浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

ディア・ハンター、ヘッドハンター

2007-11-30 18:01:50 | 仕事


今日は現代日本ビジネス社会のハンターの話。

仕事してたら社内メールで総合受付から連絡が来た。

「本社代表電話あてにshowさんへの電話がありました。折り返しご対応ください。」

とのこと。

当然のことながらうちの会社も社員5人程度の小さい会社、というわけではないので、代表電話に僕宛の電話がかかってくることなんてまずない。

ほらたとえばあなたがトヨタで車買うとして、普通は近所のディーラーに行くか知り合いの営業マンに連絡するでしょ。まさかネットでトヨタのホームページしらべて本社代表の電話番号にかけないよね。
更に今だったら携帯電話もあるわけだから会社の電話にかかってくる、ということ自体少ないのよ。

なんの電話かなー、と思ってドキドキして折り返しましたよ。

一瞬だけどすごいいろいろやな予感した。「私、弁護士なんですがドッピオさんと言う方があなたを告訴したので連絡しました」とか「シジマさんという方がよね3と言う方にぎゅーっとつままれてますのですぐに室蘭に来なさい」とか。

折り返してみると、最初の数秒はよくわかんなかった。なんか早口だしさー。

これでセールスとかだったらがっつり怒ろうかと思って聞いていると、ようやく理解できてきた。

つまり、その担当の女性が言うには、

「とつぜんの電話ですいません。私は○○株式会社という人材採用支援会社のもので主に人材紹介や企業紹介をしています。今回、あなたのことをある方からお伺いし、年収アップを前提に引き抜きと言う形でご紹介できる企業があります。ついてはまず紹介や転職するという前提云々ではなく一度、会っていただけませんか?」

ということだった。

なるほど。
「要はヘッドハンティングということですか?」と聞くと「平たく言えばそうです」とのこと。

へー、僕ぐらいの在野の武将(知力12武力24)でもこういうことあるんだね。

まぁまず転職する気は99%ない。

いやもし年収が3倍とかになるとかだったらちょっと検討するよ。でもね、微増程度だったら、いまの仕事楽しいし新たなとこ入って気苦労するのも面倒だし。

でもちょっと面白いのでそのまま電話でいろいろ聞いてみた。

Q:「僕の名前を出したのは誰なんですか?」
 A:ここではちょっと。お会いしたときに。

Q:「どのくらい年収が上がるんですかね?」
 A:それもお会いしたときに。

Q:「言えないという答えが多いな…。
   つまりはこういうことか?
   お前を倒さなければDIOには会えない。」
 A:Exactly(そのとおりでございます)

⇒まぁ最後のは冗談としてだ。
 そりゃそうだよなー、と思った。僕が相手だったとしても「まずは会ってお話しましょう」と言うよ。

Q:「僕の今の役職を知っていますか?」
 A:○○部の××ですよね。

⇒これはちょっと引っ掛けた。もしここで今の役職を答えるようであれば場合によっては僕の会社に電話かけて「すいません、役職を失念してしまって…」と嘘をついて僕の情報を仕入れた可能性もある。だとすると怪しい。
しかしこの人が答えたのは2年前くらいの役職。つまりはやっぱり誰かから(2年前に僕が名刺交換した誰か)僕の情報を仕入れたんだろう。

ということで「誰が僕を売りやがったか」(いや別に怒ってないけどね)だけでも知りたいので会うことにしました。どんな仕事紹介してくれるのかも聞いてみたいしね。N●VAとか紹介してきたらその場でコーヒーぶっかけて帰ってこようっと。

壺売られる可能性も…、まぁなきにしもあらず。

竜巻が生んだ冷雨

2007-11-26 20:32:04 | 
(一応言っときますが「ローマ人の物語」のネタばればっかりです。しかも僕の理解なんで間違いもたくさんあると思う。)

先日も書いたけど「ローマ人の物語」

先日書いた時点では10巻の3分の2を読み終えたところでちょうどクライマックスの「ルビコン渡河」までは行っていなかった。えがったよ、ルビコン。

詳しくはwikiっていただければいいけども古来から軍装のままルビコン河を渡ってはいけない、という決まりがあった。ルビコン前で軍団を解散しなければいけない。

ガリアを制圧したカエサルに恐れをなしたローマ元老院はカエサルにローマ帰還を命じた。ガリアからローマに帰還するということはルビコンを渡らなければいけない、つまり「即時武装解除」を意味する。丸腰でカエサルが戻れば過去のいろいろなところ(金の使い道、軍団の私用化)にいいがかりをつけられ、ガリア制圧の英雄から一気に反逆者にさせられることは必至。

前にルビコン川、背に自分の軍団6万、というところでカエサルは悩む。ここで軍団を解散し元老院に降るか、あえて反逆者としてルビコンを渡り元老院を相手取り戦うか。戦うとなればローマ軍側の総大将は長年の盟友であり「ローマ最高の武人」ポンペイウス。

心酔しきった自分たちの将軍、自分たちの英雄、カエサルの背中を見つめながら何も言えない6万人の兵士たち。渡らなければ自分たちの戦功はすべて元老院のもの、渡ればローマ帝国への反逆者。

カエサルの目の前には渡ってはいけないルビコンの水面。ローマと属州を隔てるその河は小川と言ってもいいくらいの浅い川、水深は膝丈ぐらいしかない。その川の向こうには自分たちを利用するだけ利用して権力にしがみつくだけの元老院たち、そして祖国ローマ。

振り返ったカエサルが言う。

「ここを渡れば人間世界の悲惨、渡らなければわが破滅。

進もう!神々の待つところへ!我々を侮辱した敵の待つところへ!


