浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

狼の系譜

2009-07-31 20:29:19 | スポーツ
ワイドビジョン、ナロービジョンについて書こうとしてましたが、よね3日記にコメントしててめちゃくちゃ面白くなってきたので今日はリングスの話。

僕、たまにプロレスの話するけど、そんなにハードコアなファンじゃない、先に断っときますけどね。顔が三沢(RIP.)に似てるだけ。

そりゃ子供の頃は人並みにタイガーマスク好きだったけど、たとえば大晦日の格闘技を心待ちにする、ってわけでもないし。

昔、高校の頃、バイトしてWOWOWに入りまして。映画好きだったしね。で、ただ映画見てるだけなのももったいないから色々見てたんです。

その頃のWOWOWの映画以外のメインコンテンツと言えば、セリエAとリングス。

ああ、その頃のセリエAなんて懐かしいな。まだグーリットがサンプドリアにいた頃です。あとパルマにアスプリージャとか。アスプリージャは早かったなぁ。サイドをドリブルしていたら確実にカメラが追いついてなかったもん。

それから、リングス。UWF解散に伴い前田日明が一人で立ち上げた団体ですね。

この団体はねー、ほんとに面白かった。プロレス素人の僕でも「おお!」と思ったもの。

まずね、「世界最強はリングスが決める」というキャッチフレーズどおり、世界各地から強い男達がどんどん出てくる。

それまでのプロレスって(素人の僕にとっては)外国人といえばやっぱりアメリカ人、シークはどこだ?アラブとかか。そういうものだったのが、いきなり「リングス・グルジア」と銘打ってグルジア人が来日。当時の僕にとっちゃ「どこだよ、グルジアって?」って感じだったけどこれまた強い強い。ピターゼ・タリエルとかね。

豪快な胴回し回転蹴りを見舞ったかと思うとバランス崩して転んだところを裸締めでギブアップとかね(笑)

いやでも強かったんだって!

それからリングスと言えばやっぱりオランダとロシア。

リングス・オランダはクリス・ドールマンを総帥とする、バウンサー(バーの用心棒)を中心とした暗黒面多目の人々。もうリアルに「悪そなヤツはだいたい友達」って人々ですよ。つーかこの人たち自身が悪い人。絶対この人たち何人か人殺してる(笑)

その中でも好きなのはこのディック・フライでしたね~。

左の人ね。右は熊殺しウィリー・ウィリアムス。


こわっ!

夜飲んで騒いでたらポンと肩叩かれて振り向いたらこんな人が立ってて「お客さん、外で話しましょうか」なんて言われるんだからオランダって怖い国よね~。(←すごい偏見)

一方、リングス・ロシアと言えばコマンド・サンボや旧ソ連のエリート教育により育てられた格闘家の集まり。なんつーかこれも暗黒面多目。この人たちも絶対人殺してるよなぁ(笑)

リングス・ロシアの名選手といえばなんと言ってもヴォルク・ハン。

この人最初見たときは衝撃的だった。まず、見た目は地味なおっさん。(上野のアメ横で一回、そっくりな人みたことある) でもリングに上がるととにかくすごい。なにがすごいって関節技。「え?なにそれ?どこか痛いの?」って感じでどこが極まってるのか分からないけどとにかく相手は苦しんでる、とかヴォルク・ハンがやられてるはずなのにちょっとひっくり返ると相手が苦しんでる、とかね。とにもかくにも「こえーな、コマンド・サンボ」という感じでした。ちなみにコマンド・サンボってのはソ連軍で採用されてた格闘術のことね。ヴォルク・ハンはソ連特殊部隊のコマンドサンボ教官ですからね、こりゃもうホンモノですよ。そりゃつえーわけだ。

というわけでディック・フライとヴォルク・ハンの戦いがこちら。


試合開始3秒でめっちゃ笑うよ。握手求める振りして飛びつき(笑)、さすが軍人。
0:44頃のディック・フライのあおり、からのヴォルク・ハンの「効いてない」アピールもかっこよし。

ヴォルク・ハンの好きなエピソードがノゲイラと戦って負けた後に彼がノゲイラにかけた言葉。

「ブラジルの若き虎よ。近い将来、君の時代が必ず来るだろう。しかし覚えておけ。いつか狼の末裔が君を必ず倒す」

(ヴォルク、は狼、の意味ね)

予言どおり、ノゲイラはヴォルク・ハンの弟子、ヒョードルに負けることになる。

いまでこそ、世界各地から強い人たちが現れて一緒のリングで戦ってるけど、そういうの始めたのって前田日明が作ったこのリングスが始まりだと思うんだよな。

海老のビール蒸し

2009-07-27 23:09:39 | 食べ物
隅田川の花火大会はねー、えがったですよ。

会社の友人のマンションにご招待いただいて(ぶっちゃけ、俺も混ぜてー、ってお願いしただけですが)見たんですが、そのマンションがほんと隅田川のほとりで、花火打ち上げ場所の真向かいでした。あんなに近くで花火見たの生まれて始めてかも。

で、次の日、お台場に行ってきました。

なんの用があるってわけでもないんだけどいい天気だったんで。

お台場好きなんですよね~。

適当に見るところあるし、何せ海があるってのがいいですよ。海好きなんです、実家が海の近くだから。札幌にいたときもなんかあったら小樽とか行ってたし。

好き、と言いつつこないだ行ったのってむめもさん達が来たときなんで1年ちょっと前なんだけど。

いつもだと水上バスで行くんだけど久々にゆりかもめに乗ってみました。悪くないんだよね、ゆりかもめも。

適当に買い物した後、海を見てたらあまりにも楽しそうなのでズボンの裾をまくり入ってみる。

いやー、こういうとき、サンダルだといいねぇ。

今回は夏休みだし、いい天気だし、26時間テレビもやってたんで結構混んでたな。

あと、ほら、これもあるらしいから。

連邦軍の、、、

白いヤツ!

