とか特攻野郎Aチームのナレーションだの三国志の台詞だのよく覚えてるもんな。

カローさんはメモリの人だなぁ。

天使の仕事

2010-04-15 20:27:20 | DVD、映画
先日、「マイレージ、マイライフ」という映画を見てきました。

ちなみに原題は『Up in the air(=宙に浮いてる)』

うーん、いい映画でしたね、僕にとっては。

主人公(ジョージ・クルーニー)は年間320日は出張するビジネスマン。40歳くらいの年齢設定だと思うけど恋人も家庭も持たず仕事ばっかりしている。決して悲壮なわけじゃなくて仕事で乗る飛行機や泊まるホテルなんかでしっかりマイレージを貯めることが生きがい。この映画の冒頭は主人公が出張道具をパッキングするところから始まる。キャリーケースにワイシャツ、下着、仕事道具なんかテキパキと詰め、キャリーケースをキュキュッと走らせ空港に向かってく。

この時点でね、「あー、僕みたいだなぁ」と思った。

僕も彼ほどじゃあないけど出張多いから。今月は予定では13泊する予定で、一時一番多い月は25日間ホテルに泊まってたこともある。

主人公の思想は「キャリーケースに入らないものは所有しない」ということ。

40歳くらいの設定だけど恋人も家庭も、家も何も所有しない。彼の家は飛行機の上とホテルのみ。どちらもマイルがたまってるので非常にいいクラスを取ってる。恋人は宿泊する高級ホテルのバーで適当にひっかけて、という感じ。(ここは僕と違う) 家も描かれるけど彼の家にはまったく生活感がなくなんだかモデルルームみたい。飛行機の中で「お住まいは?」と聞かれたときも自嘲気味に「ここです」と答える。

所有しないこと、が信条の彼が女性と恋に落ち、家庭を所有しようかと考えるけど…というのがストーリー。

ここまでだと、まぁよくある話、と思うかも知れない。

でもこの映画を深くしているのが主人公の職業。彼の職業はなんと「リストラ代行人」。どうやらアメリカにはこういう仕事があるみたいです。リストラしようとする人に対して「あなたは首です」というのは誰しも辛いもの、ならば外注してしまえ、と各企業は主人公の会社にリストラ代行を依頼する。主人公はその依頼を受けてアメリカ中を飛び回りその会社の人と会い「あなたは首です」と伝える、、、職業。

いやー、すごい商売ですなぁ。

面白かったけど笑えなかったのがさ、最初のほうに主人公の会社の社長がこう言う。

「不景気はこれからもどんどん進むぞ。1万人単位がリストラされる。わが社にとっては最高のビジネスチャンスだ!

オイオイ。。。

これね、見終わったあと映画評論家町山智浩氏の話を聞いたんだけど、主人公は「死の天使」のメタファーだそうです。「死の天使」と言うのは天から降りてきて死にゆく人に「あなたは死にます、でも心配しなくていいんだよ」と伝える天使。

うーん、なるほどねぇ。

だから主人公はずっと飛行機に乗ってる。そして地上に降りてきたら人々に「死(≒リストラ)」を告げる。映画の中では「でも心配はありません。以後のことはこのパンフレットに書いてあります」とパンフレットを渡す。(このパンフレットはよく分からないけど多分転職かなんかの案内かな)

そう言われてみれば近いね。

そうなるとさ、映画の途中で恋に落ちるのは、よくある「人に恋に落ちてしまった天使」ということか。

あー、なるほど。だから僕は「この映画いいなぁ」と思ったんだね。「ベルリン・天使の詩」とか「天使は瞳をとじて」とか天使モノ好きだからね。

天使モノ見ていて思うのが、非常に僭越だけど「あぁ、僕の生きる道はこうなのかも知れないな」ってことなんだよね。

辛い人や悲しんでいる人の隣に立って、姿を見えなくても人の肩に手を乗せればその人の悲しみを癒すことが出来る、そういう存在になりたいと、思っているんです、僕、実は。

『ベルリン・天使の詩』

0:50あたりで男の肩を抱くのが(この作品においての)天使。天使は人の目には見えないけどなんか気配を人は感じる。

今の仕事もね、キャリーケースをゴロゴロ転がして飛行機はあんまり多くないけど新幹線だの特急だのに乗ってお客さんのところに行き、何かしら役に立つことをして帰ってくる、という仕事(えーっと役立ってるよな、多分)。だから非常にこの映画の主人公の気持ち分かりましたよ。

