最近、新幹線に乗るとき、上野でよく買う。
アトレ側の改札出たところに食料品を売っているところがあって、
そこで。
まぁローストビーフ寿司なんだけど、うまい。300円。
こういう外側をのりで巻いていない巻き方って日本語でなんていうか
分からないんだけど、(英語ではOut side rollなのかな?)
これを見ると、札幌でよく行っていたすし屋を思い出す。
ススキノとか二条市場とかすし屋が多いところからは離れているところに
あるすし屋。
6時半からは予約を取らない。
予約を取ってしまって予約の人が遅れたりすると
席が空いているのに座れない、という場合があるから。
いつも行くときは4時半スタートくらいで予約を入れる。
入ると「お帰りなさい」と言われる。
音楽もラジオもかかってない。
TVでは無音で相撲中継。
お絞りが出てくる。お絞りにはハッカが1、2滴振りかけてある。
夏も冬もうれしい。
最初に嫌いなものを聞かれる。
今日のネタからぽんぽんとこちらのペースにあわせて寿司が出てくる。
「何の変哲もないタコです」と出てくるタコが
めちゃくちゃ柔らかい。
全部の寿司が何かしら細工がしてある。
「仕事をしてる」というのかな。
でも「醤油つけないで食べてください」なんて言わない。
「醤油をつけなくても美味しいです」と言う。
「醤油つけるな」なんていわれると
「ふん、寿司なんて醤油べたべたつけたほうが旨いんでい」と思うけど、
「つけなくても美味しい」と言われると
「あ、そっすかぁ♪」といい感じになる。
タラバは握って、その上にシソを置いて「ぽん」とたたく。
そしてそのシソはもう使わない。
結構贅沢な使い方。
シソをそのまま載せてしまうと強すぎるらしい。
ほんのりシソの香りがするタラバ。
ウニは軍艦にしてない。
海苔の香りが強すぎるから。
ご飯の上にウニ。
その上に海老の塩辛の汁。
となりに何も載ってないシャリがあって、
それで塩辛の汁を掃除して食べる。
ヅケは僕らの来る時間に合わせてつけておいてくれる。
中トロは絶品。本当に夢に出る。
もちろんアナゴも旨い。
一通り食べると、「はい、一通り終わりました。リクエストは?」と
今日のリクエスト。
タコももう一回食べたいし、中トロも行きたいし、
イクラも行きたいし、と悩みながら結局大体頼む。
〆はサビ巻き。
この店であるとき、一緒に行っていた友人が、
「こないだたくあんの入ったお寿司を食べたんですよ」と
言ったら「じゃうち流の作ってみましょう」と
アドリブで作ってくれた。
たくあんの刻んだのとオオスケ(スケトウダラ?)の皮を
炙ったのにゴマを振りかけて、アウトサイドロールで巻く。
これが旨い。
じゅわっと脂が出て、たくあんがぼりぼり。
ゴマの味。
僕実はそんなにたくあん好きじゃないんだけどね。
「これ旨いですね。次来た時も注文するから名前を教えてください」と
言ったら
「アレ、とか、例の、と言ってください」
と言ってくれた。
だから、僕はこの店に行くといつも「アレ」を頼む。
いつ行ってもがっかりしないし、いつ行っても美味しい。
美味しいだけじゃなくてゆっくりとくつろいだ時間がすごせる。
こういうすし屋は、どんな雑誌にも載ってない。
自分の足と感覚と、かなりの幸運に頼るしかない。
大航海時代にアメリカ大陸を探すのとあんまり変わりは無いですね。