浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

フォロー・ミー

2011-02-27 21:36:47 | DVD、映画
先日、銀座で食事の予定があって。その節はありがとうございました。

銀座で銀行口座を作らなきゃいけない、という予定もあったんで有休をもらって銀座に行ったんだけど夕方ぽっかりと時間が空いてしまった。

じゃあ映画でも見て時間つぶそうかな、と思って検索したら「フォロー・ミー」をやってることが分かった。


1970年代の古い映画なんだけど、各所で評価が高い。にも関わらずDVDやビデオになっていないので長年「映画館でしか見られない名作」ということになっていた。

でも最近、東宝系の「午前10時の映画祭」という、午前10時の回に古い名作を1,000円で見られる、という企画で取りあげられて再度人気になり、この度めでたくDVDとなった、というもの。

一度みたいなー、と思ってたしちょうど時間も良かったし何せ1,000円なんで見て来ました。

(日比谷のTOHOみゆき座では「午前10時の映画祭」を1日中やってる)

これがね、本当に温かくてほほえましくて、いい映画でね~。


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これから僕この映画のストーリー全部言います。ほんとにいい映画だったんで。

DVDもやっと出たし、東宝系の映画館なら午前10時から1,000円で見られるんで
ぜひ見た方がいいですよ。
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どういう話かと言うと、主人公はロンドンの会計士。仕事も堅ければ性格も堅い。(この人、仕事場はもちろん自宅でもネクタイしてる) 数年前に結婚した妻との関係があまりうまくいかず、外出がちの妻の素行調査を探偵に依頼する。

その探偵というのが、この映画の最大の魅力の一つでもあるクリストフォルー探偵。白い帽子に白いコート、白いズボンという何故か白ずくめな上にいっつも何かお菓子を食べてる。

ちなみにこのお菓子を食べてるのがいいんだよなぁ。怪しい人なんだけど絶対悪い人に見えないもん。

10日間の尾行の後、探偵は夫に結果を報告する。

「妻は他の男に会ってるんだろう!?」と詰問され探偵は「…はい、会っています。非常に格好いい男性です」と答える。

それを聞いて怒る夫。すぐに家に帰り妻を問い詰める。

そこで反論する妻。妻は元々ヒッピーで自由でいたかった。「結婚前のあなたはそんな自由さを愛してくれたのに結婚後は、家の仕事をしろ、家に居ろ、と強要するじゃない!」と反論する。

そこを夫は(会計士だし)論破しようとする。「結婚とは契約なんだぞ!」と。

妻は落胆し説明する。「結婚は契約じゃないのよ…目的に着いたら必要なくなるパスポートじゃないのよ…」

うーん、この辺は身につまされるよなぁ。。。僕は結婚してないけどね。男性ってけっこうこういうところある人いるじゃないですか。とにかく論理を先に出そうとする。僕も比較的そういうタイプだからほんとうに身につまされましたよ。

夫は更に問い詰める。「君が日中会ってる男というのは誰なんだ!?どうせ俺より若くてかっこいい男なんだろう!?」

妻は答える。「いいえ、あの人はかっこよくなんか無いわ。…いつも全身真っ白の格好をしているの」





あ い つ か (笑)






結局の所、クリストフォルー探偵の尾行はそもそも本人が目立ち過ぎる(当たり前だ。全身真っ白で更に白いベスパに乗ってるんだから)ために尾行当初から奥さんにばれていた。


(だってこんななんだよ)

奥さんは「なんだか怪しい人がいるなぁ」と思いつつ日々の散歩を繰り返していた。

ある日、奥さんが暇つぶしにホラー映画でも見ようと映画館の前にいると、とうとうクリストフォルーが奥さんの肩に手を置いてしまった。つまりね、クリストフォルーは恐がりなんでホラー映画が嫌いだった。(このへん可愛くていいね) 肩に手を置いたものの一応尾行中とのことで声はかけない。身振り手振りで「こっちこっち」と導く。その先は違う映画館、そこでやっているのは「ロミオをジュリエット」。二人は無言のまま、一応席も離れてその映画を観る。

