浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

最高の技術と最低の思想/町山智浩氏の國民の創生解説から

2016-10-31 18:02:48 | DVD、映画
映画評論家・町山智浩氏のイベントがあって行ってきた。

今回のイベントは「國民の創生」という映画を同時解説付きで見る、というもの。


最も危険なアメリカ映画 『國民の創生』 から 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 まで

この本の発売記念イベントでした。

「國民の創生」という映画は1915年公開、つまり今から100年前の映画。100年も経っているので「パブリック・ドメイン」という、つまり「著作権フリー」になっている。自由に上映していいし、なんなら勝手に編集してもいい、というもの。

なものだから、今回もスクリーンに上映して、途中で止めて解説入れたり、場合によってはちょっと早回ししたりしていた。

この「國民の創生」という映画は映画史上最大の「問題作」でもある。

まず、映画史において非常に大きな「発明」がされた映画なんです。(下記は僕の素人解説なので間違いがあったらごめんなさい)

そもそもこの時代は映画というものが発明されてまだ10年。この頃の映画ってのは4,5分のものだとかそのレベル。まだまだ「芸術」とはほど遠い。それを3時間半にして、しっかりとストーリーを描いた「長編映画」ってだけでも珍しかった。なんと予算は現代の価値に換算すると900億円という話もある。今のハリウッド超大作だって200億円!だとかで超大作なんだからこの製作費だけでもすごい。

今となっては当たり前のテクニック、例えば「クローズアップ」もこの映画の監督が発明した。例えば登場人物が手紙を受取り、ぱっと手紙がアップになり、手紙の内容が読める、とか。

例えば移動撮影。馬がバーっと走っていくシーンを、前から、車に載せたカメラで撮る、とか。

それからこれはとても大事なんだけど、「クロスカッティング」。例えば家の中で襲われそうになってる女性がいる、パッとカットが変わってそれを助けようとするヒーロー、カット変わって襲われそうな女性、カット変わって走るヒーロー、カット変わって女性が危ない!もうすぐ悪者の手が!カット変わってヒーローが女性の居る家を見つける、間に合うか?間に合うのか?なんてシーン。こういう手法を初めて使ったのもこの映画。

あと、パンフォーカス。これは難しいので簡単に言いますが、手前に人がいる、そのままカメラを横に動かすと遠くに(1キロくらい)に大軍団が行進している、など。今やったって1億円くらいかかる大掛かりな撮影。てか今ならCGでやっちゃうだろうけど。それを、当時はメガフォンも無線も無い。今なら無線で「よーいスタート」と言えば済むけど、この時代は手旗信号で指示を出していたらしい。

いや、これさ、今なら「あの映画でああいうシーンがあったからな、ちょっとあの映画のとおりにやってみよう」となるけど、この時代、そもそもそんなシーンが過去に無かったんだよ!それを考えて実際にやる、ってのはやっぱりすごいですよ。。



しかし、この映画が「問題作」なのはこの「技術」だけじゃない。最も問題なのはその「思想」。

この映画、どういうストーリーか。

簡単に言ってしまいましょう。

舞台はアメリカの南北戦争時代(1861年~1865年)。アメリカで史上唯一と言っていい、アメリカ人同士が戦い合った内戦。主人公はアメリカ北部に住むストーンマン家と南部に住むキャメロン家。ストーンマン家の主、オースティンは議員であり、奴隷解放推進派。一方のキャメロン家は南部で綿花牧場を営んでおり、黒人奴隷を使っている。家族ぐるみで仲が良かった2つの家族を南北戦争が引き裂く。キャメロン家とストーンマン家は南北戦争で望まずも同じ白人同士殺し合うことになる。

南北戦争が終わり、奴隷を使用出来なくなったキャメロン家は落ちぶれる、一方、ストーンマン家には奴隷解放の結果、議員となった混血の黒人サイラス・リンチが近づいてくる。サイラス・リンチは黒人の権利拡大を訴えたことにより、議員のうち3分の2が黒人となる。黒人たちは議会で黒人有利な法案を可決させ、白人たちは家から出ることも出来なくなる。これに業を煮やしたキャメロン家の長男ベンは自警団を結成する。黒人の家を焼き、殺し、選挙に行こうとする黒人を妨害する。その結果、黒人の権利が南北戦争前に戻る。見事、白人は復権。ベン・キャメロンはストーンマン家の娘、エルジー・ストーンマンとハネムーンに出かける。めでたしめでたし。

めでたくないよ!!!サイテーだ!

最後のシーンでこの映画の考える「天国」のイメージが映し出されるんだけど、中心に神がいて、そこで静かに穏やかに暮らす人々。当然ながらその人々は全員、白人。。サイテーだ!

つまり、この映画の根底に流れる思想は「黒人奴隷を開放しようとした結果、白人同士が殺し合う南北戦争が起き、黒人の権利が拡大した結果、世の中は悪くなった。南北戦争前に戻しましょう」ということなんです。

ひどい話だ。。

更にヒドイ話が、ここでベンが結成する自警団というのが「クー・クラックス・クラン(KKK)」、これは「白人至上主義団体」と言われ、有色人種をリンチしたり場合によっては殺したりした最悪の団体。つまりこの映画はKKKの誕生を肯定し、むしろ人々を救う正義の団体として描かれている。

もうね、観ながら「最低だ、、」と思いましたよ。

そして何より問題なのは、この映画が「映画の出来としてはかなり高い」ということ。

例えば黒人の脱走兵がキャメロン家の娘に惚れ、森で追いかけるシーンがある。こんなん、黒人をちょっとモンスター的に描いていて、最低ですよ、人間扱いしてないんだもの。でもね、映画としてはこのシーンだけ観れば「面白い」の、困ったことに。

追いかける脱走兵、逃げる少女、少女を救うために森を走る兄、少女が逃げる先は崖だ!危ない!追いかける脱走兵、兄は少女の帽子を見つける、振り返ると崖の上に少女、ここからでは間に合わない、脱走兵の手が少女に、、そして少女が、、助かるのか?間に合うのか?どうなるんだ!?

