浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

給料の上げ方

2011-05-30 22:57:14 | 仕事
昔、かなり尊敬している上司に酒の席で「どうやったら給料上がりますか?」と聞いたことがある。

僕の仕事と言うのは、年功序列で年々上がっていくという側面よりも自分の出した成果で結構変わったりする側面が大きいから。

その上司は非常に明快に答えてくれた。

曰く、

「方法は2つある。」

(こういう言い方ってドキドキするよね。だから僕も真似してすぐに「それは3つあってね」とか言い出す。で、言ってから2つ目と3つ目を考える)


「1つの方法はどこからどう見ても誰も文句が付けられないような圧倒的な成果を出すこと。普通の成果だと『あいつ、成果出してるけど嫌な奴だよ』なんて言われて残念ながら給料が上がらない場合もあるけど、そんなこと言われないような圧倒的な成果を出すこと。それが難しければ、、、」

僕「ええ、それが難しければ、どうすればいいでしょう?」

「あとは運だ。努力しててもチームが調子悪くて給料上がらないことはあるし、何にもしてないのに会社が調子良くて上がることもある。」


うん、非常に夢も希望も無い言葉だけど、これが現実だよね。

(この上司の言うことは常に『現実』で、だからこそ僕は尊敬しているわけだけど)

『圧倒的な成果、あるいは運』、これは僕はそのとおりだと思っている。

(はっきり言ってしまえば給料に限らず「年収」だってそうだと思うしね。「年収10倍アップ術」とかどうもね、僕は。。。「年収1.2倍アップ術」って本がもしあったらちょっと興味あるね。)

だけど、この年になってくると『運』というものについて少し考えが変わってくる。


よく「最後の最後は運だよ」という言葉を聞く。

それは僕だってその通りだと思う。すべての物事はその原則が通じるだろうね。仕事にしてもそう、恋愛にしてもそう。大きく言えば人の生死だって最後の最後は『運』だろう。

でもね、それは逆に言うと『最後の最後以外は運じゃない』ってことなんだろうと僕は思っている。

たとえばギャンブルとかゲームで考えると分かりやすい。僕はあまり麻雀を知らないんで、まぁポーカーで考えようか。

自分がどんなにいい手でいようと相手がどんな手をしているかは分からない。こっちがワンペア(弱い)でも勝つことはあるし、こっちがストレートフラッシュ(強い)でも負けることはある。

(この場合、ロイヤルストレートフラッシュが『圧倒的な成果』と言える)

結局のところポーカーなんて「最後は最後は運」だと言える。

でもじゃあ「結局運なんだから考えても無駄だよ」と思って適当に引いて適当に捨てて適当に勝負していたら、、、勝てるものも勝てないと思う。

最後以外は運では無く実力だ、ととらえて努力すれば何か次に繋がることはあるかも知れない。


と、言う風に仕事であれ何であれ、「最後は運なんだから努力しても無駄だよ」と言う人と「最後以外は運だ、じゃあ、そこまでは努力しよう」と言う人ではたとえ最後の運で巧くいかなかったとしても次の結果が変わってくると思うんだよね。

というかそう考えていないとやってらんないじゃないですか(笑)。

そう思って努力できる人になりたいなぁ、と思ってるけどなかなか難しいものはあるんだけどね、もちろん。


で、更に言うとその『運の転がし方』と言うのも少なくとも仕事については僕は分かりつつある。

つまり『どうすれば運が自分に転がってきやすいのか』。あくまで仕事上の話ではあるけれど。

その話はまた今度。

Radio GAGA

2011-05-29 21:48:42 | 日記
最近、よくラジオを聴いている。

僕の部屋にはテレビが無い(アンテナをつないでない)のでふと本を読んでいる時とか暇なときにはね。

ふと考えて面白いのがうちには「ラジオ」という機械は無いんだよね。つまりFMだのAMだのを受信する機械が無い。じゃあ何でラジオを聴いているかと言うとパソコンかiPhone。いまはradiko.jpというやつで聞けるからね。

