浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

完全ネタバレ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」

2014-09-30 13:22:56 | DVD、映画
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」観てきたよ~。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』予告編



ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

銀河で!

愉快な奴らが!

悪い奴をぶっ倒す!


以上!

という映画です。ほんとに以上。

マーベル・シネマティック・ユニバース、フェイズ2の一作、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。

ほんとに「銀河で、愉快な奴らが、悪い奴をぶっ倒す!」だけのとても楽しい映画です。

「そうそう、映画の楽しさってこういうことだよなぁ~」と実感出来るのでちょっとでも気になるなら今すぐ映画館で観たほうがイイですよ。こういう映画こそ映画館で観なきゃ。僕は字幕版と吹替・3D版の2回観ましたよ。(僕は正直、字幕のほうが良かった。3Dもあんまりなー。IMAXなら違うんだろうけど。吹替についてはたっぷり言いたいことがあるのでまた別途)

さて、ここから下はネタバレ。「ここからはストーリーのネタバレ!」ってところの前までは予備知識なんで読んでもいいと思うけど、ストーリーのネタバレは絶対、映画を観る前に読まない方がいいです。何度か言ってますが、「何の知識も持たずに映画を観る」という事は何より貴重な経験だと思う。もし映画観て「あれ?これどういうこと?」と思ったのならもう一度観ればいいし、誰かに訊けばいい。でも「あ、これ知らないほうが楽しめたな」と思ってももうその前の状態には戻れないんだよ。

だから、気になるならほんとにこれからの文なんて読まなくていい、すぐに映画館で観て下さい。


















<ここからしばらくは予備知識>

さて、まずはマーベル・シネマティック・ユニバースにおけるこの映画の位置づけから話しましょうかね。アメリカンコミックの二大巨頭はマーベル(スパイダーマン、X-MEN、など)とDCコミック(スーパーマン、バットマン)のマーベルは最近、マーベルスタジオという映画製作会社を立ち上げバリバリ稼いでいる。特に稼いでいるのがアイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソーなどの映画を作り、それが大集合するアベンジャーズシリーズ。
2012年のアベンジャーズは実はフェイズ1の位置づけで、これからフェイズ2、3と繋がることになっている。

地球の平和はアベンジャーズが守るけど、じゃあ宇宙の平和は誰が守る?それが今作、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(銀河の守護者)!

次に監督、ジェームス・ガンについて。コロンビア大学でフィクション・ライティング(つまりは小説とか脚本の書き方)を学んだ彼はトロマ・エンターテイメントで下積み修行をする。トロマ・エンターテイメントの有名な映画シリーズは「悪魔の毒々モンスター」、つまりZ級映画、誰が観るんだ映画で有名な会社です。

そこで学んだ彼は超有名ゾンビ映画「ドーン・オブ・ザ・デッド」のリメイク版の脚本を担当。


ドーン・オブ・ザ・デッド

この「ドーン・オブ・ザ・デッド」のオリジナル版はゾンビというモンスターが初めて登場した記念碑的作品。僕はゾンビ映画についてはそんなに知識が無いんだけどリメイク版は素晴らしい映画でしたよ。

この脚本で注目を浴びた彼は「スクービー・ドゥ」という映画の脚本家として華々しくハリウッドメジャー作デビュー。Z級映画からゾンビ映画、そしてハリウッドメジャーという素晴らしいキャリアを積んだんだけど、スクービー・ドゥは大失敗。これで彼のキャリアは終わったかに見えた。
しかし彼はネットコント番組を着実に作り「スリザー」(ごめんなさい、これは観てないのでわからない)、「スーパー!」という小さいけれど良作で復活。「スーパー!」は観たけど非常にバカらしくて、でも悲しく切ない、それでも愛おしい良作でしたよ。


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そこでマーベルから本作の監督に抜擢される。あのね、カネの話で恐縮だけど、「スーパー!」の製作費は3億円足らず、しかし本作は200億円近く。この監督に200億円のプロジェクトを任せたマーベルのこの心意気!これだけで観る価値ありますよ!
とにかくリメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」と「スーパー!」はほんとに良い映画ですから是非観て頂きたい。特に「ドーン・オブ、、」はゾンビとかそういう話じゃないんです、極限状態で人はどうなるか?そして、人としてどうするべきか、という話なんです。
低予算でもいい映画を作るジェームス・ガンにたっぷりお金使わせたんだもの、面白くないはずが無い。



