浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

でも、やるんだよ!

2012-10-31 18:46:18 | DVD、映画
先週観てきたもう一本は『アルゴ』という映画。


あのですね、これ名作です。「骨太」という評価が非常に似合う良い映画ですから機会があったらぜひご覧いただきたい。

ストーリーは実話に基づいている。舞台は1979年のイランアメリカ大使館人質事件。

※事前背景を知っておくと非常に楽しめますのでよかったらどうぞ。僕も事前にこの話だけ知って行った。
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当時のイランは米英が援助しているパーレビ国王が支配していた。米英の狙いはイランの石油。石油による利益はすべて米英とパーレビ国王に。パーレビ国王は米英の支援を背景に贅沢三昧。国民は飢えていた。それに抵抗したイラン国民が革命を起こし、パーレビ国王は表向き「癌の治療」ということでアメリカに亡命。

イラン国民としてはアメリカは独裁者に金をやってイランの石油を取っていった上に独裁者をかくまいやがって、と反米意識が高まる。

そんな中、イラン革命グループによるアメリカ大使館襲撃事件が起こる。

今回の話はその襲撃事件により人質となったアメリカ人の救出作戦。それを実行したCIAのエージェントの話。
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監督主演はベン・アフレック。この人、昔は知らない人はいないイケメン俳優だったけど大作映画がこけたり(『パールハーバー』)、ジェニファー・ロペスと付き合って別れたりで一時期はどん底にいた。

どん底にいた頃は低予算映画に出てたりしたんだけど、僕はその時代のこの人のことけっこう好きです。『シンディにおまかせ』(しかしひどい邦題だ)のヨレヨレの友人役なんてすごくいいと思う。

その彼が復活し始めたのは自分で監督するようになってから。初監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』は僕は観ていないけど2本目の『ザ・タウン』は非常に骨太で良かった。系統で言えばボストンを舞台にしたスコセッシ監督作品的な感じ。デートには確実に向かないけど、男の熱さがグッとくる感じでよいのよ。

今、なかなか「骨太」な映画を撮る人っていないから貴重な存在だよね。巷ではイーストウッドを継ぐ者とすら言われているらしい。

今回の『アルゴ』も骨太で非常に良い感じです。

髭の人がベン・アフレック。役者としても今回は髭のせいもあるかも知れないけどいい感じに年を取って味のある男になってきたねー。

ちなみに舞台が1979年なので服装もそんな感じ。僕は当時のことはあまり知らないけど、一番「ああ70年代っぽいなー」と思ったのは登場人物がみんなタバコ吸ってるところ。当時は飛行機の中でも吸えたんだね。

ネタバレではないので言ってしまいますが、今回、CIAエージェントのトニーが出した人質救出作戦はなんと「ニセ映画をでっちあげて、人質をそのスタッフに仕立て上げ、堂々と空港から出国させる」という物。

当時は(1970年代後半)は「スターウォーズ」「猿の惑星」などが公開され大人気だった。そこでトニーは「宮殿や砂漠が出てくる超未来映画」、タイトル『アルゴ』という映画をでっちあげ、その取材ということにしイランに入る。今の時代にイランに入国する外国人はいないのでどんな職業に変装しても怪しがられてしまう。でも映画屋なら「あいつらは金の為ならソ連でポルポトとでも映画を作る」ということでイケるだろう、という作戦。

そのために知り合いのハリウッド関係者と映画プロデューサーと組む。

脚本もわざわざ金を出して買う。ニセ映画であることがばれないように記者会見やオーディションも行う。

このあたりは「そんなアホな」と思うんだけど「だって実話だもん!」の一言で納得。本当にこの作戦は「ハリウッド作戦」と呼ばれ実行されたらしい。でも「人質が救出された」という事実は公開されたものの、実際その作戦がどんなものだったのか、ということが公開されたのは20数年経ってからだったらしい。

面白かったよー。

イランのほうでは人質が緊迫した状態になっているのにそのための作戦としてはハリウッドでアホらしい映画製作(のふり)をしていて。

本当の『アルゴ』はどういうものだったか分からないけど、この映画の中では明らかにスターウォーズのパクリっぽく描かれているのもいいですね。スターウォーズ好きの人は確実にニヤリとしてしまう。

途中までの準備段階から、中盤はもう本当に息もつかせぬドキドキの展開、そして最後は少しホロリとさせる。(ラストもスターウォーズ好きならたまらない。いよっ、ベン、わかってるね~と言いたい感じ)

僕の好きな「でも、やるんだよ!」映画です。

大変な仕事、上司はダメで命令がコロコロ変わる。そもそも成功できるか分からない難しいミッション。おかげで家庭はボロボロ。失敗すれば大変なことになるけど、成功しても栄光はない。

元から無茶な作戦なんだ。ここで逃げても誰からも文句言われないだろう。

でも、、、

「でも、やるんだよ!」

という映画です。

いいよ~、これ。

エクスペンダブルな人たち

2012-10-29 19:27:38 | DVD、映画
先週末はついつい映画館に2回も行ってしまいました。

観たい映画があったもので。

どっちもいい映画でした。

本当は1本目の『アルゴ』について書こうかと思ったんだけど、2本目の『エクスペンダブルズ2』のインパクトがあまりにも強かったのでその話。『アルゴ』も本当に骨太ないい映画ですよ、機会があればぜひ。

ということで。

イエーイ!みんな大好き『エクスペンダブルズ2』! 

ストーリーは1行で言える。

「強い奴らがチームを組んで悪い奴を倒す!」以上!

シンプル~。


『エクスペンダブルズ2』木曜洋画劇場風予告編「最強の11人編」

この予告編作った人は本当にわかってる!エライ!やっぱりこのテイストですよね。

あのですね、言わば「90年代筋肉バカ映画」というジャンルがあるんですよ。筋肉ムキムキの映画俳優が難しいこと抜きで悪い奴を倒してハッピーエンドという映画が。

その映画に出てた代表格がシルベスター・スタローン、アーノルド・シュワルツネッガー、ブルース・ウィリスの3人。前作『エクスペンダブルズ』はその3人の共演と言うことでずいぶん話題になった。

前作『エクスペンダブルズ』も素晴らしかったですね。ストーリーはミエミエだし人はたくさん死ぬし銃撃ちまくるし。もし、こんな映画を今どきよく分からない俳優で作ったら「何考えてんだバカ!」の一言で終わりだろう。でも出てる人たちがこういう人たちだからね、みんな「まぁしょうがないよね」とニヤニヤしつつ観ている。

なんて言うのかな、クラスの悪ガキがいて最初の頃は「やめなさいよ、そんなこと」と注意されていたんだけどあまりにも長年それを続けているので「まぁ彼らはそういう人だから」と許されている感じ。

で、前作はそういう感じで頭カラッポのよい映画だった(ストーリー一切覚えてないや、なんかあれでしょ、南米の独裁国家に特攻してドンパチやって勝つんでしょ。そんな映画100本くらいあって中古レンタルビデオ屋に行けば1本100円で買えると思う)けど、大きな不満があった。

それは、

「ヴァンダムが出てねーじゃねーか!!」

ということ。

やっぱりねー、90年代筋肉バカ映画の雄と言えばヴァンダミングアクション!ジャン・クロード=ヴァンヴァンヴァンダムですよ。

その彼が今作『エクスペンダブルズ2』では最強の悪役とのことでいいですねー。

ちなみにヴァンダムの役名は「ジャン・ヴィラン」。「ヴィラン」って英語で「悪役」という意味。本当にもうこの人たちはIQ低いですね。。悪役の役名が「悪役太郎」ってついているようなもんです。

『エクスペンダブルズ2』木曜洋画劇場風予告編第二弾「ヴァン・ダム編」

繰り返しになるけどこの予告編を作った人は本当にわかってる!エライ!ヴァンダミンGO!