と、もうねタイムサスペンスの基本をきっちり押さえているんですよ。

一方で、3時間半の長い映画なのにところどころきちっとギャグも挟み込んでいる。この時代なのに照明を工夫したりしてきっちり女優さんを綺麗に見せたりもしてる。

いやぁ、まいったね。

最低の思想の映画でも、しっかり脚本練って、映画技術駆使してしっかり演出すれば面白い映画になってしまう、ってのはちょっと恐ろしいことだ。

とはいえ100年前の無声映画なので、ただ観ろと言われたらさすがにしんどかったろうと思う。そこは町山智浩氏がずっと解説し続けてくれたので飽きずに見ることが出来た。

(しかし、改めてこの方のトーク力ってのはすごいと思った。都合4時間、トイレ休憩も無くずっと話続けていた。僕の方が途中、トイレに抜けましたよ)

で、この映画の監督がD.W.グリフィス。映画創世記の巨匠。

今回の解説で色々思うところがあった。

まず、悲しい出自。彼自身はアメリカ南部に1875年(だから南北戦争終後10年後)に産まれた。家は貧乏で大変苦労したらしい。南北戦争前は彼の家は農場を経営しており、奴隷も使い裕福だった。しかし南北戦争後零落した。。。

と、言うのは彼の父の「嘘」だったらしい。

彼の父は単なる怠け者の大酒飲みで、自分の家が貧乏なのを南北戦争の性にしていただけ。しかしグリフィス自身は父を信じ、自分が貧乏なのは南北戦争、もっと言うと奴隷解放のせいだと思っていたらしい。これはちょっとグリフィスもかわいそうだよなあ。

また、グリフィス自身の中に「黒人差別意識」があったかというとそうとも言い切れない。彼自身はこう言っている「黒人は子どものようなものだ、守るべき存在だ」、、うーむ、差別意識が無い差別意識ってのもタチが悪い。。

で、更に言うと、グリフィスは映画の天才だから、「悪役をより悪役らしく、ヒーローをよりヒーローらしく」描いただけ、とも言える。女優もこの時代にしては非常に美しく撮られているしね。ただしもちろん「黒人=悪、白人=ヒーロー」と描いたことはやっぱり問題あると思うよ。

しかし、結果としてこの映画によって実質的にはその時代存在していなかったKKKが、この映画の姿(三角頭巾に白いマント)を真似してアメリカに登場した。彼らはこの映画のように、というか映画を参考にして、黒人をリンチし、選挙で投票する黒人を妨害した(場合によっては殺害した)。少なくともこの映画が無ければKKKに黒人が殺される、ということは無かった、あるいは、少なかったはず。

その点でこの映画はとても罪深い映画だと思う。

でも、それでも僕は、ちょっとグリフィスだけを断罪出来ない。だって、この映画が出来たのって映画自体が発明されて10年後よ。まだ映画ってものがまだまだ認知されておらず、それを観た観客がこれだけ映画に影響を受ける、なんてのが想像も出来ない時代。グリフィスはその時代に「なんとか面白いものを作ろう」と思っただけのような気がする。

もちろん、だからといってグリフィスを全て肯定するわけでは無いけども。

なかなかに、芸術、そしてその芸術が与える影響というのは難しいものです。

そして今回の解説ではこの映画から今のアメリカ大統領選までつながり、非常に興味深かった。

おそらく追って動画がアップされると思うのでぜひどうぞ。

サーモスのフードコンテナーを買ったよ。

2016-10-24 12:29:21 | 食べ物
ドラマ「深夜食堂」がAmazonプライムで見放題になってます。

で、これ見てるとオープニングに毎回流れる豚汁がうまそうでうまそうで。。



ちなみにこの番組のフードコーディネーターは飯島奈美さんという人で、この人の手がける作品はだいたい飯が美味そうです。深夜食堂以外でオススメは映画「南極料理人」です。



話を戻して、「豚汁食べたいなー」と思ってて。秋も深まってちょうどそういう季節になってきましたしね。

でもさぁ、一人暮らしで豚汁作っても持て余しちゃうじゃないですか。一人分作っても美味しく無いし、4杯分作ったとしても汁物だからお昼に弁当にする、ってのも出来ないし。。

いやいや、出来るじゃん!
フードコンテナー買えばいいんだよ!


ちなみにフードコンテナーってこれね。


もともと前々から欲しかったんだけど、うーむと悩み続けていた。こういうので僕が気にするのは「洗いやすさ」。ほら、こういう水筒ってさ、ちょっと分解しづらかったりして洗うの大変だったりするじゃないですか。匂って来たりしちゃって。。僕はこういう「匂い」が結構気になるタイプなので、洗いやすいかどうか、が気になっていた。

なもんで、ちょっとドンキとか行くと色々見て、分解してみたり(もちろん、ちゃんと元に戻しますよ)してみた。

色々な物があって安いのは安いけど、調査の結果(ってほどでも無いけど)、やっぱりサーモスのフードコンテナーが良さそうなのでえ~い!とAmazonで購入。

しかしまぁ、我ながら毎回思うけど、そんなに思い切るほどの値段じゃないんだけどね。。今回は2,013円、それにAmazonポイントがあったので結局1,300円ちょい。とはいえ買っても使わないものにお金を出すのは嫌なの。

つーことでゲット。そうなりゃ早速豚汁作るしか無いでしょー。

基本的なメニューはこちらを参考にしました。⇒「LIFE」(ほぼ日)

これは飯島奈美さんがやってるレシピの記事。書籍にもなってます。


LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。

豚バラ肉(スライス)150グラムを一口大に切って、10秒程度さっと湯通ししてザルにとっとく。
具は大根1/4本、人参半分、長ネギ半分、豆腐半丁(もともと半丁ずつパックになってるのが最近はあって便利)、舞茸。舞茸は冷凍したのがあったから入れただけ。あとだし汁。これは飯島奈美さんから覚えた昆布水=昆布を水に浸して2,3時間置いといたやつ。

大根、人参は適当にいちょう切りにして、舞茸は適当に割いて鍋にサラダ油を入れてざっと炒める。油が回ったら日本酒を入れて3、4分蒸し煮。その後、豚肉を入れて昆布汁入れて沸騰させて灰汁を取る。その後、味噌溶いて豆腐を手でちぎって入れて、輪切りにしたネギを入れてしばらく煮込んで完了。

深夜食堂風に豚肉を鍋でそのまま炒めようかと思ったけど、時間があったので下茹でしてみた。

ガツンと豚の脂がある感じが好きなんだけど下茹でしたらどうなんだろ?ま、やってみますか。

出来たよ。


あのね、味見した段階で

めちゃんこ美味しい。

やっぱりねー、根菜、豚バラから出る出汁がもうたまらんですな。奥底にある甘みっつーんですか、いいすねぇ。下茹でも正解。豚の旨味はしっかり残ってるのにエグミが無い。

一個だけ。

僕あんまり豚汁において豆腐は重要じゃないな、と思った。実家の豚汁も豆腐は入ってなかったような気がする。豆腐だとけんちん汁っぽくなるよね。豆腐より油揚げ入れれば良かったな、まぁ、次はそうしよう。