<ここから先はストーリーのネタバレ!>

さて、本作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」について。ここからほんとにストーリーの完全ネタバレになりますから、少しでも気になるならほんとに観に行ってから読んで下さいね。

主人公は、少年時代に母を失った地球人、ピーター・クイル。母の遺物はソニーの初代ウォークマンと母が編集したミックステープ。原語では「AWESOME Mix Vol.1」、字幕では「最高ミックス」。母の死の直後、宇宙人に拉致されて宇宙のトレジャーハンターとなった彼は宇宙でも常にこの最高ミックスをウォークマンで聞いている。

まずさ、ここがイイじゃない!切ないじゃない!ソニーの初代ウォークマンとカセットテープってのがさー。

そしてさー、この最高ミックスに入ってる曲がいいのよ!もうね、音楽だけで5億点ですよ!速攻サントラゲットしました。

ピーターが登場してタイトルと共にかかってる曲が「Come and get your love」、もうね、このオープニングの楽しい感じ、最高でした。もうこれだけで5億点。

ピーターがひょんなことから暗殺者ガモーラ、暴れん坊アライグマのロケット、木人グルート、筋肉バカのドラックスとチームになるんだけど、これね、僕は「家族」の話だと思った。

天涯孤独のピーター。まず彼は自分の命をかけてガモーラを助ける。ここで彼と彼女はある意味「死んで、生まれ変わる」。これによって二人は強い絆で結ばれるんだけど、これはセックスの暗喩と言うのは考えすぎでしょうか?ま、考えすぎでもいいんだけど、僕はそう思ってます。

彼らを「家族」と捉えるとドラックスは頭の硬い長男、ロケットはワガママな末っ子。じゃあグルートは?寿命の長いおじいちゃん。末っ子がおじいちゃんといつも一緒にいるのも納得。(あくまで僕の個人の感想です)

彼らがチームとなって歩いていくシーン、かっこよかったね~。流れるのはランナウェイズのチェリーボム!もうね、この歌をこんなにかっこよく使ってくれただけで歴史に残りますよ!!(ちなみにこのバンド名、Runaways、つまり逃亡者達、転じて大逆転を狙う人達ってのがまた意味深だよね)

とにかくこの映画は音楽の使い方、選曲がイイ!とにかくイイ!とにかくラストの「Ain't no mountains high enough」の話をしたいけど、その前に「家族」の話を終わらせます。

家族を得たピーターは最後、死にそうなことになるけど、それを乗り越えたのはガモーラの「手を繋いで」という言葉。もうね、涙ボロボロですよ!もう、シナリオとして巧いじゃな~い!!

死にゆく母の伸ばした手を繋げなくて、つまり母の死を受け入れられなくて、それをずっと悔やんでいたピーターに差し伸べられた手。やっと彼は手を繋げたんだね、良かったね、ピーター!泣けたな~。

昔、ドッピオさんと話したことがあるんだけど、アメリカ(というかキリスト教文化)の「物語」のキモは「父を殺すこと」なんです。殺すというのが大袈裟なら父を乗り越える話。一方で日本的物語、日本人が必ず泣くのは「母を捨てる」話だと思う。楢山節考の「おっかぁ!」なんて絶対泣くでしょ?
つまりここでピーターはやっと母を捨てれたんだと思う。やっと母の死を乗り越えた。だから、ずっと開けられ無かった母からのプレゼント、母から「私が死んだら開けてね」と言われてたプレゼントを開けられた。そのプレゼントが母が編集したカセットテープ「AWESOME Mix Vol.2」、、、もうね、ドーンと腰が抜けましたよ、いや、映画館なんで最初から座ってんだけどさ。

つまり、今まで天涯孤独だった主人公が母の死を受け入れて、新たな家族と共に、これから彼の人生はVol.2になる、、巧い!素晴らしい!!

もうこれだけでイイじゃないですか~。

そして!ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとなって、名実共に銀河のヒーローになって飛び立つ時にかかる曲が!

「Ain't no mountains high enough」!!!

