浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

映画「寄生獣」

2015-04-28 11:25:29 | DVD、映画
映画「寄生獣」見てきました。

ネタバレで感想書きましたので、よかったらどうぞ。


映画「寄生獣」を観ました。前編と完結編ね。

そもそも論なんだけど、最近の邦画で多いこの「前編後編2部作」って作り、どうなんだろう??もちろんビジネスとしてはよく分かる。一本分の労力で2本分売上が上がるわけだからね(簡単にいうと、ね)でもさぁ、映画って「始まって、終わる」ものでしょ?それをさ前編で「始めて」、後編で「終える」ってのはいろいろ大変よね。そもそも後編だけ見る人のために後編のあたまに前編のダイジェスト入れて置かなければいけないわけだし。どうしても後編が「終わらせる」ためだけのものになってしまう。1、2、3の三部作ってのとちょっと違うからねぇ。。4時間の一本の映画にしてチケット代倍にして途中に休憩入れるとかでも僕はいいよ。でもそれだと観る人減っちゃうからなぁ。

さて、映画「寄生獣」前編のネタバレの感想。

寄生獣の原作はもちろん僕は読んでいた。リアルタイムではなかったと思うけど、単行本でまとめて読んだ。

そういう漫画原作を映画化する場合、そりゃもちろんメリット(原作ファンが観てくれる、とか)もあるけどデメリットもいろいろある。原作を読んだ人なりのイメージがあって「この俳優はイメージ違う!」ってのが出てくるだろうし、全10巻くらいある長い話を2時間程度(今回の場合は前後編だから4時間)にまとめるってのも大変だろう。

何を足して、何を引くのか、どこを変えてどこを変えないのかってことがポイントになるんだろうけど、そこが前編は良かったと思う。

まず何が良かったって主演の染谷将太だよねぇ。もともと「この人、タダもんじゃないな」と思ってたけどこの映画で「おお!」と思った。「ヒミズ」も良かったし、「永遠の0」でも良かった。

やっぱり前編と言われると対島田戦のあの弓矢を引くシーンのアップを思い出す。あそこいいシーンだったなぁ。今でもあのシーン思い出すと全身が総毛立つ感じがする。いわば「十三人の刺客」の「みなごろし」のシーンみたいなね。

染谷将太のいいところってあの「目」なんだよね。何か闇があるような目。ぜひジョジョ映画化の時には吉良吉影をお願いしたい。(ちなみに吉良吉影は北村一輝がいいのでは、という意見もあるけど僕としては北村一輝にはDIOをオファーしたいと思ってる。高笑いとかが似合いそうだから)

ただ、この映画の染谷将太で一点だけ「うーん、ここはなぁ」と思う点がある。それは髪型。やっぱり寄生獣のシンイチは覚醒したあとは原作通りオールバックみたいな「キリッ」とした髪型にして欲しかった。ここはとても大事な点だと思う。つまり原作では真ん中分けの髪型からオールバックにしたことで「泉新一」が「シンイチ」になったということを象徴している。だから映画でもそこは踏襲して欲しかったなぁ。

ちょっと話がずれるけど、昨今の日本の映画・ドラマにおける「俳優の軟弱髪型」って僕は気になってる。なんか変なパーマかけたようなふわふわサラサラの髪型。もちろん、役としてそれが説得力あればまったく問題ない。例えば「桐島、」におけるパーマのあいつ(笑)とかね。あれはああいう役じゃん。でもさ、例えば今回の寄生獣で言えば國村隼演じる刑事さんの若い相棒いたでしょう?山中崇という俳優さんで、僕はこの俳優さんは好きですが。それがさぁーなんか軟弱な髪型しているわけですよ、刑事なのに。「てめぇちゃんと髪切れ!」って思った、後編では。(実は前編では気になってなかったんだけどね)

話戻して弓矢の話。とにかくこのアイディアは本当に良かった。これは原作「寄生獣」の大事なポイントである「バディ感」の象徴になっていると僕は思う。

「バディ感」ということについて説明しておくと、映画にはよく「バディ物」と呼ばれるひとつの「話の形」があります。バディというのは「相棒」のことで、すごく簡単に言ってしまうと「文化や考えの違う二人がぶつかったり協力したりもするけど、いろいろなことを経て大事な相棒になっていく」というストーリーです。映画で言うと「ミッドナイト・ラン」とか「リーサル・ウェポン」とか。いわば「シャーロック・ホームズ」だってワトソンとホームズのバディ物といえる。