賽は投げられた!」


ひょえ~~なんだこのかっこよさ。歌舞伎なら「イヨっ!ユリウス屋!!」と掛け声が飛ぶところだね。
読んでる僕も兵士たちと同じく「カエサル!カエサル!我がカエサル!」とこぶしを振り上げたくなる。

マントを翻しカエサルがルビコン河に足を踏み入れる。それに続く屈強な軍団。6年にわたるガリア戦役を生き抜いた子飼いのローマ兵はもちろん、中にはガリアで調達した蛮族出身の果敢なものたちもいる。行く手を祝福するかのような北イタリアの旭日(このへん僕の脳内ムービー)。

…というところで「ローマ人の物語4 ユリウス・カエサル ルビコン以前」はいったん幕。

本来であれば一服する間も無く「ローマ人の物語5」に入るところだけど残念ながらまだ入手していないんだよね~。

うーむ、と仕方が無いので5を飛ばし「6 パクス・ロマーナ」にちょっと目を通してみる。どうやらこの巻の主役は暗殺されたカエサルのあとを継いだアウグストゥス。彼はカエサルの甥にあたり、カエサルの養子。

どうもね~、惹かれないね~。カエサルが面白すぎたってのもあるし、6のあとの「7 悪名高き皇帝たち」のほうが面白そうじゃないですか。なんとか名前だけは知っている暴君ネロも出てくるようだしね。

うーん、と思いつつぺらぺら読んでたら、これが面白くてたまらない!すごいな、アウグストゥス。びっくりした。

著者も巻頭で言っている。「この巻にはハンニバル戦記のような血沸き肉踊る活劇もない、カエサルのような天才も出てこない。それでもアウグストゥスの生涯を追う間、私はまったく退屈しなかった。」

まだ3分の1程度しか読んでいないんだけどそれだけでも面白い。

パクス・ロマーナ」とはアウグストゥスが推し進めた「ローマ世界の平和」のこと。この頃にはローマはほぼ世界一の勢力となっており蛮族との戦いなど、戦争はほぼない。アウグストゥスがやったのはいろいろな内政改革といかに自分に権力を集中させていくか、ということのみ。
(自分に権力を集中させることが野心からなのか、それともローマのことを考えてなのかはまだこの巻の途中なのでわからない)
戦争シーンが無く政治シーンだけなんだけど、アウグストゥスのやり方というのは元老院たちの思考、民衆の思考を先読みしてまったくそつが無く素晴らしい。

あの天才カエサル(この巻の頃には「神君」という呼び名さえ与えられ神とされている)のやったことでさえ、アウグストゥスに比べてしまうとちょこちょことほころびが目立つ。
もちろんゼロから作り上げたカエサルとカエサルの残したものを最大限に利用できるアウグストゥスではスタートラインが違うので一概には言えないけど。

そしてほころびが目立つからと言ってカエサルの評価はまったく下がらない。むしろ「あの天才カエサルもなかなか人間らしいところがあるじゃないか」と更にカエサルを好きになる。

対して(あくまで今の段階では)アウグストゥスから「人間臭さ」というのはまったく感じない。非常に冷血に合理的に、物事を進めていく。

元老院たちに対して、「これは我慢するからこの権利はくれ」「そのかわりあなたたちにはこの権力をやる」と交渉していく。またこの交渉内容がうまい。元老院が「イエス」「イエス」「喜んで」と返事をしているうちに気づいたらアウグストゥスに権力が集中している。そして元老院はどんどん弱体化している。

「ひとつひとつの交渉は合法なのにすべてが合わさると非合法になっている」と著者も書いている。

たとえば元老院が大喜びした共和制の復古。カエサルの跡継ぎということでアウグストゥスは皇帝になるのではないか、と元老院が心配していた。そこでアウグストゥスは「すべての特権を元老院とローマ市民に返す」と宣言する。元老院大喜び。でもよくよく考えてみるとそのときアウグストゥスが持っていた特権というのは名誉職だったり戦乱の時代でなければ役に立たないもの、持っていても手間だけかかるもの、ばかり。特権を放棄する代わりにアウグストゥスが求めたもののひとつが、「アウグストゥス(英語で言うとオーガスタス。Augustの語源)」という呼び名。

アウグストゥスの本名はオクタヴィアヌス(英語Octoberの語源)。アフリカヌス(=アフリカ王)、マーニュス(=偉大な)と言った権力のニオイがする呼び名と違い、アウグストゥスは単に「神聖な」という意味。元老院はどうぞどうぞと与えた。実はこれが後々おおきな意味を持つことになる。権力に権力で戦うのではなくまったく別次元から、むしろ神職的な立場から力を及ぼせるようになる。

他にもガリア全土の統治権(元老院は愚かしくも、狭いけど統治が簡単な北イタリアあたりの統治権を求め、広大なガリアの統治は大変なので、アウグストゥスにお願いした。)も得る。これでガリア(いまで言うドイツ、フランスあたり)からの税収、兵を手に入れることになる。

更にアウグストゥスはこれまで連続で担当してきた執政官を辞職し、執政官選挙を行う、とした。選挙で選ばれる執政官こそがローマ共和制の象徴なので元老院大喜び。

そしてアウグストゥスは謙虚に「執政官を降りる代わりに護民官の特権を一年期限でくれないか」と頼む。元老院は快くOK。

しかし護民官特権の中には「拒否権」というのがあって元老院や執政官が何を決めようが護民官(つまりアウグストゥス)がダメと言ったらダメ。
更に護民官の特権のもうひとつが「身体不可侵権」。護民官の身体を誰も傷つけられない。どんな理由があろうとも護民官と戦ったり、ましてや殺したりしたらその時点で犯罪者。
この権利を持ったことでアウグストゥスに逆らえるものは誰もいなくなった。

もちろんアウグストゥスは狡猾に「一年期限の特権は誰かから異議が発せられない限り自動更新とする」という条文を盛り込むのを忘れていない。実質、最高権力者になったアウグストゥスが何も悪いことをやっていないのに「異議あり」といえる人などいるわけない。つまりほぼ終身の特権を元老院ともめることなく(むしろ喜ばせて)得たことになる。

アウグストゥスがすごいところは元老院がこだわっているけども実質的には役に立たない古くからの役職や権力を気前良く与えて元老院を喜ばせ、その代価として誰も気にも留めないような小さなものを「くれ」とお願いする。そしてその小さなものが後々、大きな決め手になる。

将棋で言うと使いどころが無いと思ったら気前良く飛車や角を取らせておいて、そのうちにためておいた歩で追い込んでいくような将棋。

もし今の時代にカエサルやアウグストゥスがいたら、と夢想する。

たぶんカエサルにとっては今の世界はこじんまりしすぎていてつまらないのではないか。戦争も無いしね。いっぽうアウグストゥスはどうか。ビジネスマンとしてもあるいは政治家としてもやはりトップに立っていたんじゃないかと思う。