もうYouTube貼っておきます。
MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL "Ain't no Mountain High Enough"

歌詞も訳しとこう。

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If you need me, call me
No matter where you are
No matter how far,

don't worry baby

Just call my name
I'll be there in a hurry
You don't have to worry

もし僕が必要なら、いつでも呼んでくれ
君がどこにいても、どんなに離れていても
名前さえ呼んでくれれば、急いで駆けつけるさ
何も心配いらないよ

'Cause baby,
There ain't no mountain high enough
ain't no valley low enough
ain't no river wide enough

だってベイビー
僕に越えられない山は無いし
越えられない谷も無い
どんな広い河だって、越えて行くさ

Remember the day
I set you free
I told you you could always count on me darling
From that day on, I made a vow
I'll be there when you want me
Someway, somehow

君を自由にしてあげた日を覚えてるだろ?
あの日、言ったじゃないか
いつでも僕に頼っていいって
あの日、僕は誓ったんだ
君が必要としてくれるならいつでも駆けつけるって
どんな手を使ってでもね

(拙訳、かなり意訳)
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もちろんこれはラブソングなんだけど、このチームが脱獄した(つまり、I set you free、君を自由にした)ってところでピッタリだよね。

(ちなみにこのオリジナルを歌ってるのがマービン・ゲイとタミー・テレルという黒人歌手であることから"I set you free"ってどうしても黒人解放運動を僕はイメージしてしまって更に泣ける)

このラブソングがヒーロー物のラストでかかるとイイじゃな~い!

「必要ならいつでも呼んでくれ、すぐに駆けつけるから」ってヒーローの決まり文句でほんとグッと来るよね。特攻野郎Aチームも「助けが必要な時は、いつでも呼んでくれ」って言ってたし。

そして、最後。おじいちゃん(僕の解釈ではね)であるグルートは家族を守るために身を挺して死んだ。グルートは新生児として生まれ変わる。そこでかかるのがジャクソン5の「I want you back」!!!いや~、イイね!「I want you back」つまり、「戻ってきて欲しい」、これは一旦は死んでしまったグルートに対しても、映画が終わって旅立ったガーディアンズに対しても(続編で)観客が思っている気持ちだよね。そして何より戻ってきて欲しいのはこの曲を歌っているマイケル・ジャクソンなんだよなー。

ざっとストーリーをさらいましたがこの映画の「構造」について。

ラストにピーターは実は宇宙人と地球人のハーフだと言うことが分かる。ヨンドゥによると父親はいろいろいわくのある人らしい。

こういうのはね、文化人類学的に言うと「貴種流離譚」という物語の典型です。貴種流離譚というのは「高貴な家に産まれたものが何らかの理由で捨てられ、旅をし、その過程で自らの使命を知る」(ざっくり言ってます)という話です。ギリシャ神話のヘラクレス、オイディプス。桃太郎、アンパンマン、ウルトラマンレオだってその類型という説もある。スターウォーズのルークだってそう言う話でしょ。桃太郎は鬼の一族として産まれ捨てられ、鬼(=父)を殺す話だ、という俗説もある。そう、この貴種流離譚のポイントは「父を殺す」というところです。はい、スターウォーズ!

放浪した主人公は王である父、つまり「権威の象徴」を殺し、倒し、自らが王となる、こういう昔話、神話は民族問わず色んな地域にあるらしいですよ。これを研究したのがジョゼフ・キャンベルという学者。その講義を聴いて「じゃそういう話を映画にしたら当たるんだな、じゃあ宇宙でやってみるか」と思ったのがジョージ・ルーカス。←実話

「高貴な生まれの者が自分ではそれを知らず旅立ち、母を捨て、仲間を作り、父を殺し、王になる」というのは古今東西、いろんな民話・神話に見られることなんです。

本作でも父の存在が暗示されたことで続編では「父を殺す(乗り越える)」話になるのかもね~。つまり、これは英雄が英雄になる話なのかも知れない。

このように単なるお気楽宇宙SF映画に見えて、実は物語の骨格がしっかりしているから、こんなに面白い映画にきちんとなっているんだと思う。


とはいえ本作、映画としていろいろ「うーん、こりゃちょっとどうなの?」と思うところが無いわけじゃない。

僕はね、全体的に、メインキャラ以外の命が軽すぎるのが気になった。最後の戦いの時に軍人は何万人もあの網作ったじゃん?結局最後は破られて死んでしまうけど。でもさ、こんだけ死んでるのに最後に敵を倒して「いやー、良かった良かった」ってのはね~、さすがにかわいそうですよ。あの刑務所だってさ、主人公達が脱獄した結果、囚人も看守も皆殺しでしょ?そりゃ皆殺ししたのはあの悪役なわけだけど、それでもその責任は主人公たちに無いとも言えないじゃないですか。

それから、細かいこと言えば主人公がタイトルシーンでよくわかんない小さな生物を蹴っ飛ばしてる時点で「うわ、ヒドイ!」と思った。マイクにしてるのはキュートだったけどね。

でもま、そんなこと忘れるくらい楽しい映画でした。

とにかくエンターテイメントの歴史にはここ10年のマーベルの作品は確実に残ると思うから、いまのうちにこの一連のアメコミヒーロー物は観ておくべきだと思いますよ。

A dacade.