とにもかくにもインターネットの時代になってネットとの融合を巧く成し遂げているのはだんぜんテレビよりもラジオだと思う。

PodcastとSNS(代表的なのはTwitter)をくっつけることによってラジオの楽しさというのは一気に広がった。

Podcastなんてほんと便利だしねー。聞きたいラジオ番組のやってる時間にラジオが聞けないとしてもpodcastに登録しておけばほぼ自動的にパソコンやiPhoneで聞ける。気になるラジオはだいたい登録している。

これなんてね、勉強したい人なんかにとってはすごく便利な仕組みだと思う。一時期、簿記を勉強していた時は簿記のpodcastを登録しておいた。そうすると暇なとき(移動中)とかに聞けるしね。

もちろんiPhoneには自分の入れた曲が入っている(ああ、なんとまぁ1700曲も。時間にすると7日分だって)。それでもやっぱり飽きるんだよねぇ。

そしてラジオを聴きながらTwitterを見てるとさらにいろいろ知識が広がる。ちょっと疑問に思ったことなんかもそこに書くとすぐ回答がある。

もちろんPodcastは動画の配信もあるわけだけどやっぱり動画って「視覚」を使わなくてはいけないのでちょっと面倒なんだよね。少なくともジョギングしながらは見られない(危ないよ)。

新聞もそうだけどラジオはまだまだ寿命が長いと思う。

最近、朝型生活に挑戦中で、1時間早く会社に行くようにしている。そのために持ってきやすい朝食、だいたいサンドウィッチを作りタンブラーにコーヒーを入れる。その間、ずっとラジオを聴いている。何時か、ということが目をやらなくても分かるから便利。
で、会社に行って誰もいないオフィスで新聞を読みながら朝食を食べている、このときも耳は暇だからラジオ。

うーん2011年の生活がこんなものだなんてなかなか想像出来なかったよね。

たぶんフレディ・マーキュリーだって想像しなかった。
Queen - Radio Ga Ga (HQ) (Live At Wembley 86)

しんぶんぶん

2011-05-27 20:20:38 | 
僕は新聞を読まない。

…と、もし10年前に言っていたらもしかするとかなりバカにされたかも知れない。

その頃はまだまだネットの力が弱くて、やっぱり「ニュースソース」としての新聞の価値が非常に高かったから。

でもあるときから僕は「こんなの、ネットのほうが早いじゃん」と思うようになったんだよね。そもそも新聞という「形」ってすごく不便なんだもの。大きいしすぐバラバラになる。文庫本くらいの大きさだったらもっといいのにね。あと毎日のことなので古新聞がすぐ貯まってしまう。

数年前だけどこんな出来事があったんです。

喫茶店がどこかでコーヒーを飲みながらふと隣を見るとお客さんが新聞を広げている。スポーツ新聞だったと思うんだけど。その見出しが目に入った。芸能欄だったと思うんだけど。
で、そこにニュースが書いてある。
そこで、ふと僕は携帯でニュースをチェックしていたら「今朝、○○新聞で報じられた××というニュースは誤報だと判明」というニュースが流れていたんだよね。

その出来事で「ああ、新聞というメディアはなんて不便なんだろう」と痛感してしまったんだよね。そこから完全に新聞をあきらめてた。

でも最近、ふと思うことがあって新聞を改めて購読することにした。まぁ基本的に天邪鬼、ということが大きいんだけどね。

何よりやっぱり新聞の価値というのは『面積』ということだと思う。

つまり一面をぱっと見ただけで「どのニュースが大事なニュースなのか」ということがその「面積」で分かること。これは新聞(というか”紙”)ならではのことだよね。

それから『興味の無いことを読める』ということも新聞の利点。

僕は各種新聞やその他ニュースサイトをRSSリーダーに登録して見出しで読めるように設定しているから、とにかく多くのニュースから自分の関心のあるニュースにすぐアクセスできるという点では非常に便利。
一方、新聞を読む、ってなるとほとんど僕には興味が無いことばかり。それでもざっと読んでいると読んだ結果、「へー」と思うこともある。

