浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

ゴールデンウィークに観た映画「港町」について。

2018-05-10 11:30:14 | DVD、映画
ゴールデン・ウィークでしたね。

毎年、この時期が一番いいね。暑くもないし寒くもない。だいたい毎年、僕はこの時期から短パン解禁です。

で、「ゴールデンウィーク」という言葉は映画業界が宣伝のために作った和製英語だそうです。という訳で今年のゴールデンウィークは映画を観まくっておりました。

前半は27日にアベンジャーズ・インフィニティウォー、28日にジュマンジ(吹替)、29日レディプレイヤー1、後半は3日にジュマンジ(字幕)、4日に港町、5日にシェーン、6日にアイ、トーニャ。どれも面白かった。

で、僕が書いておきたいのは「港町」について。他の映画はまぁ世界的大ヒット作だから僕が書かなくても誰かが書くだろう。

映画『港町』予告編



でもこの映画は素晴らしい映画であるにも関わらず上映館数はとっても少ない。東京だと渋谷のシアターイメージフォーラムという映画館だけじゃないかな。

だけど、これは繰り返し言っておきたいのだけど興味深い映画だった。大げさだけど「映画というメディアのかなりギリギリのライン」なんじゃないかとすら思う。その話を少し。

そもそもどういう映画かと言うと想田和弘監督の観察映画第7弾ということになる「観察映画」というのは想田監督による一連の作品群のことで、ドキュメンタリー映画だけど筋書きも(あらかじめ決められた)テーマも無くただ対象を観察している映画ということ。

非常に説明が難しいんだけどぜひいくつか観ていただけれ一発で解ると思います。

お薦めは「選挙」、ぜひどうぞ。日本の選挙制度がバッチリ分かって笑えてその上、考えさせられる。

観察映画については前も書いた。→「壮大な湖を観ているような映画」 

この時、僕が書いたことは「観察映画」についての僕がずっと感じていることを非常に僭越だけど、我ながら的確に書けたと思っているので引用しておきます。

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観てて思ったのは「なんか雄大な湖を観ているみたいだなぁ」ということ。ずっと見ていても静かな湖面にはほとんど何も変化は起きない。でも時々、かすかな波紋が起きる。「あ、今のなんだ?魚が飛び跳ねたのかな?鳥が飛びこんだのかな?」と思う。でも今となっては分からない。観察映画もそういう瞬間があるから、しかもそれがいつ起こるか分からないので逆に目が離せなくなる。そう感じる。
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で、今回の「港町」。

これはまた今までの観察映画と比べても非常に説明のしづらい映画になっていると思う。もちろん何か難解な話だという訳ではもちろんない。映画としては想田監督が岡山県の牛窓という町(現在は合併し正確には瀬戸内市の一部)でただいろいろな人々を映している。

今までの観察映画と比べて異質、というのは、例えば観察映画は「事前にテーマを決めない」とはいえ、それでも何かしらの意図は感じた。例えば「選挙」「選挙2」であれば「日本の選挙」について監督なりの興味があったのではないか、ということが観ている我々も気づく。平田オリザを観察した「演劇」もそう。観察映画だから筋書きの無い映画であることは予測していたけど、それでも「そこで何か興味深いことが起きるのではないか?」という予感があった。

この「港町」の次の作品「ザ・ビッグハウス」なんて正にそう。

「ザ・ビッグハウス」予告編


アメリカで10万人収容のアメフトスタジアムを観察した映画、ってだけで「とんでもないこと起こりそうだなぁ」とワクワクしてくる。

だけど「港町」はそうではない。想田監督がラジオ出演されたとき(アフター6ジャンクション)、この映画の成り立ちに関して話されていたのだけど、ほとんど偶然のようなかたちでスタートした映画だそう。ただ、想田監督が、言っちゃ悪いけど特に特徴も無い港町を観察するという映画が面白くなるんだろうか?と観る前には少し思っていた。

でもね、おもしろい!