人からは「そんなに出張多い仕事なんてありえない。結婚したらどうするの?」とか言われることもある。もちろんそうなったらちゃんと考えようかな、という気持ちもが無いわけじゃないけどでも今は「そうだね~確かにちょっと普通の仕事じゃないかもね~。でもね、これが俺の仕事なんだよ」と言うしかない。

いやま、たまにぐだぐだ仕事を愚痴るけどね、ビールでも飲みながら。

「主人公は死の天使のメタファー」言う話と新入社員役のアナ・ケンドリックという人が可愛かった、の2つを前情報としてお持ち頂きご覧いただけると楽しめると思いますよ。もうやってる映画館あんまり無いと思いますんでDVDになるかも知れませんが。

みんな違って、みんな同じ。そこがいい!

2010-04-13 02:20:00 | 日記
ということで大阪の万博記念公園をぷらぷら歩いていたら「国立民族学博物館」という建物を見つけました。

(ちなみにこの時点で桜の写真撮りすぎて携帯カメラの充電無くなったので写真ないです)

大変申し訳ないけど僕はこんな建物があること自体知らなかったし、それがこの万博記念公園にあることも知らなかった。

民族学、というのは僕あんまり知識が無い。どちらかと言うと民俗学のほうが好き。

関係ないけど民族学と民俗学って紛らわしいよね。ちょっと英語分かる人には「みんぞくがくが好きです、フォークロアのほう」って説明するけど日本語だと説明が「みんぞくがくが好きです、風俗の俗のほう」って説明しないといけない。風俗って言うとね、ちょっとエッチな想像されちゃうと困るし。

それでもやっぱり各地の風習とか文化とかって好きだしさー、と思ってまるで光に誘われる蛾のように国立民俗学博物館にふらふらと入ってみました。

あのね、機会があったら是非ここ行かれるといいですよ。

世界各地方(オセアニアやヨーロッパ、もちろんアジアは中央アジア、東南アジアなど)の様々な風習が展示されてる。

そうやって一民族ではなく色んな地方のものが総花的に展示されていると当然それぞれを比較できて、これがまた面白いんだよね。

アイキャッチとして入り口に「似てる?似てない?」と4つくらいの地方の仮面が置いてある。日本の獅子舞とバリのバロン(神の犬とされている)の面とか。それを見ると「あー、似てるなぁ」と思うんだよね。もちろん日本の獅子舞とバリのバロンは地域が近いからルーツが一緒、という話もあるかも知れないけど。

で、ぐるぐると色々な地方の色々なもの(いや、もうほんと色々、ばっかりで申し訳ないんだけど本当に色々あるのよ!神像だの悪魔の像はもちろん昔の服装だの最近の看板だの)を見てるとまず思うのは、「あー、色々な人がいるもんだなぁ」と思う。

たとえば帽子ひとつにしても地域によって違う。それは気候や風土が違うからそれにあわせて考えられてる。

そして全部観終わった後に「でも結局一緒だよなぁ」とも思う。

たとえば各地域の伝説に基づいた神の姿だってまぁまぁ根本は一緒、という感じもする。各地域で「聖」は太陽や犬のイメージが多いし、一方「魔」や「邪」となると女性に大変失礼で申し訳ないけど、女性や猫のイメージが多い。一神教の地域と多神教の地域は多少違うかな、と思うけど。

ほんと展示物ぐるっと見ると「なんか民族同士の争いなんて意味ないよなぁ」とずいぶんと平和的な考えになってくる。こういうものが「人類の進歩と調和」をテーマにした万博がかって開催された土地にある、というのは大変素晴らしい。

更にこれだけたっぷりと(いやもうホント何から何までたっぷりあるのよ)楽しいのがなんとなく写真や映像で知っていたものを前からうしろからじっくりと見ることが出来て楽しめる、ということ。

