浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

青空

2016-05-28 18:23:36 | 日記
「謝ってください」と言われた時に「はいはい、謝りゃいいんだろ」と思っていると物事は絶対にうまくいかない。

なんでかって言うと「謝ってくれ」と言うのは大抵の場合、「ただ謝罪の言葉が欲しい」って意味じゃないから。その言葉に含まれているのは(含意、と言いますが)、「私はこれだけ傷ついた、傷つけられる前の状態に戻れないことは自分でも分かっている、けど、せめて貴方にそれを分かって欲しい」ということだから。

その含意に気づかない人は言葉だけの謝罪を繰り返し、そして「そんなんじゃ謝ったことにならない!」と非難される。そして「なんだよ、面倒くせーなぁ、謝ったじゃねぇか。何度も言わせるなよな」と心の中で思う。そんな心中の人が何度、謝罪を繰り返そうとその言葉は誰にも届かない。

大事なことは謝罪の言葉があったかどうか、じゃない、と僕は思う。

「分かってくれた」かどうか、です。

分かってくれたのかどうか、は僕は傷ついた当人ではないから分からない。

でも、とにかく「彼」は、来た。

映像で見るその土地の空はただただ青くて、もしかすると60年近く前の8月6日もこんな青空だったのかも知れないな、と思った。

「私は人間ですよ」と言う人口知能

2016-05-25 08:13:02 | 日記
出ましたね~、iPhoneパンクロックバージョン。


ウソです、割りました(涙)

たまに割れてるiPhone持ってる人がいて、「交換すればいいのに。。というかなんでそんな風に割っちゃうわけ??」と思ってたんだけど、iPhoneもガラス、そりゃ割れるね、落としたら。

機種変更出来るまで(つまり割賦代払いきるまで)後8ヶ月ほどあるのでここはおとなしく修理しようと思ってます。

考えてみれば先代のiPhoneも1年半くらいでバッテリがヘタって交換してもらったのでこれはまぁ必要経費みたいなもんです。

と、なるとさ、面倒なのが修理予約ですよね。

そもそもどういう手続をすればいいのか分からないし、もしかしたら契約オプションで保証とか付いているのかも知れない。シンプルに行けば銀座のアップルストアでジーニアスバーを予約してってところだけど銀座行くのは面倒だし郵送対応も面倒だし、と思ってまずはAppleのサポートセンターに連絡。

そういうのって電話だとすごーーく面倒くさくないですか?フリーダイヤルに電話架けて、「電話が込み合ってます」とか言われて待たされて。。

ですから今回はAppleのチャットサポートを使ってみた。

iPhoneのシリアルナンバーを入れてチャットページを立ち上げると2分以内に連絡が来る。


イメージとしてはこんな感じ。

それで症状伝えて、さくさくっと10分くらいで修理予約完了。素晴らしい!

途中であまりにも的確なので「もしかしてAI(人口知能)ですか?」と聞いちゃいましたよ。もちろん「光栄です!しかし残念ながら人間です(笑)」と返答が来たけどね。

いや、それだって100パーは信じられないよね(笑)人工知能が「私は人間です」って言うことだってありうるだろうから。Appleならやりかねん。

最近はAIの話が結構多い。個人的には「うーん、AIで対応しきれないこともあるだろうな」とは思っている。実際さー、たまにiPhoneのSiriを使ったりしているけどイライラすることは多い。

今回思ったのは「文章の分野、つまりチャットやメールであればAIの対応は結構行けるんじゃないかな」ということ。どうしても音声の分野だと正しいことを言っていてもそもそも「声が不自然」と感じる。だけど、文章ならそれは結構ごまかせるんじゃないかな。

そしてそもそも「音声によるユーザーサポート」ってめちゃくちゃ面倒くさいじゃないですか、サポートする側もされる側も。

この分野でのAIの活用はこれからどんどん広がってくるだろうなぁ。。

ズートピア

2016-05-16 18:40:31 | DVD、映画
ここ最近の、というかはっきり言ってしまうと「ジョン・ラセター合流以降」ということになりますが、ディズニー・アニメは神がかってますね。圧倒されました。

ちなみに言っておくとジョン・ラセターというのは元々、ピクサーの人で、ピクサー作品の評価が高かったため、ディズニー・アニメのトップにもなった。厳密にいうといろいろあるんだろうけど、ざっくり言うとそういう感じ。

ジョン・ラセターによるディズニー・アニメだと「シュガー・ラッシュ」「アナ雪」「ベイマックス」あたりを僕は見ているけどどれもこれも面白くてたまらない。

ということで今回の「ズートピア」ですよ。

見る前から「どうせ面白いんだろうなぁ」と思って観てましたがもう「完璧」のレベルですよね、はっきり言って。もし万が一、文句を付けるところがあるとすれば「完璧すぎて憎らしい」というところくらいでしょう。何か欠点があったほうが愛おしいって時もあるけど、まぁそれは言いがかりでしょう。

話の筋としては、ウサギのジュディが警官を夢見て動物たちの理想郷、ズートピアに来る。ズートピアでは肉食獣も草食獣もみんななかよく暮らしている、という話。

それだけ聞くと「完全にお子様向けアニメじゃん」と思うかもしれない。

でもね、ぜんぜん違うんですよ!