たとえばこないだ「琵琶法師」の記事があってね。若い方なんだけど琵琶の音色と共に語られる平家物語が好きで自分でもやるようになった、と。

もしこれが見出しでRSSリーダーにぱっと出てたら特に気にも留めないけど新聞で大きな面積が使われているとやっぱり読んじゃう。そして「そうか、ちょっと琵琶の音色なんて聞いてみたいな」と思ってyoutubeで探してみたり、「そうか、来年の大河ドラマは『平家物語』なんだ」なんてどうでもいいような、それでも自分の興味が広がってく感じがする。

この、紙の新聞、って絶滅が危惧されて既にかなりの時間が経ったけど、まだまだ寿命は長い気がします、たぶんおそらく。

君をLook

2011-05-25 20:38:24 | 音楽
洋楽勝手に翻訳シリーズその2。

ナット・キング・コールの「L-O-V-E」。


いい曲だよね、ほほえましくて。

この曲って言うと思い出すのは映画、「スウィング・ガールズ」のエンドクレジット。ジャズをする女子高生の話だったから、エンドクレジットもジャズのこの曲に合わせて登場人物が歌ってるんだけど、こういう「カーテンコール」的エンディングは素敵よね。「ブルース・ブラザース」もそうだった。


静かに丁寧に始まって、そのうち大いに盛り上がっていく、って言うこの曲の感じがまさに「Love」って感じですごくいい。そう思って最近ふと改めて聞いてます。

---
L is for the way you look at me
O is for the only one I see
V is very, very extraordinary
E is even more than anyone that you adore can

Love is all that I can give to you
Love is more than just a game for two
Two in love can make it
Take my heart and please don't break it
Love was made for me and you
Love was made for me and you

---

L! 君がLookしてる方向へ
O! 君がOnly One
V! Very very 尋常じゃない
E! 何よりとってもいーことなんだ

LOVE! 僕はなんにも出来ないけれど
LOVE! 二人にとっては何より大事

愛する二人なら何でも出来るよ
僕のハートをあげるから、どうか大事に
LOVEは二人のためにあるんだからね

---

なめとんか、って言われるかも知れない訳し方だけど僕にはこう聞こえてるんです。

だってさ「Lは君を見つめる(Look)のL 」なんて訳じゃ無粋じゃないですか。

LOVEなんだから「OはOnly oneのO!」ぐらいの気恥ずかしさでいいの。


ついでにスウィング・ガールズのエンドクレジット。

聞き上手になるための3点

2011-05-23 20:52:49 | 
仕事柄、人の話を聞くことが多い。やればやるほど「ちゃんと聞く」ってのは難しいことだよなぁ、と思う。

そもそも僕は「人の話をちゃんと聞かない」ってことでは有名だからね。はい、反省はしてます。

話を聞くことについては色々な本を読んで来たけどこれは秀逸。

話を聞く技術!話を聞く技術!

「話を聞くプロ」、黒柳徹子、ジョン・カビラ、糸井重里、河合隼雄(心理学者)、吉田豪(プロインタビュアー)、現職の刑事(!)などなどに「どうすれば巧く人の話を聞けるのか?」というテーマでインタビューしたもの。

話を聞くプロに話を聞く、というこの海彦山彦的入れ子構造が大変興味深い。

で、読んでて思ったけど「話を聞く姿勢」として概ね共通しているのは下記3点だと思う。(刑事さんだけちょっと違うけど、それはまぁ目的が違うから)

1、相手を好きになる。
2、事前調査をしっかりする。
3、知ったかぶりはしない。

うーむ、反省すべきことばっかりだなぁ。

菜のはなし

2011-05-21 10:42:07 | 食べ物
趣味程度に料理は好きだから結構自炊をする。

となると困るのは野菜の取り回しなんだよね。

例えば肉なんかはパックで買っても余ったらまぁ冷凍しておく。魚なんかは切り身を一枚から売ってるから余ることはない。でもねー、野菜は結構余るんだよね。

例えばニンジンなんかは僕はなかなか買わない。一人だとニンジン一本消費するは大変なの。がんばってキンピラにして何とかがんばって食べること「なんでここまでしてニンジン食べないとならんのか」と思ってしまう。