それ以降、尾行していたはずのクリストフォルーは奥さんを笑顔にしたくてロンドンを案内する。

ここで題名「フォロー・ミー」が活きてきて最高なんだよね。

会計士の夫は「お前は妻なんだから黙って俺についてこい!(フォロー・ミー!)」と怒っていた。

クリストフォルーは最初、仕事として彼女を尾行していた(フォロー・ハー)。しかし途中で「ロンドン案内して上げるよ、ついておいでよ(フォロー・ミー!)」となった。うーん良くできてますね。


ここで奥さんが思い返すクリストフォルーとの奇妙なデート(みたいなもの)のシーンが最高なんですよ!このシーンのためにぜひこの映画を観て頂きたい!

一応、尾行されてる側と探偵なので言葉は一切交わさない。でもクリストフォルーがニコニコとまるでパントマイムのようにロンドンを案内する。もうね、映画館全体、見ている観客我々までほんわかしてくるいいシーンでしたよ。



寂しそうな奥さんを楽しませているうちに恋心に変わってしまったクリストフォルーは奥さんに迫る。

しかし、会計士との出会いの頃を思い出し、「やっぱりあの人は最初は優しかった、あの人を忘れることは出来ない」と答える奥さん。

そこでね~クリストフォルーがニコッと笑ってさっと奥さんのことをあきらめるんだよね~。なんだよーかっこいいじゃないか。。。

そしてクリストフォルーは会計士の夫の所にいき、どうやったら奥さんとやり直せるかを提案する。




つまりね、どういうことを言うかと言うと「俺と同じ事をしろ」というんだよね。

「俺がしたように彼女の後をおいかけて、そして彼女と同じものを見ろよ。その時、しゃべっちゃダメだ。ただ彼女だけを見て、彼女が見ているものを一緒に見て、そして一緒に楽しむんだ」

泣かせる。。。ここはグッと来た。

そしてラストシーン。。。。これがまたステキ。



大事なテーマを大仰に語る、ってことも大事なんだけどこの映画のように大きなテーマを小さな声でほほえましく語る、ってのもやっぱりいいんだよね。

全体的に「かわいらしい」映画でした。

ぜひとも結婚している男性に見て頂きたい。もちろん未婚でも、女性でも楽しめると思うけど。

学校論その2 お金の話

2011-02-25 23:00:46 | 日記
続き。

高校にかかるお金に今年度から結構大きな変化があった。

子供をお持ちではない方でもなんとなく「そんなことがあったんだろうなー」という認識はあるかも知れないけどそこがまた複雑なのでちょっとまとめときます。

この話は多かれ少なかれ我々の税金が使われているので多くの人が知っておいたほうがいい話だと思う。

ちょっと政治制度の話になるんで堅苦しくてごめんなさい。しかもざっくり話してるので細かいところ言及してないのはお許しくださいね。もちろん間違ってたらご指摘ください。

2010年度から俗に言う「公立高校無償化」という制度が始まりました。これ、実は間違っています。「公立高校無償化」という言葉だと「公立の高校だけタダになるの?」と思われるかも知れないけどそれは違うんですよ。

正しくは「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」と言います。

実はこの制度は非常に簡単に言ってしまうと「全日制の高校に通う生徒の世帯に年約11万を支給する」という制度です。「公立高校に通う生徒」では無いので私立の全日制に通っていてももらえます。

つまり、この制度前はざっくり言うと高校に通うのに、公立高校の授業料が1だとしたら私立は大体4くらいかかった。(授業料の話ね、入学金とかは別)それがこの制度以降は公立が0、私立が3かかる、という形に変わることになる。

そして!ここも大事。実は都道府県毎の制度として「就学支援金」というものがある。

非常にドラスティックなのが大阪府。

大阪府は府独自の取り組みとして「世帯年収600万以下の家庭の生徒は私立高校に通っても授業料実質無償」ということになっている。年収600万まで、というとかなり多くの世帯が含まれるわけでということはかなり多くの生徒が公立も私立もほとんど授業料無しで通えるということになる。

