浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

「なんかおかしいぞ」と思い続けること

2014-04-22 10:57:40 | 日記
出社して社内メールを開くとだいたい何通か遅刻します、というメールが来ている。体調不良だったり家庭の事情で出社が30分遅れます、みたいなね。

その中に「○○線が人身事故で止まっているため遅刻します」なんてのも多々ある。

東京に住んでもう10年近くになるけど、来た当初から「ずいぶん東京の電車というのは人身事故を起こすもんだな」と思っていた。

先日、ある人がSNSで「今週は3度も人身事故につかまった」というようなことを書いていた。そして「イラついても仕方がないので、まぁ、こんなこともあるさ、と思うようにします」と続けていた。

もちろんこの人のことを悪く言うつもりは無い。毎日毎日電車通勤しててしかも週に3度も電車が止まるというのはかなりストレスフルなことだろう。ゆっくり座って乗っているというわけでもないだろうしね。もし満員電車だとしたら一刻もはやく目的地に着きたいと思うだろう。それについては同情もする。言うとおり、確かにイラついたからと言って解決する問題でも無い。だから「こんなこともあるさ」と思わないとやってられない、というところもあるんだろう。

僕自身は電車通勤ではないので、それに対してどうこう言う資格も無いんだけど。

でも、僕はそういう考えを持ちたくないと思う。人身事故に「慣れたくない」と思う。人身事故ってつまりは事故で誰かが傷ついているってことだし、場合によっては投身して自ら命を絶ってる場合もあるわけでしょう。

それに対して「まあ、こんなこともあるよねー」と僕は言いたくない。

あくまでやっぱり「週に3度も人身事故で電車が止まる都市ってなんかおかしいぞ」と思い続けるようにしたいと思っています。もちろん僕には解決策は無いけどそれでも「これは絶対におかしいことだ」と思い続けたいと思う。

道端で

2014-04-20 18:39:25 | 日記
浅草に住んでるけど、浅草をぶらぶらしていると「やけに道端で物を売ってるなあ」と思う。

浅草寺のほうで屋台で焼きそばとかを売っているという意味ではなく、ふとした軒先で古着とか靴とか食器を売っている。こういうの好きです、ぼく。フリーマーケットとか好きだしね。実は前の冬によく着ていたピーコートも道端で千円で買った。

今日もイタリアンレストランの軒先で食器を売っていた。

これが安くてねぇ。ビアグラスとかパスタ皿が100円。最初、ビアグラスを買って「わ~い♫」と思っていたんだけどやっぱりパスタ皿も欲しくなってもう一度行きました。素敵なサラダ皿もあってたぶん4人分くらいのシーザーサラダなんて盛り付けると映えるだろうなぁと思ったけど流石に買うのはやめといた。4人分のシーザーサラダを自宅で作る機会なんてないもの。

僕はあんまり食器を買う方じゃないです。男の一人暮らしだしねぇ、皿はまぁ丈夫ならいいか、というレベル。はっきり言って僕の自炊のほとんどは春のパン祭りの皿ひとつで済んでしまう。これが丈夫で使い勝手がいいんだよなぁ。とは言え新しいパスタ皿は嬉しい。

つーことで今日の晩御飯はパスタにしますかね。

宮崎

2014-04-16 11:16:14 | 日記
仕事柄いろんなところに行く。あまのじゃくなもので「いろんなとこ行けていいねー」と言われれば「そんな、いいことばっかりじゃないですよ」と答えるし「大変だねぇ」と言われれば「会社のデスクにずっといるってのはあんまり性に合わないので」と答えている。

あるとき、「自分が足を踏み入れたことの無い都道府県はどれくらいあるんだろう?」と数えてみたことがある。

例えば新幹線で通り過ぎた、というレベルまで入れて良ければ、47都道府県中45都道府県には行ったことがある。

逆にいうと一度も足を踏み入れたことがないのは、「高知」「大分」「宮崎」の3つ。

ただこれだけだとあまり楽しくないので「1泊でも泊まったことがある」ということにすると、38都道府県。つまり泊まったことが無いのは「高知」「大分」「宮崎」「岐阜」「三重」「滋賀」「鳥取」「佐賀」「熊本」の9県。

やっぱり父親が東北で、北関東で生まれ育って、北海道に行って、東京に住んでるわけだから、東日本はだいたい制覇してる。一瞬、「あれ?群馬に泊まったことあったっけ?」と思ったけどそうそう昔、同級生と温泉旅行したことがあった。

やっぱり四国九州はなかなか行く機会がない。岐阜三重滋賀あたりもねえ、通りはするんだけどなかなか。

と、思っていたらひょんなことで宮崎に行きました。泊まりはしないんだけど。

これで「通ったことくらいはある都道府県」=45ということになった。だからなんだという話だけど。これで行ったことが無いのは高知、大分のみ。昨年の夏、四国旅行した時に少し足を伸ばせば高知行けたんだよなぁ。惜しかった。

生まれて初めての宮崎はちょっとマニアックな入り方で、長崎から電車で行った。宮崎中心地ではなくて鹿児島と宮崎の狭間みたいなところに行ったので。

そもそも、会社で「長崎行くならついでに宮崎行ってきてよ」と言われたので「はいはいー」と言ったんだけど、冷静に考えると全然ついでじゃないのね。


こういうルートです。6時間かかります。えーっと、たとえば「青森行くならついでに東京行ってきてよ」くらいの感じかな。長崎から新鳥栖(佐賀)に行き、そこから新幹線で鹿児島中央へ。新幹線さくらは毎回思うけど非常に快適。和風テイストだしね。