ほいで、フードコンテナに入れて持ってって見る。

フードコンテナは予熱をすると保温効果が高いってので、お湯を沸かし、フードコンテナに入れ、2,3分放置。その後、お湯を捨てて、温め直しておいた豚汁を入れる。

うん、たしかにお昼になっても十分暖かい。

液漏れもしないしね。

フードコンテナの容量だけど、0.27リットル、0.38リットル、0.5リットルがあるみたい。

ま、これもAmazonで見てみてください。→「サーモス フードコンテナー

僕は0.27はちょっと少ないだろう、0.5は多いなあと思って0.38にしたんだけど正解でした。

0.27だとメインのおかずとご飯があってちょっとスープ、って感じに使うのがいいかも知れない。女性ならこのスープとご飯、で足りるかも知れないね。

0.5はもうガッツリ行く場合だよね。男性、とういうか食べ盛りの高校生なんかはこれにガッツリカレー入れて、ご飯と食べる、みたいな感じでいいんじゃないかな。

僕はフードコンテナーに汁物入れてご飯持ってってそれでランチ終わり、にしたいので0.38でちょうど良かった。

一個だけ言うと、これ、箸で食べるのはちょっと面倒くさい、スプーンのほうがいいと思います。これ用のスプーンも売ってるけど僕は百均で買ったプラスティックのスプーンでいいや。

これ専用のポーチもあるけど、そもそも僕は弁当を持っていく時に保温出来るバッグがあってそれに入れているので、ポーチは要らない。これだけで持ってくならポーチあってもいいかも知れないね。

洗うときはこんな感じに分解。


本体、蓋、内蓋、内蓋パッキン、あとなんかちっこいゴム。

サーモスのフードコンテナーにした理由の一つはこのゴムのパッキンだけでも売ってるから。タンブラーなんかもそうだけど、ちょっとゴムパッキンだめになっただけで全体が使えないなってしまうのが嫌だ。本体部分が穴空いたとかなら諦めも付くんだけどさ、ピラッとしたゴムパッキンだめになったらもう使えないじゃん。タンブラーちょこちょこもらったりもするけど、どこのメーカーのか分からないのはそういう悩みがあるんだよなぁ。。

その点、サーモスのフードコンテナーはパッキンだけ300円売ってるので安心。パッキンだめになるほど使い倒すのか?という疑問はありますが。

ただね、普通の時はパコパコっと外せるけど、豚汁食べた後だと滑って外しづらい。少しお湯につけたりして脂落として洗った方がいいかもね。

なんか色々レシピあるみたいだから挑戦してみようかな―と思ってます。

出来れば、朝、食材をぽんと入れてお湯入れればお昼に食べ頃、って言うレシピがいいなー。楽だし。

ひとつ「あ、こういうの出来るかも」と思ってることがある。

僕は昼に会社にいる時にはお弁当を持ってくけど昼に会社にいない日はお弁当を持ってかない。

僕の弁当ってだいたい前の晩に作ってタッパに入れて朝、冷凍ご飯と共に持ってく、という形。昼に会社の電子レンジであっためて食べる。

昼に会社にいないと電子レンジ使えないからね。

でもさ!これだと電子レンジ無くてもあったかいから昼に会社にいない時でも持っていけるかもね〜。コンビニでおにぎりでも買って、あったかい豚汁、なんてランチが出来るかもね。

ちょっと郊外のいいパン屋さんでバケットでも買ってフードコンテナーのポトフを公園で、、なんてのもイイね〜。

うん、やってみよう。

地獄への道

2016-10-22 09:13:53 | 日記
先日、「働き方について」と書いた。

この中で、話のメインではないけど一つの事例として、「電通の新入社員が過労を苦に自殺した事件」を挙げた。これ自体についてどーこーいうつもりは無かったけど、なんとなく心に引っかかっていて、その後、僕はニュースをよく読んでいる。(テレビを観ないのでだいたいオンライン版の新聞とかその他のネットメデイアということになるけど)

それについて書いておきたい。

まず最初にこの記事。

「電通社員が自殺 大手企業の子息らが優遇され一般家庭の社員にしわ寄せか」

要は、電通にはいわゆるコネ入社の社員がいて、そういう社員にはあまり長時間労働とか無茶なことはやらせないらしい。

論理的に考えればそうだろうね。

コネ入社ってのはクライアントである企業の子息とか親類で、そういう人が電通にいるからその会社は電通に発注するわけで。そういう社員を長時間労働させて万が一辞められたりしたら入社させた意味がない。理屈としては分かる、分かりますよ。

でもさ、

サイッテーだよな!!そういうの!

承太郎の言葉を借りよう。



こんな俺にも、吐き気のする「悪」は分かる!!
「悪」とは!てめー自身のためだけに弱者を利用し踏みつけるやつのことだ!!



自分が儲けるためだけに、クライアントの関係者入社させ、そいつを守るために他の人に無茶な仕事させる。。サイッテーだ!!吐き気のする「悪」だ!!

現場では確かに「あいつに無理な仕事振ったらあいつはコネ入社なんで親にバレるかも知れないから。。じゃ無難なこいつにやらせよう。こいつはコネ入社じゃないんで大丈夫だ」って思うこともあるかも知れない。もちろん僕だって、同じ状況にいたら同じように考えて、同じことをするかも知れない。いや、たぶん僕なら確実にするだろうな。かなり卑怯な人間なので。

でもね、やってる人は「自分が人として最低なことをしてる」ということだけは認識しといた方がいいよ、余計なお世話だろうけど。

ウェザーリポートの言葉を借りよう。






それからこの記事。

「広告業界という無法地帯へ」

筆者は15年間、電通で働いてたらしい。すでに退職しているので、内部の話を赤裸々に書いている。

少し引用させて頂く。

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理由のひとつは、「電通は自社でモノを作って売っている会社ではない」ということだ。自社の工場を動かす会社なら、製造量を制限して「はい、ここまで」と電気を消して、社員を帰らせれば済むかもしれない。しかし、広告業界というのはクライアント企業から仕事を請けて初めて仕事が発生する受注産業である。

僕がいた頃でも、「残業は月○○時間まで」、「夜十時以降の残業をする際は、上長の承認を事前に受けること」などといった非現実的な規則が導入されていった。夜九時に営業から電話があって、「あの件、変更になった! 明日までに代案を出せって!」と言われたりしたなら、「上長の許可が得られませんので対応できません」と答えろとでも言うのだろうか。それを営業はクライアントにどのように伝えるというのか。また、営業は、そう言うコピーライターに次に仕事を頼みたいだろうか。