ちなみに言っておくとこの支援金の給付の仕方は「間接給付」というやつで、生徒の世帯に直接渡すわけではなく、間接的に通っている学校に渡す、という形。

(もちろんこの話って何度も言うけど授業料の話で施設利用料だのなんだのは別)

とはいえ両方とも授業料無料、ということであれば私立を検討する人も増える。なもんだから今年の入試(つまり現中3生)は大阪府ではかなり私立の受験者数が増えた。中には私立の校長から「来年度は教室と先生が足りなくなりそう…」という話も聞く。

更に、僕が現場で聞いてる裏話をします。ここから憶測たっぷり。

これだけ大阪は大盤振る舞いしているわけだけどこの「財源」はどこから来ているかというと実は大阪府の公立の中学・高校の教員給与のカット。

おそらく大阪府(というか知事個人だね)が考えているのは以下のようなことなのではないか。あくまで色々な噂話をもとにした憶測ですよ。

公立教員の給与をカットし締め付けることで、多くの先生が「こんなのやってられない」と公立学校を辞めて私立の学校に転職するだろう。しかも私立の授業料が安くなったことで、人気の無い公立は生徒も集まらなくなるだろう。そうなればその公立学校を統廃合しやすくなる。
将来的は一部のまともな公立学校と他の私立が健全に競争する状態になる。。。

という感じの噂話も耳に入ってくる。

この「就学支援金」については僕の知る限り、大阪が一番の対象世帯年収が高いけど、京都は500万まで、と、その他の都道府県もいろいろやってる。

つまり、2010年度から高校生は公立に行くなら国から、私立に行くなら国+都道府県から授業料分(あるいは一部)の支援が受けられる、ということになる。

そういうことなんです。

続く。

いまがどんなに やるせなくても 明日は今日より素晴らしい

2011-02-22 20:38:35 | 音楽
桑田佳祐
ビクターエンタテインメント
発売日:2011-02-23


出ますね~、桑田のニューアルバム。2月23日発売。

最近はもう「CDを買う」ということがほとんど無くなってしまって大体ダウンロードなんだけど桑田関係はついつい手元に置いておきたくてCDで買ってしまう。「CDを買う」という行為はもういまとなってはノスタルジー以外の何者でもないね。

入ってる曲は色々楽しみだけどなんと言っても楽しみなのはこのCMに使われている「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」






このCM初めて観た時はもうブワッと泣きそうになったわ。

スワン・ソングを歌えるならば

2011-02-21 19:57:58 | 仕事
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swan song
【名詞】【可算名詞】
1 白鳥の歌 《白鳥が臨終に歌うとされる歌》.
2 (詩人・作曲家などの)最後の作[曲]; 辞世,絶筆.
(研究社 新英和中辞典)
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この言葉が好きでね。名作ラジオドラマ「バー・スワンソング」ってのもありましたね、自分で言ってますが。

10年勤めていた会社を退職することにしました。

うーん、感慨深い。。

元はと言えば大学を出て地元の町に戻り1年、やっぱり札幌が大好きだなぁと思って仕事を辞め、車に荷物を積み込んで仙台からフェリーに乗ったのが2000年。

ネット会社に勤めて3ヶ月で給料が出なくなったり、友達からカニ工場を紹介されたのに1ヶ月で寝坊して首(朝4時に中央市場に行かなきゃ行けなかったのに起きたら正午)になったり、知り合いのスナックを手伝って一日3,000円もらったり、というのを経て今の会社に入った。

はっきり言って今の会社が何をやってる会社かはまったく分かってなかったから、よく採用されたもんだと思う。今の僕が当時の僕を面接したら絶対採用しないもん。

あのとき面接してくれたマネージャには頭が上がらない。

そして入社した後もただただ生意気なだけだったんで、よくぞ首にならなかったものだと思う。

それから10年。はっきり言って仕事における大事なことはぜんぶこの会社で学んだ。

退職する理由はもちろん色々有るわけで、それは一言では言い切れないんだけど、ひとつ確実に言えることは決して今の会社が嫌で辞めるわけじゃない、ということ。いまの会社のことは本当に心から言えるけど大好きです。