カエサルがすべてのものを巻き込んで行く竜巻だとしたらアウグストゥスは冷たい雨。降っていることさえ気づかないくらいなのに着実に大河になっていく。

ピカソにだって会えるのだ。

2007-11-25 20:44:02 | 日記
世間は三連休ですな。僕は真ん中の土曜日だけ仕事。

土曜日に仕事が終わって飲みたいなーと思ってドッピオさんに連絡。横浜で飲む。仕事の話、結婚の話、旅行いくべという話、じゃんけんナンパゲームなどする。結構飲んだわ。

あけて日曜日。いやー、いい天気でしたね~。こういうときに家にいてはもったいない。ということで上野公園へ。

ムンク展とフィラデルフィア展をやっているんですよ。どっちも見たいなー、と思っていたので。

キャラに合わないことは重々承知なんですが美術展好きです。だいたいこういう企画展は入場料分くらいは楽しめるもんです。
北斎展マティス展も楽しかった。

だいたいこういうすごいのに家から歩いていける、というのがいいじゃないですか。

この季節の上野公園は紅葉がきれい。

ムンク展のほうはどうにもくらーい気持ちになりそうだったので一回パス。


こんなんですもの。
来年1月までやっているみたいだからまたでいいや。

ということでフィラデルフィア展。

フィラデルフィア美術館なんてよくわかんないけどまぁいい。

映画ロッキーでロッキーが駆け上がる階段で有名だそうです。

入り口では「大変混雑しております」と書いてったのでちょっとくじけそうになったけど入ってみたらそんなこと全然無い。北斎展のほうが混んでた。結構じっくり見られました。

写実主義、印象派あたりは「ふーん、そんなもんかね~」と思っていたんだけどキュビズムあたりからかなり面白かった。やっぱピカソすごいね。

特に「三人の音楽師」というもの。

まず大きくていい。約2m×2m。大きい絵、というのはそれだけでなんか自己主張があるよね。
人もまばらだったのでかぶりつきでじっくりみて、そのままうしろに下がって「引き」で見るのもいい。4、5メートル下がって壁に寄りかかってみていてふっと絵の前から人がいなくなった瞬間、というのが絵を独り占めできている感じでいい。

その隣あたりにあったデュシャンの「画家の父の肖像」ってのもなぜかずっとじーっと見てしまった。

うーん、この人は何を考えているんだろか、とか思いつつ。

そこからシュルレアリズムのコーナーへ。

ミロの「月に吠える犬」、キリコの「占い師の報酬」なんかが良かったね。

順路どおりに行ってお土産モノコーナー。「もう終わりかー」と思ったらもう一回「三人の音楽師」を見たくなって逆戻り。(大変なんすよ、階段上って降りて)

再度堪能してもう一度出口に向かおうとしたらさっきは気づかなかったけど「接吻」という像を見つけた。

いいね、これ。いい大きさ(ちょうどお地蔵さんくらい)。これで消しゴムとか作ってくれたら買うのに。

おみやげ物コーナーではやっぱり「三人の音楽師」のポスター買う。500円。レプリカは20万くらいだったのであきらめる。

たっぷり堪能したあとに遅い昼食。

上野公園の入り口の隣のピザスタンドでピザと白ワイン。

ちょっとだけいい気持ちになって帰ろうと思ったら真ん中の広場で大道芸やってた。大道芸好きなんだよな~。話芸の勉強にもなるしさ。

パグパイプの演奏とディアボロのジャグリング、というわけわからない組み合わせの人だけど。ちょうど終わり際ですごい技が見られた、ラッキー。ポケットにある小銭を全部(と言っても400円程度)を投げる。

さて、晩御飯の買出しでもして帰ろうか。そうそう古本屋よって「ローマ人の物語」も探そう。
なんて思いつつ上野公園を後にする。

いやいや贅沢な休日だな。

ローマ人の物語

2007-11-25 12:15:58 | 
本読みにとっての幸せひとつは未読の長編小説に手をつけ始めることでしょうね。

長編小説、と言ってもはんぱなものじゃなくて何巻にもわたるものがいい。更に昔のもので評価が定まっているもののほうが望ましい。

たとえば吉川英治の三国志(全八巻)とかね。

ここまで読んできたのに未完かよ!ってのもたまにあるから、出来れば既に完結しているもののほうがいいね。

吉川英治の水滸伝なんて未完ですごくがっかりした。

長編小説(もちろん長編漫画でもいい)一巻目に手をつけ始めて次々と読んでいくのはかなり楽しいし、それをすべて古本屋で集めようと思うとなんとなく宝探し的楽しさもある。
「12巻と18巻だけまだないんだよな~」と頭のかたすみに入れつつ「新刊で買ってしまう」という誘惑と戦いながらどこに行っても古本屋をのぞいてみる、という生活なんて結構いいじゃないですか。

ということで、今、僕が宝探しをしているのが、こちら。

文庫本31巻刊行済み。手元にあるのは1~10巻、14~19巻。残り14冊を「どっかに無いかな~」と思いつつ生きているわけです。

今のところ読み終えたのが
Ⅰ ローマは一日してならず(上下)
Ⅱ ハンニバル戦記(上中下)
Ⅲ 勝者の混迷(上下)
Ⅳ ユリウス・カエサル ルビコン以前(上中下)
ということで文庫本10冊。

いや、まぁしかし長いねー。これでもまだ3分の1。

今まで読み終えたところの中ではなんと言っても面白かったのはユリウス・カエサルが出てきてから。これはたまらないね。

歴史上の人物で有名であればあるほどその評価ってのは書く人によるものだとは思う。ほら曹操だって書く人によっては英雄になったり悪人になったりするじゃん。

この本ではかなりカエサル寄りかかれているのは否めないんだけど、でもこれを読んだらみんなカエサルファンになるんじゃないかと思う。

いやいやすごい人だったんだな。

かわいそうなのはクラッスス。カエサルと同時代の人で、かなりのお金持ちでカエサルと一緒に三頭政治の一頭を担うことになるんだけど、若い頃からとにかくカエサルにお金を借りられる。その額は天文学的。借金の額が増えれば増えるほどカエサルを守らざるを得なくなる。ほら、カエサルが失脚してしまうと今までの借金がパーになっちゃうわけだから。
あげくの果てに最高司令官としてペルシャのほうに戦いに行ってぼろ負け(そもそも軍人じゃないしね)、目の前で息子を殺され、それでも初めて軍人らしく軍隊を鼓舞するものも兵には伝わらず。敵に捕まり斬首。

