浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

「9条どうでしょう」文庫化記念「ライブ!9条どうでしょう」から。

2013-09-30 20:25:16 | 
町山智浩という映画評論家がいて僕は好きです。映画を観てからこの人の評論を聴くと「ああ!そういうことだったのか!」と更にその映画のことが分かる。たまに映画本編よりこの人の話のほうが面白くてそれは困るんだけどね。「もし女子野球部のマネージャーがドラッカーを読んだら」という映画についてこの人が「こうしたら良かった」ということを語ってたときは泣きました、ワタクシ。現代日本において、映画の背景をちゃんと語ってくれる人はあまり多くない。たぶんこの人の著者はほとんど持ってるし、レギュラーで出てるラジオ(TBSラジオ「たまむすび」)もPodcastでほとんど聴いてる。

この人が恋愛と結婚について語ったのは前に書いた。

超能力者じゃないんだから
かっこいいのはいわなかったこと


今年のしたまちコメディ映画祭でサイン会があったので行きましたよ。直接「WOWOW映画塾、いつも楽しみにしてます!」って言えて幸せだった。

加えて無理くり「でも、やるんだよ!って書いて下さい!」ってお願いして、ご本人は「いや、それは僕の言葉じゃないから、、」って躊躇されてたけど書いてくれた。いい人だねー。それは根元敬の言葉なんだけど、でも僕が町山さんから受け取った一番大きなメッセージは「でも、やるんだよ!」だったから。この言葉にどれだけ救われたことか。


内田樹という武道家、思想家、元大学教授がいてこの人も僕は好きです。僕はこの人のことを、今の日本で数少ない「至極真っ当なことを言ってくれる人」だと思っていて、著書を結構読んでいる。ブログ「内田樹の研究室」も楽しみにしてるし、GQという雑誌で連載している人生相談「凱風館主、内田 樹の「ぽかぽか相談室」」も読んでる。様々な人生相談に本当に「至極真っ当に」答えている。「不倫は身体に悪いです」なんてことをちゃんと言ってくれる人なんてあまりいない。倫理的に、道徳的にどう、じゃなくて「身体に悪い」ってすごいよね。

ああ、あと「辺境ラジオ」というラジオもPodcastで楽しく聴いている。

で、この二人とプラス小田島隆、平山克美の共著で「9条どうでしょう」という本を出した。



先日、その文庫化記念で著者四人のトークショーがあった。僕はチケットを取ってたんだけど残念ながら急な仕事が入って行けなかった。これは悔しかったなぁ。

後日、ラジオデイズというサイトでこの時の音声が配信されてて即購入。

ここで購入できます→「ラジオデイズ

これは憲法について現代日本の最高の知性の四人が語っている内容だと僕は思う。特に町山さんが語る「日本人とは?」と「徴兵制に関する町山改正案」が白眉だったので、そこだけ書き起こしておきたい。

僕はこれを聞いてエ○○○ルにずっと感じてた違和感、もっと言えば嫌悪感が腑に落ちた。そして「ああ、日本人ってそういうことだよね」と心底納得した。

町山智浩という人は喋ってるといい感じに話が「ドライブ」してきてとんでもない方向に進む時がある。もちろん聴いてるほうとしてはそれが楽しいんだけど。この時の話は近年稀に見るドライブ感で本当に最高だった。

つーことでどんぞ。

------------
日本人のほとんどは長渕剛が好きで車のうしろにUFOキャッチャーで取ったぬいぐるみ並べてる人たちが大多数なんですよ。これはしょうがないんですよ、ビッグダディ見てる人たちなんですよ。
そういう人たちが日比谷焼き討ち事件も起こしたんだし。みんなそうなんですよ。
「憲法ってのは国家を縛るもんだよ」って言ってもわからなくて「みんな仲良くしなさい」って言うと分かるって人たちですから。

自民党は完全にそういう人たち向けに政党のアイデンティティをシフトしたんですよ。いわゆるヤンキー系ですから。エ○○○ル好きな人たちとか、そういうものですよ。しょうがないですよ。昔、祭りでセックスしてた人たちですよ。しょうがないですよ。

それが大多数であってそれがほんとの日本人なんですよ。しょうがないですよ。内田先生とかやっぱほんとの日本人じゃないんですよ、祭りでセックスしてないでしょ?