観ていると銃弾1発ごとに脳みそのしわが消えていく感じのカラッポの素晴らしい映画でしたよ。ストーリーはご都合主義でピンチになるとどこからか助っ人がやってきてすべて解決、最後はド派手な銃撃戦。ポリティカリー・コレクト?そんなもの糞くらえ、って感じでね。

この時代遅れのカラッポ映画がなぜこれほどまでに観ていて楽しいものにしているか、というとそれは何と言っても俳優全員の「歴史」ってものですよね。

シュワルツネッガーが出てきて「I'm back!(戻ってきたぜ!)」って言うだけでビンビンだもん。もちろん元ネタはターミネーターでの「I'll be back」という決め台詞。

ちなみに今回楽しいのは「地獄のヒーロー」チャック・ノリスのゲスト出演。

この人はどの映画出ても敵を皆殺しにしていて今回もこの人が出てくるだけで敵は全員死ぬ。出てくるたびに「続・夕陽のガンマン」のイントロが流れるのがおかしくておかしくて。。。この人は最近「チャック・ノリスの真実」というネタでインターネット上でおもちゃにされている。チャック・ノリスがどれだけ強いかというジョークなんだけど例えばこんなの。

「チャック・ノリスは時計をしない。彼が今何時何分かを決めるからだ」
「世の中には2種類の女しかいない。『チャック・ノリスに抱かれたい女』と『チャック・ノリスにもう一度抱かれたい女』だ」
「チャック・ノリスの移動の仕方は2つ。『歩く』と『殺す』だ」


このチャック・ノリスジョークがしっかり映画の中でもネタにされてます。

こんな感じでそれぞれの役者の過去の作品だとか実人生が基にしたネタがあるので、知っている人は楽しいよ。

あと、仲間の一人が最初に見せ場があってそれでいなくなっちゃう。普通の映画なら「あいつどこ行ったんだよ!」と文句言いたいけどその雑さがこの映画っぽくて非常に良い。たぶんスケジュールが厳しかったかそもそも存在を忘れてたかどっちかだろう。

ま、結局なんでもいいんです。

何せスタローン、シュワルツネッガー、ブルース・ウィリスが3人並んでマシンガンぶっ放すシーンとスタローンとヴァンダムの一騎打ちだけで好きな人はビンビンなんだもん。好きじゃない人に取っては本当にどうでもいい話だろうけど。

マドモアゼル唯先生とも熱く語ったんだけど、やっぱり我々世代はテレビでこういう映画ばっかり見て育ってますからねー。しばらく「そんな子供だましな映画」とバカにしてましたけどどうもすいませんでした。子供だろうときっちりだませる映画はやっぱり素晴らしいです。

この映画のタイトル『エクスペンダブルズ』ってのも非常に泣かせますよね。『エクスペンダブルズ』は作中の傭兵軍団のチーム名だけど意味は「消耗品、使い捨ての奴ら」ということ。彼らの役者人生自体、使い捨てのようなものでしょう。時代遅れのアクション映画自体がすでに使い捨てにされている。その彼らが集まってまたアクション映画を作っている。

そして、彼らの実人生自体、ひどいもんです。だいたい一人一回は離婚している。酷い人になると3、4回離婚してる。アメリカは離婚するとき相手に財産半分渡さないといけないそうで、ということは3回離婚すると財産は8分の1になってしまう。あとは暴力事件、金銭トラブル、破産、下半身スキャンダル、黒い交際、などなど。更に言うとみんなだいたい仕事が無い。全盛期は映画1本で1億円くらいもらっていたのにね。

シュワルツェネッガーは役者から政治家に転身したものの、家政婦との間に隠し子がいたことがバレて離婚。ケネディの姪という奥さんを失ったことで政治家生命は完全に終わった。映画に復帰する予定だけど依然と違って筋肉はダルンダルンになってしまったのでどうなるか分からない。

ヴァン・ダムは4度離婚し、昔の妻からはDVで訴えられており破産寸前。映画の仕事もほとんどない。それを自らネタにした『その男ヴァンダム』という映画はもう涙なしでは見られない。

ドルフ・ラングレンも仕事が無く一時期は薬物中毒でボロボロだった。

彼は本当はすごく頭のいい人で知能指数が160くらいあるらしい。学生時代はスウェーデン王立大学からフルブライト留学生としてマサチューセッツ工科大学に行ったらしい。そのまま行っていればノーベル賞取っていたかもしれないのに映画と言うヤクザな道を選んでしまったばかりにこんなことに。。。

彼らの映画同様、彼らの実人生自体も『Expendable(使い捨て)』だとも言える。

カラッポのこの映画から無理やり教訓を得るとするとたった一つ。

「こいつらに比べれば自分はまだマシだ」ということ。

彼らの実人生はつらく、輝ける場所は映画の中という「虚構」しかない。これって映画「レスラー」でランディがリングの上でしか輝けなかったことと一緒だよね。

ネットにこんな言葉があった。

「80年代、90年代、ゴミみたいなアクション映画を見続けていいことがあったか?何もない。時間とカネの無駄だった。ただ、ひとつだけいいことがあったとするなら『エクスペンダブルズ』を死ぬほど楽しめたということだけだ」



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既に続編の製作も決定しているとのこと。もう一生やってなさい(笑)

次に出演が噂されているのはニコラス・ケイジ。彼も3回くらい離婚した上にDVとか酔っ払いで逮捕されている。10億円を超える税金が未納になっているとのこと。

ウェズリー・スナイプスにも声がかかっているらしいけど残念ながら服役中(脱税)のため出演出来ない。

エクスペンダブルな人たちだ(笑)

あと出て欲しいのはやっぱりハルク・ホーガンだよね、今大変だから。奥さんが息子の同級生と浮気して離婚になり財産ほとんど持って行かれた(アメリカだと奥さんが悪くて浮気しても財産は分けないといけない)、更に息子が交通事故を起こし人に障害を負わせてしまったのでその賠償もしなければいけない。諸々あって自殺未遂までしたそうだし。スタローンとしてはロッキー3で共演もしてることだしここは助けると思って出演させるべきだと思うね。

あと今回一応役の上では死んだことになってるヴァンダムにはぜひまた出ていただきたい。ヴァンダムと言えば『ダブル・インパクト』で一人二役で双子役をやっているので今回死んだヴィランの双子の兄とかの設定で。

ああ、そうそう。エクスペンダブルな人ではないけどジャッキー・チェンには出ていただきたいね。エクスペンダブルズが悪人追って乗り込んだ香港で刑事として出てきたりしたら最高。

組み合わせ

2012-10-26 18:02:44 | 
食べ物でいい組み合わせってのがありますな。(なんか落語みたいな始まりだ)

たとえばさ、じゃがバターにイカの塩辛乗っけて食うの。これ、北海道行って初めて知ったんだけど北海道では一般的。この食べ方旨いよなぁ。じゃがいもという畑のものとイカという海のものがなんでまたこんなにマッチするのかというのはめちゃくちゃ不思議。

イカってなんであんなに畑のモノと合うんだろう?大根と煮ても旨いし。イカってホントは畑に生えてんじゃないの?