いやー、運の無い人だ。なんと言うかカエサルという天才を輝かせたことだけがこの人の生涯みたい。

そういうなんというか周りの人を台風みたいに巻き込んで世界をしっちゃかめっちゃかにしたカエサルだけど読めば読むほど憎むことは出来ない。ずいぶんと人間的魅力のある人だったんだろう、と思う。本の中でも「これは誇張しすぎだろうが」と断った上で「当時の元老院議員の妻の3分の1がカエサルの愛人だった」という記述がある。

何よりも素晴らしいのは人身掌握術、というかね、そういうところ。

ガリア戦役の時に、食料が無くなった時。「ここで頑張れと叱咤激励するのは並みの司令官である」と著者も書いている。カエサルはどうしたか。
兵に向かって「貴君らを苦しめるわけには行かない。ここで撤退しようと思う」と言った。
すると兵は「自分たちは将軍についていく!どんなに苦しくたってかまわない」とモチベーションアップ。
そして、そしてですよ、更に著者は続ける。「兵士がやる気を出したからと言ってそれをどこにでも使うのは並みの司令官である。」
カエサルは「お前たちがやる気でいるのはわかっている。私のためにどんな犠牲を払おうと思っていることもわかっている。しかしお前たちの命よりも私の栄光のほうが重くなっては私は司令官失格なのだ。」
もうこんなこと言われたら兵士たちは「わがカエサル!」と思っちゃうよね。

こういうのすごいなぁ。

クラッススなんて目の前で息子が殺されて、息子の生首を投げ込まれて、そこで初めて将軍らしく「息子の死に心を痛めるのは私の仕事だ。みんなは戦え!」とかっこいいところ見せたのに軍は総崩れ。


10巻のメインはガリア戦役でのカエサルとヴェルチンジェトリックス(ガリア人の大将)の戦いがメイン。このヴェルチンジェトリックスいいなぁ、名前長いけど。どのくらいいいかと言うと曹操(カエサル)と関羽くらいの関係を想像してみていただければわかる。カエサルに初めて「わがライバル」と思わせた蛮族の若将。

こんな人ね。

この文庫シリーズの表と裏はその時代のコインが載ってる。そしてそれぞれの本の1ページはそのコインの解説。これがまたおもしろいんだけどさー。

「Ⅱ ハンニバル戦記」もこりゃーまた面白かった。
ハンニバルはやっぱりすごい人だったんだね。面倒なので作者が書いた一フレーズだけ抜粋。

「天才とは誰も見えない事実に気づくことが出来る人間を言うのではなく、誰もが見ていながら気づかない事実に気づくことが出来る人間を言う。」

何を失ってもいい、グラタンが好きだ。(あ、カレーも大事だよ)

2007-11-23 19:51:09 | 食べ物
グラタン好きなんですよ~。ほんとに。

たまーに仕事が終わんなくて、夜ちょっと仕事するかって時に(うちの会社は22時に出なくてはいけない)サイゼリヤに行って仕事をするんだけどそのときの定番メニューは白ワインデキャンタにマカロニ海老グラタン。

近所のサイゼリヤは最近行き過ぎて僕が入っていくと何も言わずに喫煙席に案内される。そのうち注文しなくてもマカロニエビグラタンが出てくるんじゃないかと思う。

子供の頃からグラタン大好き。僕の誕生日に母親から「好きなもの作るよ。何食べたい?」と聞かれたら0.2秒で「グラタン!」と答えていた。

ちなみに何食べたい?と聞かれるとうちの父親は「カレー!」、真ん中の妹は「ミートソース!」、下の妹は「キナコ餅!」と答えてた。

グラタンはおいしいなー。本当に美味しい。もう突っ込みどころが無い。

つーことで勤労感謝の日で休日の今日はグラタン作ります。

小麦粉を炒めて牛乳を混ぜていきます。

このとき本当に大事なのは牛乳はちょっとずつ入れる、ということ。「もういいだろ」と思ってガーッと入れるとすぐにダマダマになるからね。
じっくりちゃんと作っていけばまぁ失敗しない。

とろとろになったら塩コショウ、コンソメで味付けしてホワイトソースの出来上がり。ちょっとおいといて具を作って行きまーす。

タマネギのせん切り(細いほうがいい)をバターを入れた鍋で炒める。透明になるまで。(茶色くなったらだめ) そこに細切りベーコン、いつもだったら鶏肉を入れるけど今日はシーフードグラタンなのでむきエビ、カニ缶があったのでそれもぶっこむ。

白ワインを少々かけて香り付け。ついでにグビリと飲む。

そこに先ほど作ったホワイトソースを入れて、それから茹でたマカロニを入れて出来上がり。

本当であればそれをオーブンで焼くわけだけどうちにはオーブンがないのでこれで出来上がり。

今回は付け合せもこだわりましたよ。

漫画雑誌モーニングでやってる「きのうなに食べた?」という漫画があるんだけど一風変わった料理漫画で毎回、レシピが載ってる。今回はそれに載ってた明太子&サワークリームディップとバケット

サワークリームに明太子混ぜたのをバケットに塗って食べる。

これいいよー。

白ワインが進む。

グラタン美味しいよう。いや本当になんでこんなにおいしいんだろうね。

ラザニアも大好き。でもそれは手間がかかるのでなかなか家では作れないよねー。

タマネギ、ベーコン、ツナのカレー、スクランブルエッグ乗せ

2007-11-15 23:57:17 | 食べ物
ちょっとしたボランティアで食べ物を寄付するやつがある。戸棚で眠っている食材でまだまだ賞味期限が先のものを寄付する。

それに持っていくために「なんかあったかなー」とごそごそと戸棚をあさっていたらレトルトカレーが2つ。

右側は早稲田にある夢民というところのやつらしい。よく行くお寿司屋さんの大将とカレーの話をしていて「僕、夢民が好きなんですよー。一個あるんで上げますよ」ともらったやつ。もらったくせに食べるタイミングを忘れてた。すんません、大将。

右のは札幌のシャンティというところのスープカレー。こちらも女の子に去年の夏にお土産でもらったやつ。その女の子とどうなったかは丸1年カレーが放置されていることから察してください。

2つとも賞味期限はがっつり切れてる。
でもそんなの関係ねー!
さすがに寄付は出来ない。
美味しく食べまーす。

シャンティのほうは具も入っているみたい。夢民のレトルトに入っているのはルーだけで自分で野菜を炒めて作ってください、とのこと。

冷蔵庫にタマネギ半個とベーコン3枚があまっているので今日は夢民のほうで行きますか。

ちょっと凝ってみようかな。

まずは僕の料理の基本である、ガーリックスライスのオリーブオイル漬をフライパンに。それから赤唐辛子を細かくちぎってそこに入れる。
このとき手に赤唐辛子がついて、これで目をこすっちゃったりするとかなり地獄。