シンイチとミギーという考えもそもそも生物としても違う二人が最初はまったく理解し合えないけど(映画ではシンイチが「価値観違いすぎるんですけどー」って言ってたね)、寄生生物との戦いなんかを経て相棒になっていく、という点が寄生獣の肝のひとつである。少なくとも僕はそう思う。その点が前編では非常にうまく描けていたと思う。それはポイントとなる戦いを振り返ってみればよく分かる。

まず最初の戦い、中華料理屋での最初の戦い。この時、シンイチは何もしていない、ミギーが戦っているだけ。その次、母親との戦い。これは逆にミギーは何もしていない(寝てる)、ミギーの細胞が入って体がパワーアップしたシンイチだけで戦っている。と、こう来て対島田戦。ここで原作ではミギーとシンイチが協力して石を投げる。それを映画では弓矢に変えた。これはねぇ、僕は驚きましたよ。「この手があったかー!!」とね。20年以上前の漫画にこんなに新しいアイディアがあったのか!とびっくりしましたよ。これは本当に素晴らしかった。

完全にシンイチとミギーが「バディ」になった瞬間です。つまりこの映画の作り手たちは原作「寄生獣」の重要な要素としてこの「バディ感」を感じ取り、それを最大限増幅させるためにこの「弓矢」というアイディアを思いついたんでしょう。憶測ですが。これが素晴らしい。

それから前編を思い出すときに良かったなと思うのはなんと言っても東出昌大。素晴らしかった。あの整った顔立ちがいかにも寄生生物っぽいんだよね。「やぁ」とか「いーち、にーい、」とかは何度でも真似したくなるね。

最後にちょろっと出てきた浅野忠信も素晴らしい。描かれ方としてさ、他の寄生生物は確かに人を食っているんだけど、それはあくまで栄養補給としてなんだよね。ただガブガブと食べてるだけ。でも浅野忠信演じる「後藤」はちゃんと料理してナイフとフォークで食べてるんだよね。「あ、この人、食べるのを愉しんでる、、」と絶望しましたね。

それからもちろん北村一輝も良かった。原作読んでいればわかるんだけど、この市長は寄生生物ではないんだよね。だから他の寄生生物と話している時もこの人だけ視線が動いている。(つまりしゃべっている人のほうを見ている)寄生生物同士は脳波でわかるので相手を見ない。これが非常にうまい。なかなか漫画では表現しきれないよね。話者が変わるたびにその人がそっちを見ているコマを入れちゃうと「あ、なんかあるな」って思ってしまう。映画だと気づく人には気づく、この人が人間だと分かった後に見れば「あ、この人、話者のほう見てる」と分かる。僕だってこの役の人が寄生生物では無いと分かっていなければ気づかなかったと思う。

あと「あ、ここをちゃんと描くのは偉い」と思うのは、やっぱりお母さんの天ぷら鍋のシーンね。これはとってもとっても大事。

あのね、ちょっと内田樹の唱える「忠臣蔵の大事なポイント」の話しますね。忠臣蔵ってのは日本人にとても愛されている物語で歌舞伎にもなってるし講談にも能にもなってる。もちろんテレビ、映画、小説にも。(落語には無いんだけど何故無いのかは立川談志がスカッと説明してるので割愛)

いろいろなバージョンがある分、それぞれ少しずつ違っている。松の廊下のシーンが無い場合もあるし、場合によっては討ち入りシーンが無い場合もある。他のバージョンには無いのに付け加えた、というものだってたくさんある。内田樹は「であれば、どのバージョンにも必ずあるものこそが忠臣蔵の本質である」と書いている。それが、これが無ければ忠臣蔵が成立しないという要素である、と。それを前提にすると実はどのバージョンの忠臣蔵でも絶対にカットされない場面がある、それは、、というのはこちらで読んでください。→「忠臣蔵のドラマツルギー

さて、寄生獣に話を戻すと、僕は原作を読み、この映画版を観、そしてついでにアニメ版も途中まで観てみた。もちろんそれぞれすべていろいろ変化がある。例えばアニメ版では泉新一はメガネをかけているし、映画版で新一の父親が存在しない。でも、どのバージョンでも「子供の頃、新一を守るために母親は天ぷら油で火傷した」という話はある。つまりここは「寄生獣」という物語を成立させる大変大事な要素のひとつである、と言える。