2014-09-29 10:34:05 | 日記
全く全然忘れてたんだけど、このブログ、もう10年書いてます。

一番最初の記事が2004年9月21日。村上春樹の「アフターダーク」という本について書いてる。もう当初の頃は何を書いていいか分からなくて今読み返すと非常に恥ずかしい。

2004年9月というとプロ野球再編問題がいろいろあった頃みたいです。

僕個人で言えば、このちょっと前に東京に転勤してきて、仕事でよく長野あたりに行っていたころだと思う。

いやいや10年なんてアッという間ですねー。

ネットのサービスで言えば、この前は個人ホームページが少し流行って(ああ、懐かしい、Geocitiesとかだ)、そのあとにブログ、それからはSNS隆盛になった。Mixi、Twitter、Facebook。

ざっとブログを読み返してみると、2005年には会社でハワイ旅行に連れてってもらい、2006年にはイタリア語を始めている。同じくらいの時にジョギングも始めてるな。2008年1月1日にはローマ人列伝を書き始めた。The book of the yearは2006年から毎年大晦日にやってる。

体重は今より10キロちょっと重かった。なんだかんだであくまで比較論だけど健康にはなってるんじゃないかなーと思う。

個人的にはブログを書いていることは「あ、あの頃、何やってたのかな?」と思い返すのにいいと思うよ。

もし天国というものがあるならこういうところのことだろう

2014-09-26 15:37:27 | 食べ物
酒の大桝という酒屋さんが浅草にございまして。

ここ浅草近辺で3件ほど直営の飲食店を経営している。経営的に言うと「川下に進出する」という戦略ですな。

ワイン専門店、日本酒専門店、それとビアホール。ワイン専門店と日本酒専門店はショップも併設されていて、その場でお酒も買えるし買ったお酒をその場で飲める。少し持ち込み料がプラスされるかも知れないけど。

特にワインの店は僕はお気に入りで夏はここでランブルスコ・ロッソを飲むのが大好きです。

で、こないだお店に行ったら「浅草酒まつり」というイベントの前売り券を売っていた。なんだろな?と思ってチラシを見てみたら、酒製造メーカーさんの試飲&即売会とのこと。前売り2,000円で試飲し放題ならこりゃお得だな、と思って行ってみました。


とは言えねぇ、酒屋さんだって商売だろうから、一人一杯までとかだと思うでしょ?

ガンガン飲めるんです!!

入り口付近で販売店には売ってない(飲食店専用)ビールだの地ビールだのをごくりとやって、ワインをちびちび、焼酎もクィッと、もちろん日本酒もグビリと。カップは試飲用の小さいカップなんだけど、もう一回くださいと言えば気前よく注いでくれる。ビール飲んで、ワインを飲んで、ちょっとビールに戻って、焼酎飲んで、そういやまだ赤ワイン飲んでないやと思って赤飲んで、泡も美味しいですよと薦められて泡飲んで。またビール飲んでたら、そうだそうだ、日本酒も飲んどかないと思って日本酒。何この天国。

これなんてね、忘れちゃったけどボトル1万円の焼酎だって。

(値段だけ覚えているのが我ながら浅ましいけど) クーッと来ましたよ。


椅子は無いので立ちっぱなしだからこれまた酔いが回る。

でもね、お酒ばっかり飲んでてもツマミが無いとなー、と思うでしょ?

ツマミもあるんです!