たとえばバリの魔女ランダなんて僕はよく知ってるつもりでいたけど実物をぐるりと見てみると新たな発見があった。

これが魔女ランダ。

ランダは聖獣バロンと未来永劫に渡り善悪の戦いをする、とバリの神話では言われています。個人的にバロンとランダはすごく好き。子供の頃に仮面を見て「うわ!かっこいー」と思ったんだよね。いつか世界のこういう仮面を集めたいなぁと思ってたけどそんなコレクターになったら本当に切りが無いんで我慢してる。

で、このランダ、この写真で見えるかどうかわからないんだけど爪がすごい伸びてる。当然、扮装だから着け爪なんだけど、伸びた白髪、着け爪、とちょっと昔流行った「やまんばギャル」を思い出しましたね。こういう女性像がバリでは悪魔の化身だった、というのは非常に興味深い。

トーテムポールにしてもさ、ゆっくりうしろから眺めると「あー、カラスが彫られてるなぁ。そう言えば神武天皇の道案内したのもヤタガラスだよなぁ。なんかルーツがあるのかなぁ」なんて色々な想像が出来る。

とにかく大阪の少年少女たちはこんな近くに世界一周感覚を味わえる施設があって幸せだよね。はっきり言うけど学校でつまらない授業(もしつまらないなら、ね)なんて聞いてるよりここに入り浸ったほうがよっぽど世界のことが分かるような気がする。もし僕が今10歳だったら毎週ここに通うよ。

たぶんね、10歳くらいの人にとってはトラウマになりかねない展示もある。悪魔の像とかって怖いじゃん。でもそれでいいと思うんだよね。世の中には人が想像した良くわからない邪がある、ってことが分かるし。

それから入り口で「言語展示コーナーが新しくなりました!」って書いてあって在野の言語学者(自称)の僕としては嬉々として見に行ったんだけどちょっと幼い感じで期待通りではなかったな。こういうの子供向けにライトに展示する傾向があるけど僕は反対。子供にこそもっとヘヴィに展示するべきだと思う。だって子供ってそういうのちゃんと分かるもん。同時に新しくなったらしい「音楽展示」は非常にヘヴィでよかったよ。笛、特にチャルメラだけでも何十本あるのよ!ってくらいたくさんあったし、それぞれの楽器の前のモニターでそれらの音が聞ける。ギターはフェンダー(かな?知識がなくて良くわからないんだけど)なんかもあった。ギターマニアにはたまらないだろうね。

予定外に偶然行ったんで時間もあんまり無くて見切れなかったのが残念。後で知ったんだけど世界各地の三猿、まぁつまり「みざる、いわざる、きかざる」のコレクションがあったらしいんだけど見逃したなぁ。僕も知らなかったけど「三猿」って世界各地にあってしかもルーツがまだ未解明なんだってさ。

それ以外にも時間の関係で見逃したものや見足りなかったものがたっぷりあって是非次回は一日かけて回りたいとおもっちょります。それとね、隣にこれまた「日本民藝博物館」があってこっちも見たかったー、あーもう見たかったぁ。ほんと悔やまれる。

太陽の塔もいいし、もちろん桜も素晴らしいんだけどこの民族学博物館、おすすめです。個人的には僕は大阪で一番のおすすめスポットだと思う。

いやー、世界って楽しいなぁ♪

人類の進歩と調和

2010-04-12 01:14:15 | 日記
あー、どうも。大阪連泊6日目?7日目?自分でもよくわかんなくなってきております。

先日『マイレージ、マイライフ』という映画観まして。年間320日くらい出張しているビジネスマンの話なんですが、ひじょーーに身につまされるというか共感しました。ま、いい映画でしたよ。

日頃の出張であれば週末は普通自宅に戻って洗濯だのなんだのをするわけですが今回は土曜も月曜も仕事だったので、「あー、もういいや」と日曜も大阪のホテルにおります。

ありがたいことにこっちはこの週末が桜のピーク。

これなんかも大阪のなんの変哲も無い道の桜なんだけどきれいだわー。

と言うわけで休日はえーい、と花見をしてきました。東京じゃタイミング逃して出来なかったからね。

まず土曜の午後は大阪城公園にて。道をちょっと入ると桜独り占め出来ていいですよ。

写真撮り忘れたんで小ねたを。

ビニール袋を爪楊枝で縫い合わせると簡易なシートになります。花見関係な

ほんで、日曜が本番。万博記念公園。

ここねー、今まで来たことがなかったんだけど一度来て見たかったんだよね。なによりも岡本太郎の傑作「太陽の塔」を見てみたかった。

つーことでどどん!