フライパンはまだ火をかけずオリーブオイルにしっかりと唐辛子の香りをうつす。

その間に土鍋でご飯を炊く。

タマネギは千切り、ベーコンは一口大。
ご飯が炊けたらフライパンを火にかける。

最初はニンニクと唐辛子をごーく弱火で。オリーブオイルでちょっと揚げる感じ。ここで揚げすぎると焦げて苦くなる。

ちょっとキツネ色になったらタマネギ投入。こちらも弱火。ベーコン投入。ついでにツナ缶があまってたので投入。いい感じになったら赤ワインをふりかける。(当然、この料理飲みながらやってます。)
火が通ったら別の鍋にあけておいたカレールーに投入。ついでに最近のお気に入りフライドオニオンも少しぶっこむ。
で、ルーを火にかけ少し煮る。

フライパンでは玉子2個でスクランブルエッグを作る。ちょっと贅沢に一個は全卵、もうひとつは卵黄のみにしてみた。そのほうが黄色が強くてきれいにできるだろうし。フライパンにバターを足しざっざかざとかき混ぜて完成。余熱で火が通るから半熟の一歩手前で火を止める。

炊きたてご飯の上半分にスクランブルエッグ、半分にカレールー。一応彩りにスクランブルエッグにはパセリ(1000円やるから帰れ)。

完成!

きゃー美味しそう♪

美味しいよう!

ちょっと前によく行ってたカレー屋の感じに似ている。

カレーは裏切らないねー。

ペーター!!

2007-11-13 22:53:29 | 日記
メガマックに続いてメガ牛丼が発売されたそうですね。すき家で。学生の頃だったらしこたま飲んだ後「じゃんけんメガ牛丼ゲーム」とかやるところだね。じゃんけんで負けた人がメガ牛丼食べるの。勝った人は偉いから2杯。

昔、べろべろ飲んだ後、みよしのでジャンボ餃子カレーゲーム(ゲームだったのかね?)やったもん。こういうゲームに強いのはよね3、タツ、弱いのはマドモアゼル唯先生。じゅさんは偉いからノーマル頼んでも許される。で、一番早く食べ終えてタバコ吸いながら「はじめの一歩」でも読みながら「かっしーよな、お前ら」とか笑ってる感じ。

大食い、と言うと大学時代を思い出す。おなか減ってたしね、いつも。

昔、なんかの時に(同級生の短大生の卒業謝恩会かな)で小さめの中華あんまんが山ほど出たんですよ。速攻「じゃんけん負けた人あんまん食べゲーム」のスタート。当時僕はマドモアゼル先生と一緒に住んでたんだけど次の日、彼に会ったら上着のすべてのポケットから干からびたあんまん出てきたのを覚えている。

今ではマックの普通のハンバーガーは100円だけど、昔はキャンペーンの時だけだった。

100円の時はうれしかったな。ススキノで飲んで、家までみんなで歩いて帰る途中、「いま、ハンバーガー100円じゃん!」と誰かが言い出して、ススキノのマックに寄った。そして店員さんに「えーっとハンバーガー、一人10個、それとスマイル追加」とべろんべろんに酔っ払って注文したもんです。店員さんは一瞬真顔になって後ろを振り向き、店長さんらしき人と目で合図し、うなずき、そして笑顔で「かしこまりましたー」と言ってくれた。さすがはプロだ。スマイル0円。

席に座って待ってたらトレイの上に山盛りにされたハンバーガー、一人10個5人前、都合50個。

もっさもっさと詰め込んだ覚えがある。もちろん飲み物は禁止。僕らはプライドで生きている人間だったのでこういうときには誰が言うわけでもなくそういうルールが決まる。

上からぎゅーぎゅー押しつぶしてぺらぺらにすると案外おなかに入るよ、ハンバーガー。



と、違う違う、今日はそういう話じゃなくて、メガの話ですよ。

メガ牛丼なんだけど、出てきた瞬間に「芸ないなー」と思った。メガマックの次にメガ牛丼かい。そのまんまやん。

せめてぱくるなら、ギガ牛丼とか、テラ牛丼、ペタ牛丼にして欲しかったね。ヨタ牛丼とかだったらさすがの僕も「ようやった、くっちゃる」と思って食べるよ。

メガ=10の6乗
ギガ=10の9乗
テラ=10の12乗
ペタ=10の15乗
ヨタ=10の24乗

ギガ牛丼なんてさ、いまだったら中川翔子をCMに起用して「ギガ大盛でギザうれしすー」とか言わせるところまでイメージわいてしまうけどね。

だいたいさー、メガを名乗るなら普通の牛丼の6倍じゃなきゃいけないよね。いや厳密に言うと6乗じゃなきゃいけないけど「1牛丼の6乗」ってなんか意味わかんない。

メガ牛丼は普通の牛丼3杯分らしい。だったらトリプル牛丼とかじゃないと偽装(最近はやり)だと思うけどな。あ、いま思いついたけどこれJAROとかに言っちゃおっかなー。

あと僕がハンバーガー屋か牛丼屋のオーナーだったらこの混乱に応じてナノマックかピコ牛丼出す。

ナノ=10のマイナス9乗
ピコ=10のマイナス12乗

要は小盛りなんだけど。量も少ないし語感も可愛いので女の子に受けそう。「玉ナノつゆだくでチェケラッチョー」(いつの女の子だよ)

こういう単位ってやっぱり語感がぴったりしているよね。

ギガ!なんていわれたらなんかロボットっぽいから大きい感じがするし、ナノ、なんてちょっと内股で「ニャノ」って可愛い感じがするじゃん。

ヨタくらいだとなんかもう大きすぎて宇宙のニオイがするよね。

だれだ、与太郎なんていうヤツは。

え?わかんない? ほら、たとえばビーム(70年代生まれの男の子はだいたいビーム好き。指先か目から出るといいね。あ、口でもいいけど)でも

「ギガビーム!」

「ナノビーム!」
ってどっちが強そう?って話ですよ。




こういう「単位」ってさ、子供の頃、覚えなかった?