チーズ、ナッツ、蒲鉾、缶詰、鮭トバ、焼きたてパン、すべて試食可能。






それじゃ足りんというならちゃんとしたツマミは有料だけど用意されている。

写真はキッシュ。

もちろん酒もツマミも気に入ったのがあればここで購入可能。僕はついつい鮭トバのスモーク、焼酎一本、日本酒一本を買ってしまった。それでも3,000円ちょい。2,000円で120を越える酒を試せるならこんな楽しいこと無いっすよ。

来年も必ず行きますね、こりゃ。

アメフトとアイスホッケーと

2014-09-18 11:30:51 | スポーツ

最近、お誘いいただいてXリーグの試合を観に行っている。Xリーグというのは日本の社会人アメリカンフットボール・リーグのこと。

元々、アメフトは高校生の頃、好きでしたよ。僕らの時代と言えばなんといっても49ersのジョー・モンタナですねー。

Xリーグで応援しているのはディアーズ。以前は鹿島ディアーズだったんだけどスポンサーが変わって今はリクシル・ディアーズです。リクシルはトステム時代から鹿島アントラーズのスポンサーだから鹿島人としては足を向けて寝られる。それが同じく鹿をモチーフとしたディアーズのスポンサードするというのは縁だね。(ディアーは鹿のこと、アントラーは鹿の角のこと)

ということでディアーズを応援しています。まぁ、色々あってチケットを頂けるというのが実は一番大きいけどさ。

東京ドームで男たちの戦いを見ながらビール飲むってのは気持ちがいいですよ。

更にこのディアーズ、ヒヤヒヤさせてくれるチームでとてもよいです。

秋季リーグ第一戦、対ライオンズは最初にタッチダウンを決めて幸先いいなと思っていたらいきなり逆転される。その後、何とかじわじわ追いついて同点になったラストでなんとかフィールドゴールを決めて逃げ切りというまさにルーズヴェルト・ゲーム。

第二戦、対シルバースターも最初にタッチダウンを決めて、取られて取って、という展開。最後まで何とか追いつかれることなく逃げ切り。

最後に勝つのであればこういう展開が一番ワクワクするけどね。

この後10月いっぱい、6チームのリーグ戦やって3位に入ればセカンドステージ進出が決まる。ライオンズ、シルバースターに勝ち、次のBULLSには春にボロ勝ちしているからまぁ大丈夫でしょう。クレーンズも現在最下位なので大丈夫。となるとリーグ最終戦シーガルズの大一番。シーガルズは現在2戦2勝しかも無失点でリーグ1位。(ディアーズも2戦2勝だけど得失点差で2位) ここが観ものですね。

で、そういえばアイスホッケーのアジアリーグも始まってました。

アイスホッケーは札幌にいた時に誘われてよく観てたしやってもいました。と言っても2、3回だけどね。めちゃくちゃタフなスポーツで生で観たらこんな楽しいスポーツないよ。なかなかホッケー場が近所に無いので見られないけど、もし近所でやってさえいれば僕は「日本で一番、観やすく面白いプロスポーツ」だと思っている。チケットは安いしすぐ取れるし観たらめちゃくちゃ興奮する。西武グループの堤義明なんて野球のライオンズで稼いだ金を全部アイスホッケーにぶっこんでたという噂。

僕が観てた頃はちょうど雪印が最後のシーズンでね。それ以降、あまり観ていなかった。調べたらもう西武もコクドも、もちろん雪印も廃部。日本リーグが運営出来ないので中国・韓国のチームと一緒にアジアリーグになっている。

いまある日本のチームは王子イーグルス(苫小牧)、日本製紙クレインズ(釧路)、東北フリーブレイズ(八戸/郡山)、日光アイスバックス(日光)の4チーム。日光アイスバックスは元・古河電工で初の市民チーム。東北フリーブレイズはスポーツ用品のゼビオがスポンサードしているみたい。アイスバックス、フリーブレイズには頑張って欲しい。

ちなみにアイスバックスについては「命を賭けた最終ピリオド
」という激泣き必至の名著があるので機会があればぜひ。これは古河電工の時代にちょんなことからチームに関わった居酒屋の店長、高橋健次という人がガンを宣告されながらも市民チーム化に奮闘する話。すごいんですから、これ。


しかしさぁ、いろいろこういう社会人スポーツのWikipediaとか観ているとリーグ再編とかチーム数減少とか大変ですね。野球、サッカーはきっちり人が入るだろうけどそれ以外はなかなか厳しいものがあると思う。

アメフトでもホッケーでも実際に試合観に行ってみるとそれなりに楽しいんだけどね。

企業の宣伝媒体としてのスポーツ支援はもう下火だけど、それでもアメフト観ててみんなで声あげて「リクシル!リクシル!」って応援してるのはやっぱり企業に取って宣伝効果あると思うんだよなー。