今はもう一般的になったけど「海老マヨ巻」ってのを小学校高学年のときに初めて食べたときにも驚いたなぁ。海老ってそれまでは普通、醤油かちょっと中華で甘酢みたいなものだと思っていたらマヨネーズだもんね。それ以上にご飯とマヨネーズの合いっぷりがさ。マヨネーズとご飯という組み合わせって当時は斬新だった覚えがある。

そういや明太子スパゲティもね。イタリアのパスタに明太子乗せちゃうっていう発想もすごいしこれに刻みノリ、シソというのが合うんだよなぁ。ねぇ、そう思いませんか?僕はシソが大好きだけど明太子スパゲティほどシソが名脇役としての存在感を発揮するシソ料理は無いんじゃないかとすら思う。

なんと言うのかな、シソっていつもは主役の脇でひっそりと決して優しくない存在感を出しているイメージじゃないですか。たとえて言うなら主人公の女子高生の後ろにいるうるさい学級委員長役みたいなさ。明太子スパゲティだとその学級委員長がいつものメガネを外してたりして「なんだよ、こいつ、結構かわいいんじゃないか」みたいに思ったりしません?ああしませんかそうですか。で、その学級委員長がドレスに着替えてシンデレラになるのがシソの天ぷらだったりしてね。

ああ、組み合わせの話でしたね。

なんと言っても今の時期の最強コンビいわばマッスルブラザーズ的組み合わせは焼きサンマと大根おろしですね。僕はね、もうこの組み合わせの主役は大根おろしだと思ってますよ。サンマに大根おろしつけて食べてるんじゃなくて、大根おろしにサンマつけて食べてるくらいの勢い。

あとこないだね、まいたけが安かったんです、スーパーで。

きのこ類は冷凍できるので安い時にはついつい買う。さーてどう食べようかな、と思ってたら台所にホタテ水煮の缶詰が転がってるの思い出した。

昔、会社で飲食店やってたときに仕入れたものなんだけど余ったんで安く売ってくれたんだよね。非常に家庭的な社販。じゃあこれで炊き込みご飯だな、ということで炊き込みご飯にしてみたらこれが旨くてさー。

もちろん作った夜のあったかい炊き込みご飯もおいしかったけど余ったのおにぎりにしといて(白ゴマなんかぱらぱらかけておいてね)次の日の朝ごはんにしてもおいしい。

まいたけの山の感じとホタテの海の感じがマッチしてさぁ。こういう炊き込みご飯って冷めたら冷めたで香りが更に立つような感じがする。

秋は食べ物旨いですな。いつでも旨いけど。

ねじれた話

2012-10-24 19:23:58 | 日記
たまに「教育」について話すことがあります。その理由は「僕がそれについて専門的な知識があるから」ではまったくない。まさかそんなことあり得ない。ただ仕事柄そういうことに絡むことが多い、ということと、「誰かがいろんなところでいろんなこと言わないと伝わらないだろうなぁ」と思っているから。

教育って人間社会の根幹を成すものでありながら、実態については、それに関わっている人たちしかあまり知らないんじゃないかと思う。

子供でなかろうと子供がいなかろうと、その人の払った税金が多く投入されている。しかもその教育によって10年後、20年後、場合によっては100年後の日本と世界を変える可能性がある。でも実際、現場でどういうことが起こっているのかというのはなかなか見えない。なので書いておこうかな、と思うだけ。もちろん僕が書いて何が変わるってわけでもないですが。

えっとですね、今年度から指導要領ってものが改定されました。

指導要領というのは簡単に言うと文科省が決めて学校(小中高)に対して「こういうこと教えなアカンよ」と指示するもの。だいたいまぁそんなものがいいモノであるわけがないんだけど。

今回の新指導要領のメインテーマは「生きる力」。うん、まぁそれは良い。

具体的なところで言うと体育において「武道」と「ダンス」が必修化された。

武道必修化の背景は「日本に対する愛国心」と「日本独自の礼儀作法」を養うため。

はぁ。。(深いため息)

ほんとにどーしよーも無いですな。

愛国心と礼儀作法を養うことについてはまだいい。言いたいことはあるけどそれは百歩譲ろう。大事なものだと僕も思う。それは学校で養って貰わなければいけないものなのか、そもそも学校で養えるものなのか、と言う話はおいておいて。

でもさ、だったらさ国語算数理科社会とかに加えて「愛国心」と「礼儀作法」と言う科目を作ればいいだけの話じゃん。

まぁ仕方ない。武道で「愛国心」と「礼儀作法」を養う、というなら千歩譲ろう。(合わせてもう1,100歩譲っちゃったよ)

でもね、実際、学校現場でどういうことが起こっているか。

まず武道を必修化と言われて選べる武道は「柔道」「剣道」「相撲」。(一部、女子は「薙刀」をやっているところもあるみたいだけどよく分からない。一応、文科省の指導要領解説には柔道、剣道、相撲とある)

どれを選ぶかは学校に任されている。

そうすると学校側が選ぶとして、まず剣道は道具を揃えるのが大変ということで敬遠される、また相撲はやる場所が無いし女子は嫌がるだろう。ということで消去法的に柔道を選ぶ学校が多い様子。

でもね、実は柔道ってきちんとした指導者がいて、また柔軟性や受け身などしっかり基礎訓練をして実施するべき武道なんです。そうでないと体の接触もあるし投げもあるし危ない。もちろん畳も無ければいけない。

当然、そんな条件が揃っている学校は少ない。

特に事故はもっとも避けなければいけないので、あるところでは「座った状態で組み合う」ことをやっているそうです。つまり、座った状態で組み合い、お互いに技(の真似事のようなもの)をかけるというもの。

ああ、クラクラしてきた。。。

あのね、指導要領には「球技や武道・ダンスなど様々な経験をし、したいスポーツを選べるようにします」とも書いてある。つまり、学校で武道に触れることで武道を好きになってもらい、その後、武道をしたいと思ってほしい、と言う狙いもあるということだよね。

専門ではない指導者に、しかも中途半端なものを教わって、それを「おお、これ楽しい!やりたい!」と思うと思っているんだろうか。もし「武道に興味を持ってほしい」というならもっと別な効果的な方法があるでしょうよ。例えば、あくまで例えばなんだけどオリンピックとかの超一流選手の名勝負を見せる、とかさ。ずっと柔道やってきた人に「柔道の魅力」を話してもらう、とか。そのほうがよっぽど「あれ、武道って結構おもしろそうだな」と思って「したいスポーツを選べるようになる」んじゃないのかね。

なんだかさぁ、ねじれているんだよなぁ。


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そうそう、そういえば昨日のニュース。

大阪の教員採用、異例の追加募集 給与カットなど響く?