彼らみたいな人が戦争起こすし、戦争負けるとすぐ反省するし、そのあとすぐに労働運動参加する人たちですよ。コロコロ変わりますけど。そういう人たちが日本をずーっと動かして来てると思いますよ。みんな長渕だから。

そういう人たちに理論的になんか言っても無駄なんで、だからやっぱり憲法改正国民は三分の二の国民投票は必要かなと思うんですよ。過半数なら負けちゃうんだもん、エ○○○ルに。エ○○○ルどんどん人数増えるんだもん!どんどんどんどん増えてきますよ!エ○○○ルってどう考えても昔ならふんどし締めてる人たちでしょ?でも悪いとは言わないです。彼らが日本人なんだもん。日本人の姿だと僕は思いますね。

(どうしたらいいの?)

どうしようもしないです!永遠にいます!

みんなすごく勘違いしてるのは、市民社会というのが成熟して発展していくとエ○○○ルみたいな人が消えると思ってるんですか!?長渕みたいな人が消えると思ってるんですか!?消えないですよ!

彼らは常に半分以上います!戦争起これば戦争万歳って言うし、負ければすぐに反省して左翼になって労働運動する人たちですよ!これはどうしようもないです!!理論とか理念とか理性で言ってもどうしようもないです!!
------------

あはは。どーしようもないんだね。どうしようもないのかー。

続いて徴兵制について。

------------
年取った人から取る徴兵制にするといいと思うんです。若い人から取ると国がなくなっちゃうから上から取ってくべきだと思います、ロボットにしたりしてね。ロボットなら誰が運転しても一緒なんだから。
なにも間違ったこと言ってません、はい。あと自爆装置をつけたりして。
若い人たちの将来を、国を守るために上から取ってく徴兵制にしたほうがいいと思います。向こうも戦いにくいですよ、老人が来たら。老人がヨタヨタ来たら「撃てねぇ!俺のじいちゃんみてぇだ!」って言ってる間に自爆するんですよ。
あと自爆しやすいですよ、人生あんまり先ないから。死ぬとき英雄になれるんです。英霊になれるんですよ。靖国に名前が祀られて。しかも若い人たちを救える。なんでみんな嫌がるの?嫌がらないと思います。
車椅子にロケットつけてね。俺、量産型ヤダとか、赤いのがいいとか白いのがいいとか。日本はガンダムだってあるんだから。ないか(笑)
------------

すごいでしょ。音声で聴いたらもっと面白いのでぜひどうぞー。

愛を語るにゃ 百年はやい

2013-09-30 00:27:36 | 日記
聞いた話。

二歳の子がいるシングルマザー。半年前に離婚。離婚後も養育費を支払う条件として月に一度元旦那と子を会わせるために会っていた。
会うたびに財布からカードを取られてたびたびお金を引き出されていた。もちろん怒ったし、返してと言ってた。
でも「今度こそ真人間になる、頑張る」という言葉を信じていた。
結果、総額200万取られていた。支払われていた養育費は総額50万。

そして数ヶ月前にその元旦那は詐欺で捕まり今は刑務所。


はぁぁ。

たびたびお金を取られて、それでも許していたのは何故かは僕には分からない。

もしかしたらそれは愛ゆえだったのかも知れない。
男だって本当に毎回、やり直すつもりだったのかもしれない。子どものために頑張ろうとしていたのかもしれない。

でももしそれが愛だと言うなら僕は

「愛などいらぬ!」


いや、正直わからないですよ。

「愛を語るにゃ 百年はやい 恋を語るにゃ 遅すぎる」

なんていういい都々逸がありますが。

結婚もしたことない、もちろん子どももいない(いないよな?いないですよ)僕に愛を語る資格は無いですが。

なんでも「愛」と言えば許されるってわけじゃあないでしょう。

少なくとも僕は「愛」というのは「敬意」を含んでると思います。愛と敬意の話は長くなるのでまた今度。

長崎、鹿児島、宮城、広島

2013-09-26 17:34:43 | 食べ物
いっちゃった

サザンのライブ。

宮城スタジアム。

いやもう最高でした、俺このまま天に召されるんじゃないの?と思うくらい。

すごいわ、桑田。歌詞も曲も書けてあれだけ歌えてあれだけ盛り上げられるって。最初のMCとかずっと笑ってた。

「やっと生まれ故郷の宮城に帰ってまいりました!」
「今日はちょっと長めにやりますんで。だから入場料割増しで。皆さん席にワンコイン置いて帰ってください」
「ウチのライブ、放水とかしますけど大丈夫ですか?つけまつげとか簡単なズラなら取れちゃうんですけど」