そういえばこの間、実家に帰った時、久々にカシマスタジアムを観に行ったんだけど試合の無い日はさくっと見学できるのね。別に受付とかがあるわけではなくただドアが開いている、という非常に雑な感じなんだけど。人のいないスタジアムは広かったわ~。(←当たり前の感想)

ちょっとまたサッカー観戦もしたいなー。

マーベルすごいね

2014-09-11 13:19:39 | DVD、映画
いやもうほんとマーベルはすごいね、映画の話。

近年、アメコミ映画が何故これほど作られるのか、ということについては前に書いた。⇒アメコミ映画論

それとここ最近の動きについて簡単に書いた。⇒アメコミ・ヒーロー映画近況

つまり簡単に言うと、マーベルとDCコミックという系列があって(日本で言うならマガジンとサンデー)、マーベルは「アベンジャーズ」という映画を軸に様々なヒーロー大集合映画を作っている、DCコミックスはスーパーマン、バットマンを次の映画で一緒に登場させようとしている、ということ。

今回はマーベルについて。

スパイダーマン、X-MENなどのコミックを出版していたマーベルはそれまでも他の映画制作会社と組んで映画を作っていたんだけど、2008年から自分で映画を作り出した。

単に単発の映画を作っていくだけではなくて、ひとつひとつの映画のヒーローを最後に総集結させるプロジェクト。「マーベル・シネマティック・ユニバース」というもの。

2008年:「アイアンマン」「インクレディブル・ハルク
2010年:「アイアンマン2
2011年:「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー

と出揃って、

2012年に「アベンジャーズ」という映画が出来た。当然のことながら大ヒット。

ここまででフェイズ1ということになっていて、フェイズ2、フェイズ3まで続くらしい。

今はフェイズ2が進行中ということになる。

フェイズ2は、
2013年:「アイアンマン3」「マイティ・ソー/ダーク・ワールド
2014年:「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
が日本公開済みでもうすぐ「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」が公開される。

そして2015年に「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」でフェイズ2終了の予定。

(以降、副題を書くのが面倒なので1とか2って書きます)

いやいやもうすごいですね。

何がすごいってお金の話になって恐縮だけど制作費と興行収入。「アベンジャーズ」が総集合映画だから予算がたっぷりかかっているのはわかるんだけど、はっきり言ってそれ以外の映画だってアホみたいにお金かかってますからね。

アベンジャーズ2の前振りともいえるキャプテン・アメリカ2だって制作費170,000,000ドル、えーっと日本円で言うと約180億円。更に全世界の興行収入が697,064,860ドル、740億。

な、な、ななひゃくよんじゅうおくえんですよ、奥様!

じゃあ今のところの集大成である「アベンジャーズ」はどうか、と言うと制作費230億、興行収入1610億円。

せ、せせ、せんろっぴゃくじゅうおくえんだぜーー!スモーキー!!

すごいね。どのくらいすごいかと言うと2013年の実写邦画で一番儲かったのが「永遠の0」で制作費15億、興行収入85億。単純に制作費/興行収入は約10分の1以下ってことになる。カネかけたからいい映画になるとも、儲けてるから面白いというわけではないけどすごいね、これは。

はっきり言ってマーベルは現在、ハリウッド最大の(ということは世界最大の映画制作会社)ということになる。

予算があると特に顕著なのは出演する俳優が豪華になる、ということ。

レギュラー陣はもちろんとしても「マイティ・ソー」のヒロインがナタリー・ポートマン、父親がアンソニー・ホプキンス、「キャプテン・アメリカ2」の敵役がロバート・レッドフォードですよ。「ガーディアンズ…」にはグレン・クローズ、ベニチオ・デル・トロ。もうね、このプロジェクトに出てる俳優たちが受賞したアカデミー賞なんて数え切れない。

あくまで噂の噂だけどあのアル・パチーノすら「マーベルに行く準備はできてる」って言ってるらしい。ジョークかも知れないけど、見てみたいよねー。

2015年の「アベンジャーズ2」で終わるフェイズ2のあと、フェイズ3の今のところの噂は「アントマン」「Dr.ストレンジ」という新しいヒーロー映画スタート。「ガーディアンズ…」は大ヒットなので続編決定。「マイティ・ソー」「キャプテン・アメリカ」は3をやるだろう、「アイアンマン」は3で一旦終了。これらを元に「アベンジャーズ3」に向かうことになる。マーベルだからなんとかするんだろうけど、アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ハルク、ブラックウィドウ、ホークアイ、ファルコン、アントマン、Dr.ストレンジ、ガーディアンズ…の5人が一挙に登場する映画ってどううなることやら。。