来春採用予定の大阪府の公立教員の試験が異常な低倍率だったそうです。つまり単純に言うと「志願者が少ない」ということ。

東京都だと倍率5.44倍(中高同時募集なので単純比較できないけど)、大阪の隣の京都で3.85倍。そこに来て大阪は1.9倍という倍率ドンさらに倍。

先生になりたい人、いま大阪がチャンスですよ。他の都道府県より給料安くて、トップからガンガン叩かれて、出世する見込みもあまりない(民間から校長採用することが進めば)職場ですが。

倍率が低いからと言ってもよくない人を採用するわけにはいかないので大阪府は追加募集をするとのこと。大阪の採用と福岡県の採用日程がかぶったので、福岡に人がいるんじゃないかいうことで九州で募集をするとのこと。いやいやそういう問題じゃないでしょう(笑) これもねじれてるんだよなぁ。

このままいくと僕は非常に悲観的な予想をしている。

たぶん大阪の教員採用にはきちんとした人も集まるだろうけど、それと共に「倍率が低いから狙い目だ」と考える人も集まるだろう。そういう人が子供に対して素晴らしい教育を出来るかというと非常に疑問。もしそれが続けば大阪の教育現場は更にダメになっていくだろう。しばらく経って誰かが「いやいやこれは間違いだった、元に戻そう(あるいはもっといいものにしよう)」と言い出す時が来るかも知れない。それ以降はよくなるかも知れない。でもそれまでに学校に通った子供たちは浮かばれませんやね。

あ~確かに―

2012-10-23 17:19:54 | 日記
よく「後輩が彼女として連れてきたら悔しいタイプ」なんて表現が女性を言い表す言葉で使われる。

え? 聞いたことない? リリー・フランキーとみうらじゅんの対談ではよく使われてますよ。

後輩でなくても男友達が彼女を連れてきた場合、印象は3つに分類される、、んだそうです、友達の話によると。

まず「くやしい!」という印象。これはたとえば「なんでこんなヤツがこんな良い女性と!」って場合ですね。

次に「残念…」という印象。これは「コイツいいヤツなのになんでこんな女性と…」という場合。えーっとあくまで友達の話ですからね。

三つ目は「良かったじゃーん」という印象。これはつまりお似合い、ということ。

僕の話で言うとこれ嘘じゃなくてここ数年くらいは3番目の印象がほとんど。ほんとですよ。

で、そういう場合でも、男の心理としてその彼女に聞きたいのは「コイツ(男友達ね)のどこがいいの?」ってことなんじゃないでしょうかね。

ちなみに僕自身はその質問をすることはない、ほんとに。なんとなくまぁちょっと失礼かなぁとも思うし。
ただ僕以外の誰かがグッと踏み込んで「で、コイツのどこがいいの?」って聞いたときにはめちゃめちゃ乗っかるけどね。「よくぞ聞いてくれた!」って感じで。

とにかくまぁみんな聞きたがることは「コイツのどこがいいの?」なんです。

それは「こんな男のどこがいいのさ?」って思ってるわけじゃなくて、単純に興味として。

この場合、不思議なものでその男友達と自分が仲がよければよいほど、その彼女の答えってのは非常に納得できるものであることが多い。

更に言うと「気づいてなかったけど言われてみればコイツと仲がよいのはそういうところがいいからだったわ」と改めて気づく。

だから彼女が答えた後のリアクションとしては「あ~確かにー」っていう台詞になる。

数年前、小学校時代からの同級生の結婚式の後、彼と小学校時代からの友人たち7、8人で飲んでて、そこの花嫁もいたので誰かが聞いたんだよね。

すると花嫁は「一生懸命なところ」と答えた。そこにいた僕も含め同級生全員が「あ~」って言ったんだよね。それまでおそらく20年間くらいその花婿と付き合ってきて「あいつはどんなやつ?」と聞かれても「あいつは一生懸命なやつだよ」と答えたことなんて誰もないと思う。でも花嫁に言われてみて「あ~確かにー」と思うところもあるんだよね。

こないだも会社の後輩と彼の彼女と酒を飲んでたんです。その時、同席していた人が「コイツのどこがいいの?」と聞いたらその彼女は間髪いれずに「嘘をつかないところ」と答えて、いた人全員が「あ~確かにー」とうなづいた。

こういうのって非常にほほえましいよね。

昔だとそういうこと聞いたら「いやいや、そんなこと無いよ、実はコイツはね~」とあることないこと、ちょっと酒を飲んでいたらないことないことを吹き込む、という非常に迷惑で面倒くさいこともしてたけど、今はもう大人になってそんなことはあまりしなくなったよ。いや、ほんとに。

アウトレイジ三国志を強く希望します

2012-10-19 01:03:16 | DVD、映画
「日本の男なら、大きい声だけ出せれば軍人とヤクザの役は出来る」と言った監督は誰だったか。たぶん五社英雄じゃなかったかな。間違ってたらゴメン。

見てきました「アウトレイジ・ビヨンド」

いうまでもなく「アウトレイジ」の続編。ヤクザ映画です。ヤクザと警察しか出てこない。女の人は二人くらいかな。言っときますがデートには向かない映画です。こういうのはやっぱりいい年した男が焼酎でも飲みながら見るのが一番いいの。そういう映画だってあってもいいじゃないですか。新しい靴を買ってる場合じゃないのよ。

いやー、ヤクザ映画って本当に楽しいものですね。実世界の暴力は肯定しませんが(ダメ!ゼッタイ!)映画だもの、いいじゃないですか。

何がいいってね、やっぱり実力派の俳優さんたちが思いっきり演じているのを見るのが楽しい。

そりゃ無理くり続編作ってるんで色々「あれ?」と思うところはある。「あの人生きてたの?」とか「前、こんな人いたっけ?」とかね。でも、いいの。それが昔ながらのヤクザ映画の伝統。東映ヤクザシリーズなんて前死んだ俳優が次で別の人になって出てきたりするんだから。そのファンキーさがいいの。

全体に楽しいのは「フラグの立ちっぷり」。映画とかでよく「死亡フラグが立つ」と言う言葉があるんです。

例えば戦争映画で「オレ、この戦争が終わって国に帰ったら結婚するんだ」と言ってたヤツが、怪しい物音に「ちょっと見てくる、大丈夫、お前はここで待ってろ」って出てったら大体次のシーンで死んでるでしょ。「ああ、こいつ死ぬなー」ってのが「死亡フラグが立つ」と言うこと。

この映画でもばしばしフラグが立ってた。

「バーカ、お前らに護衛されるほど年取ってねーよ」とかいうヤツがいて「あー、この人死ぬんだろなー」と思ってると次のシーンでパーン。正しいお約束。しかも高橋ヨシキ先生言うところの「ちょっと早いタイミングで撃つ」感じね。

そいでやっぱりそのフラグの裏切りが来るのがいんだよね。「え?この人、死んじゃうの?」とか「え?ここでそれ?」とか。

このへんはもうジャズにおけるアドリブに近い。

そしてなんと言ってもこのシリーズは「キャスティングの妙」があるね。実力派を意外なキャスティングしてそれが見所になってる。前作でも北村総一朗(湾岸署署長ね)を一番のヤクザにしたのが良かったわけだし。今回「ああ、ずっと見てたいなー」と思ったのは桐谷健太。本当にこの人は信頼できる若手俳優さんだねー。「いつ?いつ?」って感じで大体二回繰り返す感じが切れてていい。「俺が加藤やってきます!」ってさ、そういうことじゃないよ(笑)

よくドッピオさんと「日本人俳優で三国志」を作るならって駄話するんだけど、その監督は北野武で決まったね。いい感じの配役してくれると思う。「アウトレイジ 三国志 全員、悪人」とか最高じゃない?