で、そういう僕が結構頻繁に買うのが水菜と小松菜の「菜」シリーズ。

何でかと言うとどっちもかなり安い。98円、たまに安くなってて77円とか。

で、それをどう使うかというと買った初日はまともに使うけどそれ以降は冷凍しちゃう。洗って水を切ってそれなりに切ってジップロックに入れてそのまま冷凍。

こうなってると色々使えて便利。(さすがにサラダには出来ないけど)

凍ってるのをそのままお湯に入れて味噌を入れちゃえば味噌汁だし、同じくコンソメスープも出来る。前も書いたけどパスタ茹で上がる直前に一緒に入れちゃってもいい。

この使い方は最高に便利よ。

ジョギングの始め方の一例

2011-05-16 20:04:23 | スポーツ
ジョギングにいい季節になってきましたね。

暑過ぎもせず花粉症も無いこの季節のよく晴れた休日の午前中、洗濯物を屋上に干した後、その太陽の下でのジョギングはちょっと何ものにも替えがたい。

「走り出すきっかけ」と言うのは人それぞれあるだろうけど僕が一つ、オススメしたいのは「ジョギングウェアを見に行く」と言うことです。

ジョギングを始めて数年になるけどこの時期ふと立ち寄ってしまうのはユニクロ。

この時期のユニクロはスポーツウェアが充実している。

僕のジョギングの時のウェアは99%ユニクロです。シューズだけが違う。

ユニクロのジョギングウェアはいいんですよ。機能はレースに出るくらいのランナーなら物足りないのかもしれないけど素人ランナーには充分。デザインもカラーもたくさんあるし何より安い。Tシャツももちろんいいし、ショートパンツなんかもがんがん履き倒しても惜しくない。

こないだもふとパーカを買ってしまった。なんだかセールで1,000円だったの。

まだちょっと肌寒い時とかジムに行く時に羽織るのにちょうどいい。ドライフィットかなんだかなので汗をかいてもすぐ乾く。

ユニクロでぷらぷらしながらこういうのとか見てると「あ、こういうの着て走るのはちょっといいかも」って思えて、ジョギングを始めるきっかけになると思うなぁ。

完璧

2011-05-14 21:21:26 | DVD、映画
「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

村上春樹の『風の歌を聴け』の初めの一文。(しかし、完璧な絶望が存在しない、ってのは本当かどうかは別として勇気付けられる言葉だな)

それはたぶんそのとおりで、例えば「完璧な作品」というものは存在しない。でもね、「ほぼ完璧」という作品ならたまに目にすることが出来る。

僕はこの映画をそのひとつに挙げてもいいと思う。

『ブラック・スワン』


なんたって『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督なんだから楽しみで楽しみで。いやー面白かったなぁ。

見終わった後元気になるか、というと決してそうではない。怖いよー怖いよー。一人で見ながらあるシーンで「ひぃっ!」って声上げちゃったもの。でもね、僕にとってはほぼ完璧な映画。『レスラー』と同じくらい面白い。あとは好みの問題かな。

峠を過ぎ引退させられる元スターバレリーナがウィノナ・ライダー。

あー、昔この人大好きだったなぁ。映画の中では若いバレリーナたちに「更年期障害じゃない?」なんて陰口言われててもうさびしいやら悔しいやら。。。

とにかく怖くてひどいけどでもすごい映画。

誰でも、心の中に、自分だけの、小さな島を、持っている

2011-05-12 19:16:39 | 
村上春樹の「羊男のクリスマス」という本があるんすよ。

羊男のクリスマス羊男のクリスマス

おそらく村上春樹作品の中では大きく取り上げられることは無いんじゃないかな、と思うんだけど僕はかなり好き。村上春樹作品によく出てくる「羊男」がひょんなことから異世界に行ってしまいいろいろな人(というかある意味クリーチャー)に出会う、という話です。