先人たちの努力により「大抵のことはやり遂げてくれる」との評価を築いた電通は、いつしか「どんな無理を言ってもいい存在」に成り下がってしまった。

日本企業の広告宣伝部、広報といった部署が重要視され肥大化する中で、広告主の発言権が際限なく大きくなってしまい、キーマンをあたかも神のように扱うのが広告業界の悪癖となってしまった。もちろん、靴を舐めるようにして増長を許してきた電通、博報堂を始め、各広告会社の責任も免れないだろう。拝跪して言われたことを聞き、ノタ打ち回って仕事を完遂することが優れたサービスだとして競争してきた結果が、今日の姿だ。
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つまり、電通自体は長時間労働の改善について取り組んできたけども、クライアントの要望を聞きすぎるあまりそれが形骸化してしまった、ということ。

うん、確かにそういう面はあるだろう。

この記事の中に、電通といういわゆる日本の一流企業の社員を、クライアントだから、という理由だけで無理難題を押し付け、それに快感を覚える人もいる、というようなことが書いてある。確かにそういう人もいると思う。それはまぁ最低の人種なのでおいておこう、いい死に方しないと思うからほっとけばいい。

一方で、クライアント側に悪意が無くても仕方の無い事情で急に変更を依頼し、受注側も100%の好意で、「顧客のために」と思ってその変更を受け入れる、ということもあると思う。その変更がどんどん末端社員にしわ寄せが行き、結果として長時間労働につながっていく、というような。

クライアント側(つまり広告を依頼する企業、その担当者)は自社の商品を消費者に届けたくて、100%の善意で、良い広告を作って欲しいと電通に依頼している。電通側もクライアントに貢献したいと思い、本来であれば不可能な依頼を「なんとかしてあげたい」と思い受入れ、知恵を絞る。その仕事に携わる社員は「顧客のため、会社のため、自分自身の成長のため」と思い、その無理難題を個人として引き受ける。結果として終電に間に合わず、土日の休みも潰れる。。

この連鎖というものが実は根が深い。

なぜならそこに一片の悪意も無いから。悪意があればそれは取り上げて取り除けばいい。だけど、誰も悪意を持っていない。100%の善意。

こんな言葉がある。

"The road to Hell is paved with good intentions."
「地獄への道は善意で舗装されている」

これは、とにかくひとりひとりが道の先にあるものをしっかり見るしか無い。


今回、自ら死を選ばれた新入社員の方は東大を出て、電通に入社したとのこと。東大から電通入るなんて普通に考えれば人も羨むようなエリートコースだろう。しかしその結果がこれだ。親御さん、お知り合いの悲しみを想像するととても悲しくなってくる。これをどうにかしなければこの世界、夢も希望も無いだろう。

ちょっと考えたほうがいいと思うよ。僕も考えるので。



最後に、亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りする。

ついつい思い出してしまう映画、Idiocracy

2016-10-19 11:35:56 | DVD、映画
世界ではいろいろな出来事がありますが、ついついこの映画を思い出してしまう。


26世紀青年 (字幕版)
(Amazonビデオで観られます)

邦題がどうしようも無いけど、原題は「Idiocracy」。

Idiot(バカ)とDemocracy(民主主義)でまぁいわば「バカ主主義」ってこと。

話としては、軍の冷凍睡眠実験に参加した男が目覚めてみると手違いで500年経っていた。そして目覚めてみると地球はバカの惑星になっていた、というコメディ。

バカの惑星になっていた理由ってのが(これは僕の意見じゃありませんからね、映画の冒頭で描かれる)、IQの高いカップルは結婚も遅く、結婚しても「しばらくは二人の生活を楽しむわ」なんて言っているうちに子どもを産まずに亡くなってしまう。一方、IQの低いカップルは高校時代なんかにできちゃた結婚をしてどんどん子どもを作り、更には男がバカなんで浮気相手とも子ども作っちゃったりする。それが500年も経つとIQの高い人は絶滅してしまっている、という話。

いやぁ、映画のあらすじとは言え書いてて自分でもびっくりしますね。。よくこんな映画作ったものだ(笑)

500年後の地球がどれくらいバカかと言うと、アカデミー賞を受賞する映画は「ずっとケツを映し続けてたまにオナラをする」だけの映画。大統領は元プロレスラーで議会にはレスラー入場みたいな感じで登場、景気づけに機関銃をぶっ放す。テレビのニュースキャスターは筋肉ムキムキの男性とグラマーな女性が水着でやってる。

いやぁ、、なんつーかもう。。

最初は「んなアホな」と思っているんだけど、どんどん「あれ?結構、今の世界ってIdiocracy化してきてない?」と思えてちょっとうすら寒くなってくる。

特に海の向こうの大統領選なんか見てるとね。ま、日本もおんなじようなものではあるんですけど。。

働き方について

2016-10-18 14:34:01 | 日記
結構、今の日本で「働き方」が変わってきてると思っていて。

例えばこんなニュースがあった。

働き方変わる? 都庁「残業ゼロ・午後8時退庁」へ挑む

おそらく、働いている人たちは一生懸命働いているんだろう。僕は実際観たことから想像だけどね。んでもさ、9時に出社して22時になっても仕事が終わらない、というのはどう考えてもおかしいでしょうよ。。

たぶん普通の人って通勤に1時間くらいかかってるんでしょ?(僕は通勤に時間をかけるのが好きではないので長くても30分。今は自転車で15分)ということはさ、朝8時に家を出て、9時に会社着いて、22時に会社を出て、家に着くのは23時。そりゃ大変だわね。。お風呂入ってご飯食べて、寝るのは24時?そんで7時に起きてまた通勤?いやいや本当に大変だろうと思う。

ある大手広告代理店の新入社員が長時間労働による過労を原因として自ら命を絶った、というニュースもあった。もちろん、それも僕は実際に目にしたわけじゃないから本当のところは分からない。

「仕事を苦に何もそんな選択をしなくても。。」という声もあるけど、そういう判断力すら奪われてた、ってこともありうる。

亡くなった人は月100時間残業してた、という話もある。

残業月100時間ということは、例えば2016年10月で言うと、土日祝日休みとして営業日は20日。9時から18時まで(昼休憩1時間)として、毎日8時間労働。100時間を20日で割って5時間だから毎日9時から23時まで会社にいる、ということになる。マジで!?うわぁそりゃ大変ですわ。。