タイミング、というのが一番大きいかな。

まぁ、このあたりの話は色々ある(ほんとに、『いろいろある』としか言えないんだよなぁ)んでおいといて。

先日、送別会をして頂きました。

長年いたんで送別会もいくつかあって、先日のは以前のメンバーの人々との送別会。

会社を辞めている人も多いから中には3年ぶりくらいに会う人もいて。

10年間、辛いこともしんどいこともあったけどどの時間も楽しかった。

そしていま思えばこの時のメンバーの人たちと話しているのが一番楽しい。

20時に始めて終わりはなんと朝の4時。それくらい話しても尽きないんですよ、ネタが。

そして花束を頂いた。

他に寄せ書きやなんやかやのプレゼントも。

うれしゅうございました、そりゃもうずんべらぼうに。

プレゼントや花束や寄せ書きが最高にうれしい上に、気の合う人々と朝まで飲めたことその100倍くらいうれしい。そして更にその100倍、そもそも出会えたこと自体がうれしい。

本当にありがとうございました。

スワン・ソングを歌えない自分が残念だ。

学校論その1 先生は大変だ

2011-02-18 09:28:53 | 日記
僕の仕事は教育関係で、主に私立高校(あとちょっと私立中学)が相手。

仕事してて僕自身も新たに知ることがあるわけで、そういう学校の事情とかって年頃のお子さんやその保護者の人、あるいはその中で働いている人(つまりは先生達)しかよく知らないんじゃないかと思う。

もし知っていたとしてもその双方の人々はインサイダーであるが故に限られた側面しか観られていないんじゃないだろうか。

ある意味、僕は片足はインサイダーでもう片足は民間企業の社員と言うアウトサイダー、そして少ないとは言え少しは「経営者」の人たちを顧客として仕事をしてきた経験がある。

だから学校という組織についてインサイダーの人が見ていないところが少しだけ見える、と言わせて頂いてもいいのではないかと思う。

もちろんインサイダーの人たちでなければ見えないところで僕に見えていないところはたくさんあるけど。

仕事が変わるこのタイミングで一度、僕の考えていることをちょっとまとめたいなと思ってます。教育関係で働いていると言っても経験なんてごくわずかだし非常に偏った意見だと思うけど自分なりの備忘録としてね。


まず、本当にこれは声を大にして言いたいんだけど「現場の先生たちは本当に頑張っています!」ということ。

昨今、教職員の不祥事がニュースになったりそうでなくてもどうも「子供達の素行や成績が悪いのは先生がダメなんだ」という風潮があるような気がする。

もちろん不祥事については弁護するつもりは僕も無い。罪を犯したのであればそれは誰であれ罰されるべき。でもね、一言だけ言いたい。先生以外の人が罪を犯す率と先生が罪を犯す率に差があるんだろうか?僕はそう思わない。多感な子供に接する立場だからもちろん罪はよくないけど、じゃあ子供に接しない大人(そんな人は厳密にはいないけど)は罪を犯してもいい、ってことじゃないでしょう。

そして「先生は怠けている」という認識があるとしたらそれは僕は断じて正しくないと言える。

もちろん中には怠けている人もいるだろうと思う。それだって一般企業でも怠けている人はいるでしょう。

少なくとも僕が見る限り学校の先生って、特に私立の先生たちって本当に大変だよ。毎日毎日、教壇に立って授業をする。「そんなの当たり前じゃないか」と思うかも知れないけど当たり前じゃないよ~、大変だよー。毎回毎回同じ授業をしていればいいわけじゃない。生徒はもちろん毎年変わるし教える内容だって、指導要領という教える指針が変わることがあるからその研究をしなければいけない。

授業が終わっても放課後には部活の指導がある。更には成績の悪い人向けに補習だってしなければいけない。「夏休みとかたっぷりあっていいよな」と思うかも知れない(僕だってそう思ってた)けど、夏休みだって勤務はするし部活や補習があったりする。