ええ、等身大ガンダムです。


ほいで、早めに家に帰り、ご飯を作る。

今回のメインは豚の角煮。裏切らないねー、美味しさは。あとはベトナム風海老のビール蒸し、切干大根、ご飯、味噌汁、ビールビール。
(いつもはこんなに作らない。日曜日だから)

それから今回初チャレンジの「ベトナム風海老のビール蒸し」。クックパッドで見つけたんだけど簡単簡単。

フライパンに海老と野菜(今回は水菜)とニンニクのみじん切り入れて、ビールをひたひたにして蓋をして強火で4、5分煮るだけ。今回は紫蘇とみょうがが余ってたからかけたけど別に無くてもいい。味付けは塩、あればナンプラー。

これね!旨いよ!死ぬほどカンタンだし。

野菜たっぷりだしなんか体にいい味がする、、、ってビールなんだってば!とずっと自分を突っ込んでた。ベトナム風なんでこれにそうめん入れてフォーっぽくしてもいいんだろうなぁ。

ほんとはレモンを絞ってかけるらしいけど無いのでむめもさんからいただいた沖縄土産のシークワーサー絞ってみる。

美味しい。(むめもさん、ご馳走さまです!)

で、おなか一杯になって早めに寝て、今日は朝7時の飛行機で札幌へ(日帰り)。空港行きの電車で寝てたら折り返しちゃってすごいあせった。空港着いたのは出発の10分前でしたが走ればなんとかなるもんです。

こないだの三連休で札幌に行ってそのとき面白かった「ワイドビジョンとナロービジョン」の話を次回します。

ローマ人列伝外伝:四皇帝の一年 2

2009-07-26 21:58:11 | ローマ人列伝
皇帝に就任したオトー。


ローマ本国に育ち、ネロとは遊び仲間でした。ネロが彼の妻ポッペアを見初め彼女を奪うためにネロにより属州勤務を命じられた経緯があります。

普通の男であればその時点でやる気を失い、属州では適当に過ごすことでしょう。しかし彼は属州で以前の彼を知るものがみな疑うような働きぶりを見せます。その彼が皇帝としてローマ本国へ凱旋。ガルバ不人気の反動で元老院とローマ市民は彼を歓迎します。

しかし皇帝となった彼には就任前から火種がひとつありました。それはローマ本国から離れたゲルマニア(今のドイツ)の軍団兵が反ガルバを旗印にヴィテリクスという軍人の皇帝就任を求め反乱を起こしていたこと。

もし今の時代であれば既にガルバが死んだことはすぐに彼らに伝えられたはずですが、これは今から2000年前のローマの話。このようなニュースもすぐには届きません。そしてニュースを伝えようと馬を走らせている間もゲルマニア軍団の反乱準備は着々と整っていくのです。

ゲルマニア軍団兵が反ガルバ、ヴィテリクス擁立を決定したのが1月2日。オトーによるガルバ殺害が1月15日、そしてそのニュースがゲルマニア軍団兵に伝えられたのは1月末のことでした。

ガルバ殺害のニュースが届いた時には残念ながらゲルマニア軍団兵の主張は「反ガルバ」ではなく「皇帝ヴィテリクス誕生」で固まっていました。皇帝がガルバからオトーに替わっていようと主張は変わらないのです。ゲルマニア軍団兵はオトー討伐のためにローマ本国へと進軍を開始します。

皇帝オトーは皇帝となるや否や、皇帝の職務よりも自分の防衛を優勢しなければならなくなってしまったのです。

ゲルマニアの軍勢は総勢10万。たいしてオトーが差しあたって使えるローマ本国防衛軍はたったの1万。これは本来ローマ帝国の軍隊は属州の最前線防備が基本であり、ローマ本国には最低限の軍備しか置かない、という理由によるものです。(カエサルの時代から属州総督はルビコン河からローマよりに軍を率いてはならない、という決まりがありました)

まず、オトーは穏便に済ませる作戦を取ります。ゲルマニクス軍団の旗印ヴィテリクスに対して共同皇帝就任を要請したのです。

ヴィテリクスが冷静に状況を判断できる人間であれば、共同皇帝就任の要請はこれ以上無い結果だったでしょう。しかしヴィテリクスはこの要請を一蹴。このヴィテリクス、10万のゲルマニア軍に担ぎ上げられ既に「このまま行けば自分は皇帝になれる」という野心しかない人間でした。オトーのヴィテリクス懐柔策は失敗に終わります。

圧倒的劣勢の中、オトーにはただひとつだけ希望がありました。それは彼とはまったくかかわりのないドナウ軍団兵10万がオトー支持を表明したこと。これはゲルマニア軍団兵とドナウ軍団兵の不仲によるものであり、ドナウ軍団兵にとってオトーは敵の敵、つまり味方なのです。ドナウ軍団とオトーにはそもそも関わりはありませんでしたが、ドナウ軍団は「オトー支持のためにゲルマニア軍団との戦いも辞さず」と強いオトー支持を表明します。

勝負はどちらが先にローマ本国に到着するか、にかかっていました。

そしてスピード勝負で言えばドナウ軍団兵に利がありました。なぜならゲルマニア軍がローマにたどり着くためには名将ハンニバルも苦戦した「冬のアルプス越え」を行わなければならないからです。一方、ドナウ軍団がローマ入りするためには気候の温暖なアドリア海沿いに進軍すればよく、比較的容易でした。

しかし皮肉。この冬は暖冬でゲルマニア軍はなんなくアルプス越えを果たしオトー軍の元にたどり着きます。決戦を行いますが当然、数に勝るゲルマニア軍の勝利。オトーは追い詰められます。救援のドナウ軍団もすぐそこまで迫っては来ていましたが、オトー、後の歴史家の誰もが「潔い死に様だった」と評する自害を遂げます。オトーの側近は「ドナウ軍団を待つべき」と主張しましたが、おそらくオトーは自分が殺害した前皇帝ガルバの最後を思い起こしていたのでしょう。ガルバの最後は首をさらされ足蹴にされるものでした。そのような最後を遂げないためにあえて死を選びます。

第七代ローマ皇帝オトーの在位は69年1月15日から4月15日までの三ヶ月間でした。

オトーを倒し皇帝になったのはヴィテリクス。

カリグラ、クラウディウス、ネロの時代にうまく出世しただけの男です。残っているエピソードは「大食漢で一度の食事が10万デナリウスもかかった」「オトー征伐の際、兵糧費用を惜しみ途中の村から略奪した」「ガルバが彼をゲルマニア総督に任命したのはゲルマニア軍団が反乱しないよう無能な男をトップにしたかったから」などというものしかありません。皇帝が「実力」で選ばれるのであれば皇帝の座には無縁の男だったでしょう。