なんだよ「簡単なズラ」って(笑) オーノーだズラ。

一曲目の「YaYa」でもう直立不動。「栄光の男」は膝から崩れ落ちるのを耐えるのが精いっぱいで、「ByeByeMyLove」の

”悲しみの雨が降る この町のどこかで
 人々が眠るころ 俺は泣き続ける”

は涙をこらえるのが精いっぱいでしたよ。


間にこのライブを挟んで先週今週はいろんなところに行っていました。

まず木曜に鹿児島。いつも通り屋台で晩御飯。

揚げたてさつま揚げ、カツオのたたき。

それから地鶏の酒盗焼。これがねー、地鶏に酒盗(あれ、なんだっけ、ほらあのしょっぱいやつ)をまぶして石焼したの。これはうまいよー。でもね、お酒よりご飯かな。

それから長崎。

いつもの店でアジフライ150円。

次の日のランチは同じ店でラーメン。

九州から戻ってきて次の日に仙台へ。

仙台でも沢山食べたけどiPhoneの充電が無くてほとんど写真は取れてないっす。何食べたかなー。炙りしめさば、サンマ塩焼き、牛タン、牛タン、牛タンタン。

一緒に行った人が仙台あんまり知らないようだったので「利久を食べていただきたい!」とわざわざ行きましたよ。

(今回、レンタカー借りてたから足は便利)

帰りに仙台駅近辺の有名な甘味処であんみつ。

ずんだあんでお願いしました。

仙台から帰ってきたら即広島尾道。島まで渡船で渡ります。

瀬戸内海というのはいつ見ても輝いている。

晩御飯はお客さんにご馳走になってハモとか頂きました。

帰る時、とりあえず尾道ラーメンは食べないとなーと思ってラーメン屋に入ってみたらトッピングにカキがある。ラーメンのトッピングにカキってすごいね。とりあえずビール頼んじゃってたんで「トッピングのカキ、そのままもらえます?」って聞いてみたら出してくれた。

サッと湯通ししてあるの。うまいの。

ラーメンもあっさりしててうまいの。

帰りは駅でてんぷらを買う。

西日本のてんぷらなので要はさつま揚げですね。こういう練り物系は「かま栄が最高に決まってんだろ!」と思ってましたが、この阿藻珍味のはそれに匹敵する美味しさ。とくに「シシャモ天」が美味しくてねー。シシャモの卵がぷちぷちしてて最高でした。これとビール。

ダイオウイカ

2013-09-18 10:14:30 | 
先日、上野でやってる深海展に行ってきました。

ずいぶん人気なようで夏休み中は結構行列だと聞いていた。だから夏休みを避けて、しかも平日に行ってきました。

深海探査艇「しんかい」の実物大模型。

いいね、こういうメカものは。イエーガーっぽくて。

ダイオウイカ模型。

写真撮ってないけど、この下にダイオウイカの標本。

クジラの実物大模型。

こんなのとダイオウイカが戦いを繰り広げてるんだもん、大迫力だろうね。

ちょっといいな、と思ったのは展示順路の最後に「みんなが食べてる深海魚」というコーナーがあって食品サンプルとその素材となる魚が展示されてる。

フィッシュバーガーのもと。サクラエビのかき揚げのサクラエビとかもあったよ。

こういうのちゃんと展示するのはいいと思うんだよねー。我々はやっぱり生物をいただいて生きているんだし。

深海展の後、国立科学博物館の常設展もざっと見ました。たぶん小学校6年生の遠足以来だろうなぁ。僕の記憶よりずいぶん建物自体が新しくなっていた。地上5階地下3階にいろいろあるもんだから見切れませんでしたよ。じっくり一日過ごすのにいいだろうね。でっかい恐竜の化石模型とかあるしさー。