本当に、「申請していた残業」で100時間。これを超える部分もあったんじゃないかなーと思う。そういうのって本当に僕は意味がわかりませんが。。

別の会社で友達から聞いた話で、残業代削減のために会社のパソコンは20時以降電源を入れちゃダメ、みたいな制度にしたらしい。そうするとみんながみんな、社内で1台だけ非常用につけっぱなしのパソコンを使うようになって逆にその順番待ち(1台しかないから)で余計、帰る時間が遅くなった、って話を聞いた。

ジョークみたいな話だけど本当です。

都庁のニュースも「20時以降は電気を付ける時に誰が付けたか記録が残るように自分のカードが必要」とかってあった。これもなんか抜け道見つけそうだな―、ちょっとカード貸してよ、みたいな。意味が分からないね。

かくいう僕も、20代の頃はおそらく9時から22時までは働いてた。なにせ20時から会議、というのが普通だったから。僕は「ま、そんなもんかなー」と思ってたし、そもそも論、楽しかった、ってのがあったからあんまり気にしてなかった。

ただ、いまやれ、と言われたら「うーん、イヤです」と思うだろうね。

というのは、「今の時代にそんなに会社に居る必要ある??」と思うから。これだけどこにでもWi-Fiの電波が飛んでて、パソコンもスマホもあって、Skypeだってあって、、という時代に「会社に居る」ことの意味って何なのさ?と思うから。

確かにお客さんと直接会う、ということは大事。それは直接その場に行かなければいけないこともあるだろう。しかし、今の時代、大体のことはメールで済むし、FAXだって(というかもうFAXとか絶滅しないかな、と思ってますが)メールに転送されて来る。

そんな時代にわざわざ社員を「会社に長時間居させる」ということ自体が「その会社センス無いんじゃない?」と思う。

いや、本当に体を使うというか「そこにその人が居ることが大事」という仕事なら分かるのよ。例えば店員さんだとかね。そりゃいくらITが発達しても、「その場にいないと無理」ということになるだろう。

だけどさ、例えばセールスだとか企画だとかそういう仕事って、どんどんどんどん「会社に居る意味」というのが薄くなってきていると僕は思う。

例えば、僕の知ってるある会社で、東京と九州に支店がある。今まではちょこちょこ会議何かのために行ったり来たりしていたんだけど、今では大型モニターを一台ずつ置いて基本的に業務中はSkypeを繋ぎっぱなしにしてる。つまり、ちょっと隣のデスクに話かける感覚で東京から九州に「あのさー、◯◯さん、いま、メールしたんだけどさー」と声を掛けられる。

もちろん、全部の仕事が「会社に居なくても出来る」とは僕も思ってない。言いたいことは「それ、全部会社でやらなきゃいけないの?」ということ。なんだったら16時に一回帰って、お子さん迎えに行ったりして、ご飯食べて、お子さん寝かしつけた後に2時間くらいパソコンでやったら?と思うこともある。

そもそも論なんだけどさ、定時に会社行って、定時まで働いて、そこを超えたら残業で、、ってこういう「働き方の概念」というものが変わってきていると思う。

僕の経験だけで申し訳ないけど、僕は「タイムカードのある会社」ってので働いたことが無い。だからよく分からないんだよね~。例えばさ、朝7時くらいにお客さんから電話が来ることだってあるじゃない?その場合って7時からタイムカード押すべきなんじゃないの?

あと、20代の頃、結構長時間働いていたときは「残業代」という仕組みがなかった。もう20年も前の話だから言ってもいいと思うんだけど、勤怠管理とかどうしてたのかな(笑) 「残業代を廃止しろ」とまでは言わないけど、もし僕が残業の付く仕事をしていたとしたら、そりゃもう家になんて帰りませんよ(笑) だってそうでしょ?会社にいればいるだけ給料が上がるんだもの。帰りませんよ、そりゃあ。

僕自身、20代の頃、毎晩終電後まで会社にいて、たまに終電の時間だと「おお、今日は早いなぁ」と思うような働き方をしていたけど、それ自体は今の僕にとって良い経験になっていると思うし、後悔してない。今更、「残業代くれよ」なんてのも思わない。ある意味、18時まで働いてその後の5時間だとかは勉強していたようなものだとも思うし。そして、そういう働き方を「自ら選択した」人が居たとしたらそれについても何も言わない。その人の考え方だもの、「くれぐれも身体には気をつけてね」くらいしか言うことは無い。

ただ、そういう働き方を望まない人に、そういう働き方を「強いる」ことだけは僕はしない。

「俺も若い頃は終電まで働いたんだ、それがあって今の自分があるんだ。だからお前もやれよ」ということは言わない。だって、そういう言い方ってダサいでしょ?単純に。つーか何様だよ、と思うし。

最近、ちょっと日本の就職活動とか働き方について考えたり調べることがあって、改めて思うけど、まぁもうこんなのは(つまり日本式新卒一括採用だとか日本式の働き方)終わるでしょう、続かないよ、どう考えても。

で、基本的には僕は楽観的な人間なので、「こんなん意味ないじゃん、と思う人が増えて、このあたりのことはもっと良くなるだろう」と考えている。だってさー、産まれた時からネットがあって、常にスマホで最新情報を得ている今の人たちが、このあたりのことに盲信すると思う?しないよ、多分。

昭和式の働き方をしている会社にはたぶん今の人は行かないよ。となるとその会社は変わらざるを得ないでしょ?そうなった時にはねー、もっと楽しい仕事社会になってると思うんだよね。楽観的過ぎるかな~。

と思ってたらこんな記事を見つけた。


日本人、それってオカシイよ 「過労死」を生む日本企業の“常識”


興味深いのは日本人の1労働時間あたりのGDP。

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日本は富裕国からなるOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも、最も生産性の悪い経済のひとつであり、日本が1時間で生み出すGDPはたったの39ドルで、米国は62ドルである。つまり、労働者が燃え尽きたり、時に過労死するのは、悲劇であるのと同時に無意味なのだ。
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アメリカと日本の1時間あたりGDPだけじゃなくて1位から8位のランキングもある。

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1. ルクセンブルグ 79.3ドル
2. ノルウェー 79ドル
3. アイルランド 64ドル
4. 米国 62.5ドル
5. ベルギー 62.2ドル
6. オランダ 60.9ドル
7. フランス 60.3ドル
8. ドイツ 59.1ドル
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あはは、全然ダメですねぇ。。

そりゃあ景気も悪くなりますわ。

もうね、日本の「仕事」って「ビジネス」じゃなくで「仕事道」みたいなことになってると思う。道を極める、みたいなね。それこそ学生時代の「部活」とあんまり変わってないのよ。そりゃあ生産性も上がらないねぇ。。