皇帝になっても彼は何一つ有用なことはしませんでした。ただ豪勢な夕食にうつつを抜かしていただけ。

当然、元老院、ローマ市民も総すかん。

そしてシリア、ユダヤ、ドナウの属州を味方につけたヴェスパシアヌスという軍人が反ヴィテリクスを表明します。各地でヴェスパシアヌス軍に破れる自軍の報を聞き、ヴィテリクスは自ら皇帝退位を表明。しかし既に時は遅く彼は近衛兵に捕えられ処刑、遺体は皇帝廟どころかローマを流れるテヴェレ河に重罪人の遺体と共に投げ込まれます。

皇帝ヴィテリクスの在位は69年4月15日から12月20日まで。半年間の出来事でした。


ヴィテリクスを処刑したヴェスパシアヌスが皇帝になったことでガルバ、オトー、ヴィテリクス、ヴェシパシアヌスと皇帝が4度も変わった「四皇帝の一年」は終わりを告げます。そして四皇帝の最後の一人となったヴェスパシアヌスの皇帝在位期間は以後10年続くこととなります。

この一年はローマにとってはハンニバルの襲来に勝るとも劣らない危機の年でした。しかもその危機は外敵によるものではなく「ローマの内から」始まったものでした。それもこれも「皇帝システム」の崩壊により、「実力のあるものが皇帝になれる」という状態が生まれたことによります。テロ、というものは常に、一箇所に権力が集中し「それを倒せば権力を得られる」という状態から起こるものです。

アウグストゥスが作った、「血統」という先天的な素質が皇帝に必要な「皇帝システム」は実はテロ防止策だったのかも知れません。たとえ実力により皇帝を殺したとしてもその人間に「血統」が無ければ皇帝にはなれないのですから。

この後、「実力」というノンフィクションと「皇帝の血統」というフィクションを存分に活用したネルヴァという皇帝誕生以降、『五賢帝の世紀』と呼ばれる100年が来ることになるのは、ヴェスパシアヌス皇帝就任から20年後のこと。

その20年の間に皇帝は3人変わりました。

変わらなかったのはヴェスパシアヌス皇帝が建設を開始し5年の月日をかけて建てられたコロッセオの雄大さのみ。



<ローマ人列伝外伝:四皇帝の一年 完>

ローマ人列伝外伝:四皇帝の一年 1

2009-07-24 20:39:56 | ローマ人列伝
ローマ人列伝、第一回スタートが実は2008年1月。1年半くらい続いてる、ってことになりますね。

アグリッパから始まり、最近だとアグリッピナ&ネロ。

ローマ史の僕が好きなところはやっぱりこの辺の時代なんです。(カエサルは別格。)カエサルの死んだ紀元前44年からネロの死ぬ紀元68年までの100年、ユリウス・クラウディウス朝です。やっぱり良かれ悪かれタレントはそろっていたし。

カエサルの活躍がたとえばスターウォーズで言うと「New Hope」(新たな希望、って訳はどうもね)だとするとアウグストゥスが「帝国の逆襲」、ネロあたりが「ジェダイの帰還」ということになるかね?もちろん内容はまったく違いますよ、単なる流れとして。そうなるとハンニバルはエピソード1ということになるわけで。

だからネロで一応第一シーズン終了、という感じです。

もちろんこれからも書くけど。

さて、今回は外伝。

この列伝は基本的に一人の人物について書いていっていますが、ここでちょっと趣向を変えてローマ史における奇妙な一年について書いてみたいと思っています。

それは後に「四皇帝の一年」と呼ばれる紀元69年です。

ユリウス・カエサルがグランドデザインを描き、初代アウグストゥスが形にし、第二代ティベリウスが磨いた「帝政ローマ」。

彼らの血統、ユリウス=クラウディウス朝による「皇帝」というシステムは約100年続きます。途中、第三代皇帝、悪帝カリグラにより一度はそのシステムが揺らぐものの、無事、第四代クラウディウス、第五代ネロと受け継がれます。

受け継がれた、とはいえそこはほとんど政略結婚による血統継承。事実を明らかにしてしまえばアウグストゥスからティベリウスに受け継がれた時点で彼らの間に血のつながりはほとんどありません。しかし、アウグストゥスが得意だったのは「フィクション」。事実はどうあれ体裁を整えるのは天才的でした。

そのフィクションを破ったのは他でも無い第五代皇帝ネロ自身。彼は皇帝につながる血筋を2つ持っていました。ひとつは初代皇帝のひ孫に当たる母アグリッピナ。そしてもうひとつは第四代皇帝の娘に当たる妻オクタヴィア。

ともあれ彼は「初代皇帝のやしゃ孫であり、第四代皇帝の娘婿」であるから皇帝になる資格があったのです。

そのフィクションとはいえ正統性を彼は自ら母殺し、妻殺しによって失います。

「血統が無くても実力があれば皇帝になれる」というノンフィクションに気づき利用をしたのがローマからは最も離れたところ、ガリアに住むローマ人、ヴィンデックスでした。

ローマ人、と言っても民族的にはガリア人の彼、フルネームをガイウス・ユリウス・ヴィンデックスと言います。

かのガイウス・ユリウス・カエサルと名前が似通っているのは偶然ではありません。

もともとローマ人には自らの部下となった人々に自身の名前を与え今後の協力と保護を約束する風習がありました。ですから彼の祖先はおそらくガリア戦争時代にユリウス・カエサルに服従しその代わりに名前をもらったのでしょう。

中心地から遠い土地ほど旧き君主に忠誠を誓い、旧き君主に反する政治を行う現君主の打倒を企てるというのは日本幕末の薩摩藩を見るまでも無く多いことなのかも知れません。

ヴィンデックスはガリアの地で反ネロ、そして旧き良きカエサル時代復興のため自らの皇帝就任をスローガンに反乱を起こします。

しかし残念ながらこの反乱はガリア提督により征伐されます。

おさまったかに見えたヴィンデックスの乱、しかし話はそう単純ではありませんでした。

反乱を収めたガリア提督はローマ帝国への忠誠のためヴィンデックスを倒したのであり、決して皇帝ネロのためではありませんでした。彼はガルバという名門の将軍を擁立し、更なる乱を起こします。