はっきり言うけどめちゃくちゃブラックです。

例えば。話の筋にあんまり関係ないところでひとつ例を挙げると、主人公たちが免許センターに行く。そうすると免許センターの職員たちはみんな「ナマケモノ」。「怠け者」という例えではなく、本当にナマケモノが職員なの。ナマケモノなのでいちいち動きが遅い。なのでみんなイライラしている。

これってさ、つまり免許センターは時間がかかって待たされてイライラする、という皮肉だよね。

僕はこの映画のテーマは「RacismとPrejudice」だと思っている。それがちょっと言葉がキツければ「ステレオタイプ」ということ。

この映画の中に何度も出てくるステレオタイプでいうと例えば「ウサギは小さくて可愛い。だけど警官になれない」とか「キツネはずる賢い」だとか。これってさ、登場人物が動物だから「そうだよねー、キツネはねー」とか思うかもしれないけど、こういうこと我々、日常生活でやってませんか?

ほら、「◯◯人は、、」とかさ。もちろん悪い方向じゃなくても例えば「アメリカ人はリズム感良さそう」とか「オーストラリア人は良い人そう」とかね。あくまで例として適当に言ってますよ。

つまりはこういうのの「暗喩」の映画である、と僕は思う。

僕がこの映画を観て思ったのは「これは現代の鳥獣人物戯画だろうな」と思った。

例えば鳥獣戯画では「蛙の本尊を拝む猿の坊主」がある。

これを「蛙の本尊を拝む猿の坊主」と取るか、あるいはここから「どうせ蛙みたいなもんを拝んでる坊主は猿みたいなもんだ」というメッセージを受け取るかはその人次第。

そして作家の真意はいい意味でぼやかされる。例えばお坊さんから「俺達を猿だと言うのか!」と怒られても、作家は「いえいえ、そんなつもりは無いですよ。すべて動物にしただけですから」と言い訳が出来る。

更にいうと「ああ、この作者はこの絵で『坊主なんて猿みたいなものだ』と言っているんだろうな」と気づける人と言うのは少なからず「坊主が猿に例えられる」という気持ちを持っている、ということになる。

この構図を使えばはっきり言ってなんでも描けてしまう。

「ズートピア」でも「え?そのパロディをこの動物でやるの?それってその動物に例えられた人たちどう思うの?」と感じたところがあった。それはつまり、僕の心の中に「あの人達はこの動物みたいなものだ、というのも一理ある」ということがあるからだろう。

僕がこの映画で特に「これめちゃくちゃ面白いけど、かなりギリギリだなぁ」と感じたところはとある有名な映画を完全に再現しているシーン。これって非常に複雑な構造で、その映画をもちろん知っていなければいけないし、その映画の背景も知らないといけない。

そこで!なんです!言いたいことは。

その映画のことを知っていればかなり楽しめるけど、じゃその映画知らないとどうなるか、

めちゃくちゃ受けてましたよ、みんな。日曜日に吹き替え版観に行ったってこともあったからお子さんもたくさんいたけど、みんなかなり喜んで雰囲気があったまってた。

何も知らなくても十分楽しめる、知っていると楽しい上に考えさせられる、ってのが昨今のディズニーアニメの特長なんです。「間口が広くて奥が深い」ってことですね。

僕の姪っ子たちも観に行ってたいそう喜んだらしいんだけど、たぶん彼女たちはこれから大きくなって、その元ネタになっている映画を観た時に「あ、ズートピアに出てきたのはこれだったのか」と気づくんだろう。そして、「そうかそうか、ズートピアのあのシーンはこういう意味だったのか」と気づくんだろう。

繰り返しになるけど、別に気づかなくてもズートピアの価値はまったく下がらない。

大変に素晴らしい映画ですよ。

あ、そうそう細かい点で言うと、吹替(というか日本語版)もかなり頑張っていたと思う。

日本語版になるともちろん吹替もいろいろ苦労するんだろうけど、なにより大変なのは「文字情報」なんだよね。実写だと例えばパッと写ってる文字に意味があったとすると字幕で説明するしか無いんだけど、CGアニメはたぶん日本語に置き換えられるんだろうね、便利でいい。(ちょっとな、って時も無くは無いけどズートピアはよくやっていた)