町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座「七人の侍」の動画

2016-10-15 11:59:22 | DVD、映画
先日行われた「映画評論家町山智浩氏と時代劇研究家春日太一氏の映画『七人の侍』トークショー」がyoutubeに上がってました。

町山智浩氏が語る20世紀名作映画講座「七人の侍」(前編)


町山智浩が語る20世紀名作映画講座「七人の侍」(後編)


改めて聴くとまた「七人の侍」が観たくなるね。思い返してみても、「七人の侍」を映画館で観て、そのままお二人のトークを聴けるってのはずいぶんハッピーなことだったな、と思う。またこういうのあったら行きたいなー。


最も危険なアメリカ映画 『國民の創生』 から 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 まで


鬼才 五社英雄の生涯 (文春新書)


ところで。

この春日太一氏という人は僕の中で「うわー、いい声しているなぁ」と思う人の一人。こういう低くて太い声には無条件で憧れる。

僕自身、よく喋る仕事をしていながら自分の声はあまり好きじゃない。というかむしろコンプレックスですらある。

この動画の中で僕も質問しているので僕の声も入っている。改めて自分で聞いても「ダメな声だなぁ」と思う。いやはや。

うるさい論:スーパーと書店編

2016-10-14 00:35:21 | 日記
もうなんだか、常に「あー、うるさいなー」と思っている気がする。

すいませんねぇ。。僕だって心静かにご機嫌に過ごしたいんです、でも、世の中がうるさいから仕方が無いんです(笑)

居酒屋さんなんかがもうね、うるさくてうるさくて。

人の声でガヤガヤしている、だとか、ガード下なんで電車の音ががたんごとんなる、ってのは僕は別にいいの。うるさいのは有線だとかラジオだとかテレビの音。

有線放送もまぁ、もういい、もう諦めた。

僕が気になるのは「複数の音が鳴っている」という状態。

例えば居酒屋さんで、スピーカーからラジオが流れていて、テレビもついている、なんて状態はほんとイヤ。だいたい店員さんに「すいません、どっちか消してください」とお願いする。

あれって、なんなんだろうなぁ。。多分、店員さんはもう麻痺しちゃってって気にならないんだろうなぁ。。


あとね、近所のスーパー。ここはもうヒドイ(笑)

水曜日と日曜日はポイントが3倍付く日らしく、店内で「ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪」なんてのが流れてる。まずさ!歌詞はずっとこの繰り返しなんですよ!

「ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪」

もうね、狂うわ(笑)

更にさ、この音楽が複数のスピーカーから流れてる、しかも少しずつずれてる。

いいですか、皆さん、想像してください。牛乳とか選んでると、

ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪
  ポインポインポイント♪本日ポイント♪3倍デ~♪♪

という2つの音がちょっとずれてずっと聞こえてるの。

文字で表すとこんな感じ。

「ポイ3倍ンポデ~♪インポイポインント♪本日ポインポイント♪ポイン3倍トデ~♪♪」

ほんとね、狂うわ(笑)

とにかく僕はこのスーパー行くときはイヤフォンしながら行かないといけない。


それからさ~、最近気になるのが本屋さん。

本屋さんてさ、僕の子供の頃のイメージだと静かな音楽が流れてて、ちょっとうるさくすると怒られる場所、みたいな感じだったんだけど、もうかなり変わってしまったね。

最近よくあるのがちょっとしたコーナーにモニターがあって「話題の◯◯、ついに映画化」みたいな感じでCM的なものが流れている。「そんなん見て本買う人いるのかよ」と思わなくもないけど、まぁいい。嫌なのはさー、そのモニターが棚ごとにあって、しかも別々なの流れているの。もうさ、どっちがなに言っているか全然わかんないよ!(笑)更には音楽がJPOPなんか流れてたりする。

ゆっくり立ち読みも出来ませんよ。立ち読みするな、と言われればそれまでなんだけどさ。本を選ぶことすら出来ない。。

そりゃAmazonとかで本買いたくもなるよ。静かなんだもの、とりあえず。


うるさい日本の私 (角川文庫)

「日本はとにかくうるさい」という話をしているこの本だけど、もう表紙からして「ああ、日本異常だな」と思えるね(笑) エスカレーターの注意書きがそのまま書いてある。

"エスカレーターをご利用のお客さまは、手すりをしっかりにぎって足元の黄色い線の内側にお乗りください。小さなお子さまをお連れのお客さまは、かならず手をひいて真ん中にお乗せください。ゴム靴をお履きのお子さまは特に滑りやすいので、気をつけてあげてくださいませ。大きなお荷物をおもちの方、お足もとがあぶのうございますので、手すりをしっかりにぎって足もとにお気をつけてください。よい子のみなさん、じょうずにエスカレーターに乗っていますか。」

改めて文字で見るとすごいインパクトだなぁ(笑) 「よい子のみなさん」ってのが特にすごいね。。

クラブでバオー

2016-10-13 16:44:10 | 日記
僕もいい感じの大人なので、接待もします。

接待というか出張してると「あ、泊まりですか?じゃ晩飯でも」と言われるってだけ。それ自体はほんとにありがたいし嬉しい。もう一緒にお食事出来るってだけで。。

お酒も美味しいものも好きだしさー、ほんとならこっちがお金払わなきゃいけないんだろうけどなぜか先方がもってくれるんだよね。これは社会人マナーとしてアリなんだろうか?いまだによくわかない。

でさ、だいたい「じゃ、2件目に」とか言われる。こちとら泊まりなんだから2件目だろうが3件目だろうがなんなら朝までドンと来いですよ。

でもね、「うーむ、どうもな」って思うのが「クラブ」ってやつですよ。だいたいそういう時って2件目はクラブってやつに連れてっていただく。

ここできちんと説明しておきたいのだけど「クラブ」ってやつは別にいやらしい場所じゃない。確かに女性が隣に座るけどなんか変なことをするわけじゃ無い。ただお酒の相手をしてくれるってだけ。

僕はねー、正直好きじゃ無い。

僕の長くない人生で、自分のお金でクラブに行ったことって無い。別に楽しくないんだもの。いや、「嫌いで嫌いで一刻もいたくない!」って訳じゃないのよ。お酒は呑めるし(酒さえあればなんでもいいタイプ)、相手(連れてってくれてる人ね)もいて話も出来る。たださ、そう考えると、「じゃあ、この女性がいることになんの意味があるんだろ?」とたまに思ってしまう。なんか申し訳なくてさー。

女性とお酒飲むのは好きなんですよ。それがプライベートであればね。でも別に「接待」されなくてもいいんだよなー。

先日、東北で飲んだんですよ。そのお客さんは映画好きで僕は話してるととっても楽しい。僭越だけど先方も映画の話ししたくて僕を誘ってくれてるんじゃないかな?と思ってる。居酒屋で映画や仕事の話ししながら美味しく牡蠣だの頂きました。

あと、これはね、イカとゴロの土鍋焼き、、の残り汁。これさぁ一番美味しいヤツだよね。僕の父ならもう一回火をつけて冷飯と卵ぶっ込んで煮立ったところでネギみじんと刻み海苔と白胡麻をぱらぱらしだすところだ。

しょんで、2件目はクラブ。僕はずっと映画の話。しかもそのお客さんがジョジョも読んでたことが分かって、、

いや、違うな。そのお客さんが『武装ポーカー』の話を始めたんだよ!