とにかく、寄生獣前編は大変おもしろかった。おそらく前編を観て「後編どんなふうになるのかなー」と思っておくのが一番良い観方だと思います。

プンプン

2015-04-24 23:24:27 | 日記
8歳年上の従姉妹がいましてね。僕は姉がいないのでこの人がある意味、姉代わり。

その人は東北にいるんだけど、仕事の関係でよく東京に来るのでタイミングが合えばご飯を食べる。

だいたい銀座。数年前に2人で銀座でご飯を食べるときにふらっと見つけたイタリアンがあってそこがお気に入りなんですよね~。

そこはね、もちろん食べ物も美味しいし店員さんもいい。静かってわけじゃないんだけど、話をするのにわざわざ大声を出さなきゃいけないってほどじゃない。

まぁ言うなればベネチアのトラットリアって感じですね(ベネチア行ったことないけど)

そういうとこでさ、気心知れた従姉妹とあれやこれやしゃべりながらワインを、、ってのは楽しいことです。

で、今回もまたそこでご飯を食べていたんですけどね。

なんかね~別のテーブルでサラリーマン20人くらいが宴会してるわけですよ。

聴いてたら(ワザワザ聴いてたわけじゃない、仕切りもない店なんで聞きたくなくても聞こえちゃうわけ)なんか新入社員歓迎会らしい。ただでさえうるさいのに、宴もたけなわになってくると「じゃ、ひとりひとり抱負を」とかやってるわけ。ひとりひとりスピーチして全員で拍手してね。

もうね!ほんとよっぽどそこに乱入して「そういうの個室居酒屋でやれよ!!」って言おうかと思ったよ。

あるいはトイレとかでそれとなく「盛り上がってますね~どちらの会社なんですか?」とか聞き出してその会社にガンガンクレーム入れようかと。

おかしくないすか??

まずね、店側はおかしくないと思う。20人の予約が入ったんだもの、ありがたい話だよね。予約の電話の時点で「もしかして歓迎会ですか?うち仕切りとか無いんでできるだけ静かにお願いします」なんて言えないじゃん、そもそも歓迎会かどうかなんて分かんないし。お店側に罪は無いよね。

「歓迎会シーズンだし、こういう時期に来ちゃった僕が悪いなぁ」なんてそんなこと流石の僕でも思えませんよ。

てかね!こんな店で歓迎会やるヤツらが悪いでしょ!!

そりゃこの店美味しいし、いい感じだし、なんか安い店で歓迎会ってのよりちょっといい店でやりたいなぁ、と思ったのかも知れん、それにしてもさー!!

せめて個室だのなんか宴会場取れよ!いや、取れなかったんだとしたら「今日はこういう感じの店なんで静かめで行きましょうか」とか言ってしかるべきじゃないの??

腹立ったんだよね~。

「嫌だったら行かなきゃいいじゃん?」おっしゃるとおり。でもさ、そういう店で歓迎会やる馬鹿のおかげで僕は大事なお気に入りの店を失わなきゃいけないわけ??

考えれば考えるほどその場で文句をつければ良かったと思うよ。

今となっては解決方法無いもんね。店に電話して「あの団体に一言言いたいんで連絡先教えてくれ」ってのも変な話じゃん。そもそも個人情報とかあるから店はそんなの教えないだろうし。

いやもうほんと、、プンプン!

日本史の謎は地形で解ける

2015-04-23 16:11:03 | 


「ウィークエンドシャッフル」というラジオ番組で紹介されていたので読みました。

いやーん、面白かったわ~。

タイトルどおり、歴史の謎を「地形」というキーワードで解いていく話。目次見るだけで「お、おもしろそう~」と思いますよ。

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なぜ京都が都になったか──都市繁栄の絶対条件
なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか──地形が示すその本当の理由
関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか──巨大な敵とのもう一つの戦い
赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか──徳川幕府百年の復讐
なぜ吉原遊郭は移転したのか──ある江戸治水物語
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もうこれは歴史地形ミステリーですね。著者は名探偵よろしくひとつの謎を見つけるとそれを地形から読み解いていく。ちょっとエッセイ風で「あれ、そこは憶測じゃない?」と思うところも無くは無いですが。。ま、いいです。

一番おもしろかったのは「なぜ元寇は失敗に終わったか」という話。

元寇、皆さん歴史の授業でやりましたよね? 当時、一大勢力を誇っていたモンゴル帝国が当時の最大勢力の艦隊で日本を攻めてきた事件です。ここでもしモンゴル帝国に負けていたら日本の歴史は確実に変わっていたんだけど、なんと2度に渡って日本は元を退けた。当時のモンゴルに勝った国というのはなんと2カ国しか無い。

さて、なぜ日本は超巨大国モンゴルに勝つことが出来たのか?