つーことで昼ごはんは上野動物園横のピザスタンドでイカとエビとじゃこのピザ。

とにかくここのピザは旨い。乗ってるイカはもちろんダイオウイカじゃないけどね。

オリンピック

2013-09-15 21:37:10 | 日記
東京オリンピックが決まりましたね。

基本的に僕はオリンピックというのは、発展途上にある国が「うちの国もここまで立派になりました、皆さん、どうぞお越しください」と世界を迎えるイベントであるべきと思っているので、2020年の東京でやるのはどうなんかなー、と思っています。

でもまぁ決まってしまったことだからね。

オリンピックに関する各種報道を観ていたり、人と話をしたりしていて、僕が「やっぱり東京(というか日本)でのオリンピックはいいイベントになるんじゃないかな」と思う点と「こんな国でやっていいのかね、しかし」と思う点、この相反する2つの考え方がある。

前者の「いいイベントになるんじゃないかな」と言うのはやっぱり日本の清潔さ、真面目さ、安全性。これだけの人口が密集している国であるにも関わらず、外国に比べればやっぱり安全だし、見るからに汚い、というところもない。基本的に(基本的に、ですよ)人種差別もそんなにない国なので、多くの外国人を歓待するだろうと思う。
浅草の居酒屋のお母さんなんかと話していると「東京オリンピックに向けて英語勉強しないとねー」とか言っている。非常に素直な反応だと思う。「どうせ英語勉強したってこんなとこまでは観光客来ないよ」とかシニカルな意見はまぁおいておきましょうよ。どんな人がどんなきっかけだろうと「何かを学ぼう」と思うのは素晴らしい。

IOCに対するプレゼンで滝川クリステルが「おもてなし」というのを話したようでずいぶん話題になっている。おもてなしというのは元来、「しつらえ」という内面・真心、「よそおい」という外面、そして「ふるまい」という行動で出来ている。正にその3つは日本が誇れるものなんじゃないかと思う。

さて、一方で「こんな国でやっていいのかね、しかし」と思うところも無くはない。本当に目や耳にしてがっかりしてしまうのが「金」の話。オリンピックでどれだけ儲かるか、オリンピックにひっかけてどうすれば儲かるか、という話には心底「品が無いなぁ」と思ってしまう。もちろん現実的にはオリンピックが自社の収益に繋がることもあるだろう。企業としてあるいはビジネスパーソンとしてそれを見込むのは当然のことだろうとも思う。僕だってそりゃ儲かればうれしい。でもね「そんなことは自分の心の中だけで思っとけよ」と思う。近代オリンピックが現実にはマネーゲームになっているとしても、それは口に出さず「いや、我々は金のために東京にオリンピックを呼んだのではない。素晴らしいアスリートとそれを目にしたい多くの人たちを収益抜きで迎えたいんだ」とくらい言ってこその大人でしょう。
それをさぁ、競技場が出来るから晴海の地価が上がるだ、いや有明だ、いま買うなら建設株だの。あんたらは金の話しか出来ないのかよ、と思うよ。

繰り返しになりますけどそりゃ金儲けも大事ですよ。僕だってそりゃ儲からないより儲かったほうがいい(当たり前だ)。でもそれはおおっぴらに言うことじゃないでしょうよ、ということ。


「チーム・バチスタの栄光」シリーズで彦根というキャラクターが欲にまみれた官僚たちにこう啖呵をきる。

「医療という花に欲にまみれた愚鈍な手で触るな」

欲にまみれた愚鈍な手をした人にはオリンピックに触れてほしくないんだよなぁ。

「恋しくて」

2013-09-12 23:04:24 | 村上春樹
村上春樹は海外小説もたくさん翻訳している。有名どころ(ロング・グッドバイ、キャッチャー・イン・ザ・ライ、グレート・ギャツビィ)は読んでいるけど、全部読んでいる、とまではいかない。