うわ!うわ!萌えー萌えー(使い方正しい?つーかこの言葉まだあるの?) 駅から普通に見えるモノレールの線路と太陽の塔、というこのシュールさ。すごいなぁ。


いいわいいわー♪

ちなみに皆さんご存知でした?太陽の塔は前側の下の顔が「現在」、上の顔が「未来」そして、裏に「過去」の顔がある、って言うこと。

こちらが裏面。桜かぶっちゃってるけどね。

この太陽の塔と桜を見ながらビール。うーん、ハッピー♪

その後ほろ酔いで万博記念公園をてくてく歩いていたら僕のハートにジャストミートな建物を見つけてそれがまた最高に興味深かったんだけどその話は次回まとめて。

あなたに魅せたかったのはこの桜です。

「人は分からないことがあったときにまず何をするか知ってるか?」

2010-04-10 00:35:03 | 日記
先日、大阪で久々の後輩と酒を飲みました。その後輩というのは東京に居た頃は同じ仕事でよく飲んでたけど大阪に転勤になってからはまぁたまに顔あわせて「よう!最近どう?」と聞くくらい。

その後輩から大層怖い、いや興味深い恋愛話を聞いたので今日はその話。

その後輩というのはかなりいい国立大学を出てるし、仕事も(まぁ)一部上場企業だしいい人間だし、という人なんで簡単に言うといい人なんですよね。

でも僕がその人と知り合ってから(2年くらいかな)その人に彼女が居たという話を聞いたことない。

27、8の人なんで毎回「あのね、あなたね、一時期くらい恋に狂う時期があってもいいと思うよ」と(余計な)世話を焼いてたわけです。

で、以下はその後輩と僕の会話の再現でどうぞ。微妙に固有名詞は変えてます。

「ちょっと前にちょっといい感じの人が出来たんですよ」

「いいねいいねぇ、そういう話聞きたい。社内の人?」

「いや、僕が普通に町を歩いていたら大学時代の友達と久しぶりに会いまして。『おお、久しぶり!』みたいな感じで。で、立ち話しながら話聞いてたら彼は文科省だかどっかに勤めてるらしくて」

「さすがいい大学でてるねー」

「いやそんなこと無いんですけど。で、立ち話もなんなんで酒でも、という話になって飲みに行ったんですよ。飲みながらやっぱり年も年なんで結婚の話になって『彼女いるの?』って聞かれたんですね。僕がいないと答えたら『ああ、じゃあいい人居るんで紹介するよー』って言われたんですよ。最初は断ったんですけどまぁせっかくなんで、ということでじゃあ僕のメールをその人に教えてもいいよ、って言ったんですね」

「なんだよ、いい話じゃな~い。で、メール来たの?」

「ええ、来たんですよ。メールやり取りしてたら年齢も近いし家も近い、みたいな感じで、じゃあ一度会いましょうか、って話になったんですね。で、待ち合わせして会ったんですよ」

「いいじゃーん。で、どう?ぶっちゃけ可愛かった?」

「ええ、普通に可愛かったですね。で、じゃあご飯でも、となってご飯食べに行ってそれなりに盛り上がってじゃあ次は映画でも見に行こうか、って話になって」

「うんうん、それで」

「映画は観に行ったんですが、でも、どうもなんか違うなーとは思ってたんで、付き合うのはちょっとなー、と思って次回はちゃんと言わなきゃな、と思ったんです」

「あー、それは正しいね。『ノルウェイの森』でも『3回目のデートからは責任が伴う』って書いてあったし」

「そうなんですよ。その間、メールのやり取りはしてるんですけどどうもその子は先走るというか完全に僕を彼氏だと思ってるみたいで。これはちゃんと言わないとと思ってその次は昼間に会ったんです。それで『俺は付き合う気はないから』と言ったんです」