こういう映画ってもちろん好みがあるだろうけど、この中の一本も観ないでいるってのはあまりにももったいないんじゃないかと思う。それぞれそれなりに面白いから、親の遺言でマーベル映画は観るなと言われているわけじゃないなら、一本くらい観といて損はないと思いますよ。

今のところのオススメはね、絶対に「アベンジャーズ」。それぞれがどういうキャラクターでどういう関係か、ということなんてまったくわかってなくても大丈夫。これだけ観ればなんとなくこういう人たちなのね、ということがわかるからそこでお気に入りがいたら他の映画観ていけばいいと思う。

あとは個人的には「アイアンマン2」大好き。

なにせキャラクターがたくさんいるので誰が好きだとか誰がかっこいいだとか話すのがとても楽しいプロジェクトだと思いますよ。僕はねー、一番好きなのはアイアンマン2の悪役のウィップラッシュ(ミッキー・ローク)、

謎の女ナターシャ・ロマノフ(スカーレット・ヨハンソン)、

マイティ・ソーとアベンジャーズでの悪役ロキ。

ヒーローで言うとハルクが好き。
ああ、あとマリア・ヒルはお綺麗でイイね。

エージェント13もお綺麗。


あと「アベンジャーズ2」には「ゴジラ」の若夫婦、アーロン・テイラー・ジョンソン&エリザベス・オルセンがクィックシルバー&スカーレット・ウィッチの姉弟役で出るらしいのでこれはこれで楽しみ。

最初は敵として出てきて味方になるのかなー。

こういうシリーズ物ってこんなかんじで予想しているのが楽しいね。

怒らせちゃいけない人

2014-09-05 16:14:08 | 
最初に読んだ内田樹の著書は「日本辺境論」だったと思う。むめもさんから薦められたと思うんだけど、当のむめもさんに「読みましたよ」と言ったらぴんと来てなかったような気もするので僕の勘違いなのかも知れない。

内田樹の本と言うのはだいたい「ああ、なるほど!」と膝を打つことばかりです。「なんとなく今までなんでだろ?と思ってたんだけど、そういうことだったのね」と思わされる。

僕の印象だけど、内田樹の言うことは「真っ当」なことが多い。偽らず、ただ本筋の「真っ当」なことを言っている。

(話がずれるけど、真っ当なことを言う内田樹の本がこれだけ売れてるというのは、現代日本には真っ当なことを言う人が少ない、という証でもある)

更に加えて最近思うことは「こういう人は怒らせてはいけないな」と言うこと。

普通、そういうと「怒ると激昂してなにするかわからない人」というイメージを持つかも知れないけどそうじゃない。合気道七段の人がそんな人なわけないじゃないですか。むしろそういう人とは真逆。

そういう人(怒ったら激昂して何しでかすかわからない人)というのは実は扱いやすい。それはつまり「子ども」ってことだから。子どもは扱いやすい。「はい、よちよち、良い子でちゅね~、元気でちゅね~」ってやっときゃいい。「いいよ、あいつなんか勝手に怒らせとけよ」なんて周りは言う。ほんとの「子ども」ではなくて「精神的子ども」と言うことね。

内田樹を「怒らせてはいけない」というのは真逆です。たぶんこの人が怒ったら、何かに「嫌だ!」と思ったらテコでも動かない。「まぁまぁイイじゃないですか」と言っても動かないだろう。動かないどころか、何とかしてその「嫌な状況」を変えるために全身全霊を尽くすだろう。本人は、自分は嫌だと思ったらすぐ逃げる、近づかない、と言ってる。でも逃げられない状況に置かれたら何とか変えようと思うんだろう。そのためには多分、手段を選ばない。と、言うと最短距離、一番楽な手段を取るような感じだけど、そうじゃない。かなり聡明な人だから「最短距離が最も効果的とは限らない」ということまで分かってる。