そして、これはご存じない人もいると思うけど私立の先生は一種の「セールス」もしなければいけない。つまり「外回り」です。

はっきり言って今、日本に「ほっといても毎年生徒が来る」という私立高校は数えるほどしかない。多くの私立高校は先生達が近隣の中学校や学習塾を回って「ぜひうちに」という「セールス活動」をしなければいけない。

僕の知っている先生達の多くはこのように本当に毎日忙しく働いている。はっきり言って僕の仕事も決して暇なわけではないけどそれでも観ていて「僕より働いているなー」と思ってしまう先生達だってたくさんいる。

給与だってもちろん「薄給」とは言わないけどそれでもがっぽりもらってるとは言い切れない。

そんな先生達の実態を知らずに「先生は楽でいいよな」と言う認識の上で先生を非難するのは僕は好ましいことではないと思う。知った上で「でも、こういうところはよくない」と言うのは必要だと思うけど。

(ただし、僕は公立高校の先生方についてあまり見識が無いんだけど、少なくとも僕が働いていた県立高校は結構、暇そうな先生達いた。。だから公立高校の先生についてはあまりはっきり言えないけどね~。)

もっとすっきりさせるつもりだったんだけどやっぱり長くなった…。

この話、折をみてまた続きます。

男ですいません

2011-02-15 00:03:53 | 日記
うちのテレビは映らない。

別に壊れてるわけじゃなくてアンテナ繋いでないだけ。テレビ見られるとさーやっぱり時間どんどん過ぎてくんだよね。僕はテレビっ子だから。

たとえばワールドカップなんかやってる時期だとやっぱり観たいのでアンテナ繋ぐけどそれ以外の時期はテレビを観ない生活。

ネットが発達してまぁほとんど困らない。

観たい番組は最近どんどんDVDになるしなんだったらyoutubeで観てもいいしさ。

最近流行の俳優とかだってネットで画像を見られるから話題についていけない、ということはほとんど無いし。

ただね、CMの話題はあんまりついていけない。

あれってわざわざDVDにはならないし人に言われない限りわざわざ検索したりしないしね。

なんだけどこないだ出張先のホテルのテレビで観て思わず泣きそうになったCMがこれ。



いいでしょー。

さ、缶コーヒー飲もか。

VISION

2011-02-12 20:18:14 | DVD、映画
マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]
マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]

買おう買おうと思ってたけどタイミング逃してました。

マイケル・ジャクソンのショートフイルム(以下、SF。マイケル・ジャクソンはプロモーションビデオと言う言葉を使わない)を集めたDVD。ドッピオさんがくれました、嘘、貸してくれました。

DVD三枚組で4時間半、更に全曲の対訳集とかなりしっかりしたライナーノーツもついてボリューム満点。

MJのSFはもちろんテレビやネットなんかで結構観たことあったけど、フルバージョンで収録されてるんで「そうだったのかー!」と思うのも多い。

一番はなんたってBAD。こりゃー驚いた。

このSFはもう余りにも有名で知らない人はいないんじゃないかと思う。もちろん僕も何回か観てるけど、話としては「ゴロツキ同士の小競り合い」だと思ってたけど全然違うのよ。

フルバージョンはまず白黒で始まる。おそらく一流高校が長期休暇に入る時期。生徒たちは実家に帰ろうと賑やかに学校を出て行く、その内の一人がMJ。電車に乗り地下鉄に乗り換える。その内、同級生たちは途中下車しいなくなる。居なくなった同級生はみな白人。代わりに車内には黒人やヒスパニック系の人が増える。

ここから分かることはMJはいい学校に行っているものの生まれはスラム、と言うこと。

地元に戻り幼馴染と久しぶりに会う。幼馴染は「いい学校に行っているからいい子ちゃんになったのか?おまえは元はワルだったろ?」とからかう。

ワルの証にカツアゲをしろ、と言われる。しかし出来ない。冷やかす悪友たち、しかしMJは言う。

「俺はワル(Bad)だ!でもお前らは違う、お前らはクズ(Nothing)だ!」

そこから映像がカラーになり、曲が始まる。。



これはすごい!