洗面所の入り口はすだれ。風流ですな。

鹿児島中央から特急にのり隼人へ。この特急はちょうど鹿児島湾をぐるっと回る感じで桜島をずっと眺められて気持ちがいい。


そこからローカル線に乗り換えて2時間ほどがたごと。で、着いたら駅前はこんな感じでした。



今までいろんなところに行ったけど、その中でもこの「何にもなさ」はトップクラスです。個人的にはきらいじゃないんだけどね。駅前にはラーメン屋(というか食堂)が一件のみ、そこの店長さんは自分のこと「おいどん」と言っていました。リアルに一人称がおいどんの人って初めて会ったなぁ。

ラーメンはうまかったですよ。

日本は狭い、とは思えない。広いよ、日本。

アナと雪の女王

2014-04-03 19:51:31 | DVD、映画
『アナと雪の女王』を観てきました。



生まれつき両手から冷気が出てしまう体質(よく考えるとこれ、体質なんだよね。魔女の呪いとかじゃなくて。すごい話だ)を持つエルサとその妹アナ。戴冠式の日にいろいろあって国を凍りづけにしてしまったエルサは山に篭ってしまう。それを助けに行くアナ、という話。

まずさぁ、僕自身、妹が2人いるし、更に僕の姪っ子も二人姉妹だから、こういう二人姉妹の話よわいのよね。もう開始10分くらいで「ああ、こういうの俺もうダメ、、」と涙ぐんでたもの。

面白かったですよ。

ミュージカルアニメなんだけど歌がだいたい良かった。なんと言っても「Let it go」だよね。吹き替え版で観たんだけど声役の松たか子にほんとにびっくりした。改めて言っていいですか、申し訳ないけど。「松たか子、歌うまっ!」 すいませんね、プロの女優さんにこんなこと言って。でもほんとにうまかったですよ。普通にテレビに出る女優さんでミュージカルやって「歌うまいなぁ」と思ったので本田美奈子とかなんだけど、ちょっと今回はヘタしたらそれくらいうまかった。



「Let it go」って日本語訳だと「ありのままに」って訳されていて、事前のCMとか見ると「なんかハッピーなときの歌なのかな」と思ったけど、この映画で見ると全然そんなことないね。一人で生きていくことを選んだエルサの強いけれど寂しい、むしろ絶望の歌なんだね。ここはグッと来ました。絶望するほどの孤独にならないと自由に生きられないという言わば「業」を持っているというところがすごい。女王という重荷から解き放たれるように髪を振りほどくシーンは泣けるなぁ。

アナ役の声が「あれ?少し松田聖子っぽくないか」と思っていたんだけど後で観たら神田沙也加、つまり松田聖子の娘でした。今まで気付かなかったんだけど声、というか歌い方がすごく似てるね。

雪だるまのオラフの声もいいなぁ、アホっぽくて、と思ったらピエール瀧でした。すごいね、この人。朝ドラも大河も出て更にディズニー・アニメですか。

あとよかったのはね、クリストフとスヴェンのコンビ。

真ん中のトナカイがスヴェン、その左が氷売りのクリストフ。この二人がすごくハン・ソロ&チューバッカの相棒感があってよかったなぁ。このコンビのシーンはだいたい面白かった。そう観てるとオラフ(スヴェンの上の雪だるま)もC3-POに観えてくるね。

雪の質感はすごく綺麗だし、なんたってこういうミュージカルは大きいスクリーン&スピーカーで体感したほうがいいと思うからオススメですよ。

ひさかたの

2014-04-02 09:26:44 | 日記
先週末の東京は桜が満開でした。満開、というより95%咲きってくらいで「あ、もうほんの少しで満開だな」という感じ。毎年思うけど、「もう少し」って思うくらいが実はホントの満開だよね。

土曜に満開になって日曜が残念ながら雨。月曜はいい天気だからこの2、3日で散ってしまうんだろうなと思う。


3月26日時点の鹿児島。やっぱり九州は早いね。


これは3月29日の東京。ジョギングするときいつも渡る橋からは桜とスカイツリーが見える。


夜は夜でいい。

 
近所の小さな公園。公園が小さいから桜の覆いかぶさってるように見える。

 
上野公園。人がたくさんいました。


ちょうど雷門から川渡ったところにある勝海舟の像と桜。GoogleMapで調べてみたら勝海舟の指先が江戸城(皇居)なんだね。

 
夜の隅田公園。逆さになったビールケースがテーブル代わりってのが風流ですな。

この季節になると思い出す短歌。

「山風に 桜吹き巻き 乱れなむ 花のまぎれに 君止まるべく」
(山風が吹いて桜が吹き乱れて欲しい。せめて去りゆく君が花吹雪を見て立ち止まってくれるように)

ああ、美しい、そして切ない。

それと最近はもうひとつ思い出している。

「ひさかたの ひかりのどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」
(こんなにのどかな春の日なのに、なぜ花はしずまることなく散ってしまうんだろうか)

これもいいねぇ。穏やかな春の光と咲き乱れる花の情景が思い浮かぶ。

これは中学くらいの国語の授業で聞いた覚えがある。聞いた時は「ふーん」と思っていたけど、いまになって「いい歌だな」と思う。国語の授業ってよくわからなくてあまり真剣に聞いていた覚えがないけど(いや、真剣に聞いてた授業がそもそもないけど)、いまとなって「習ってよかったな」と思う。学校の授業をなめてちゃいけませんね。