キロキロとヘクトデカけたメートルがデシに追われてセンチミリミリ。

あ、知らない? じゃ、まぁいいや。

鍋食べたべ

2007-11-12 22:21:30 | 食べ物
寒くなってきましたね。「なーんか寒くなったなー」とか思うんだけど、考えてみれば当たり前ですよ。もう11月なんですから。秋だねー、なんて言ってられない、もう冬なんですよ。

冬といえば鍋ですな。寒い中に湯気の出る鍋の前で「まだ煮えないかなー」と思いつつビールをぐびりぐびりとやっているのはいいね。

ということでうさぎさんとchicoryさんと鍋を食べるために渋谷へ。

土曜日18時の渋谷は人がたくさん。渋谷駅前の交差点で信号待ちしていると向かい側の歩道にハンニバルの軍勢と見間違うばかりの人の群れ。信号変わってその人たちとすれ違うのかと思っただけでちょっとぐったりしてくる。しかもさ、渋谷って若い人が多いから、カップルやグループは話してて前向いていないし、一人で歩いている人も携帯いじってて前向いてない。そしてたまに歩道に座っている人がいるので、こんな中を歩いていくのは大変ですよ。
僕が呂布だったら2歩進んだら全員死んでいる。

行ったのは「赤から」

(サイトの写真)
赤みそと唐辛子の出汁で野菜とホルモンと豚バラなんかを食べる。名古屋が本店の店らしいですよ。

名古屋ってのは不思議なところで八丁みそ(名古屋の味噌煮込みなんかは大体このみそ)なんてのは特に「大好き!」とも思わないんだけど食べてると止まらない。
なんというか「言葉では拒んでるのに体が逆らえない」という感じ。(そういうたとえも変だけど)

鍋を食べおえて女性陣にデザートは?と聞いたら「いらない」とのこと。うーんがっくし。女性2人がデザート食べないのに僕だけ頼むわけに行かないしね、ま、仕方ない。と思ってたらなんとサプライズケーキ。

そうですよ、僕の誕生日近かったんだ(ええ、24になります)。わーい。

うれしいな、こういうの。

次の日は日曜日でぶらぶらと銀座へ。スーツの上に着るコートが欲しかったんだけどなかなかいいのが無いんだよね。狙ってるのは黒のシンプルなコートなんだけど、出来れば前がちゃんとしまるのがいい。


こういう衿のヤツはやだ。ちゃんとしまらなくて寒そうだもん。

ということで何も買わずに帰る。

途中でなんかご飯を食べようと思って矢場とんへ。

名古屋の味噌カツの店。なんというかこれまた体が求めた感じ。これまたちょっとえぐーい感じの濃ーい味でたまんない。
名古屋出張が多かったときよく食べてたんだよな。これにすりゴマと七味唐辛子をがんがんかけると更に美味しい。
注文するときに「味噌とソースどっちにします?」と聞かれるんだけどソースでたべたい人なんているのかね?正直言ってソースでたべたらここのとんかつそのへんのと変わんないよ。この店の真骨頂は味噌カツだと思うんだけど。

もうちょっと食べたくなって串かつも2本ほど頼む。


名古屋の串かつもいいよね。東京の人と大阪の人が「串かつは牛肉だろ」「いや、豚肉だ」「いや、タマネギだ」「長ネギだ」ってやってるとこにいきなりぜんぜん違うもの出してくる感じでさ。

名古屋の串かつは豚バラで串を巻いたのを揚げて、味噌にどぼんと漬かってる。

あんまりにも話が変わっちゃうので逆に許す。

こういう不思議さが名古屋にはあるよね。「うどんだ」「いや、そばだ」って言ってるところにきしめん出してくる、とかさ。

しかも名古屋人のすごさはその変わりぶりを変わってると思ってないところなんだよね。名古屋人って「これって名古屋にしかないんですか?」とか驚いたりするもんね。

In vino veritas.

2007-11-10 02:43:59 | 食べ物
一番好きなお酒は平日真昼間に飲む生ビールなんだけど、それ以外のお酒も飲みます。多いのはウィスキー、焼酎あたり。

バーなんかに出かけたら2杯くらい生ビールを飲んでその後はだいたいウィスキー(グレンフィディックかラフロイグが多い)。あるいはウォッカトニック。

チューハイはあんまり飲まない。大学のころ村さ来が100円サワーやってたときに「え?10杯飲んでも1000円?じゃ全種類2杯ずつ」とか頼んでドッピオさんと「いやーチューハイなんてぜんぜんよわねーな」とかおだってたら2人とも速攻つぶれた。それ以来、チューハイはそんなに好きじゃない。ビールのほうがいいや。

家に帰ってきたら缶ビール一本、そのあと焼酎のロックにレモン果汁をだばだば入れたの。たまに家にズブロッカがあるときは焼酎の代わりにズブロッカを飲んだりする。家だとあとは料理しながら、料理用のパック入り日本酒(鬼殺しとか鬼のいぬ間とか。どうして安い日本酒って鬼関係が多いんだろう?)を飲んだりもする。

ワインなんだけどたまーにしか飲まないな。イタリアンだのフレンチだのに行ったらそれなりに「じゃ、ワインでも」となるけど銘柄が良くわかんないしさ。店員さんに「重めで渋くない赤」「きりっとしてて甘くない白」と頼むくらい。だいたい「一本目なので財布に優しいやつで」と頼む。ま、だいたい一本しか飲まないんだけどね。

だいたいさ、「ヴィンテージがどうたら、焼けたレンガのような香りが、」とか言っているのもどうもキャラにあわないしさ~。家で飲むとなると安いやつを買ってきてがぶがぶと、という感じ。

東京の西の仕事場の近くに酒屋さんが有るんですわ。缶コーヒーもタバコも売っているし外に灰皿があるのでそこでよく一服しているんだけど。

軒先には安売りワインが並んでる。これがね、安くていいんだよね。チリとか南アフリカ、中にはフランス、イタリア、ドイツなんてのも500円くらいで売っている。家で飲むには十分なんだよ、こういうので。

いつも「買っちゃおうかなー」と迷うんだけどワインを4、5本下げて電車乗るのも嫌だしと思ってた。

でも昨日は荷物を運ばなくちゃいけなかったので社用車で行ったんです。荷物を引き上げて「じゃ会社戻りますねー」と言ってそのままその酒屋の駐車場にイン。6本位まとめ買いし、いったん家によって降ろしてから会社に戻った。(といっても家と会社は徒歩3分なんだけどさ)

ありがたいことにちょっと早めに仕事も終わったので早速一本目を空ける。

えーっと今日飲んだのはなんだ、チリの赤か。

だらだらと飲んでいたらやっぱり一本空けてしまった。おいしんだもの。(人間だもの)