結果、ネロは自殺しガルバが皇帝に就任するのはネロ伝で記載したとおりです。

ネロの死とガルバの皇帝就任が68年のことです。

ガルバ皇帝就任により「血統」による皇帝システムという「フィクション」は終焉を告げ、「実力」のあるものが皇帝に就任する、という「ノンフィクション」が始まります。

そして「実力」で皇帝になったガルバが「皇帝としての実力」を備えていれば問題はなかったのです。

しかし、後の世にガルバの「資質」はこう伝えられています。

「良き資質に恵まれていた、というよりも悪き資質がなかったに過ぎない平凡な人物」

ガルバの「悪き資質のなさ」の露呈はまずローマ市民からの人気を失う出来事で始まります。いや出来事が「あった」というよりも正確に言えば為すべき出来事を為さなかったのです。

当時、ローマでは最高権力者は就任や戦勝のたびに「ボーナス」としてローマ市民に祝い金を配ることが通例でした。だいたい通常の年給の3分の1程度。少なくない金額です。このボーナスは市民からの人気に敏感だったアウグストゥス、カリグラ、ネロはとうぜん行ってきましたし、ローマ市民の人気に一切関心の無かったティベリウスですら行ったことです。つまりそれほどまで「やって当然」のことだったのです。

しかしガルバはこれを行いませんでした。曰く「私に必要なのは金で擦り寄る人間ではない」。いや、それはそうでしょうけどさー。皇帝交代により当然この祝い金をもらえると思っていたローマ市民は落胆します。

更にガルバが行ったことはローマ財政建て直しのために「前皇帝ネロが贈った贈り物はローマに返すこと」という命令を発します。ネロは贈り物が好きな皇帝でした。その贈り先は政治家に限らず当時は身分の低かった歌手、剣闘士にまで至ります。その彼らに「返せ」と要求したのです。短かったとは言え皇帝ネロの在位期間は14年。14年も前にもらった物を返せと言われて困惑しない人間はいません。

この出来事でガルバの人気は凋落します。

更に彼は人事の誤りにより大きな敵を作ることとなります。

皇帝ガルバは右腕にローマ本国では名の通っていない軍団長を指名したのです。

この出来事でガルバは2つの敵を作ることとなりました。

ひとつはローマ元老院。彼らはガルバの家系のよさで彼を選んだにも関わらず彼が指名したのは名の通っていない人間。家系を重んじる元老院は反発します。

そしてガルバが乱を起こしたときに属州の提督の中で一番に支持を表明したオトーという軍人。このオトー、名門の出でこのとき36歳。彼がガルバを支持した理由はひとつしかありません。それはガルバの次の皇帝の座。60歳のガルバが皇帝になれば年齢的にはじゅうぶん狙える話です。それがガルバが皇帝になったとたん、役職的にはほぼ無視されたのです。

紀元68年10月に皇帝になったガルバがオトーにより殺害されたのは翌年1月15日のことでした。いよいよ『四皇帝の一年』、紀元69年の幕開けです。

時にノンフィクションはフィクションより残酷です。「フィクション」というベールに包まれたユリウス・クラウディウス朝はそれでも、最短の在位だったカリグラは別としてもネロですら在位14年、陰の薄いクラウディウスでも在位13年は続いていました。
しかしフィクションのベールが剥がされた瞬間、なんと皇帝の在位は3ヶ月。

後の歴史家はこの皇帝ガルバのことをこう称します。

「もし彼が皇帝にならなければ、彼こそ皇帝にふさわしいと誰もが言ったであろう」

…to be continued...

アングル

2009-07-22 08:37:43 | DVD、映画
こないだ、「レスラー」という映画を見ました。


とにかくこれはもう見たくて見たくて。。

ミッキー・ロークが元スターレスラー、現老いぼれレスラーである「ランディ・The Ram・ロビンソン」を演じている、プロレスを扱った映画。

まぁストーリーは公式サイトなんかを参考にしていただくとして。

見ての感想は「すばらしい」の一言。

見所はたくさんある。

ミッキー・ローク自身の人生と重なるかのようなランディの人生。

アヤトラーというヒールレスラーとの戦いで20年前、マジソンスクエアガーデンを一杯にした輝かしい歴史と、今では落ちぶれ地方をおんぼろ車で転戦。自宅であるトレーラーハウスの家賃すら滞納するほど。仕方なく車の中で寝る。

それでも(ああ、ここで少し泣きそうになったんだ)朝起きると子供たちが車の周りを取り囲む。未だ彼はヒーローなんだよな。面倒くさそうに車から出るけどやっぱり子供たちを前にするとレスラーとしてじゃれあう。ああ、こういうのがやっぱりレスラーだよなあ。

落ちぶれたとは言えレスラー仲間の中では尊敬を集める彼。対戦相手の若いレスラーが試合後、ロッカールームに挨拶に来る。ランディは言う。「努力し続けろよ、お前には才能があるから」 そして(うん、ここでも涙ぐんだ)その言葉を受けて「Thank you」という若手レスラーの嬉しそうな顔! 彼はおそらく20代、たぶん子供の頃、ランディは彼の憧れだったんだろう。

レスラー仲間以外で彼がまともに会話する相手は行きつけのストリップバーのストリッパー、キャシディのみ。彼女もランディと同じくストリッパーとしての旬は過ぎてしまった。スペシャルサービスを勧めてもお客からはまともなチップをもらえない。演じているのはマリサ・トメイ。「いとこのビニー」(←超名作!げらげら笑った)でジョー・ペシの恋人役やってた人だね。よね3と観てて「いいすね~」と言ってた覚えがある。

正直言って、ミッキー・ローク、マリサ・トメイってキャスティングだけで僕は見たと思いますよ。

「お客とはお店の外で会わない」と一度はランディの誘いを断りつつも長年会っていない彼の娘のためのプレゼント選び付き合うキャシディ。

そして付き合ってくれたお礼にと彼女をビールに誘うランディ。

"One beer,,,Just one beer."
(ビールでもどう?…本当に一杯だけ)

ランディの誘い方がシャイというか無骨というか、百戦錬磨のレスラーとストリッパーのデートシーンとしては非常にシャイな感じでよかったな。それまで「落ち目のストリッパー」というイメージだった彼女がここから少女のようにキュートになるんだよね。