これさー、たぶん第三弾あるね。倒すべき巨大な敵まだ残ったし、あの人が一言も喋ってないし。あの人の殺人マシーンっぷり最高。何人殺したの?(笑)あの人の後ろ姿映るだけて「あ、また殺すな」って思うもんね。

三作目を作るなら入れてほしい俳優さんはねー、北村一輝、松田龍平あたりかな。北村一輝はフェイントで実は警察側で。松田龍平はすげー強いヤクザだったらかっこいいと思うなぁ。あと吉岡秀隆にはぜひ切れ切れのヤクザをやっていただきたい。

とにかく楽しいです。一作目見てから見るのがオススメ。

深い青

2012-10-17 14:41:37 | ニュースから
チェスとコンピュータの話なんだけど難しい話じゃないです。

IBMが開発した「ディープブルー」というコンピュータがあります。これはなんと「チェス専用コンピュータ」。当時のチェス世界チャンピオンを倒すことも目標として作られた。

なんと1秒間に2億手まで先を読み、最前の手を打つらしい。

僕はチェスについて何も知らないけど、なんとなく「IBMのコンピュータが初めて世界チャンプに勝った」ということは聞いていた。調べてみると1996年と1997年の二回、当時の世界王者であるゲイリー・カスパロフとの対戦が行われ、1996年はカスパロフの勝利、1997年はディープブルーが勝ったとのこと。

特に1997年の対決では特に第一局終盤にディープブルーが打った一手が話題になったらしい。

この一手は戦いを長期戦に持ち込もうという意図があるように見えるし、どうも過去のデータからの計算された最善の一手には見えなかったようで、当時は「この一手のみ人間が打ったのでは」という噂も流れたらしい。

ある有名チェス選手はこう語っている。

「あれは信じられないくらい洗練された動きだった。守りを固めながら、同時にその後反対の動きをすることを微塵も悟らせないようなものだった。そして、それがカスパロフを混乱させた」

とにかくこの一手が勝負の決め手になったことは間違いがない。

そして、勝利から15年経った今、ディープブルーの開発者がこの一手についてこう語っている。

「 あの時ディープブルーは次の一手を選択できず、単にランダムに手を打ったのだ」

…まじで!!??

つまり、あの時、ディープブルーは2億手先まで読んでもどの手を打っていいか分からない状態だった。プログラム上「どの手を打っていいか分からない」という状況が起こることは想定していなかった。だからディープブルーはただランダムに打った、とのこと。

すげー!

おそらく対戦相手カスパロフはそんなこと知る由もないのでそのランダムな手に対して「この手はどういう狙いがあるのか」と必死で考えたんだろう。

それにより読みすぎて負けた。

すごいね、しかし。

スポーツにしろ勝負事にせよ、たまにこういうことが起こるからたまらない。


例えば、僕は4年に一度くらい麻雀をやる。もちろん頻繁にやるわけではないから、打ち方とかはぐちゃぐちゃ、はっきり言ってとても弱い。でも麻雀に慣れている人にとっては「え?ここでそれを捨てるということは何か裏があるのか?」と思われる。それにより最初は結構勝てちゃったりする。当然しばらく打っていると「ああ、こいつは何も考えていない素人だな」ということがバレてすぐ負ける。

そういうことって結構あるよね。たぶん三国志にだってあるだろう。

ステレオタイプな感じで行くと天才と戦略家の戦いだよね。野球だったら野村監督がID野球でデータを読んで読んでの戦いが、何も考えてない長嶋監督の一手でポーンとひっくり返されるような。

こういうことがあるから勝負事の世界は面白い。

このディープブルーの話、確実に映画になりそうな気がする。

元記事はこれ。

IBM元開発者「チェス王者にスパコンが勝てたのは、バグのおかげ」

現金250円

2012-10-15 09:04:23 | 日記
よく晴れた秋の日に皇居をジョギングする、というのはかなり気持ちのいいものです。

こないだの日曜日は少し曇り空で、ジョギング中に小雨が降ってきたけどそれはそれで悪くない。火照った体にちょうどいいくらいで。

で、ルンルンで帰ってちょっと休日出勤してたら財布が無いことに気づいた。「あれ?部屋のどこかに置きっぱなしにしたかな」とだけ思っていたんだけど、家に戻っても無い。

財布落としました。。。

記憶をたどってみるとジョギングに行くときにコンビニ寄って水を買った時にはあった。コンビニに寄って「財布落ちてなかったですか?」と聞いたけど無いとの事。

とすると皇居に行く途中か皇居で落としたことになる。

うーむ、まいったな、と思って皇居を管轄している丸の内警察署に連絡したら届いているとのこと。財布の特徴、中身など何を聞いても僕のモノ。

さっそく取りに行った。

身分証明証類はほとんど財布に入っているのでパスポートで確認してもらい無事、手元に戻った。

さすが日本だねー。今まで何度か財布を落としているけど大体手元に戻ってきている。

いくら現金が入ってなかったとはいえ(250円しか入っていなかった。30代男性としてそれはどうかと思うけど)クレジットカード、身分証明書、銀行のキャッシュカード、パスモなど完全無事というのは本当にありがたい話。もし完全に無くなってたらそれら諸々の再発行など、考えただけでぐったりしてくる。

拾った人にぜひお礼をしたいんだけど、最近は個人情報保護法の関係でそれを教えてくれない。僕が一度、財布を拾って届けたときもそうだった。直接お礼が出来ないのは心苦しいけど、まぁどこのどなたか知らない方に「ありがとう」と言いたい。

僕も財布を拾ったらくれぐれも警察に届けようと思う。(今までも届けなかったことないけど)

日曜日の警察署というのはなんとなく面白かった。対応してくれた警察官の人が制服じゃないのね。(休日だから?) なんか若い人がカーゴパンツとフリース、その上にベスト、というちょっとアメカジっぽいファッションだった。婦人警官の人が案外かわいくて。なんか広末涼子の物まねする芸人さんを少し素朴にした感じだった。褒めてるように聞こえないかも知れないけど。話かけようかなとも思ったんだけど、腰にしっかり手錠をぶら下げていたので、余計なことを言うのはやめた。

ワサビ至上主義宣言

2012-10-12 10:15:56 | 食べ物
大航海時代、西欧諸国はこぞってアジアを目指した。結果、多くのアジア諸国が植民地になった。

しかし日本はそうならなかった。それは何故か?

理由の一つは日本にはスパイスが無かったから。

ヨーロッパ人がアジアを目指した理由の一つは当時、金にも匹敵すると言われた胡椒、トウガラシ、クローブ、、などのスパイス。そのいずれも日本には無かった。

代わりにあったものはワサビとカラシだけ。

ヨーロッパ人には好まれなかった。

(以上、高校で世界史を取らなかった僕の知識なので突っ込まないでね)

ふふふ、馬鹿め!

ワサビ美味いのにね。

ワサビ、大好きです!

冷蔵庫にチューブのワサビ切らしたことない。

金寿司の〆にもワサビ巻をもらう。あどで~ワサビをで~刻んでね~白ごまと巻いてもらうの。金寿司はワサビにこだわってて(あそこでこだわってないものなんて無いけど)伊豆の決まった畑の湧き水に一番近い一角のワサビなの。畑買いじゃなくて一角買い。美味いの。

ワサビは魚にもちろん合うけど肉と食べても美味い。あまりし無いけど家でステーキ焼くときは醤油ソースとワサビ。どうせ家ではちゃんとしたソースなんて作れないもん。ワサビは揮発性なので脂と食べるとあまりツンと来ない。

あと焼鳥にもワサビをガンガンつけたい。鶏皮とかボンチリとか脂っこいのには合うね。


こんなん。

焼いた塩サガリにワサビってのもいい。ああ、豚バラ塩焼きにもいいな。

そしてさ!なんつってもワサビが合うのは鰻の白焼ですね。

大阪の南森町の駅前に鰻串が安い店がある。「宇奈とと」と言うチェーン店なんだけど、ここの店だけ鰻串とか肝串とか居酒屋メニューがあんの。南森町に泊まることはあまり無いけどたまに来ると晩御飯はだいたいここ。

鰻串白焼にワサビ。

鰻の白焼にワサビは必須ですね。僕が総理大臣だったら法律で決める。白焼にワサビ出さない店は5年以下の懲役あるいは100万以下の罰金。許さへんよ←大阪なので関西弁と言う単純さ。