で、その翻訳小説の中で僕が一番好きなのは「バースデイ・ストーリーズ」。これは誕生日に関わる短編小説を村上春樹が集め、訳したもの。この短編集の中では「ムーア人」が本当に素晴らしいと僕は思う。

で、今回も同じような短編集が出ました。

「恋愛」をテーマにした短編集を村上春樹が集め、訳した短編集。

表紙の絵が素晴らしいね。本屋さんでパッと見て村上春樹というだけで買って紙カバーをかけてた。なんとなく「シャガールとかの絵かな」と思っていたら竹久夢二でした。

水戸駅の書店で見つけて買ったんだけど、冒頭の「愛する二人に代わって」があまりにも素晴らしすぎて、東京まで戻る車中(1時間と少し)、その余韻だけで他の短編を読み進めるのをやめてしまった。

余韻を楽しみ「はぁ」と思いながら電車から見る車窓からの茨城の緑はここしばらく無いほど良いものでしたよ。

古びたボーイ・ミーツ・ガールの話ではある。真面目なだけが取柄でちょっと風采が上がらない男の子と、少し派手目な幼馴染の女の子の数年に渡る派手ではない恋愛模様。それが縦糸で、9.11が横糸に編み込まれている。(そういや昨日が9.11だった。あれから12年も経ったのか)

この短編が本当にもう素晴らしくてですねー。もうこれだけでこの短編集読む価値はあると思いますよ。

「恋愛小説」、しかも短編なんて今さら時代遅れな感じがするけど、でも、今だからこそまた良いのかもしれない。

村上春樹もこの短編集のあとがきで書いてある。

---
ひょっとしてこの世知辛いポスト・ポスト・ポスト・モダニズムの文学世界に、突如ラブ・ストーリーの時代が花開いたのかもしれない。
--

「ポスト・ポスト・ポスト・モダニズム」ってのがいいね。「一周回って古いのが新しいよね、逆に」とか言ってるいけ好かないヤツが目に浮かぶ。←偏見

紙クズやデンデンムシでできている

2013-09-08 13:49:41 | 
町山智浩の新刊が出ました。

まえがきだけで少し泣きそうになった。この本の前に「トラウマ映画館」という本があってそれは「忘れたくても忘れられない、忘れたくても思いだせない」、心をざくっとえぐった映画の紹介だった。今回はそれの恋愛映画版。

まえがきで「男は恋愛についていつも素人でバカでどうしようもない」という主旨が書かれている。

その例として挙げられているのがマザー・グースのWhat are little boys made of?(男の子って何でできてる?)という詩。

-----------------------------------------
What are little boys made of?
Snips and snails,
And puppy dog tails,
That's what little boys are made of.

What are little girls made of?
Sugar and spice,
And everything nice,
That's what little girls are made of.

男の子って何でできてる?
紙クズやデンデンムシ
子犬のしっぽ
男の子はそんなものでできている

女の子って何でできてる?
お砂糖にスパイス
素敵なもの全部
女の子はそれでできてる
-----------------------------------------
(どうでもいいことですが原文ではsnails, tails, spice, niceで韻を踏んでますね)

本当に確信を突いた詩だと思う。そうなんです、男はいつまで経ってもどうせ紙クズやデンデンムシやロボットやスーパーカーや怪獣で出来てるんです。どうしようもないね。女性が「もう男ってほんとバカ」と思う気持もよく分かる。だって紙クズやデンデンムシで出来てるんだからね。どうかご勘弁を。

紹介されている映画の中で一番素晴らしい評論だと思ったのが「ブルー・バレンタイン」。映画自体、痛い、つらい、それでいていい映画だったけど、はっきり言って僕は映画本編よりこちらの文章のほうがグッと来てしまった。

紹介されている映画を観ていたらそれはもちろんいいと思うけど、観ていなくても文章だけでいいと思う。僕だってここに紹介されている映画、半分くらい観ていない。

「恋はいつでも初舞台」という言葉があるけど、いや「夢芝居」の歌詞なんだけど、そういうことですね。

この本の中でも言っている。恋愛は人生において大事なことなのに練習が出来ない。でもぶっつけ本番でぶち当たるには恋愛は重要事項過ぎる。だから、人は恋愛映画を観る。

あの、すいません、身体さん、ちょっといいすか?