「うーん、それは気持ちは分かるけど『ひどい!』とかいう話にならないの?」

「いや、なりましたよ、その子は『なんで!?どうして?』って感じで。僕はいや、友達としてしか観られない、とか言ったんです。そしたら彼女が『どうして??私が上戸彩に似てないから?』って言ってきたんですよ。それ聞いて僕もえ??って感じで」

「え?どういうこと?」

「いや、ほんと意味わかんないんですよ。でも『どうして!?私が上戸彩に似てないからダメなの?』って言うんですよ」

「え??なに上戸彩って?君、上戸彩好きだったっけ?」

「いや、そうでもないんですけど。しかもその子と話してるとき上戸彩の話なんて一切してないんですよ。で、僕が『上戸彩って何のこと?』って聞いたんですね。そしたら彼女が『私、あなたのことネットで検索したの』って言うんですよ」

「あ~」

「で、確かに僕の名前で検索するとトップに出てくるのは大学時代のサッカー部のサイトなんですね。まだ残ってるみたいで。大学の時に名前とポジションと趣味、とか書いてあって好きなタイプも書いてあるんです。言われて見ると大学時代、それを作るからなんか書いて、って言われて好きなタイプ、ってあったんで別に好きでもなかったんですけど強いて言えば、、上戸彩、って書いたんですよ。それをどうやらその子は見たらしくて」

「うわ~それはなんか怖いねぇ」

「そうですよね。なのでとりあえず『付き合う気はない』ということで終わってそれから連絡取ってないんですけどね」





…という話。

なんかさー、昔好きだった人の名前とかgoogleで検索してみる、とかって言う話はどこかで見た覚えがあるけど、付き合おうとしている人の名前検索してみる、ってのはちょっと怖い話だよね。逆に考えるとその人の名前で変なデマとかのサイト作っといてその人の評判落とさせる、ってことも可能と言えば可能な時代になったのかもね。

そういう恐怖を描いたのが伊坂幸太郎の「モダンタイムス」だったわけだけど、その中で、ある登場人物が言う台詞。

「人は分からないことがあったときまず何をするか知ってるか?…検索だよ」

うーん、正にそのとおりの時代になっちゃいましたね。

この後輩の話、スティーブン・キングあたりだったら結構いいモダンホラーにしてくれそうな感じがするな。

大阪でノリノリ

2010-04-09 00:07:49 | 食べ物
出張で大阪に7日間いることになってます。ホテル暮らし。

この時期大阪近辺回ってて思うんですが、特に京都は、、美しいね!

茨城と言う北関東の田舎で育ったからか「京都」と聞いただけで「は~いいですな~」と思う。

多分、昔の江戸時代とか幕末の人々もそうだったんじゃないのかね?

とにかく今の時期は本当に美しい。

京都の人に話を聞くとどうやら京都の桜というのは少しずつ種別が違うようでばらばらと咲き出すらしい。そのおかげで散るのもばらばらで結果として長く持つ、と。

なんで、もう4月8日だけど車窓から見える桜がきれいきれい。

車窓から見える桜のピンク、植物の緑、そして空の青は本当にいくら見ていても飽きませんよ。

写真に撮ろうかな、と思うんだけど撮れば撮るほど「違う!こんなんじゃないんだ!」と生の美しさとの落差に愕然としますよね。


これもねー、奈良の桜なんだけど生で見ると「はっ」と息を飲むくらいにきれいなんだけど写真では伝わりませんね。


関係ないけどラーメンの話していいっすか?

関西、特に大阪ってどうも「サービス精神旺盛」のような気がする。

たとえば立ち食いそばに入っても絶対テーブルに「ご自由にどうぞ」という感じで揚げ玉取り放題になってますよね?

関東だと素うどんに揚げ玉入れただけで「ハイカラうどん」となってちょっと高いわけだけど。

で、今日行ったラーメン屋は更にグレードアップ。

なんと海苔食べ放題。

見えるかな?テーブルに瓶があってそこに海苔が入ってる。

ぼかぁねー、ここ最近なんたってラーメンのスープが染みた海苔が大好きでねー。たいそう喜びましたよ。

つーことで今日後輩から聞いた大層怖い現代の恋愛話はまた今度。

きれいなお姉さん?好きですよそりゃ!