もちろんそれは台風が来たから、ということが定説になっているけど、著者は「それは本当か?」と疑問を投げかける。台風が本当に来たとしても、ちょっと陸地で待機してやり過ごせばよかったんじゃないか?と。

それを深堀りしていくとモンゴル帝国と日本の大きな「地形」そして「風土」の違いに行き着く。

まず、当時のモンゴル帝国の強さの秘訣というのは圧倒的な機動力、つまり馬、牛を飼いならしその力を利用していた。広大な平野があるので馬、牛をどんどん育てられた。

一方、日本は土地が狭いので大規模な牛馬の飼育というのは難しい。また、特に牛は基本的には去勢をしないと乗り物としては使い物にならないらしい。「暴れ牛」という言葉があるくらいですぐ暴れてしまう。日本は牛が少ないので去勢が出来ない。(しちゃうと繁殖に使えないから)

だから日本では牛車というのは非常に狭い範囲でしか使われていなかった。都の一部分で偉い人が乗る、とかね。それでも日本で牛車を描かれている絵の何枚かに一枚は牛が暴れている絵らしい。

さて、モンゴル帝国がやってきた。だけど日本の地形、つまり森や山が多く、地面は湿ってベトベトの状態ではせっかくの牛・馬も使えない。これでまずモンゴル帝国は大きく機動力を削がれることになった。

まぁ仕方がない、徒歩で行こう、と思って進軍し、夜は野営をしていたんだけど、なんとモンゴル帝国をもうひとつの大きな(いや、小さいけど強力な)敵が襲う。

なんとそれは蚊!

モンゴル帝国はからからに乾燥した平野だったので蚊がいなかった。モンゴル帝国は日本で初めて蚊に出会ったわけです。さぁ、モンゴル人大変ですよ。「なにこれ!?めっちゃ嫌!うるさい!痒い!」と大騒ぎ。

「うわ~ホントやだわー、日本。ちょっとこんなとこじゃ寝られないから船戻ろう」と言って船上で寝ていた、と。

はい、そこで台風ドーン!!(笑)

そりゃ大変ですよ。

でもね、別に台風来ても落ち着いて操縦していれば大丈夫だと思うでしょう? ここにもう一つの大事な敗因がある。

実はモンゴル帝国は船の操縦はそんなに得意じゃない。もともと平原の人だからね。この時に船の操縦をしていたのはモンゴル帝国の属国である高麗王国(今の朝鮮半島あたり)の人々。つまりこの人達は地元をモンゴルに支配され「おい、ちょっと日本攻めっからお前ら船出せや」と言われて来た人々。

そんな人たちが操縦していたのでモンゴル帝国に「おい、台風来たからなんとかして」と言われても「は?つうか関係なくない?俺ら別に日本攻めたくないし。勝手に沈めばいいんじゃね?」とモンゴル帝国のいうことを聞かなかったのであえなくモンゴル艦隊は沈没。

これが元寇の正体らしいです。


ちなみに、モンゴル帝国に勝ったのは2カ国しか無いとのことですが、その二カ国とは日本と、ベトナム。ベトナムが勝った理由もやっぱり土地がジメジメベトベトでモンゴル帝国の機動力を使えなかったから、らしいです。


すごーくざっくり僕の理解で言ってますから間違いもあると思いますがどうかご容赦を。

とにかく興味深い本ですよ。

ポコポコ

2015-04-21 09:11:36 | 食べ物
シアトルのスターバックス1号店でタンブラーを買ってきた。妹が欲しいと言っていたのでお土産に。シアトルでしか買えないものらしいですよ。タンブラー2つ買って妹に選ばせて、残りを自分用にした。

この取手のついたもの。タンブラーはなんか貰い物のステンレスのやつを持っていたけど、入る量が少ないのと洗うのが面倒なタイプ(中ぶたのゴムを外すのが面倒)なので、今はこれをメインで使っています。

で、そうなってくるとコーヒーメーカーも欲しくなってしまった。だいたい僕はフレンチプレスで作っていたんだけど、これだとタンブラーに十分入るほど量が作れない。

うーん、どうしようかなぁと思ってAmazon見てたらいまコーヒーメーカーって安いのね。


なんとこれで1600円。安い!