2013-09-04 22:32:48 | 日記
合気道を続けております。

9月に初めての昇級審査の予定だったんだけど用事が入ってしまい受けられなくなった。次は半年後。まぁ仕方がない。昇級審査なんていうと「すごいね、何段になるの?」なんて聞かれるんだけどそんなすごい話じゃありません。他はどうか知らないけど僕のところではまず入った時は級無し。僕はいまこれ。そこから5級、4級、3級、2級、1級と上がっていき、その次に初段、2段、3段、、となる。だから僕が受ける予定だったのは5級。はっきり言ってもう素人中の素人ということです。

合気道は「試合」が無い。昇級審査は「形」を観られるだけ。

基本的に合気道ではスポーツとして試合で相手と競い合う、ということを否定している。

そんな話をすると「じゃあ自分との戦いですね」なんて言われる。たぶんそういうところもあるかも知れないので僕はそういわれると「まぁそんなもんですかねー」とあいまいに答えているけど、実はちょっと違うかなーと思っている。

もともとあんまり「自分に勝つ」だとか「自分との戦い」って考え方がそんなに好きじゃないのよねー。ほら、あんまりストイックじゃないから。

そもそも自分にとって「自分」って倒すべき敵なの? 自分の敵は自分、と考えるとずっと敵と一緒に生活していかなきゃいけないわけで僕はなんとなく気が重くなってくる。

じゃあなんなんだ、と考えると「自分の体と仲良くなる」ためのもんじゃないかなと思う。

頭で「あのすいません、身体さん、こっちにこう動きたいと思ってるんですけどどうすか」と聞いて「んだよ、めんどくせえなぁ。こっち行くったってこのへんくらいまでしか足だせねぇべよ」(僕の身体なのでわがままで口が悪い)、「ですよねー、分かりました、じゃあ最初っからこっちに体重掛けとくのどうですか?」「だべ?それならいいんだよ、最初からそう言えよな、マジ使えねぇな」、、なんて感じで。

頭で身体を御するなんて偉そうなことではなくて、身体の事情も考えながら、「ま、できればこういう感じに動きたいと思っているんですけどどうすかねぇ」とやってる気がする。

もちろん頭の中で言葉にしているわけではないですよ、なんとなくのイメージでね。

自分の身体と仲良くなって思うように身体さんが動いてくれるとしたら、こんな素晴らしいこと無いっすよ。

天ぷらだけ先に

2013-09-02 12:33:51 | 食べ物
うちの近所にそば屋があってたまに行く。薮そばとかそういう名店系じゃなくて、普通の町のおそば屋さん。もりそば400円くらいの。

ここのむじな(キツネとタヌキが入っているからむじな、あ、もちろん関東のキツネとタヌキね)がうまいんです。

昼行くとだいたいむじななんだけど、夜にここでダラダラ飲むのは結構楽しいです。全然興味ないナイター中継見ながらとか。

この店でお酒を飲みたいときに僕が頼むのが天ざる。

「天ぷらだけ先にお願いします」とお願いして、天ぷらをつまみに飲む。ビールか、そば焼酎そば湯割。だいたい天ぷら食べ終わったあとにそばをお願いしてしめる。

こういう食べ方ってさ「大人だなー」と思うんだよね。

なんかこういう面倒くさい、ちょっとわがままな注文って行きつけの店でよくやります、私。クリームソースニョッキを「これ、ニョッキじゃなくてパスタにしてくれないすか?」とか。

うちの父親もこういう面倒くさいこと好きなので、そば屋で「鴨南の抜き」を頼んでるところを目にしたことがある。鴨南の抜きってつまりそば無の鴨南蛮、つまり鴨とツユだけ。

初めて行った店ではなかなか言えないけど行きつけなら甘えてしまう。

結構好きなのが、カレー屋で「カツカレー、ライス少な目」。これはね、ビールのつまみにいい。はっきり言ってライス抜きでもいいくらい。

こういうアレンジというかわがままをOKにしていくと、つまみの幅が広がるのでいいよ。

適当に考えてみると「豚汁、汁なしで皿でください」とか「カルボナーラのソースだけ、バケットを添えてください」とかいいような気がするね。