2010-04-06 00:08:29 | 日記
あ、なんか妹の結婚へのお祝いメッセージ各方面からありがとうございます。

中村勘太郎と香里奈(下の妹が似てる)のカップルも喜んでると思います。

ところで、エメさんの日記コメ見てて思ったんですが、そうそう僕、「お姉さん」が欲しかったんですよね~。

実際お姉さんを持ってる友達に聞くと「そんないいもんじゃないよ」って言うけどさ。(僕だって「俺、妹欲しかったんだよね」と言われたら同じように答える)

でもさー、自分、妹、妹、という兄妹構成だと永遠にお姉さんって持てないんだよね。

妹のだんなさんは義理の弟だし、もし自分より年上であれば実際には兄みたいなものだけど、お姉さんはどう考えても無理。

妹や弟が欲しい、ってのであれば小さい頃であれば両親にお願いすれば持てたかも知れないけどね。

そういう意味で「きれいなお姉さんは好きですか?」ってCMが流行った頃は「好きッす!」と拳を握ったものです。

そう考えると、今まで付き合ったり好きになった人もそんなに年下の人っていないんだよなぁ。

年上が多いってわけじゃないけど三つ下、とかが多いかな。そのくらいが一番楽。いや、楽だから恋に落ちるわけじゃないんだけど。

若すぎる人って逆に緊張しちゃう。

つーことでAKB48とかどうでもいいですよ、ぼかぁ、って感じ。あ、きれいなお姉さんならりょうがいいっすね。

つーことで明日から来週の火曜まで大阪出張。

はい、食べ過ぎないように気をつけます。




たぶん。

極力。

少しは。

マイ・シスターズ・ウェディング

2010-04-05 01:06:58 | 日記
…なんてタイトルでロマンティック・コメディー映画なんかありそうだよね。マシュー・ペリーが出てる感じの。

まぁ、妹が結婚します、って話なんだけどさ。

僕は3人兄妹で妹が二人。で、真ん中の妹が…、と話出すとたいてい「え?妹が3人いるの?」って言われて「だから!妹は二人だってば!」と怒る、という話は同じ兄妹構成のドッピオさんと何百回も話してる。

どうも「上の妹」って言うと僕より上、って感じがしてじゃあ妹じゃないじゃん、と思っちゃうんだよなぁ。

ま、とにかく真ん中の妹のほうはもう結婚して10年近く。下の妹は彼氏と付き合ってる、と聞いてからもう5、6年経ってるんじゃないかな?

いいかげん僕も含めて家族は「まだ結婚しないの?」ともいい飽きた最近だったんだけど、日曜に突然、その妹から電話が来て「今、二人で実家に来てるんだけど結婚認められたんで」とのこと。

別に両親が反対していたわけでもないけどまぁ筋を通した、ということでしょうね。

兄としてはおめでたいこってす。特に淋しいとも思わないしね。

考えてみると一月前くらいに僕、初めて妹の彼氏に会ってるんです。

東京に両親が来るんで飯でもということになって、妹に連絡したらちょうど彼氏も仕事休みなんで一緒に、とご飯食べたんだよね。

初めて会ったんだけどこの彼氏がまず男前なのよ。

あのね、歌舞伎役者の中村勘太郎に似てる。

礼儀も正しいしさー。いや、こんな兄が先に一杯始めてて初対面で「あ、どうもー」って言ってるからおびえてたってことはないよね??

とにかくまあーこの日の食事が僕の家族としての(特に父母の)真骨頂と言う感じでとにかく面白かった。

母がイタリアンがいい、というので上野の一回だけ行った事あるイタリアンに行ったんだけど、乾杯から30分でシェフが出てきてお礼言われたからね。「いやーこれだけ頼んでいただけると気持ちいいです!」と。

どんな客やねん(笑)

母はまったく酒を飲まないし妹もそんなに飲まないので二人が中心となってとにかくバンバン頼む。ファーストオーダーで既にテーブル上は目隠しフォーク状態(=目隠しして適当にフォークをテーブルに指しても何か食べ物があたる状態)。

僕と父は酒を飲むけどなんと二人でワイン3本。あとで聞いたら父は帰り道の記憶がないそうです。どんな59歳やねん。

彼氏は車で来ていたのでノンアルコール。

飲む!食う!喋る!喋る!誰も人の話を聞かない!というカオス状態に巻き込まれるシラフの彼氏さんは大丈夫かなー?と思って「大丈夫ですか?」と聞いたら「いや、妹さんで慣れてます」、えらい!!