(Amazonのリンクはこちら→Melitta コーヒーメーカー 【2-5杯】Melitta ステップス ブラック MKM-533/B

朝起きてまずコーヒーをセットし、歯を磨き終えたら、ポコポコという音がして、コーヒーの香りがして来る、というのは結構幸せなことですね。

豆は最初はスタバで買っていたけど、ネットでまとめ買いしてもそんなに変わらんだろうと思ってネットで買ってる。今回買ったのがほんと美味しくてさあ。エチオピアのモカかな、よくわからないけど。

「コーヒーなんて色が黒けりゃいいよ、どうせ味なんて変わらないし」と思ってたんだけど、やっぱりいろいろ味は違うもんですね、失礼しました。

ポートランド旅行記その5「サスクワッチについて」

2015-04-20 11:01:52 | 日記
ところで、サスクワッチの話。

サスクワッチというのはビッグフットとも言われるUMA(未確認動物)、つまり怪物の一種です。日本で言えばツチノコだとかそういうのと一緒。

一番有名な映像はこの振り向くビッグフット。

(これは後に捏造だと判明したらしいけどね)

僕、こういうの大好きなんですよね~。ロマンがあるじゃないですか。「サスクワッチはいる!」と言うのも「サスクワッチなんかいるわけないじゃん!」と言うのもどちらもつまらない。こういのはその中間で楽しむのが一番いい立ち位置だと思うんですよね。これは「半信半疑」という物の見方でプチ鹿島氏が提唱されている概念。半信半疑についてはまた別途。

それに、こういうのは民俗学という分野で僕は勝手に自分を「在野の民俗学者」と思っているしね。

ポートランドでは「Sasquatch」(サスクワッチと発音する)と言われていて、至るところにそれをモデルというかジョークにしたTシャツやステッカーが見受けられる。

僕はポートランドがサスクワッチの街だなんて全然知らなくて、「なんでポートランドでサスクワッチなんだろう?」と思ってた。調べてみたら、オレゴン州、ワシントン州では目撃例が多いみたいです。

ポートランドのお土産物屋さんではサスクワッチをプリントしたTシャツやステッカーがたくさんある。

一番よく見かけたのはこのステッカー。(ネットより)

道路の警戒標識なんかにある「Watch out!」(ウォッチ・アウト=前方注意)と引っ掛けて「Squatch out!」(スクワッチ・アウト)と書いてある。つまり意訳すれば「サスクワッチ出没注意!」くらいの感じですかね。

こんなTシャツもあった。(ネットより)

 「オレゴンは恋人たちの街」というロマンティックなフレーズと、バラ、サスクワッチ、自転車というポートランド3点セット。(ポートランドはバラの街としても、自転車の街としても有名)

他にも「I PRO SASQUATCH, SO I VOTE.」(俺はサスクワッチを支持する、だから投票する)とかもあって「あんたらもうサスクワッチならなんでもいいのね(笑)」という感じ。

こういうの全部ガバーッと買ってきたかったけどねえ、、さすがに自分でも「何に使うんだ?」と思ってしまって思いきれなかったです。


それからポートランドからビーチに向かう途中のドライブインにもサスクワッチの像が立ってた。

真似して写真撮ってたら通行人にウケてた。「He is my brother.」と言ったら更にウケてた。


こんな話をしていたら、「サスクワッチ・ブリュワリーというのがあるよ」と言われたので、そりゃもう行くよね。この話は前もしたけど。

ポートランド中心街からバスで20分ちょい。20分ちょいなんだけどだいぶ郊外に出る感じ。改めてポートランドの中心街はそんなに大きく無いんだな、と感じる。

サスクワッチ・ブリュワリーはこじんまりとした醸造所で非常に感じが良い。店員さんも目がキラキラとしたおきれいな方でしたよ。もちろんビールもうまかった。気に入ったのでここではグラスとTシャツをおみやげに買ってきた。