最初は文庫本で読んだんだけど好きなので単行本(というか絵本)も持ってます。

こういう「よく分からない異世界に行き、変なものに出会う」という話がそもそも好きで、我ながら何でだろうなぁと思ってたんだよね。

ふとしたときにそれを考えてて、ふと思い出した。

小学校の頃、学校の図書館でそういう本を読んだんだよね。

タイトルは分からないけど記憶にあるのはこんな感じ。

ある若者が何か目的を持って魔法使いを探しに行く。その異世界はなんだか地下の世界みたいなところで変な生物を見たりする。覚えているシーンは挿絵があったんだけどエレベーターがたくさんある場所でその世界ではエレベーターが何本も壁も無くぶら下がっている。結果、その人は魔法使いに会うんだけどその魔法使いが世界を救っていたのは彼がハナクソを穴に入れていたから、、、

という自分で言ってても「なんだその話?」と思うんだけどほんとにそういうの読んだんだよ。

機会があればまた読みたいなぁと思っていたけどそのタイトルも作者も分からない。覚えていたのはカバーが赤茶色で表紙の絵がその異世界の島だったこと。

ふとしたときに本屋で児童文学のコーナーにぷらっと行ってその表紙を目印に探してみたけど無いんだよね。

いつか読めればいいな、と思っていたけどそこはやっぱり現代ネット社会。ヤフー知恵袋で僕の覚えている話を書いて聞いてみたら即答えてくれる人がいました。

コン・セブリ島の魔法使いコン・セブリ島の魔法使い

なんとまぁ別役実の本だったのか。僕もこの人の作品は未読だけど不条理劇の大家だということくらいは知っている。

表紙がどうも僕の記憶と違うのでちょっと不安だけどついつい懐かしくてAmazonで頼んでしまった。

手元に来て分かったけど表紙のカバーをはずしたら正に「イエスイエス!これだよ!」という表紙。

改めて読んでみたけどすごい話だった。

そもそも出てくる固有名詞がすごいよ。主人公はトムカンテ君、ウジオシからサザントール半島を回ってトリントンからトンネルを通ってコン・セブリ島に行く。ガイドは猿のハゲで寝る前に月夜草の砂糖漬けを食べさせないとウスラシオを怖がるから動かなくなってしまう。。。いいでしょ?

こういう訳の分からない児童文学って人間の人格形成に非常に重要だと思う。勧善懲悪の分かりやすいストーリーだけじゃダメですよ、たぶん。

で、別役実のあとがきはこんな言葉で始まっていた。

誰でも、心の中に、自分だけの、小さな島を、持っている

うーん、なるほどなぁ。この本も裏表紙にコン・セブリ島の地図が載ってる。これ見てふと村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思い出した。それもその想像上のストーリーの舞台となる地図が入ってたよね。

なんとなく想像上の地図を描く(ここに城があって、ここに洞窟があって、そこには怪物がいて…)ことってそりゃ昔、子供だった頃って多くの人がやったよね。

その地図から始まるストーリーって昔は子供だった我々がそりゃ好きなはずだよ。

ブルーなバレンタイン

2011-05-10 00:15:26 | DVD、映画
ちょっと前だけどブルーバレンタインって映画観てきました。



主人公は若い夫婦。五歳くらいの女の子がいて旦那はペンキ屋、奥さんは看護師。奥さんは責任ある仕事をしっかりとこなしキャリアアップしていこうと思っているけど、旦那はまぁ食べていければいいと思っている。

冒頭からどうにももうこの夫婦冷め切ってるな、と言う感じがする。まずね、三人での朝食のシーンなんだけど、夫婦がお互いに話をしないんだよね。すべて子供を通して話している。すごく冷たい夫婦関係な感じがする。

それと重なるかのように二人が出会った頃の話が始まる。これがねーほんとに素敵。夢物語ってほど特別でもない、むしろどこにでもあるようかも知れないカップルの出会いなんだけどすごく素敵。だけどその分、今の冷めきった感じが強調される。