この最初のシーンがあることでこの曲が一段階上がる。

この曲で唄われてるのは、正しいことのために何かに反抗することこそ本当のBAD(これは悪とはちょっと違う)、ただ自分のために人に迷惑をかけるのはクズ、と言うこと。だから歌詞の中で「誰が一番BADだ?」と歌っている。

うーん、こんなに深い話だったとは。。。

それと改めて言う必要も無いけどこのSFの監督は巨匠マーティン・スコセッシ。この当時は「レイジング・ブル」(デ・ニーロがオスカー取った)、「ハスラー2」でガンガンに着てる頃だね。やっぱりいいわー。

監督と言えば「They don't care about us」の監督はスパイク・リー(そう言や最近元気なのかしらん)。ブラジルバージョンの色使いと言いプリズンバージョンの暴動感と言い彼らしさ満載。たぶんプリズンバージョンは暴動を教唆してる、と言うことで放送禁止になったんじゃなかったっけ?

プリズンバージョンでは最後MJが牢獄を出るところで終わる。これがブラジルバージョンに続いてるんだよね。

その他、見所はたくさんだけど僕が一番喜んだのは「SAY SAY SAY」のSF。

これはポール・マッカートニーとの共演でかなり豪華。昔みた覚えがあるんだけど改めて観てみると一味の一人がなんと特攻野郎Aチームのミスター・T!ぜいたくーー!
そしてこのSFの直後、MJがビートルズの版権を買い占めてポールともめたんだけど、ライナーノーツによるとその後の二人は和解したみたい。と、そこまで書いてるライナーノーツはやっぱりすごいのよ。

ちなみにこのライナーノーツを書いているのはノーナリーブスのボーカルの西寺郷太。この人はMJ研究家として「マイケル・ジャクソン、小沢一郎ほぼ同一人物説」を唱えてて面白いよ。


つーことでたっぷりお腹いっぱい。

そうだ、寄席に行こう

2011-02-11 16:03:30 | 日記
と、ふと思って最近何度か寄席に行ってます。

寄席、と言うのは主に落語が聴けるとこね。浅草には浅草演芸ホールと言う寄席があって基本的に毎日開演してる。

寄席は大体正午くらいに開く。そこから4時くらいまでが昼の部、その後9時までが夜の部。入場料は2500円、これで終わりまで居られる。

どちらの部もまず前座、と呼ばれる入門して間も無い若手から始まり最後にはトリと言う大物の落語で締まる。

僕は大体2時、3時に入って昼の部のトリを観て、夜の部の途中、6時とか7時に帰る。流石に9時まで観てるとその日一日終わっちゃうからね。お腹もすくし。

中には売店があって食べ物は売ってるんだけどお煎餅とかアンパンとかだけだから。弁当なんか持ち込んでる人もいるけどね。座席が古く狭いんで弁当食べるの窮屈そう。

落語は元々好きだけど、やっぱり生で観るのはいいね。

各部の始めは前座の時は座席もがらがら。だから最前列に座れる。んで、前座なんでそんなに上手く無い人もいる。中には途中で間違えちゃったりね。でもまあそれはそれで「がんばれよー」なんて思うし。(実際、そんな声かけてる観客もいる)

で、どんどん出て来る落語家のキャリアが上がって行って最後のトリは大御所。この位になると座席は満席になってる。たまに立ち見になってたりもする。そういうの見ると「へぇ、まだまだ寄席もすごいのね」と思っちゃうけど。

大御所と言っても落語マニアでも無ければあまり聞いたことない人達ではあるんだけど、とは言えトリはトリ、見応えあるよ。

「ああ、観て良かったなー」と思ったのは桂歌丸。一月の前半、まだお正月気分がすこし残ってる時期に出てたんだけど、パアッと明るい華やかないい落語でしたよ。

寄席だと演者は下手(舞台向かって左)から出てきて中央で噺し、また下手へ帰って行く。寄席で観てると面白いな、と思う一つはこの出入りも観察出来ること。

もちろん誰しも出てくる時はニコニコとして出てくるんだけど、舞台から下がる時、むすっとしてたり首ヒネったりしてる人もいる。僕はこういうときも凛として何となく背中にピリッとした雰囲気がある人がやっぱりいいと思う。