こういうキュートな大人の女性を演じさせたらマリサ・トメイに敵う人はいない。メグ・ライアンだってかなりキュートだけど、マリサ・トメイのほうが蓮っ葉なテイストがあっていいよね。マリサ・トメイじゃなかったら絶対これくらいのストリップシーンなんか受けないでしょ。

キャシディの最後のせりふ(ネタばれになるから書きません)は涙ボロボロですよ。


それからもちろんこの映画の見所はプロレスの試合シーン。このためにミッキー・ロークが体を鍛え技を練習したんだろう、ということが如実に分かるシーンの連続だった。

面白かったのはネクロ・ブッチャーとの試合。有刺鉄線、ホチキス、ガラス、往年のFMWを思い出させるすごい試合だったねぇ。

この映画を更に奥深いものにしているのが(個人的意見だけど)人種的な問題。決して深刻なものではないんだけど、ランディにとっての往年のライバルレスラーは明らかにアフロアメリカン。しかしリング上で彼は「中東から来た悪役レスラー」という設定。更に彼の現在の仕事は中古車販売業(アメリカの象徴的商品、自動車を扱っているというのが面白い)。

ランディ自身も本名は違う。忘れちゃったんだけど「なんとかスキー」じゃなかったっけ?その彼がベビーフェイスのトップレスラーというアメリカンヒーローを演じてる。

これってすごくプロレス的だよね。

もちろん父と娘の話としても興味深かったけど僕はこちらの「アングル」のほうが面白かった。

※アングル、とは「プロレスにおける試合展開やリング外の抗争などに関して前もってそれが決められていた仕掛け、段取りや筋書き」という意味。


確かにストーリーは陳腐かも知れない。「ロッキー」シリーズのようなカタルシスもない。ただ一人のレスラーが落ちぶれて、社会に馴染もうと思って、それでもただリングに帰っていく、というだけ。若いスターレスラーと闘い輝かしい勝利を得る、ってわけでもない。

でも人生ってそういうものじゃないですか。

毎日ドラマティックでは無いからこそ、ドラマを求めて人はリングを見に行く。そこで最後に贔屓のレスラーのフェイバリット・ホールドを期待する。それに答えるだけでレスラーとしてはいい人生じゃないですか。



「人生はプロレスに似ている。プロレスは何にも似ていない」

機会があれば是非

2009-07-17 11:52:46 | 日記
(今日、結構ディープです。)


えーっとこれはC定食ですね、牛肉とピーマンの中華風炒め。小鉢は2つ好きなのが選べて、きゅうりとシラスの酢の物、小松菜と油揚げのおひたし、それにご飯、漬物は取り放題、中華スープ。

これで600円。

安いね、さすがは東京地裁。



そう、東京地裁に行って来たんですよ。

一応、仕事と言えば仕事ではあるんだけど、別に悪いことしたわけじゃなくてあくまで僕は証人ですんで。

裁判所なんて来るの生まれて初めてだなぁ。

とにかくこういうお役所(お役所だっけ?裁判所って)関連のことというのは時間がかかる。まず開廷したら、「証人は一時退室し、お待ちください」とのこと。

そこから1時間半放置。

だもんでまずご飯でも食べるしか無いでんな。

それでもまだ1時間余ってる。

じゃあ他の裁判でも傍聴しますか、と裁判所のロビーにある裁判の予定表(ってのかな?)を見てみる。

さすがは大都市東京だね、裁判ばっかりですわ。

民事で言えば残業代請求とかそういうのもあるし、刑事で言えば詐欺、窃盗とか。

やっぱり見るなら刑事事件よね~。ちょうどいい時間に詐欺事件の裁判があったので傍聴してみることに。

裁判の傍聴なんて初めてだけどさ。

入ってみると真ん中にいる被告は坊主頭の若い男性。ちょうど弁護人が尋問しているところ。この弁護人がね!気のいいお爺さんという感じで「おお、人情派弁護士」という感じなんです。

途中から聞いたのでよう分からないけど、つまり、「罪を犯したけど反省しているんだよね?」ということをくどくど聞いてるみたい。

「良からぬ団体との付き合いはありますか?」
「いえ、ありません」
「被害にあわれた人へお詫びをしようと思っているんですよね?」
「はい」
「罪を償ったら働く場所はありますか?」
「はい」
「右腕にタトゥーが入っているようだけど」
「これは、お守り代わりに入れたものです」

みたいなやり取りが続き、結論として「本人も反省しています」というようなこと。

僕はこの時点では被告が何をやったのかわからない。でも、そういう話を聞いているうちに「うーん、彼も反省しているようだしなぁ」という気持ちになってくる。

弁護人の質問が終わり、検察官からの質問。

これがね!でっぷりとしているけど神経質そうなメガネの検察官で、簡単に言うと性格の悪いカンニング竹山、みたいな人。三歳児でも「あ、この人、悪役!」と分かるくらいの人(というと失礼だけどね)。

この人が意地悪な質問するんです。

で、この人の質問のおかげで僕も事件の概要が分かってくる。

要は今回の事件はオレオレ詐欺。

被告(28歳・男性)は建築会社で働いていたんだけど、良からぬところからの借金があった。金を貸しているほうは返せないなら仕事を手伝え、と誘いかけた。その仕事というのは宅配業者を装い、電話での指示に従って、老人宅に訪問しお金を受け取ってくること。被告はその誘いに乗り2人の老人宅を訪問してお金を受け取った。その金額1,400万。なんと!!