この交差により二人がどう出会いどう夫婦になり、そしてその夫婦がどう終わってくのか、と言うことがリアルに描かれる。

何故、二人が終わってしまうのか。結局のところどちらが悪いのか、お互いがお互いのどこを許せないと思っているのか、という決定的なところは描かれていない。

昔、むめもさんの「気づいたら苫小牧」という名言があったけど正にそんな感じ。もうどこで道を間違えたのか、二人がかみ合わなくなってしまったのか、ということは今更言っても仕方ない。

いわばこれで描かれているのは「始まりの始まり」と「終わりの終わり」であって、一番重要なのは「終わりの始まり」なんだよね。「終わりの終わり」の時点でははっきり言ってもう手の施しようがない。

僕が一番「ああ、こういうシーンってよくあるよなぁ」と思ったのは車の中での二人の会話シーン。

奥さんがちょっと買い物に行ったスーパーで奥さんが昔の知り合いに会う。それを特に意図せず奥さんは運転中の旦那に言う。

「レジのところでボビーに会ったわ」
「…なんでそんなこと俺に言うんだ?」
「別に意味は無いわよ」
「何かのあてつけか?」
「違うわ」
「じゃあなんだよ?」
「別に、って言ってるじゃない。…彼、昔より太ってたし」
「太ってた、って何だよ。そう言ったら俺が喜ぶってのか?」
「違うって」
「なんであいつが太ってたら俺が喜ぶと思うんだよ?」
「別に思ってないって。もうやめましょ」
「お前が話しだしたんだろ!」
ってな感じで口論が始まってく。

こういう感じはよく分かるなぁ。お互いが意図していないことを先回りしてむかついてそれが喧嘩に発展してく、一番嫌なパターン。

そして結果的にこの夫婦が崩壊する。この終わり方は見る人によって結構意見が分かれると思う。この夫婦はもう完璧にダメだ、と思う人もいるだろうし、「いや、まだお互いの心に思いやりは残ってるんじゃないか?」と思う人もいるかも知れない。僕は「まだやり直せるんじゃないかな」と思った。

いろんな人のこの映画に関する批評を目にしているとこういう意見もある。「本当に冷え切った最低の終わり方だけれども、それでもあのときにあんなに素敵な瞬間があった。それだけでも二人が出会った価値はあるはず」 うーん、そりゃそうなんだけどねぇ。。。そりゃここまで来てしまったらそうとでも思わないとこの二人の出会いに何の価値もなくなっちゃうわけだけどだからと言ってそれですべて済むか、というとそうでもないと思うんだよな。

はっきり言って僕は旦那さん/奥さん両方の気持ちも言いたいことも、なんとなく分かる。(それは僕が分かる、ってことじゃなくてこの映画がそういう風に作られている映画だから) 更に言うと両方に対して「ああ、そういうことやっちゃ(言っちゃ)だめなんだよー」というのも思う。

とにかく恋愛で痛い経験をしたことのある人にはかなり身につまされる映画だと思うよ。

あ、あとね主演のミシェル・ウィリアムズが圧倒的にすごい。

この人、30歳くらいだと思うんだけど現在のシーンでは確実に人生に疲れた主婦にしか見えないし、一方出会いのシーンでは溌剌とした高校生を演じている。主婦の時の体の感じ(下世話で申し訳ないけど肉の余り具合とか)がめちゃくちゃリアルなんだよな。「出会い」のシーンと「別れ」のシーンは撮影期間が3週間しか空いてなかったらしいんだけどこの3週間での変わりようは凄い。さすがヒース"Joker"レジャーの奥さん。

それからこの監督の演出法がすごいらしい。例えば、奥さんは何か秘密を抱えている、旦那はそれを聞き出そうとする、というシーンがある。このときに監督はまず旦那役の俳優を呼び「何があっても聞き出せ」と指示し、一方奥さん役には「何があっても絶対言うな」と指示したんだって。それでそのシーンは1時間弱も続き結局まぁなんとかなるわけだけど。この演出法ってのも非常に妄執的というかなんと言うかすごいね。