安いワインをそれなりに美味しく飲む方法は2つある。

まず一つ目。赤だったらちゃんとデキャンタに空けてしばらく時間を空けてから飲むこと。

(このデキャンタは三角フラスコみたいで無機質で気に入っている。歪んだワイングラスもお気に入り)

「デキャンタに空けて空気に触れさせるとやっぱりまろやかになるね~」なんて言っているシジマを横目で見ながら「なに言ってんだこの錦鯉!」と思ってたけどね、ごめん、ほんとうに味が変わる。オススメです。

二つ目、白ワインならまずきちっと冷す、ということが前提で、更に炭酸水と割ってみるといいよ。なんか酒屋さんで瓶に入った炭酸水が売っているじゃないですか。白ワインをそれで割るとなんかシャンパンっぽくなる。

村上春樹の何かの短編(多分、「ファミリー・アフェア」か「納屋を焼く」のどっちか)で「酒が飲めないなら白ワインをペリエで割ってレモンスライスを浮かべたものから試すといいよ」というせりふがあった。はじめて読んだときはペリエが何なのかわかってなかったけど。

ということで最近はワインも飲んでいますよ。

最近飲んだワインで一番美味しかったのは地獄のように暑い真夏の日に、銀座を歩いてて見つけた立ち飲みバーで飲んだよく冷えた白ワイン。やっぱ昼に飲むのがいいんだな、お酒は。

ちなみにタイトルはイタリア語で「ワインの中に真実がある」。酒の席の話が本当の話、ってニュアンスだと思う。Forse.(たぶん)

最高の読書タイム

2007-11-05 23:47:50 | 
なんたって読書が進むのは僕は電車やバス、飛行機の中だと思うんだよな。飛行機だとまだ外の景色を見る、ということが出来るけど地下鉄、あるいは夜の高速バスなんかだと外見たって仕方が無いのでずっと本を読むしかない、ということになる。

iPodで音楽聴きながらそういうところで本を読んでいるのはいいね。

最近は東京の西のほうに通勤することもあるのでその行き帰りはナイスな読書タイム。

最近はローマ人の物語を読み始めた。

いつかは読みたいなぁー、と思っていたんだけど何せ長いからねぇ(文庫本で30巻くらい)。とはいいつつ第4巻まで古本でゲット。さぁこれからちまちま古本屋で探す日々が始まるね。

しかしさ、古代ローマの時代なんて日本で言えば縄文時代。そんな時代に共和制とか民主主義とか考えていた人々がいたんだね。すごいなぁ。三国志だって「縄文時代に駆虎呑狼の計とか考えていた人がいたんだねー」と思ったけどこちらはこちらですごい。

そうそう、狼の話。イタリア語では「がんばれ!」って言う意味で「Voca di lupo!」という。直訳すると「狼の口!」という意味。それに限らずどうもイタリア語では狼って嫌われていないしむしろすかれている動物な感じがしてた。その原因のひとつはローマを作ったロムルス(ローマ、という名前はこの人の名前からきている)が狼の乳で育てられた、という逸話があるからかな、と思っていたんだけどもうひとつわかった。
ローマ人というのは基本的に小麦を食べて生活していたらしい。海も回りにあるので海産物も食べていただろうけど。ということは農耕民族だったんだね。傾向的に狼は牧畜の人に嫌われ、農耕民族に好かれる傾向がある。牧畜民族にとっては自分の家畜を食べる悪い動物、農耕民族にとっては畑を荒らす小動物を獲ってくれるいい動物。たとえばモンゴルでは狼は見つけた瞬間に射殺されるらしい。一方、農耕民族の日本では「オオカミ」というくらいで祀られてたところもある。

そう考えるとどんどん古代ローマと日本の共通点というのも見えてくる。だからおもしろい。

とは言え、こないだはこれを持っていくのを忘れたので昼に緊急措置的に本屋によって供給。


池袋ウェストゲートパークの最新作が文庫で出てた。即ゲット。石田衣良の作品はいいんだけどそれでもちょっとスマート過ぎて僕はフェイバリットという感じではない。でもこのシリーズはいいよね。なんといってもマコトのキャラがいい。ドラマ以後、どうしても長瀬のイメージが離れないけどね。
表題作の一節でかなり泣きそうになった。

仕事を終えて実家に帰る予定だったのでこの本だけじゃ足りず古本屋で買っておいた本も持ってく。
新堂 冬樹 / 徳間書店(2006/03)
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えーっと溝鼠というあだ名の「復讐代行屋」の話。グロテスクな話と人の醜さ満載。いやーな気持になるね。

ASIMOよりよっぽどすごいよ。

2007-11-04 22:54:58 | 日記
この週末はちょっと実家に帰っておりました。

金曜の23時くらいに家に着いて寝て起きたら妹とだんなが子供2人連れて来てた。

上の子は4歳で下の子は2ヶ月。僕の父と母が「下の子かわいー」とか言っているけどスイマセン、その気持ちひとつもわからない。確かにすごく小さい指にちゃんと爪がついているのなんかは「手間ひまかけてこさえてますなぁ」とは思うんだけど可愛いか?と言われると「うーん」と思ってしまう。

抱っこしてじーっと見つめていてもその子は僕の背後らへんを凝視している。凝視しながらたまに「アアッ」とか声を出す。

何かいるのかね?見えるのか?貴様!新手のスタンド使いか!?
(髪型も荒木飛呂彦っぽい)
「お父さん似ねー」とか言うけどどう見てもモリマンと対決するときの山崎邦正にしか見えない。ということで5分で飽きた。

何せ楽しいのは上の子(4歳)ですわー。

こないだ札幌行った時に会った同級生の子も可愛かったけどごめん、その子たちが天使ならこっちは女神ですわ。ほんと可愛い。

4歳だとまぁ喋るわけです。それが楽しいね。

僕の基本理念として「どんなに小さかろうと子供扱いしない」というのがある。「○○ちゃん、なんとかでちゅねー」とかいう言葉遣いを僕はしない。(たまによね3とドッピオさんには使うかな。「ビール飲みたいんでちゅかー?」とかね)

どれだけ小さかろうと僕は相手をとにかく一人の人間として扱いたい。4歳の子に話している僕の言葉だけを取り上げたらたぶん同僚に話している言葉遣いと変わらない。もちろん話題はアンパンマンだったりするわけだけど。「え?メロンパンナとか俺しらないわー。やっぱカレーパンマンが一番じゃね?」