舞台に出てきて座布団に座り、口を開いた瞬間、寄席全体の雰囲気を支配したな、と思ったのは(桂歌丸は別格として)瀧川鯉昇。

僕はこの人のこと知らなかったけどすごい、と思った。決して大きな声を出す訳じゃなくてむしろ声は小さい方なんだけど観客の方がググっと引き込まれる。

それから途中、落語以外の芸人さんも出て来る。「色物」と言うらしいけどお神楽(皿回しとか)とかコントとか漫才とか。これもね、もしテレビに出てたらそんなに笑わないと思うんだけど生で観ると楽しいよ。

ボンボンブラザーズという観るからに年季入ってそうなコンビが一言も喋らずジャグリングしてたんだけど本当に面白くて声だして笑っちゃうんだよね。

寄席には一日で二十人くらいの落語家が出るんで半日もいれば「この落語家面白い」って人が見つかると思う。だから行ってみる価値はあると思いますよ。行ってみて合わなければそれはそれだしね。僕だって全部の落語家が好きな訳じゃなくて中には「あ、この人の落語はどうも僕は好きじゃないな」と思う人もいる。(落語に下ネタとか芸能ネタとか挟んでくる人は僕はどうにも好きじゃない。)

僕が聞いて「ああ、いいな」と思ったのは前述の桂歌丸、瀧川鯉昇に加えて、三笑亭夢丸とか桂米助(隣の晩ご飯の人ね)、桂平治、三笑亭夢花とか。このあたりは「真打」と言って大御所。それから二つ目(真打の一個前)でも面白い人はいる。

とにかくまぁ全体的に笑える。しかも真剣に見る、って感じじゃなくてなーんにも考えずにぼけっと見てたらなんとなく笑える、という感じ。なんかぬるま湯の銭湯みたいな感じで結構リラックス出来る。

そんな感じで寄席を出ると日が暮れてる。通り道の浅草寿司屋通りの行きつけの寿司屋にぷらっと寄っちゃったりしたら「浅草いいなあ」と改めて思う。

僕はスゴイダイズを応援しています

2011-02-07 18:23:44 | DVD、映画
映画「ジーン・ワルツ」を観てきました。

まぁとにもかくにも原作者、海堂尊のファンなんでね。映画のデキの話は置いといて。

スゴイダイズの話します。

冒頭、女の子が病院の待合室にいるシーンがある。そこでその子がカップのヨーグルトのようなものを食べてるんだけど、ばっちりそのパッケージに「スゴイダイズ」って書いてある。


これ。

待合室なんでまぁなに食べててもおかしい訳じゃないけど、自然か、と言われるとそうとも思えない。だって「スゴイダイズ」って文字がばっちり全面に映ってるんだもの、文字の所に指もかかってない状態で。

観てるほうとしては確実に気づく。

そしてその「スゴイダイズ」はもう一度出てくる。まぁどちらも緊迫したシーンじゃないから腹が立つほどじゃないんだけどね。

しかしさー今の時代にこんな宣伝方法ってずいぶん時代錯誤だと思うんだよなー。

そんなシーン観て観客が「あ、帰りにスゴイダイズ買ってこ」なんて思うと思ってるんだろうか。別に食べた人が「おいしー!」とか言ってるわけでも無いし。映画の中でそんなことやってたら更に印象は悪いだろうけどね。

少なくとも僕は「頭使ってない宣伝方法の会社だなー」としか思わない。だから残念だけど僕は今後も買わないと思う。

スゴイダイズはたぶんこの映画にお金出してると思うんだけどなんか別に得してるとは思えない。

これだけ、ネットが発達しプロモーション方法が進化した時代にこういう「映像に写しておけば良い」なんてプロモーション方法はずいぶん古い気がする。

たとえばバラエティ番組で飲み物のラベルにモザイクがかかってることがあるよね。これもその番組のスポンサーじゃない会社の商品が映り込んじゃってるからだろうけど。これもずいぶんアホらしい話だと思いません?
つまり製作者、あるいはスポンサーは「視聴者がライバル商品を観ただけでそれを買っちゃうかもしれない」って思ってる、ってことでしょ。いやいやそんなアホじゃないでしょ、我々。