とにかく一見の価値がある映画です。

ブルボン礼賛in仙台

2011-05-08 20:21:43 | 日記
ゴールデンウィークももう終わりですが昨年同様、ドッピオさんと仙台に行ってきました。

「まぁ復興支援と言っても俺らにできることは地元で酒飲んで金落とすことだからねー」ということで。

いつもどおり着地点の無いぼんやりした話ばかり。会話の内容はこんな感じ。

・博多ラーメンブームは終わったわ、俺の中で。
・ハイオクのオクってどういう意味すか?
・さっき牛たん定食食べたんでおなかいっぱいなんすよ。
・「レバ串4本」「はい、手羽先4本ですねー」
・ルマンドは旨いよなぁー、ブルボンは素晴らしい。
・私、学生の頃、ルマンドあるって言われたらすぐその人んち行ってた。
・あ、パイの実!忘れてた!あれ旨い!
・チョコは基本冷凍庫保存、でもパイの実は冷蔵庫。
・きのこの山、たけのこの里論争勃発。
・「さすが一級建築士だねー」「え、そうなんですか?」「うそです」
・恋をしたいなら明日から出会う男性全員、心の中でランク付けしてみたらいいすよ。
・渡辺美里はやっぱいいですねー。
・えんがわなんて子供の頃、食ったことなかったよね。
・高校生の修学旅行が海外なんてダメです、許しません。
・給料の三割くらいを期限付きチケットで払うようにすれば景気回復するのに。
・チャコそっくりだったねー。

ということで仙台にも石像がありました。

この麺がすごい 2011

2011-05-05 19:34:58 | 食べ物
なんかねー、最近ほんと麺食いなんです。

元々、麺好きなんだけど最近は特に。

近所のスーパーが木曜と日曜は冷凍食品半額というもの凄い企画をやってるんです。これって僕ほんと驚愕してるんだけど凄くないですか?

あんまり日持ちしないものが半額ってのなら分かるんだけど冷凍食品なんていくらでも持つじゃないですか。それが半額って凄いよね、そうでもない?

子供の頃、あまり冷凍食品が出てこない家庭に育ったのでなじみが無いんだけど今の冷凍食品は美味しいよね。そればっかり食べるのには少し抵抗があるんだけどついつい買ってしまいます。

特に最近発見したのは冷凍のうどん。3玉くらい入ってるやつね。これだといちいち大量のお湯を沸かす必要も無いのでついつい買う。しかもねー、憎いことに最近のは真ん中にくぼみが入っててパキッと割れるようになってるわけ。つまり小腹が空いたときにちょうどいいわけよ!なにこの発明!?これがK-U-F-U、KUFU !ってヤツですか。

つーことでこれで簡単に晩御飯を済ませちゃうことが最近多い。

それ以外にもねー、麺食べてますよ。

僕はつけ麺があまり好きじゃないんだけど少し前に「これだけ人気ということは自分がつけ麺をよく分かってないだけなのかも知れない」と思って頻繁につけ麺食べてた。で、結果やっぱり自分がつけ麺そんなに好きじゃないことが分かったんだけど。で、その反動で最近はラーメンよく食べる。

やっぱラーメンいいわー。

更にはちょっとしたプレゼントでパスタソースの詰め合わせを頂いたので(これがまた旨いんだ、イータリーのやつね)パスタも食べてる。


結局、自分は何麺が一番好きなんだろうか、とぼけっと考えてみる。

ほんとうに難しいよね。

ランキングは別としてつらつら最近食べた美味しい麺を考えてみる。

まずこないだ上野のひむろラーメンというところの旭川醤油ラーメン。北海道ラーメンと言うと札幌味噌、旭川醤油、函館塩なんだけどこのラーメン屋にはその3種類がある。いつもだと函館塩が一番好みなんだけどこの日は寒かったしアントラーズは0-3で負けるしでとにかくあったまりたかったんだよね。つーことで旭川醤油チャーシュー。土曜の夕方なもんでにんにくがっつり入れましたよ。

それから自作したトマト&アンチョビパスタ。これはイータリーの瓶詰めのソース使ったんだけど旨い旨い。ソースにそもそもアンチョビが入ってるのでパスタと絡めるだけで出来ちゃう。