この時点で先ほどまでは「本人も反省しているみたいだしなぁ」と思ってた気持ちが一転、「それはあかんがな!」という気持ちになってくる。

被告は「借金があるから仕方なく仕事を受けた、本当はやりたくなかった」と主張するけどそれも本当かねぇ、と思ってくる。

その後、求刑って言うのかな?検察側、弁護側双方からの主張。

まず検察側。

本人の言うとおり言われてやった犯罪かもしれないが、だからと言って許していては「言われてやったのなら軽い罪で済む」という判例を作ることになり、更にアルバイト感覚で詐欺に加担する人間を作りかねない。だからここはしっかりと罪を償わされるべき。よって懲役3年がふさわしい。

簡単に言うとそんな感じ。でもね、これがねー説得力あるんだよね~。僕も聞きながら「そうだそうだ!」と思ったもの。

一方、弁護側。

確かに被告の行ったことは悪い。しかし多額の借金を抱え心中に焦りがあったこともご理解いただきたい。社会復帰に関しては被告の面倒を見てくれる社長の元で仕事がはじめられることも決まっているし、ご両親もこの場に来ているがしっかりサポートしていく予定である。よって執行猶予を願う。

こちらも説得力がある。で、ぱっと傍聴人席を見るとご両親がいらっしゃるわけです。まるでドラマのようにハンカチを握りしめながら。これ見るとさー僕も「裁判長!お願いします!彼だって社会の被害者なんです!!」という気持ちになってくる。

で、次回、判決と。

この場で判決かと思ったけど日を改めるのね。ま、ちゃんと検討するということか。

ちょっと「おい」と思ったのは裁判長が「次回の日付はいつにしましょうか?21日はいかがですか?」と聞くと弁護士が「すいません、そこは札幌出張でして」と断ったんです。「そうですか、じゃ22日は?」「すいません、そこも札幌でして…」「じゃあ27日は?」「大丈夫です」ということで次回は27日に。

これもさー、弁護士の都合で仕方が無いとは言え、被告にしてみれば早く決めてもらいところだよね、今、拘留(っていうのかな)されてるわけだから。


というわけでこれ見て大体小一時間。

うーん、正直「罪は犯すべきではないなぁ」と改めて思いましたよ。自分があの真ん中の席に座らされて検察から色々突っ込まれて、それをうしろで両親に見られる、なんてさ、やっぱいたたまれないもの。

裁判所を見ていると制服を着た中学生、高校生も多い。多分、社会科見学かなにかかな?学生の頃にこういうの見ておくのは犯罪の抑止に役立つと思うなぁ。

皆さんも機会があれば是非。

ビールかビールじゃないか

2009-07-16 07:30:18 | 食べ物
7月っすね。暑いっすねそうですね。

これだけ暑いと、緊急避難的にすずしい店に入ってビール、というのがいい感じになってきますね。とりあえず店に入って「何名さまですか?」という店員さんに対して「生2つ」とカウンター気味に言いたい。

昔、ドッピオさんと話したことがあると思うんだけど、こういう季節は本当にビールが旨いね。午後5時とか6時頃、ゆっくりと日が沈んでいく、それでもまだ少し青い空を見ながら「あー今日は何処でビールを飲もうかなぁ」と考えているときが一番幸せ。

最近は自炊することが多いので家でも缶ビールを飲んでます。

スーパー行って缶ビール買おうと思うと今は一杯種類がありますね。銘柄の問題ではなくて種類の問題。

ビール、発泡酒、新ジャンル、かな。

それぞれの種類なんて気にしてます?

ぼかぁぜんぜん気にしてません。

だいたいさー、「おれっちはアサヒしかのまねーぞ」みたいなこだわりがある飲み方しているわけじゃないし。

僕と一緒に飲んだことある人はご理解いただけると思うけど、どうせがっぱがっぱかっぱかっぱらったと飲んでしまうので何だっていい、ってところはあるね。

生だろうと瓶だろうと発泡酒だろうとぜんぜん問題ない。

だから買うのは値段で決めることが多い。350mlで最近は130円くらいで売ってるのを買ってるね。

昨年とかは買うのが面倒で近所の酒屋に1ケース単位で配達をお願いしたりしてたけど、それも考え物で、あると飲んじゃうんだよね。いかん、と思って最近は飲む分だけ買ってます。

個人的に「ああ、美味しいな」と思う、「味の違いがわかる」というのはサントリーのプレミアムモルツとギネスの黒ビールくらいかな。もうビール開発に人生をかけてらっしゃるビール会社の皆様には本当に申し訳ないんですがそれ以外はだいたい一緒。でもね、どれ飲んでも「あービールはおいしいなぁ」と思っているのでどうかご勘弁いただければ。。

と、ビールのことを考えていたら家で飲むためのグラスが欲しくなって買ってきました。

浅草の裏通りにある創吉というガラス屋のビアグラス。350mlのビールが泡も含めてぴったり入る。

ここでは昔、ワイングラスとデキャンタを買ったんだよね。

両方とも超お気に入り。でもワイングラスを割ってしまったので(オヨヨヨ…)また買いに行かないと。

この店のグラスはかわいかったり見た目がいい割りにそんなに高くなくて良いよ。

さーて今日は何処でビールを飲もう?

実はビールってのは(何でもそうかも知れないけど)何処で飲むか、誰と飲むか、ってのが大事なのよね。

ゆるい

2009-07-12 15:32:10 | 日記
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【はじめに】
今日のテーマは僕の腸の話です。
テーマがテーマだけに「う」ではじまって「こ」で終わる3文字が飛び交います。
お食事中の方もいらっしゃるかも知れないので、ご気分を害されないよう「う」で始まる3文字の言葉はすべてJOJOの奇妙な冒険の「スタンド名」に置き換えました。
つまり「スタンド仕様」です。

(はい、ほぼ日の『はらよわ男の座談会』のパクリです)
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前も書いたけど6月が上期末でタフに動いていたのでちょっとおなかが痛かった。おなか痛いだけならいいんだけど、結構、スタープラチナが黒くなってるんです。

おなかが痛くてマジシャンズ・レッドが黒いって言うとこれは完全に僕の持病である十二指腸潰瘍の可能性大。しばらくイカ墨も食べてないしね。

半期末が6月で終わり、7月は少し気が抜けるので今のうちに、と思って病院に行ってきました。

もうお腹は痛くないし特にやばいところもない、ただゲブ神が黒いだけで。

だけど、また忙しくなったときに急に体壊れると不安なので一応念のためね。

たぶん半年ぶりくらいに胃カメラを受けたんだけど、やっぱり十二指腸潰瘍があるそうです。しかもダブルで。なんだよ、もう1個買ったらもうひとつタダ、みたいなキャンペーン中かよ。

半年前くらいのが治ってなかったのかと思ったらそうではなく、またできたんだって。

で、分かりましたよ、理由が。

もちろん理由は暴飲暴食、ストレス、ではあるんだけどそもそも僕は胃と十二指腸を繋いでるところがヘルニアなんだって。へ、へ、ヘルメット!違う、ヘルニア!?