保証します!面白いです。細かいあらすじはネタバレになるので書かないけど、ぷぷっと吹き出してしまうところも多々ある。

例えば笑えるところというと、この町は高齢化が進んでいて大体の人は耳が遠くなっている。だから人々はおんなじことを何度も、大声で言わないといけない。これがもう、最後には面白くて仕方がない。いや、笑っちゃいけないのかも知れないけどさ。狙ってこんなギャグをしたら逆に白けちゃうけど、これが事実だから、事実という大げさなものでなくて単なる普通の生活だからそこにおかしみがある。

そして、この映画には「こ、これは、いったい何なんだろう??」と背筋がゾッとするとところもある。観察映画だからすべて「事実」なんだけど事実の中に溢れてくる「虚構」がある。それが興味深く、恐ろしい。恐ろしいというとすごく失礼なんだろうけど、僕はそう感じてしまった。

僕はゴールデンウィークにいろいろ映画を観た。それぞれ、大変おもしろかった上に、僕はそれらの映画は「語ることが出来る」と思う。例えば「ジュマンジ」であればバーチャルなゲーム世界の物語にオールドスクールな「ブレックファストクラブ」という映画の要素を合わせたもの、、とかね。その言葉が巧いかどうかは別としてとりあえず語る言葉を持っている。

だけど、この「港町」だけはなんと言っていいか分からない。面白いんですよ、面白いんですけど、どう面白いかと言われるとこれはもう「人それぞれ」と言うしかない。

もし、機会があればぜひ観てみてください。

履歴書について

2018-05-07 18:52:59 | 日記
ふと家のポストを見ると履歴書が入っていた。


なんだこれ?と思って裏を見ると、近所に新しく出来るスーパーのスタッフ募集のチラシだった。

うん、なるほど。

とにかく今は人手不足だし、オープニングスタッフであればなんとしても人を集めなくてはいけない。「いちいち履歴書買うの面倒くさいな」と思う人ももしかしたらいるかも知れない。その人に「もうこのチラシの裏に直接書いてもOKですよ」というのは確かに理屈は通る。そういう人が何人いるか分からないけどね。

とかく履歴書なんてのは面倒なもんですね。

たぶんもう僕の人生で履歴書を書くことは無いんじゃないかなと思う。もしあったとしても「手書きじゃなきゃダメ」と言われたら「じゃあ結構です」と言うんじゃないかな。

もちろん数回かは僕も履歴書を書いたことがある。

昔はさ、なんでもかんでも手書きじゃなきゃダメとかで本当に面倒だったよね。修正液使っちゃダメ、とかさ。

もちろん、今もあるんだろうねぇ、手書き履歴書が必須の会社。そんな会社、行かないほうが良いと思います。

手書きの履歴書を提出される会社側は「字には人となりが出るからそれを見たい」という理屈をこねる人もいる。オーケー。じゃあそれを認めるとする。でもさ、だとしたら会社側も応募者に対して何かしら手書きで文書を出すべきだよね。例えば採用通知とか全部手書きで書いて出すべきでしょう。

もし字で人となりを判断したいなら、採用試験で書道でもやらせればいいと思いますけどね。

AmazonEchoも買っちゃったよ。

2018-05-04 14:41:44 | 日記
先日、AmazonEchoDotを買ったのだけれど(→「AmozonEchoDotを買ったよ。」)便利なのでついAmazonEchoも買ってしまった。


Amazon Echo

前回購入した「AmazonEchoDot」は小型で値段が安いものなんだけど、今回のEchoはそれより大きくてスピーカーが良いもの。値段もDotよりは高い。Dotが5,980円なのに対してEchoは11,980円。それが期間限定で9,580円だったのでつい。。

そもそもなんでふたつも必要なのか、ということになりますがあると便利なんですよ。

僕の今住んでいる部屋は2DKでして、最初に買ったDotのほうはキッチンに置いてある。


こんなアダプタを買ってキッチンの上部の壁に付けてある。そもそもこの天井近くのコンセント、何に使えばいいのか分からなかったのでちょうど良いです。

料理している時に手で触れずに「アレクサ、音楽をかけて」といえば音楽がかかる。ほとんどラジオを聞くためだけに使っていますが。べんりですよ。

で、もうひとつの部屋がリビングでそこにもスピーカーがほしいなと思っていたんです。ということで購入。


こんな感じで置いてある。

で、このAmazonEcho、どうなのか?