それからこの季節、僕はよくキャベツのクリームパスタを作る。キャベツを千切りにしてパスタ茹で上がりの1分前くらいにパスタを茹でてるところに入れちゃう。それをザルに取りフライパンで温めたクリームソース(具は適当にベーコンだったりツナだったりサーモンだったり)に入れるだけ。キャベツでカサが増えてる分、パスタが少なくていいので健康的。春キャベツなんかだと最高ね。

とかパスタの話してて思うけどカルボナーラだぁペペロンチーノだ言ってますけどたまに食べるちゃんとしたミートソース(ボロネーゼなんて言いませんぞ、ミートソース!)の旨さったらないねぇ。僕らの子供の頃なんてさ、スパゲティ(パスタなんて聞いたことも無かったぞ)と言ったらミートソースかナポリタンね。最近ミートソースを作るときはひき肉を炒めるとき、あえてそんなにほぐさず大きめにするようにしてる。そうするとすごく肉肉しくなって美味しいの。

そういや最近よくカレーうどんも家で食べる。ちょっと前に作って冷凍しといたカレーがあるんだけどこれがひき肉のカレーなのでうどんによく合う。カレーライスはちょっとヘビーかな、と思うときにはこのカレーを鍋で温めお湯と白だしでちょっと伸ばす。具は油揚げの細ぎりとネギ。そこにレンジで解凍した冷凍うどんをイン。これだけでうんまいカレーうどん。ちょっと麺話とは変わるけどさ、カレーうどんに油揚げってめっちゃ合うよね。食べてると「むむ、これはいいおかずになるんじゃないか」と思っちゃってご飯もちょっと食べちゃうという本末転倒食。

そろそろ暖かくなってきたので冷やし麺系もいいですな。

冷やし中華は言うに及ばず冷やし麺世界の横綱と言えばそば。僕はね、家でそばを食べるときは椎名誠がやってた「死に辛そば」というのをよく食べます。これはめちゃくちゃ簡単なんだけど、普通に茹でて冷やした麺を食べるツユにラー油とネギのみじん切りをぶち込んでいただくもの。もう「入れる」というより「ぶち込む」という表現がベストマッチ。ラー油をたらたらーとたらしながらちょっとボーっとしてるくらいがちょうどいい。ほんとパンキッシュな味になっていいのよ。

冷やしと言えば「冷やし坦々麺」もいいね。夏の夕方から浅草のワインバーでよく冷えた白ワインを飲んで帰りに隣にある浅草坦々麺の冷やし坦々というコースが最高にいいんです。そういやご無沙汰だな、このコース。

そうそうご無沙汰と言えば最近、大阪に行ってないので黄ぃそばもご無沙汰。食べたいなぁ。

ジャンク方面で言えばなんたってサッポロ一番塩ラーメンだね。これね、普通に作っても旨いけど牛乳で作るの旨いのよ、やってみてホント。バター入れちゃったりしてね。ところでさ、サッポロ一番の醤油って僕食べたことないけど「サッポロ一番はなんたって醤油!」って人なんているのかしらん?

そうそうジャンク麺といえばなんたってカップヌードル。これ僕はたまにしか食べないけどやっぱりすごいと思う。だってね、海老と卵とチャーシューが入ってるんですよ。海老の入ってるラーメンなんて見たこと無いでしょうよ。あれはやっぱり「ラーメンをカップにした」ってことじゃなくて「カップヌードル」という食べ物なんだよな。スープの味も醤油なんだか塩なんだかよくわかんないしね。

話が行ったり来たりするけど、冷やし麺の女王(なぜか性別が女性のイメージ)と言えば素麺ね。なんたって茹で上がるのが早くていい。素麺と冷麦だったら僕はだんぜん素麺派。冷やし麺、とか言っといて素麺をあったかい「かけ」で食べるのがいいんだよな。溶き卵なんかが合う。ちょっと出汁を鶏がらなんかにしてナンプラーで味をつけてシソの千切りのせてあったらレモン汁なんかかけちゃって「フォー」っぽく食べるのもいい。

ごめん、なんか麺への愛があふれてて止まらないわ。