それは、めちゃくちゃなこと言ってる「子ども」に「うるさい、ばか!言うこと聞け!」とゲンコツ食らわすのに似てる。確かに一度は静かになるかも知れない。でもゲンコツに耐えられるようになったら(例えば身体が大きくなったりね)、たぶんその子どもは「もうゲンコツなんか怖くねーよ!」とまためちゃくちゃなことを言い出すだろう。
この場合、ほんとに効果的なのは、笑顔と静かな声でゆっくり近づいて真っ当なことを言うしかない。「まぁまぁ落ち着きなさい」と諭して、心を尽くして「いつか伝わる」と信じて語るしかない。

たぶん、内田樹はいま怒ってる。この、「子ども」ばかりの日本に怒ってる。本当なら逃げたしたいんだろうけど、それが出来ないのも分かってるんだろう。長年かけて築き上げて来たこの国を子どもたちがボロボロにしようとしてるのが許せないんだろう。

だから、一番効果的な方法、一見遠回りに見える方法を取っているんじゃないかと思う。

内田樹の「怒り」はこの本の前書きを読めば分かる。

少し抜粋します。

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「経済成長が止まったら日本は終わりです」と断言する人に聞きたいのです。何が「終わり」なのか。2012年の経済成長率世界一はリビアです。カダフィが死んで、内戦状態にある国が成長率世界一です。二位はシエラリオネです。独立以来内戦が続き、「国民の平均寿命が世界一短い国」と嘆かれたシエラリオネが第二位です。三位がアフガニスタンです。米国が撤退したらカルザイ政府とタリバンの内戦が始まることが確実なアフガニスタンが第三位です。これらの国の成長率の高さと「国民の豊かさ」の間にどういう相関があるのか、経済成長論者は説明する義務があるでしょう。でも、誰も説明してくれません。
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ね、怒ってるでしょ?訳の分からん数字(経済成長率)を持ち出して人々の危機感を煽る人々に。そしてその数字の背景をまったく説明してくれない人々に。

そして、内田樹の怒りがどうすれば鎮まるのかはこの本の本文に書いてある。

たぶん、内田樹はこの本を読んだ何人かでもいいから「子ども」を「大人」にしようとしているんだろう。それも書いてある。全国民の7%くらいを大人にしたい、と。たぶん、そういう社会にして、本人は大好きな合気道だけやって生きていたいんだろう。

僕も「内田樹が合気道だけやってる社会」がいつか来ればいいなと思っています。

西伊豆行ってきましたよ

2014-09-02 13:14:25 | 日記
仕事柄、8月は結構忙しい。うちの会社の夏休みは「まぁ、7月から9月の間に好きなところで取ってね」というざっくりした感じなので今年は9月の末に取ることにしました。

一応、お盆の週も1日休んでドッピオさんと昼から飲んだ。

横浜のオープンテラス的な店で。高速道路の下であまり見栄えは良くないけどパリのセーヌ川沿いもこんなもんですよ。いや、パリ行ったことないけど。

忙しいとはいえ土日は普通に休みなので世間の夏休み最後の週に西伊豆に行ってきました。

東京から踊り子号で修善寺に行き、そこからバスで土肥温泉という伊豆半島の西端まで。いやー、いいところでしたよ。

宿の窓からの風景。

一日に何便か清水港からのフェリーが着く。これもまた趣がある。

駿河湾は内海だからか非常に穏やかでねぇ。お盆も過ぎているのであまり人もおらずとても静かでした。


魚ばっかり食べてました。写真撮り忘れて食べ終えた写真しか無いけど。

この店は伊豆の「さくら」というお店。もうなんか座敷で海産物とビール頂いていると夏に親戚んち来たみたいだなーと思える。

ここは魚はもちろん美味しかったけど「あら、これ意外といいね」と思ったのが「しわめ」というもの。

写真忘れたのでネットにあった写真を載せてますが。

海藻を刻んだもの。すごくネバネバしていて味はメカブに似ている。海藻なのになぜか少しだけ納豆っぽい香りもする。細かく刻んであるので噛む必要はほとんどない。むしろグビグビいけます。日本酒にぴったり。

それから、イソモノという料理。これはイソモノというものがあるわけじゃなくて、小さい巻き貝をごちゃっと塩ゆでしたもの。僕は正直、サザエよりこういう小さいもののほうが味がぎゅっとしまってて好きです。

あと、この店ではアジフライが絶品でした。

しわめ、イソモノ、アジフライのためだけにもう一回行ってもいいなと思ってます。