(ちなみに『武装ポーカー』ってのはジョジョの作者、荒木飛呂彦のジャンプデビュー作ね)

もーう、それはテンション上がるよね〜!

「武装ポーカーの次が『魔少年ビーティ』だっけ?」
「すいません、違います、『バージニアによろしく』がありますね。それからビーティー」
「そうなんだ、でその次がバオー?」
「ですです」
「ネイティヴアメリカンのウォーケンとかねー」
「良かったですよね〜」
「で、ジョジョ?」
「何おっしゃってるんですか!?『ゴージャスアイリン』ですよ!!」
「ああ、そうかそうか」

ってな話をさ、クラブでしてる訳ですよ。途中、女性も何とか話に入ろうと「ジョジョなら私も読んだことありますよー」とか言ってくれるんだけど

「そうなんですね、でも僕はいまマーチンの調教師の話をしたいんです、『じゃれつかれただけでこのザマさ、、』って分かります?」
「分からないです。。」
「じゃ、ちょっと僕が喋りますね、あの調教師がですねー、、、」

こんな感じ。クラブで(笑)我ながらひどいね。

目玉焼きの黄身 いつつぶす?

2016-10-11 23:25:28 | 
読みたいな、と思ってた本がめちゃくちゃ安くなってた。


目玉焼きの黄身 いつつぶす? 1<目玉焼きの黄身 いつつぶす?> (ビームコミックス)

Kindle版とは言え104円ってさー。しかもAmazonポイントが52ポイント付くので実質的には52円。価格破壊だなぁ―。

どういう話かというと、男性が女の子と朝ごはんを食べていて、男性は黄身を潰して白身に付けて食べるのが好きなんだけど、女性は黄身を残して最後に食べる。その理由は「皿が汚れるから」。それを聞いた男性はおもわず「アホか。。」と言ってしまって女性は去ってしまう、、という本当にアホみたいな話だけど、こういう「食べ物の溝」ってのは意外と奥が深いから身につまされる。

その流れで、

カップ麺のフタ いつ取る?

だの、

焼肉で白メシ 食べる?

だの、

焼鳥の串 外す?

なんて、僕とドッピオさんが居酒屋で4時間話してるような話を延々やってる。

もちろん、食べ物なんだから「好きなように食べればいいじゃん」と言われりゃその通りだし僕だってそう思う。

だけど、現代民俗学においてこの考察というのはとても興味深いと思うんです。

例えば、地域ごと、例えば都道府県ごとの食文化の違いってのはそりゃある。

例えば北海道ではおせち料理を大晦日に食べるとか、福井県では水ようかんを冬に食べる、とか。

それこそ県民性の大きな違いで研究対象ではあるけど、もっともっと個人的な、例えばその家族だけのルールというか習慣ってのがあると僕は思ってる。

そしてその習慣は、決して明文化されず、あくまでその家族だけの中で行われている。ある時、男女が一緒に住むようになって「え?そんな食べ方するの?」「え?ウチではずっとこうだったよ」なんて驚きがあったりする。

その際に、「そんなのおかしい!」と否定するんじゃなくて、「へー、そうなんだー」と認め合うことこそ、人類和合の道なんじゃないだろうか。

(なんか話が大きくなったな^^;)

例えばさ、僕の実家は昔、あんまり「とんかつソース」が無かった。いや!誤解しないで!別に貧乏で買えなかった訳じゃないよ!^^; 単純に父母がとんかつソース好きじゃ無かっただけ、甘ったるいから。じゃ、とんかつに何つけて食べてたんだ、と言うとマヨネーズとソースを混ぜたもの。もちろん、子供の僕はそれがおかしいとも思ってなかった。

卵かけご飯は、まず小鉢に生卵を割り入れて、それに醤油をさし、混ぜてからご飯にかけてた。僕は今でもそうしてるけど、どうも卵かけご飯は「お茶碗のご飯にそのまま生卵を割り入れる」って人も多いみたい。(ま、洗い物がひとつ減るってのは分かるけど、もし卵の殻が入っちゃったら取るの面倒なんじゃないかな、と思うけどさ)

ことほど左様に、各人の「食べ方」ってのは千差万別で、非常に興味深いもんだと思う。

ぜひ、このマンガ読んで頂いてそのへんを味わって頂ければ。

金原千恵子さん

2016-10-08 11:38:18 | 音楽
結構前から、ロック的な普通の音楽(寡聞にして知識が無いのでなんと呼べはいいのかわからないけど、つまりはまぁクラシックでは無い音楽、ってこと)にバイオリンが入ってるのが好きで。

バイオリンが入ってるだけで僕的には100点プラスされる感じ。

例えばロックバンドでメンバーにバイオリンがいるYellowCardとかね。
Yellowcard - Only One (Live On Pepsi Smash)


でさ、桑田佳祐の「昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]」のDVDを見てて、金原千恵子さんと言うバイオリンの人のファンになった。本当ねぇ、このDVDに入ってる中島みゆきの「時代」が良いんですよ。桑田の熱唱と金原千恵子さんのバイオリンがねぇ、、もう涙無しでは。。オヨヨ(T_T)

で、YouTubeで金原千恵子さんを検索してたらオリジナルの曲も良い。更にさ、色々気づくことがあって。

先ず、桑田佳祐のソロ曲「銀河の星屑」のバイオリンも金原千恵子さんなんですよ!