浜言葉

2012-10-09 22:39:22 | 日記
昔、仕事で初めて青森県の八戸に行った。仕事を終えて、市内の中心街にある屋台村で飲んでいた。一人だったんで店の人と少しだけ話ながら「なんで初めて来たこの町がこんなに落ち着くんだろう?」と不思議に思っていた。

それまで本州では岩手より北に行ったことがなかったので、青森県に来たことは初めてだった。でも新幹線を降りたときから、なんか肌に合うというか落ち着く気持ちがしていた。

ビールを3杯くらい飲み終えたあと、気づいた。

「あ、周りの人の言葉が浜言葉だ」

浜言葉、というのはつまり「漁師町独特の、少し荒っぽい訛り」のこと。正確には同じではないんだけど、だいたい青森八戸、岩手三陸沖、千葉九十九里あたりの太平洋沿岸の訛りのことを言う。

青森県の方言と言うと津軽弁が有名だけど、八戸は青森市とは距離があるので主に南部弁という方言が話されている。その南部弁は八戸から二戸に南下し、僕の父の地元である釜石まで広がっている。つまり、初めて来た場所だけど話されている言葉が僕の父の地元と一緒なので、親しみがあったということだった。

僕の地元も太平洋沿岸だったので浜言葉があった。青森、岩手ほどは顕著ではないけど。たまに岩手に帰るとなんとなく僕も訛りが移ってしまって「だっきゃ」とか言ってしまったりする。僕は津軽弁のアクセントを真似することはなかなか出来ないけど、南部弁はすぐに真似できる。

だから、なんとなく太平洋沿岸の浜言葉には親しみがある。


今日は福島に来ています。福島に来るのはたぶん2、3年ぶり、震災以降は初めて。

福島も太平洋沿岸であるのでやっぱりなんとなく落ち着く。コンビニの店員さんからちょっと言葉が訛っているから。厳密には浜言葉では無いんだけど、たぶんなんとなく系統は一緒。

久しぶりの秋の福島は相変わらずきれいな空。

雲がゆっくり山の方に流れていく。もう少し後だったら向こうの山の紅葉がきれいだったんだろうけど。

震災から1年以上経って、街にその傷跡は何もないように見える。

ただ、ひとつだけ以前は見かけなかったもの、それは町のところどころにある放射能計測器。赤いデジタル文字で今の放射線量を示している。もちろん人体に影響のある数値ではない。

晩御飯はホテルの近くにあった回転寿司。向かいに若い学生カップルがいる。女性の方は福島らしい、色の白い線の細い感じ。男性はまぁイマドキの感じ。ケッ。男性は女性の食べたいものを聞いて注文してあげているけど声が小さいからあまりちゃんと店員さんに伝わらない。声の小さい男は大体ダメだね、ケッ。

福島には、こんなカップルもおじいちゃんもおばあちゃんも、おっかさんもおとっつあんもいる。もちろん小さい子供もいる。

この土地を、浜言葉を話す人たちの生活を汚すものがあったら、それが何であれ、僕は許さない。

肉食獣のような

2012-10-08 18:33:23 | スポーツ
ほとんどのギャンブルをやる習慣が無い。

パチンコもしないし競馬、競艇、競輪、などなどほぼすべてしない。ギャンブルに使ったお金って今までの人生累計でも4、5万も行かないんじゃないかな。別に嫌っているわけでも無いのでやらない人間になったというのはめぐり合わせとしか言いようがない。

その中でも「機会があれば見ることは見る」というのは競馬。競艇も「競技」としては好きだから見たいんだけどね。なかなかテレビ中継も無いので見られない。

競馬は昔、大学の頃にテレビ局のアルバイトをしていた時によく競馬中継の仕事をしていた。札幌の初夏に綺麗な札幌競馬場で競馬を見るってのはお金をかけなくても楽しいものです。

ただお馬さんがレースをしているのを見るだけでも迫力があるし楽しい。

競馬の楽しみってたぶん、連綿と続いている「血統」を追いかける、ということが一つなんじゃないかと思う。

今、目の前で走っている馬の父はあの頃、あのレースで勝った馬で、母はあのレースで勝った馬で、、、というのはいろいろ感慨深いものがあるだろう。

残念ながら僕はそんなに知識が無いけど、その気持ちはよく解る。

競馬ど素人の僕だけど記憶に残っている馬は何頭かいる。

※これから書く話、競馬ど素人の話なので間違いたくさんあると思います。どうかご勘弁を。

まずジェニュイン。

毛色がキリッとしまった色で好きでした。(素人なのでそういう見た目でしか判断できない) 騎手の勝負服が黄色と黒の縦じまでこれがまた馬の毛色とマッチし、緑の芝生の上にいると美しいんです。皐月賞を勝って次のダービーも勝つかと思ったら、皐月賞2着のタヤスツヨシに負けた。

あと名前が思い出せないんだけど、何かのレースでスゴイ速さを見せつけた馬。最後のスピードはど素人の僕でも「これはモノが違うな」と思ったんだけど、そのレースで怪我をして引退した。名前を思い出したいんだけど思い出せない。

で、最近で言うとなんと言ってもオルフェーブル。

この馬はすごいっすよ。僕が「あ、この馬なんかおかしい」と思いだしたのは今年の3月。この馬は皐月賞、ダービー、菊花賞とG1(競馬のグレードで一番高いもの)レースを3つも勝った。こういうのを「クラシック三冠馬」と言ってこれはもうスゴイ名誉。史上7頭しかいない。この3つのレースは出場できるチャンスが1度しかない。特にダービーはどの生産者も騎手も誰もが勝ちたいと願うレース。ディープインパクト(2005年)以来のクラシック三冠馬だし、加えてその年の有馬記念(これもG1)も勝ち、何と四冠。「こりゃすごいのが出てきたね」と思っていた。

そしたらもっとすごいのがその次ですよ。阪神大賞典というG2レースに出場した。四冠馬なのでここは当然勝つだろうと思っていたら、第三コーナーで謎の逸走(曲がりきれず)、先頭から一気にビリに下がった。ビリどころか、この馬だけぜんぜん違うコースを走っている感じ。こりゃもう終わったな、と思ったらすごいスピードで走りだしてなんと最終的に2位に。あのね、この馬だけなんか肉食獣なんじゃないの?と思うくらいのなんというかオーラと言うかパワーだった。3000mのレースなんだけどたぶんこの馬だけ3500mくらい走っている。それで2着なんだもの困っちゃうよね。

動画あります。

2012年 第60回 阪神大賞典

こんだけコース外れてたのに2着って、もし真っ当に走っていたらどれだけ差がついていたことか。。

このあたりから個人的に「なんかこの馬違う、すごいぞ」と思いだして、普段競馬中継なんて観ないけど、この馬が出る、と聞いたら極力観るようにしてきた。

オルフェーブルはなんというか優等生的強さじゃなく「獣的」強さがあるような気がするんだよね。展開とか戦略とかじゃなくて「ガッと走りゃいいんだろ」みたいな。そういう人ってどの分野でも大好物なんです、僕。

続く天皇賞。これもG1なので勝てば五冠。これもなかなかいない。でも完全凡負けでなんと11着。

これでオルフェーブル終わったのか、と思われていたら続く宝塚記念で堂々の1着、やすやすと五冠達成。このレースは生で観ていて僕は「スターってこういうことを言うのか」と思ったね。

五冠となり国内敵なしのオルフェーブルの次の標的はフランスの凱旋門賞。これは世界で最も権威のあるレースの一つで今まで日本の馬は一度も勝っていない。(2着が何頭かいると思う、たぶん)