なんだかなー、と思うんだよね。

一方、「あ、これはいいかも知れないな」と思ったのは間寛平のアースマラソン。

これは間寛平が世界一周したい、という夢があって、日テレ(だよね?)が番組にし、それにスポンサーが付いてる。それらスポンサーはアースマラソンのために商品を提供している。

トヨタが車を提供しているから走る間寛平をスタッフが伴走出来るし、ニューバランスがシューズやウェアを提供しているから走れる。

これに対して間寛平は本当に感謝してる。

そういうのを見ているファンはたぶんそれらの会社に高い確率でいい印象を持つよね。

こういうのってテレビとか映画におけるスポンサードの形としては結構いいんじゃないだろうか。

…とか言って僕「スゴイダイズ」ってここまでで結構書いてるんでいいプロモーションになってたりしてね。

Benvenuto!

2011-02-02 00:33:48 | イタリア語
アジアカップが終わりましたね。

日本は
予選
 対ヨルダン 1:1
 対シリア 2:1
 対サウジ 5:0
トーナメント
 対カタール 3:2
 対韓国 2:2(PK3:0)
 対オーストラリア 1:0

ということで6試合で14得点7失点。何このノーガードサッカー、ってくらいに得点取ったり取られた。

極力、中継を見られるときは見ていた。決勝だけ土曜日だったんでお酒のペース間違えちゃって前半10分で寝てたけどね。

まぁとにかくザッケローニの采配は老練であり真っ当だよね。

今回、ザッケローニの采配でなるほど、と思ったのは(どことの試合か忘れたけど)退場者が出た時に間髪入れずに選手交代で守備目の選手を入れたこと。

この交代によって選手達に監督の意志、つまり「逃げ切れ!」ということが伝わる。
なかなかこういうことが出来ないんだよな。

今までだと監督が大声で指示を出す、ということでしか選手達になかなか意志を伝えられていなかったような気がするんだけど、ザッケローニは明確に「意志」がある。


ところで、アジアカップ終了と共に1月末の移籍期限を越えたのでヨーロッパサッカーにおいては色々、駆け込みで移籍のニュースがあった。

何せびっくりしたのは長友とF・トーレスです。

まずF・トーレスはリヴァプールの、いやスペイン代表ですら若きエースとして絶対的な地位を確立しつつあるところでなんとまぁチェルシーに移籍ですか。

すごいねぇ。

ほんで長友ですよ。

いやーほんと彼はすごい。ごいすー。

普通の選手であれば世界王者のインテルに移籍出来ないよ~。それは「呼ばれるかどうか」というところもあるけどそれ以上に自分自身が「インテルに行ってレギュラー取れるのか?もう少し中堅のところのほうが出場出来ていい経験なんじゃないか?」と思うと思う。

そこをスコーンと飛び越えてく。

ほんとピッチ上と一緒の飛び出しっぷりだなぁ。

インテルのオフィシャルサイト。

あまりにもうれしくて画面キャプチャ取っちゃったよ。

Campione d'asia(アジアチャンピオン)
BENVENUTO ALL'INTER(ようこそ、インテルへ)

だって。

はぁ、こんな時代が来るとはなぁ。日本人がインテルのユニフォームを着る、なんて思っても見なかったよ。なんとなくミランのほうがイメージ沸いてた、特に意味は無いけど。

まだ移籍しただけだし、問題は試合に出られるかどうか、そして活躍できるかどうか、更に言ってしまえば「活躍し続けられるかどうか」な訳だけど期待してます。

もし公式戦に出るとすれば。

インテルのチームメンバーになる初めての日本人がサイドバック、ということになる。

フォワードでも中盤でも無く、サイドバック。

うむ、これは非常に興味深い。

そしてどーでもいいですが、僕から一言言っていいですか。

あせるな、本田。結局3シーズンをCSKAモスクワで過ごすことになるわけだけど、あせるな、と言ってあげたいね、僕は。(上から目線)