いやーこの曲のバイオリンは良いなぁと常々思ってましたが。。

それからStudio Apartmentというユニットがあるんだけど、その「Life From The Sun 」という曲が好きなのね、かなり前の曲ですが。この曲のボーカルもとてもいいんだけど、バイオリンもいいなぁ、と思っていたらなんとこれも金原千恵子さん!いやぁ驚いたー。

これら以外にもおそらく気づいていないけどいいなと思っていたバイオリンが金原千恵子さん、ということはあるんだろうなぁ。

ということでアルバムダウンロードしました。
SWEETEST DAY~ROMANCE FOR STRINGS

いいすねぇ、バイオリンは。買っちゃおうかな、と思ったこともあったですよ。

インターフェイスは微妙なバランス

2016-10-05 17:41:47 | 日記
会社のパソコンはVAIO Pro11というのを使ってます。

VAIOは結構使って来ていて、もう10年くらいかな、4台目になるんじゃないかと思う。

TypeT(コレはめちゃくちゃ良かった。もういっかい出たら買いますよ)、TypeG(なんだかプラスティックが弱くて、、端っこ欠けたりしてた)、TypeX(これもめちゃくちゃ良かった、もういっかい出たら買う)、そしていまのPro11。ご存知の通り、SONYからVAIOが離れて以後の製品ですね、

Pro11、スペックとしてはぜんぜん悪くない。なにせ薄くて軽い。僕にとってのノートパソコンの一番の評価はここだ、だっていろんなところに持ち歩くんだもの。

だけどね、買って1年経たずにキーボードの「A」が取れた、、仕方ないのでアロンアルファで付けたんだけど、ちょっと触るだけで(指をおいただけで)「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」と反応するようになってしまった。まぁ振れないように気をつけて使ってんだけど今度は「O」が取れた。

いやぁ、日本語においてその2つのキーって結構大事ですよ^^;

「O」のほうは完全に取れてしまって、アロンアルファでもうまく行かなくなった。仕方がないのでワイヤレスキーボードを買って使っている。

これもなかなか難しいもんです。

僕はタイピングは非常に早い方だと思うんだけど、それでも使い慣れたキーボードが変わってしまうとかなり手間取る。

もともと僕はノートパソコンを使い慣れているので、普通のデスクトップ用のキーボードだと早いことは早いけど非常に手が疲れてしまう。なんというか押す深さが深いんだよね。昔さ、ゲーセンに「タイピング・オブ・ザ・デッド」というタイピングゲームがあって、そのキーボードはデスクトップ用のキーボードだったのね。負けたりすると「頼む、頼むからノートパソコンのキーボード、出来れば自分の使っているパソコンを繋がしてくれ!それだったら絶対負けないから!」と負け惜しみを言っていた。

もともとスマホなんかに繋ぐように持ってたワイヤレスキーボードがあって、それを使ってみたりしている。

これのキーボード自体は悪くない。でも右上についているトラックボールがだめ。軽々動いてしまうのでぜんぜん狙ったところにポインタを持っていけない。

うむーと思ってAmazonを見てたらこちらが2,000円ちょいなのでポチって見た。

トラックボールじゃなくてタッチパッドなのでいいか、と思ったんだけどコチラはあまりに軽すぎて文字を打っている間にずれてしまう。打ちながら手のひらでキーボード自体を押さえていなければいけない。

うむー。。

ノートパソコンって難しいのがさ、パソコンとディスプレイとキーボードが一体になっているわけじゃないですか。デスクトップなら「キーボードが壊れました、じゃあその間、別のキーボード使っといてキーボードだけ修理に出そう」ということが可能。だけどノートパソコンはそうじゃない。一個壊れたら、例えば今回は「A」と
「O」のキーが取れただけなのに、パソコンごと修理に出さなくてはいけない。。。ハードディスクの中身何処かに移して、その間、他のパソコン用意して、、と考えるとかなり気が滅入ってくる。。

んじゃあ最近流行りのコンバーチブル型というかタブレットにキーボードがついてるようなものにすればいいのかな、と思うけどそれはそれでまた決め手が無く。。



パソコンという「電子機器」とは言え、人に直接触れる部分って非常に繊細というか難しいなぁ、と改めて思う。ある意味、こういうのって「筆」とか大工道具なんかと一緒で非常に微妙なバランスで出来上がっているものだと思う。なんか書道家が「この筆じゃないんじゃー」と筆を投げ捨てたり、「こんな鉋で木が削れっかい!」と大工さんが鉋投げたりね。いや、そんな、道具を粗末にする職人さんはいないだろうけど。

例えば車だとかバイクだとか。僕はその辺についてはあまり認識が無いけど、すっごく車を愛している人は、他人がちょっと乗ったりしただけで「あ、なんか違う!」と気づくと思う、ちょっとハンドルの握り心地が違う、とかね。

車のハンドルにしても、パソコンのキーボードにしても、それって「入力装置=インターフェイス」ということだから、ここは非常に微妙なバランスで出来上がっていると思う。


この文章書くのにもいつもの1.5倍くらいかかりましたよ。。

敵を作る方法ばかり

2016-10-04 15:10:40 | 日記
10月になり、つまり2016年も残すところ3分の1ということになる。

いろいろなことがあったけど、なんとなく「なんか選挙多くなかったか?」と感じてる。特に僕が東京都民だからだね、参院選が終わったと思ったらすぐ都知事選があったんだもの。加えて海の向こうじゃ大統領選だったり。

選挙について、なんとなく、ふと思っていることがあって。

それは「いつから選挙って相手を攻撃することばっかりになっちゃったんだろう?」ということ。

僕が子供の頃、選挙の季節になると当然、選挙カーが道を走っていた。そこで、対立候補の選挙カー同士がすれ違うとどちらとも無く「ご苦労さまです!お互いがんばりましょう!」と声をかけていた記憶がある。

子供なりに選挙ってのは「闘い」だと思っていたから親に「なぜ、闘いなのに、お互い頑張ろうなんていうのか?」と聞いた記憶がある。

親からは「それがマナーだから」と言われ、子供心に「そういうもんなのかな」と思った記憶がある。

それがなんだかどうも今の選挙ってのは「対立候補を攻撃し、どれだけ相手や相手の所属している党が愚鈍か」ということをあげつらうことが増えているような気がする。

それは中選挙区から小選挙区になったから、ってのもあるのかな。そのへん詳しくないから想像だけど、中選挙区ならひとつの選挙区で当選するのが2,3人ってこともあるから、相手が当選して自分も当選する、ってこともありうる。小選挙区なら相手の当選はつまり自分の落選、ということになるから。

しかしまぁとにかく、「自分が受かりたいからと言って相手を攻撃する人」ってのはどう考えても「選挙で選ばれるに値しない人」だとは思うんですけどねぇ。

選挙に限らずどうにも「敵を作り、敵に勝つ方法」ばっかりうまくなっている気がする、それは政治家のみならず我々すべて。僕もそういうところはもちろんあるから自省しなければいけないと思っていますが。