例えば、ズートピアの街で海賊版DVDを売っている人がいるのね。で、それがディズニー・アニメの動物版なの。

例えば「Big Hero 6」は「Pig Hero 6」みたいに。

で、それをそのままカタカナにしちゃうとあまり伝わらないと思うけど、ちゃんと邦題をギャグにしていた。

「Big Hero 6」は邦題「ベイマックス」、それをズートピア版では「ブーマックス」に。

これは非常に上手いね。ベイマックスが豚になっているパッケージと「ブーマックス」で「ベイマックス」を知っている人は笑えるだろう、もちろん子どもにだって伝わる。

これは英語のままだったけど街にナイキっぽい看板があってズートピアでは「Just zoo it」になってる、もちろんナイキの「Just do it」のパロディ。

こういう細かいネタも多々あるし、もちろん何よりメインの話が十分に面白い、というので本当にお勧めですよ、ズートピア。あとね、途中何度か僕ほんとに泣きました。

東北地ビール紀行

2016-05-12 16:28:30 | 食べ物
最近は、年齢的なものもあるのかどうにもそんなにたくさんは食べられない。。

と思って居たんだけど、何故か先日の東北出張ではお腹が空いて仕方が無かった。何故だろうね?

なんとお昼にショッピングモールでしゃぶしゃぶ食べ放題ランチなんて食べてしまった。久々に食べると美味いね、しゃぶしゃぶ。

で、その日は夜の新幹線で秋田から盛岡に移動しようと思ったんだけど、次の新幹線まで1時間待ち、ふと飲食店街を見るとビアバルみたいな店で「田沢湖地ビール飲み放題1時間1,500円」というのをやっていた。

うーん、ちょうど1時間だし、と思ってそりゃ入るよね。

生ビールグラス1杯400円、6種類。もうそりゃガブガブのみますよ。

6種類制覇は行けなかったけど、桜こまちという季節限定のもの、ヴァイツェン、アルト、ケルシュ、ピルスナーの5種類を頂く。









悩んだあげくにツマミはメンチカツ。


ポートランドでクラフトビールをガバガバ(まさにガバガバ)飲んで、その時には「やっぱりIPAだぜ!」と思っていたんだけど、最近はなんつってもヴァイツェンの爽やかさがたまらない。季節的なものもあるんですかね。

「ビールって苦いから苦手」という方もいらっしゃると思うんだけど、ちょっと試しにヴァイツェンはお試しいただきたい。バナナのようななんとも 言えないフルーティさがありますから。

で、次の日は盛岡。仕事を終えて駅前の路地裏の焼き鳥屋に入ったら銀河高原ビールのヴァイツェンがあって速攻いただく。

うーむ、美味いですね。

焼き鳥で気持よくなった後に駅に向かうとベアレンビール(という盛岡のクラフトビール)直営店があり、そこではアルトをいただく。


で、〆に盛岡じゃじゃ麺。

美味いんだから。

パーマネント野ばら

2016-05-02 10:00:11 | DVD、映画
「パーマネント野ばら」を観ました。


しっかしさ、Amazonビデオ便利ね。プライム会員(僕はAmazonのクレジットカードを持っているのでそれに付随して会員になっている)になっているとプライムビデオ、というが見放題。

何から何まである、というわけじゃないけどいろいろな映画・ドラマがあるので観ちゃいます。テレビドラマ深夜食堂とかシーズン2まで全エピソード観ちゃった。

その中に「パーマネント野ばら」もあったので観ましたよ。

西原理恵子の漫画の映画化なんだけど、特筆すべきは、吉田大八監督!ってことですよ。

吉田大八監督といえばみんなだいすき「桐島、」の監督ですよ。

この人の作品は「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「クヒオ大佐」「桐島、」「紙の月」と観た。

僕が感じているこの人の作風、というかこの人の映画に共通するなんか「感じ」は、静かにちゃくちゃくと話が積重なっていって、ある1点で「ドーン!」となる、という感じなんです。

「桐島、」だって屋上のシーンでドーン!と来てやられたしね。

この人の作品で「パーマネント野ばら」だけなんとなく見過ごしてて今回観たんだけどさ。。

いやぁ、ドーン!と来ましたね~。すごいわ、これ。

「どんな恋でも無いよりマシ」というセリフが作中にあるけども、、本当にそうなんだろうか?いや、本当にそうなんだろう。そうだと思わなければやってられないよね。