うーんとねぇ、正直、Dotで充分だったかなぁ、と思います。Echoのほうは大きい分、スピーカーも良くなっている。良くなっているんだけど、低音が響きすぎる。そのせいでラジオだと特に人の声が聞きづらいんだよね。。音質はいじることが出来ないのでそれが惜しいと言えば惜しい。

今、EchoDotをふたつ買えば1,000円オフ、というキャンペーンをAmazonがやっているけどそれが正解なのかも知れないなぁ。

EchoであれDotであれ声をかけるだけで音楽やラジオを聴くことが出来るというのは明らかに便利なんだけどね。

家を出るとき、「アレクサ、音楽を消して」と言って出る時ふと、「このままエアコンもアレクサに声かけたら消してほしいなぁ」とすら思う。

どんどん未来になってきますな、良いのか悪いのか。

上を向いてアルコール

2018-05-01 12:32:06 | 
お酒はよく飲む。

お酒って特に日本だとすごく簡単に買えるし、俗に言う「飲みニュケーション」も頻繁だから、ふと気づくと「あれ、ここ数ヶ月、飲まなかった日無いな」と思うことがある。

特に僕みたいな仕事だと、夜に人と会うと「ま、とりあえず飲みながら話しますか」ってことも多いから。

そういう時ふと「あれ、自分、アル中なんじゃないだろうか?」と怖くなってお酒を断ってみたりする。いまのところ何の問題も無い。

例えば、飲みたくて飲みたくて仕方ない、と思ったりしないし、当然、手が震えたり幻覚を観たりなんてしない。ありがたいことに健康診断の数値もガンマGDPという肝臓が悪いと上がっちゃう数字も今のところ正常値。

と言っても僕は全然安心出来ない。

たぶんね、アルコール依存症ってもっと静かな、もっと恐ろしい病気だと思うから。

こないだこの本を読んだ。


「上を向いてアルコール」


コラムニストの小田嶋隆という人が自身の依存症体験を書いたもの。本としてはかなり面白くて(interestingでもあるんだけど、funnyでもある)ところどころ思わず吹き出してしまう。だけどこの「滑稽さ」がやっぱりちょっと怖いと思うんだよね、この依存症ってやつは。。

考えてみると、日本って意外とアルコールにはゆるい社会なんじゃないかなと思っている。

身分証明書無しで自己申告でお酒が買えるし、しかもコンビニで気軽に24時間買える。最近は「ストロング系」と言ってアルコール度数の高い、9%とかのチューハイ、が流行ってる。そりゃそういうお酒があっても良いけど、あまりに高アルコール飲料がカジュアルすぎるような気もするけどどうなんだろう?

ということで日本って一生懸命、禁酒や断酒をしようとしている人には結構ツライ社会なんじゃないだろうか。

そりゃもちろん「本人の意志次第だよ」と言われるかも知れないけど、僕はそれはちょっと違うんじゃないかと思っている。

例えば、僕はもう煙草を止めて10ヶ月くらいになるけど、煙草だってこれニコチンという物質への依存症だと思う。今回では無いけど、昔、少し煙草を止めた時(すぐ断念した)は、寝ていて煙草を吸う夢すら見た。これって「意志」の問題じゃなくて完全に病気なんじゃないかと思う。

アルコールもそういうところがあるんじゃないかなぁ、、僕は専門家では無いから断言は出来ないけれど。

アルコール依存症の事例を読んだりしていると、これもう素人(友人や家族、周りの人ね)にはどうしようも無いよなぁ、と思う。

お酒は楽しく適度に、というのが大前提だけど、もしなにか問題あったらすぐ病院に行ったほうがいいと思うよ。