なんのこっちゃって顔してたらお医者さんが「簡単に言うと胃と十二指腸のつなぎ目のしまりがゆるいんです」だって。

うーむ、なんつーかそんなこと言われるなんてね~、思ってもみなかったなぁ。

怒っていいのか悲しんでいいのか喜んでいいのか…(喜びは絶対違うと思う)

つまりですね、つなぎ目がゆるいんで、食べ過ぎると食べ物(中には刺激物もあるでしょう)と胃液が十二指腸に行っちゃう。で、十二指腸が傷つけられ潰瘍になる、というわけです。

ふーん。

なんでそうなったかと言うとそれは突然なるものでもないんで生まれつきか、ずーっと食べ過ぎてたから徐々に弱くなったから。

30年間生きてきて初めて知ったなぁ。

原因が分かっちゃうとちょっと安心するね。

僕の経験上、潰瘍は一ヶ月あれば治る。場合によっちゃ1週間で治る。

だって昔、入院した時、入院したときには確実に潰瘍があったけど2週間経ってカプセルカメラやったら綺麗になくなってたもの。

(このときのハイエロファント・グリーンの色にはあせったけどなぁ。黒通り越して緑濃色だった。)


よーし食べ過ぎないぞお。

どのくらいが食べすぎかというと、僕はもうラーメンライスはきついね。

食べ放題系もきつい。飲み放題はいいんだけど。

つーことさで最近は療養中です。

薬もしっかり飲んでるし食べ過ぎてもいない。

お酒も結構控えてまして、週3日はノンアルコール状態。

おかげでクレイジー・ダイヤモンドも茶色になってきました。

もうちょいもうちょい♪

渡る世間に鬼はなし、あるいはSuica生活

2009-07-08 21:28:38 | 日記
出張です。

上野駅のみどりの窓口で新幹線のチケットを買う。

上野駅がさー、いま改装だかなんだかで窓口が仮のもので面倒なのよね~。

朝起きて7時10分の新幹線に乗る。

もう乗ったらぐーぐーガンモですよ。

で、福島着。

駅のホームでタバコを吸い、タクシー乗り場でタクシーに乗り込む。

タクシーの中でネクタイを締めてると、到着。

えーっと、会計を…。。。。




財布無いがな!


あっでー??

とりあえず小銭入れはあってそこに400円あったので運転手さんに渡し、「ごめんなさい、後で払います」と名刺を渡し連絡先を聞く。
運転手さんは最初「金額も少ないのでいいですよ」とか言ってくれたんだけどそれもさすがに申し訳ない。

しかし困ったなぁ。えーっと上野駅で切符買うときはカードで払ったからあったはずだよなぁ。

それ以降、財布使ってないから…、落としたとすると上野駅から福島駅までのどこかか。広いなぁ。

JRの落し物センターに電話してみると10時から受付とのこと。

こちとら9時半からお客さんと面談で今日は昼過ぎまでなんもできねーずら。

じゃあ、ま、ここで出来ることないな。

と、仕事。

仕事しながらも「えーっと、クレジットカード止めてカードとか諸々再発行してもらって…、現金はそんなに入ってなかったから泣くとして…ああ、免許の再交付も面倒だああ」と考えるともうぐったりしてくる。

仕事終えてJR東日本の落し物センターに電話してみる。

これまたなんと!!

「仙台駅に届いてます」とのこと。

すぐ電話。

聞いてみると新幹線の中に落ちていたのを誰かが届けてくれたとのこと。

駅員さんに財布の形とか中身とかを聞かれて僕のものだとわかってくれ、着払いで送ってくれることに。

助かったー!

いい人がいるもんだ。

その人にお礼しなくちゃな、と思ったけど今ってそういう人の連絡先教えてくれないのね。

それもおかしな制度だと思うけど。

ということで一安心。

今日は出張でホテルだけどありがたいことにそのホテルはSuicaが使える。僕はお財布ケータイなのでケータイがあれば大丈夫。ご飯もコンビニでSuicaで買う。

いやいや、渡る世間に鬼は無し、ってやつですね。

僕も今後財布拾ったらちゃんと届けよう。

お礼代わりに財布戻ってきたらどこかに寄付しようと思ってます。

飯に合うやつが一番エライ

2009-07-07 00:22:19 | 食べ物
あんまり良く知らないJRの駅で夕刻に人と待ち合わせをしていまして。

夕刻っても22時くらいですかね~。

駅を降りたときにメールが来て「まだかかるのでお茶でも飲んでてください」とのこと。雰囲気的にはまだまだかかるようなので、男が一人でお茶ってのもねー、と思いつつ、駅前をぶらついていたらどうもいい感じの店を見つけてぶらりと入ってみる。

恵比寿和顔」というお店。和顔は「わがん」と読むそうです。

入ってみるとカウンターとテーブル席があって、テーブル席ではみんながガヤガヤ酒飲んでて、カウンターではスーツ姿の女性が一人でハヤシライス食べてる。

いいねぇ。

酒場のカウンターで仕事帰りに一人でハヤシライス。うん、こういうのってかっこいいと思うよ。

僕も一人なんで当然カウンター。サービスカウンターにクロスカウンター。

空いてるカウンター席にはなんか荷物とか置いてあってお店の人から「すいません、いま片付けますー」と恐縮されたけどぜんぜん気にしてない。

で、ビールと、今日のお勧め「鯵のなめろう」「豚バラ炙り」。

鯵のなめろう。おいちそうだねぇ。

実際旨い。

ぼけらっと酒を飲んでるとマスターと店員さんがほんとにくだらないジョークいい合いながらつまみを作ってる。

「浅漬け一丁!」
「夜なのに?」
「はい、夜なのに」
「はい、夜なのに浅漬け一丁かしこまりましたー」

みたいな。

ほんとにくだらないな。

でもまぁどうにも憎めない人たちなんだよね。

と、思ってたら注文してないのに何か料理が出てきた。「カウンターばたばたでご迷惑かけちゃったんで食べてみてください」だって。

うれしいねぇ。

いただいたのはオクラとまぐろブツとホタテとイカを和えたの。ちょっとすりゴマが入っててね~うまいの。

一口食べて「すいません、ご飯ください」とお願い。

鯵のなめろうも豚バラもご飯にめっちゃ合いそうだな、と思ってたんだけど一応ほらダイエット中だし(←どこが)と思ってたんだけど、更にはメニュー見てもライスは無いんだけどとにかくメシが食いたい!と思っちゃったんだよ。