日本の競走馬悲願の凱旋門賞制覇がかかったレースが昨日行われた。日本時間で23時。これは観ないといかん、と思って見てましたよ。

またね、オルフェーブルの馬体がフランスの太陽に照らされて綺麗だった。日本馬だから、というひいき目もあるのかも知れないけど、茶色の馬体がオルフェーブルだけでキラキラと輝いている感じでねぇ。

レースの方は最終コーナーで完ぺきにオルフェーブルが飛び出してきた。正に獣という感じで。普段、競馬を見ない僕だけどこれは興奮した。スポーツ関係でここまで興奮したのは何カ月ぶりかですね。残り500mでオルフェーブルの前がポカッと空いた時には「ああ、やっぱりスターだ、勝つことを運命づけられている」と思った。そして残り200mで先頭に立った時にはこぶしを握りしめ、日本馬初の凱旋門賞勝利を確信した。

でもね。

世界の壁は厚い。ライバルを完全にぶっちぎったと思ったのに10番人気の牝馬(つまりメス)が追いすがってきて、残り10メートル、というところで刺された。

ぐぬー。

動画あります。



いやいやスゴイ。

最後に刺されてはいるけども、その馬以外は完全にぶっちぎっている。この馬さえいなければ。。。

次、どうなるのかまったく分からないけど、とにかくオルフェーブルが出るレースは観たい。

おにぎり一個がどんだけ嬉しいか

2012-10-07 23:09:19 | 食べ物
ふと気づくと暑くなくなっている。

ついこないだまでTシャツ短パンで「暑い暑い」と言っていたのにね。

毎年このくらいの季節になると思うんだけど、この時期ってめんどうくさかった恋人と別れるときみたいな気持ちになりませんか?

本当にめんどうくさくていろいろ大変だったけど、別れてみると決して悪いことばかりじゃなく楽しい思い出もあったなぁと思ったりして。

思いません?ああ、思わないですか、じゃあいいんだけど。

秋めいてきて野菜が美味しい季節なので最近もっぱら晩御飯は自炊です。今週は珍しく出張が無いし。

最近のヒットはピーマンとじゃこを炒めたの。ごま油でじゃこを炒めてそこにピーマンを入れてじゃこがちょうどカリカリになるまで更に炒めて味付けは麺つゆ。じゃこの旨味がいいよ。副菜にもなるしつまみにもなる。

あと鶏の白ワイン煮。ピーマン、ニンジン、玉ねぎ、キャベツと鶏肉を炒めてひたひたの白ワインで蒸し煮にします。味付けは塩コショウとコンソメ。洋風なんだけど案外ご飯に合う。トマトを入れてトマト煮にしてもいいと思う。

それから適当な中華風炒め。最近思うんだけど中華風炒めのポイントは下ごしらえですね。切った肉に酒を絡め、小麦粉か片栗粉を軽くはたいておく。そうすると旨味が閉じ込められるらしいし、全体的なとろみの元になる。ほら、中華風の炒め物の汁ってちょっととろみがあったほうが美味しいでしょ。水溶き片栗粉を後で入れるのってめんどうだし巧く行かない時もある。それがこの方法だとちょうどいい感じ。野菜は茄子が安かったので茄子、ピーマン、キャベツと炒めて味付けは味噌とトウバンジャン。ご飯進むわー。茄子は本当に旨い。

今日の晩御飯はパエリアでした。と言ってもお店で出るような見栄えのいいもの想像しないでね。フライパンで作るテキトーなやつです。具は鶏肉とアサリ(半額だった、わーい)とピーマンと玉ねぎ。エビなんかあると見栄えがいいんだけどねー。パエリアはおこげが旨い。


こういう風に「よく料理しています」と言うとたまに言われるのが「男でそんなことしていると女性が料理作るの遠慮しちゃうから嫌われるよ」ということ。

申し訳ないけど僕はその考えにまったく賛同できない。

女性に嫌われるのはもっと別の本質的な問題だから。やかましわ。いや、そうじゃなくて。

「料理好きな男性に女性が料理作るの遠慮する」というのってたぶん、「自分で料理作る人に私が手料理作ったら何か文句付けられるんじゃないかしら」と思う、ということでしょ。

あのさぁ、言うわけないじゃん!

僕の人間性には大層疑問があるけどそんなことは言うはずがない。

女性に限らず人に料理を作ってもらっていただいたことは多々あるけど、一度も文句なんてつけたことないですよ。それって「思ってて言わない」ということじゃなくて、そもそも人に作ってもらった料理に不満を持ったことが無い。

僕は思うんだけど、自分で自分の為に料理を日常的に作っている人って「それぞれの料理にどれだけ手間がかかるか」ということが身に染みてわかっていると思うんだよね。

例えば。

そばを茹でて出してくれたとしましょう。お皿にそばが持ってあって、小鉢に麺つゆ、小皿に薬味、例えばわさび、刻み葱なんかが載せてあるとしましょう。僕だったらこれだけで大層嬉しい。

だってね、もし僕がただ自分のためだけに食べるんだったらまず小皿は使わない。薬味は小鉢の麺つゆにあらかじめ入れといちゃう。だって薬味盛っただけでも小皿洗わなくちゃいけないじゃん。刻み葱なんかも僕は欲しいから自分だけの時もつけるけど、わざわざまな板と包丁出すのも手間と言えば手間。おろしショウガ一つとっても僕はいろんなシーンで欲しいけど、それはそれでまた手間よ。

こういう風に皿を、包丁を、まな板を洗う手間をかけてくれるってだけで嬉しいじゃないですか。

自分で料理作って自分で皿を洗っている人はこういう「手間」を自分で知っていると思う。だから人がかけてくれる手間の一つ一つに感謝出来るんじゃないかと思う。

もちろん、大皿にドンと持ってあって「勝手に取ってね」という状態だったとしてもそれはそれでその人なりに手間をかけてくれているわけで文句の一つもない。

もう僕はね、おにぎり一個だろうと誰かが作ってくれるならめちゃんこ嬉しいよ。

がんばればいいんだよ、がんばれ

2012-10-06 21:52:08 | 
「がんばれ」って言葉があんまり好きじゃない。なんつーか具体的じゃないでしょ。

たぶん、この本に出てくる球児たちもそう思っているんじゃないかな。


開成高校というのは東京の私立の男子校(中高一貫)なんだけど何せ頭がいいことで有名。3年連続くらいで東大合格者全国トップ。そんな学校に野球部があるなんで知らなかった、ごめん。

ごめんついでに結構強いらしい、ごめん。2007年には東京大会でベスト16になっている。しかも最後の試合で負けた学校が甲子園に行っている。

その野球部を追ったドキュメント。

アメリカに「マネーボール」という本があって(映画にもなった)それが大層面白かった。メジャーリーグでもっとも選手の年俸が安い球団がどうやって金持ち球団に勝ったかというノンフィクションなんだけどここに描かれるのはまさに「弱者の兵法」だった。開誠高校野球部も正にそれ。

強豪校と違い野球エリートなんてほとんどいない。そもそも試験が難しいので入ることも大変。グラウンドにはナイター設備が無いうえに練習日も少ない。

そういう彼らがどうやって勝つのか。

もちろんそういう「マネーボール」的戦略も面白いんだけど、たぶんこの本のテーマは野球じゃない。もし野球だけなら野球にまったく興味のない僕は楽しめないもの。

じゃあ何がテーマなのか?