上の子に「暇だしさーどっかいかね?」と聞いたら「いくー」ということだったので近所の公園に行ってきた。

見ていて思うんだけどさ、ほんと人間ってすごいよね。

なんかつり橋見たいのがあって遊ばせていたんですよ。

こないだASIMOを見て「おお!走ってる!」と思った。でもね、ロボットを走らせるのにどれだけのお金と時間がかかったか知らんけどこっちなんて4年ですからね。原価もASIMOほどかかってない。でもつり橋も渡れるし丸太も渡れる。滑り台もブランコも出来る。どんぐりも拾えるよ。
すげーな、人間って。

帰ってきて実家で父母、妹夫婦、4歳児とご飯。
(下の子は僕らのごはんの前に妹から母乳。うーん、妹が授乳するとことかちょっと微妙だよね、リビングでやられると)

えーっとメニューは
・マカロニグラタン(好きなのでリクエストした)
・なめろう(アジが安かったらしい)
・なっぱの漬物
・里芋のけんちん汁(普通の人ならおなか一杯くらいの具だくさん)
・豚肉と大根とニンジンの煮物。
・シナモンロール(母はパン作りが趣味)
・イワシの角煮
・あんきも(安かったらしい)
・ごはん
・近所の人からもらったブルーベリーをジャムにしたやつ。(ヨーグルトにかける)
…わけがわかんない。

旨い旨いと食ってたら食後1時間くらいおなか一杯で本当に動けなくなった。

僕が帰ってきたから特別、ということではなくてうちの母は冷蔵庫にあるものとりあえず全部出す、という習性がある。ドッピオさんちのお母さんもおんなじだった覚えがあるな。夜中23時に酔っ払ってドッピオさんちに行ったらカツカレーが出てきた覚えがある。

実家にいると思うことは「確実に僕の家にいると太る」ということ。この話はまた今度。

カンタン料理

2007-11-03 14:36:14 | 食べ物
最近まともな自炊をしているわけだけどたまに面倒になってあんまりちゃんとしてない料理も作ったりする。これがね、たまに食うとうまいんだわ。いくつかご紹介。

①超カンタンオニオングラタンスープ

生まれて初めてオニオングラタンスープというのメニューに見つけたとき(たぶん大学生のときにロイホでだったと思う)には飛び上がったものです。グラタンと餃子は別バラと言うくらいグラタン好きだし、タマネギも心の野菜ランキングで不動の第一位。喜び勇んで頼んでがっかりしました。「単なるコンソメスープやん!!」とね。

僕のイメージではマカロニグラタンがちょっとゆるくなっててタマネギたっぷりのスープ、だと思ってたんだけど。

それからあんまりオニオングラタンスープは好んでは食べない。

でも最近「食事の前に汁物を飲みきってしまう」というダイエットをやってるのでたまに作ります。

話変わるけど「食事の前に汁物飲みきってしまうダイエット」はいいよ。

僕の作るオニオングラタンスープは超カンタン。

よね3のmixi日記で教えてもらったフライドオニオン。


オニオンをクリスピーに炒めたもの。

これを少々。それとコンソメ少々。

で。

お湯を注ぐ。

だけ。

わーい、カンタン♪
いいだし出てまっせ。

忙しい朝にスープを一品、なんて奥様はお試しあれ。

ちょっと余裕があるなら焼いたフランスパンを載せてその上に粉チーズ。

粉チーズは振り掛けるというよりもちょっと乗っけるくらいたっぷりめにかけるとうまいっすよ、ちゃんと溶けて。そこまでやると本格的にオニオングラタンスープです。

②カルボナーラ風シーフードカップヌードル

牛乳を小鍋で沸かします。で、シーフードカップヌードルに投入し3分待つ。3分超がちょうどいい感じもします。麺が柔らかくなったらバターを少しだけ。

ほら、なんかカルボナーラ風。

牛乳にとろみが出るんですよね~。

③茶碗蒸しご飯。

100円ショップなんかで売ってるカップ入り茶碗蒸し。それをレンジであっためて、ご飯にかける。

はい、行儀悪いでしょ。でもね、うまいんだ。要は玉子かけご飯だもん。
(もうこのへんになると料理とはいえないけどね)

④超カンタンぺペロンチーノ。

じゃーん。最近の僕の秘密兵器。

むめもさんにお土産でいただいたんだけどドライトマト、バジル、岩塩が入ってて上がミルになってるやつ。ガリガリひいてかけるとアラ不思議。なんでもイタリアーン。いい香りなんですよ。たまに何もないときこれなめて酒飲んでます。

で、これを茹でたパスタの上にガリガリやるといきなりぺペロンチーノ。いやーん、便利。



東西新聞のうまいもの自慢大会に呼ばれたら出そうと思っているメニューです。

黄色、青、赤ときて黒

2007-11-01 20:28:17 | 
海堂尊の「ブラックベアン1988」が出ました。
海堂 尊 / 講談社(2007/09/21)
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即ゲット&朝4時まで一気読み。

この人のは「チームバチスタの栄光」を読んで「おもろい!」と思ってからしっかり毎作買っております。

今回はバチスタ、ナイチンゲール、ジェネラル・ルージュと来たメインシリーズからはちょっと離れたけども舞台はおなじみ東城大学付属病院。時代設定が20年前。ほら1988だからね。

「ほぼすべてのミステリ小説はキャラ小説だ」と誰かが言っていたけどこのシリーズなんて正にそう。黒崎助教授、高階講師なんてのが出てくるたびに「お」とか思っちゃうしね。メインシリーズの主人公である田口先生、ジェネラル・ルージュもちょこっと出てきます。残念ながら白鳥は出てこない。白鳥の傍若無人っぷりを読みたくて読んでる身としてはちょっと淋しいね。

今回は渡海先生もいい活躍してたな。本編でまた出てこないかな。

そもそも病院モノというのは名作が多いんだよね。小説にせよドラマにせよ。ERも好きだったし。

でもさ、ひとつの不満としてはせめて「ペアン」って何か、くらい解説しといてもらえるとありがたいんだけどな。表紙に乗ってるハサミみたいのがそれってことかな?

ぜひチーム・バチスタからこのシリーズ読んでいただきたい。つまらなければ仕方ないけど面白ければあと4冊楽しめるので秋の夜長も暇しないっすよ。