ビールでも一杯くらい飲みつつ待ってるか、と思って入ったのに思いもかけず一気に定食に。


「うま、うま、(もぐもぐ)うまいっす!メシにあうっす!」とがーがー言いながら食べてたらよっぽどその姿がおもろかったのか「じゃ、これもどうぞ」とトロロもくれた♪

そのトロロがねー、どうにも味が違う。うまみがあると言うか。

これなに?って聞いたら「トロロを出汁と味噌で味付けてみました」とのこと。

味噌ですかー、これまたご飯が(もぐもぐ)

やっぱメシに合うヤツが一番えらいなぁ。


いやもう食べ物の話ばっかで恐縮なんですが。

タマゴの具合が難しい、あと天丼

2009-07-05 10:27:07 | 食べ物
ということで、いただいた「パッパルデッレ」(=豪快に食べる、食いしん坊、という意味のイタリア語)を使ってパスタを作ってみました。

これを、

茹でて、タラコクリームソースで。

カルボナーラチックではあるんだけど、本格的ローマ風カルボナーラは生クリームを使わず、チーズとタマゴだけらしいね。

今回は、ほぐしたタラコに生クリームと卵黄を入れて混ぜて、茹でたパスタにフライパンの中で和えてみたんですが、やっぱりタマゴの具合が難しいね。。
ちょっとカタマリすぎた。

こーううまーくねっとーりという感じにはまだまだ遠い。

でもま、美味しかったんですが。

パスタ自体は250gあって、二人分としては多いなと思って全部じゃなくて3分の2くらいだけ使ったんだけどそれでもかなり食べでがあった。

ついでにこないだ食べた浅草尾張屋の天丼。

ここは永井荷風が通った店として浅草では結構有名。
海老がでかいことでも有名なんだけど初挑戦。

今日は豚の角煮作るんだ~♪豚バラブロックが安かったから~♪

平和なことしか起こらない

2009-07-01 19:12:17 | DVD、映画
見たかったんですよね~。

(2009-06-24)
Amazonランキング:6位Amazonおすすめ度:



えっとねー、ABBAの曲だけを使ったミュージカルを映画化したもの。

ずいぶんミュージカルの方も良いみたいだけどね。

話としては、母一人娘一人で育った娘が結婚式の前日に母の日記から父親と考えられる男性3人を呼ぶ、という話なんだけど、本当に平和なことしか起こらない。

ストーリーは陳腐でご都合主義ではあるけどもうそんなのどうでもいいじゃないですか。
誰も泣かないし、誰も傷つかないし、ちょっとなんかあればABBAの曲にあわせて踊るし。

こういうの好きだなぁ。

やっぱこの映画の白眉はメリル・ストリープですよ。しらべてみたら60歳だって。そんなの感じさせないくらい歌って踊って跳ぶ。すごいな。

あとね、ピアース・ブロスナンは「ミュージカル映画出ていいの?」ってくらいの歌唱力でちょっとご愛嬌。(この映画で、ゴールデンラズベリー賞の最低助演男優賞もらったらしいね) しかしまぁあの「SOS」の歌いっぷりはなぁ。。

ギリシャの自然をバックにさー、女性陣が踊るダンシング・クィーンなんかいいよ。

歌詞の内容とストーリーがしっかりマッチしているし。

ほいでね、やっぱり思うのはこういう映画の場合、英語のほうが有利だよね。
つまり、人称代名詞に男女の区別が無いから。

たとえばメリル・ストープとピアース・ブロスナンが「SOS」という曲(名曲!)で掛け合うところがあるんだけど、

"I try to reach for you"

という同じ歌詞も、女性が歌えば「私はあなたに手を伸ばそうとしたわ」だし、男性なら「僕は君に手を伸ばそうとしたよ」と理解できるしね。

日本語の曲ならもともと女性言葉で歌われていたら男性が歌う場合少しせりふを変えないといけないわけだから英語って便利よね~。
(もちろん、人称代名詞が豊富な日本語はまた趣があるわけだけど)

しかしABBAの曲なんて僕は「Dancing Queen」「Chiquitita」「SOS」くらいしか知らなかったけど名曲ぞろいね。

映画の中でかなり印象に残ったのはクライマックス前の「The winner takes it all」 メリル・ストリープが夕暮れのギリシャの海の前で歌い上げるシーンは必見ですよ。

本家のほうで。
ABBA-The Winner Takes It All Live 1980


歌詞がね、すごい。つまりは恋人を奪われた女性の歌詞なんだけど、
---
もう話したくないわ
すべては過去のことだもの
私をとらえていたこともあったけど、
それはもう過去のこと
私にはもうカードもないの
切るべきエースもないわ
勝者がすべてを取るの
敗者は小さくなるだけ

彼女はキスしてくれるの?
私がしたように
同じように感じるの?
彼女があなたを呼ぶときは

謝るわ
気分を悪くしたでしょ
分かってるの
あなたが仲直りしに来てくれたのは

でも分かるでしょ
勝者がすべてを得るの
観客は舞台の下にいるしかないわ
---
(かなり意訳)

すごいよね~。こんなん普通の男が聞いたらぶっ倒れますよ。

本当の歌詞はこちら

とにもかくにも「平和な気分になりたい」という人はどうぞ。

生でミュージカルの舞台見たら大興奮なんだろうね。



で、こういう同じ歌手の歌だけを使ったミュージカルって「ジュークボックス・ミュージカル」っていうんだって。ジョン・レノンやビリー・ジョエルの楽曲を使ったのもあるらしいよ。

そういえばちょっと前にクィーンの曲だけを使った「We will rock you」は日本でもやってたな。「リンダ・リンダ」もブルーハーツのジュークボックス・ミュージカルなんだろうし。

僕がプロデューサーだったら(前書いたマイケル・ジャクソンのはおいといて)バービーボーイズの楽曲でミュージカル作りたいなぁ。男と女のドロドロしたミュージカルが出来ると思うよ~。