こういう風に一家に一人他人が入ると本当に僕の家族と言うのは「自分の話しかしないなぁー」と心の底から反省する。彼氏に話振ってどう答えても「あー、俺はねー」「でも私はさー」で自分の話だもの。心の底から激しく反省しますね。

彼氏は彼氏で大変だろうけどまぁ5年近く付き合ってからの結婚なんで大丈夫だろうけどね。

ちなみに妹、妊娠はしていないそうです。(最近、芸能人の結婚ニュースとかで絶対この話出るよね?) 一応、うちの家は出来ちゃった結婚と離婚は家訓で禁じられてますので。

ま、とにかくおめでたい話です。

おもしろうてやがてかなしき

2010-04-03 15:28:58 | 
いやー、ドッピオさんとの話は面白かったなぁ。

ドッピオさんも書いてますけど、昨日4時間くらい飲んでた会話の内容はこんな感じ。

「アメリカ映画→日本人にとっての母親父親観とは→天皇制と歴史解釈について→店員かわいい→痴女→右側通行→GW旅行案」

いやもうなにがなんだかどうでもいいですね。もし隣に一般人がいて我々の話を聞いてたらほんとこいつらどうでもいいな、と思ったことだと思います。

一軒目の店で話していた内容は前半、映画論が多かったような気がする。「ダークナイトのジョーカーはかっこいいし、本質的にバットマンとジョーカーは同じ存在だ」とか「スター・ウォーズにおけるヨーロッパ人の父殺しと楢山節考における日本人の姥捨てから考える比較文化論」とかね。酒さえ飲んでなければ論文が一本書ける内容でしたけどそもそも酒飲んでないとこんな話しないわけだから堂々巡り。

最近、僕が話す内容の元ネタは結構、町山智浩という映画評論家の本なんかから新しく知った知識が多いです。

著者の町山智浩という人は最近僕が好きな映画批評家。この人の映画批評は圧倒的な映画知識に裏づけされていて、しかもその知識というのがほとんどゾンビだのスラッシャーだの「B級、むしろZ級」という特異な人で聞いていて面白い。

その人のことを知らずに読んだのが「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」だったんだけど、これまた面白かった。

で、続編が出てたんだけどこれまた面白い。
アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲 (SHUEISHA PB SERIES)アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲

どういう本かと言うとカリフォルニア在住の著者の目から見た現代アメリカ。しかも単なるアメリカではなくてかなり変な、かなりおバカなアメリカ。今回はスポーツ中心に。

どのくらいおバカかと言いますと…

・筋肉神話を妄信し、ステロイドを使いまくる一般人。その数なんと約30万!

・自分の娘をチアリーダーにさせたくて朝から晩まで練習させる母。なれるなれないでライバルの母を殺す事件まで起きてる。→ちなみにチアリーダーになれたとしてもキャリアのトップはアメフトチームのチアリーダー。30歳で引退させられるが娘のその後の将来については何も考えてない。

などなど。

「アメ半(=アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らないの略、長いんだもの)」もそうだったけど読んでると最初は「バッカだなー」と笑える。

誤解の無いように言っておくと僕は決してアメリカだけをバッカだなー、と思ってるわけじゃない。そりゃ日本だってある側面ではバッカなところもある、そりゃもちろん中国だってイギリスだってそうだろう。国なんて結局は人間の集まりで一人の人間だって素晴らしいところとおバカなところがあるから愛しいわけでね。

ただこの本を読んでいると、そんなバカな国が(一応)世界一の国と思われてたり、(事実上)世界通貨を握っていたり、ましてや「世界の警察」を自称していたりするこの世界のことを考えてしまって、少し空恐ろしく思えてくる。

おもしろうてやがてかなしき、というのはこういうことです。