うーん、うまく言えないけどいろんなことなんだろうな。

部員はみな「理屈っぽい」。頭のいい子たちなんだろう。

ちょっと引用してみる。
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著者:いまの課題は何かな?
選手:問題は頃に対するアプローチですね。ある動作に入って球を捕って投げる。そのアプローチに対する対応力が僕はないんで。
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あのさぁ、そんなこと難しく考えているから勝てねーんだよ(笑)

いちいち彼らの話は理屈っぽくてめんどうくさい。いいから来た球ガーンと打てよ、と言いたくなる。

でもね、彼らが社会に出て、野球ではない何か、たとえば仕事に向かった時にこういう理屈っぽさって「論理的思考能力」と言われて重要になるんじゃないかと思う。

目の前の野球だけを考えたら彼らに「あのさ、それじゃダメだよ」と言いたくなる。でも彼らの10年後、20年後を考えると「そのままでいいよ」とも言いたくなる。

どっちがいいのかなぁ、と思うと僕が言えることはただ一つ。

うん、まぁ、がんばれ。

何と言うかまぁ。

がんばれ!

バターサンドとサンマと醤油とコーヒーと

2012-10-05 17:03:21 | 注目サイト
ほぼ日刊イトイ新聞で「みんなで六花亭を訪問しました」という連載が始まっています。

ほぼ日は震災以降、気仙沼をいろいろ支援していて、その中でいろいろな食品会社との付き合いが始まっている。それで知り合った斉吉商店(海鮮問屋)、八木澤商店(醤油)、アンカーコーヒー(コーヒー)の人たちと共に帯広の六花亭の社長に会いに行く、というもの。

まずそもそも六花亭の社長の話が面白くてたまらなかった。「あの会社のお仕事 六花亭編

更に気仙沼の人々の話も最高。特に「斉吉商店」の話なんてもう涙なしでは。。返しダレを取りに行くとこなんてもうね。。。オヨヨ。

専務の「気持ちはわがっけど、」ってのがいいんだよなぁ。テキストで三陸の南部弁をしっかり再現してる。僕の父の地元もこういう南部弁だからアクセントはよく解る。

といういろいろな人が六花亭に話を聞きにいく今回の「みんなで六花亭」は現時点(10月5日)では第三回までアップされている。

いちいち「いいなぁ」と思っちゃう。

六花亭の小田社長が「白扇酒造のみりん、、」というと醤油屋の八木澤商店さんが「岐阜の」と即返す。「さすがご存じだ」「一応、味噌醤油屋ですから」というやり取りなんかね、超一流の侍同士が試し稽古してるような感じ。

気仙沼と帯広だろうとやっぱり食べ物屋さんというのは繋がってるんだよね。

あと、第二回で和枝専務が純夫社長(旦那さん)に向かって「あの、あの、しゃべっていい?」って聞くところがいい。たぶんこの専務、話好きないいおっかさんなんだろう。僕の周りにもこういうおっかさんよくいる。僕の母はまさにこういう感じだし、実家の周りにもたくさんいる。あと、この人見てると手稲金山のお母さんを思い出してしまう。こういうおっかさんの作るおにぎりはだいたい美味い。

個人的に東北にルーツを持ち、北海道にも住んでいた僕としてはこれはもうたまらない。

読んでると六花亭のお菓子と斉吉商店のサンマが食べたくなるよ、ほんとに。

電子書籍の夜明けは遠い

2012-10-03 22:34:29 | 
パソコンだとかスマートフォンの進化で「電子書籍元年」ってずっと言われている。いつになったら次の年が来るのか不思議でしょうがない。

電子書籍が大流行りなのはよく解る。単純に考えれば場所を取らないし流通は簡単だろうし、何より印刷しなくていいわけだから原価がかからない。こんなにいい話はないだろう。

「やっぱり本は紙じゃないと」という声もあるだろうけど、デジカメが出始めた時に多くの人が「やっぱり写真として紙に印刷されてないと」と言っていた。そんな人が今ではほとんどの写真をモニタだとか携帯観てるんだから多少は慣れの部分もあるだろう。

(たぶんそれって古代エジプトや三国志の時代から「やっぱり石版じゃないと」とか「やっぱり竹簡じゃないと」とか言ってたんだろうね)

だけど僕自身は今まで電子書籍をそんなに買ったことがなかった。

別に僕だって「本は紙じゃないと」というこだわりがあるわけじゃない。ぜんぶデータにしてくれるならこんなに楽なことはない。

でもなんで買わないのか。理由は簡単。高いから。

例えば紀伊国屋のサイトでみてみると新書にしろコミックにしろ、電子版のほうが10円高かったりする。本気で言ってるの?印刷代も紙代も輸送費もかからないのになんで?

普通に考えれば電子書籍って単なるデータなわけで原価はかなり落とせると思うんだけど。気持ち的には紙の本より電子書籍が半額になってもいいと思う。でもなんで安くならないんだろう?すごく疑問。

多分、業界として色々決まりごとがあるんだろうけどこんなの買うわけ無いじゃん。

あとは組み方の問題。つまりページ構成。ただ単に紙の本の状態をPDFみたいにしたままというのもある。文庫本であればまぁ問題ないけど、縦組みと横組みが混ざっている雑誌とかだと最悪。縦組みで始まって右に送っていくと横組みの見開きページの半分とかが出てくる。読めないよ。

どの会社も電子書籍を売りたいと思っているならこの辺考えないといけないだろうね。

で、色々考えていたら京極夏彦の新刊が電子書籍で出ているのを知った。この人の本は分厚い(レンガ本と言われている)のが有名で、電子書籍なら場所を取らないし、値段も紙よりは少し(本当に少し)安いしいいかな、と思ってダウンロードしようとしてみたんだけど。。。まー面倒くさい。

オフィシャルサイトからダウンロード出来るわけではなくて電子書籍サイトからダウンロードしなくてはいけない。

そしてその電子書籍サイトがいくつかある。紀伊国屋とかセブンイレブンのサイトとか。それぞれがiPad用の電子書籍アプリを出している。まずこっからして選べない。まぁこれも市場調査だなと思っていくつかのアプリをダウンロードし比較してセブンイレブンのアプリから書籍データをダウンロードすることにした。

はい。そこでもちろん会員登録必要。氏名、住所、電話番号、メルアド、クレジットカード情報を入れる。あのさ、メルアドは分かる、クレジットカード情報も分かる、でもデータダウンロードするのになんで住所と電話番号が必要なんだろうね。

iPadでアプリをダウンロードし、氏名、住所、電話番号、メルアド、クレジットカード番号を入れる。そしたら欲しい書籍データを選び、IDとパスワードを入力する、、、

十年前の僕がやってきて「何やってるの?」と聞かれて「本を読もうとしてる」と答えたらアホかと思われるだろうね。

とにかくまぁダウンロードして読んでます。京極夏彦という人は本の組み方にこだわる人で同じ作品でもハードカバー、新書、文庫で組み方を変えている。具体的に言うと文章が見開いたページをまたぐことがないようになっている。それは電子書籍でも同じ。だから作品自体に文句はない。

でもアプリの操作性がどうもひどい。

例えばページをめくる方法が二つある。一つは左から右にフリックさせる、もう一つは左端をタップする。これがどうも。フリックは面倒なのでタップでめくりたいんだけど、僕は左手でiPadを持っている。そうなると右側をタップするのが面倒臭い。まぁ右で持てばいい、と言われるとその通りなんだけど。

電子書籍のアプリを作ってる人って本当に自分で電子書籍を読んでるんだろうか?こういう細かいところって大事だと思うんだけどなぁ。

おそらくいつかは電子書籍の時代が来るだろうけどそれはまだまだ先のような気がします。