ポートランドに行かれる方でサスクワッチがお好きな方は(どれだけいるのかが疑問だけど)ぜひサスクワッチ探しを楽しんでください。

※ちなみにシアトルでもサスクワッチをよく見かけます。



シアトル・バンクーバー旅行記:三日目後編

2015-04-15 10:53:43 | 
バンクーバーを出てシアトルに戻る。

どこをどう通ってもまぁそんなに心踊る道のりではないんだけど、それでも昨日とは違った道を通りたくて少し遠回りしてみる。これが失敗。途中の橋がひとつ通行止めになっていて、結局、元の道に戻らなくてはいけなくなった。

まぁ、そのおかげで立派な橋を見られたし、ちょっとしたアンティーク屋(うそ、いわばバッタ屋)を見つけて中古のかわいいカップ&ソーサーを2ドルくらいで買えたらいいけどさ。。

また、偶然、ハードロックカジノ・バンクーバーというのを見つけた。

生まれて初めてのカジノだったので入ってみる。これはハードロックカフェが運営しているカジノで最近出来たらしい。ハードロックカフェ運営らしく中にはロック関係の展示物が多々ある。

ジミヘンの衣装。


フォール・アウト・ボーイ(僕、好きなんです)のベース。


ここでギター好きのハトコへのおみやげを買う。店員さんに「日本へのおみやげなんだ」というとハードロックカジノバンクーバーのロゴの入ったペンをいただけた。嬉しい♫

と言いつつ延々と道を戻る。

途中、渋滞にはまってうんざりする。

カナダ国境は難なく通過。NexusLaneにはもう引っかからないからね。

ここからのシアトルまでが本当に大変だったなぁ。渋滞にはまったおかげで日が暮れかかってくるし雨も降ってきた。ハイウェイは日本ほどピカピカと街灯があるわけではないのでなかなか後続車が見えない。

しかも道もよくわからない。ナビはあるんだけどアテにならない、iPhoneのGoogleMapもアテにならない。5号線をずっと下って90号線を東に行けばいいはずなんだけど、何度も間違える。アメリカのハイウェイは「ここ出口」というのを見てからだともう遅くてその前に右車線にいないと間に合わなかったりする。

「ああ、ダメだった、次で降りて戻ろう」と思うと違うのに乗ってしまったりして。ほんとに5号線から90号線を1時間くらいやってた。

日も暮れてくるし、雨も降ってるし。

90号線を曲がれてモーテルまで向かう道の間は「とにかく熱い風呂とビールだ」としか考えていなかった。考えてみるとアメリカに来てから一度もお風呂に入ってない、いつもシャワー。日本を離れて「日本食が恋しいなぁ」と思ったことは無いけど「熱いお風呂に入りたいなぁ」とは度々思っていた。

「ああ、俺はもう一生この5号線と90号線の間から出られないんじゃないだろうか、、」と思った頃、なんとかモーテルに到着。熱いビールを浴びて冷えた風呂、じゃない、熱い風呂を浴びて冷えたビールになんとかありついた。


(続く)

シアトル・バンクーバー旅行記:三日目前編

2015-04-14 09:41:29 | 日記
生まれて初めてカナダに入り、運転でクタクタだったのでビールを何杯か飲んだらコテッと寝てしまった。なもので朝5時に目が覚めた。(旅行中、時差ボケもあったかも知れないけど毎朝早く目が覚めた)

夜明け前のバンクーバーの街を散歩がてらぷらぷら歩く。

バンクーバーにはギャスタウンという古くからの街区があるらしく、そこまで宿から徒歩で15分程度。

石畳の街ってのはそれだけで見栄えがいい。


レンガ作りの建物はミラノを思い出せますね、いや行ったことないけど。


この銅像の人が"ギャシー"・ジャック・デイトンさん。この人がこの辺りに酒場を開いたこと街としてのバンクーバーの発祥らしい。ちなみに「Gassy」は「騒がしい」という意味のアダ名。アダ名が街の名前になっちゃうというものすごい話だ。


それからギャスタウン名物の蒸気時計。

てくてく町並みを見ながら思ったんだけど、バンクーバーの街というのはなんでだが全部が可愛い。


信号機もなんだか違う。




ドライクリーニング屋さんの看板も可愛いし、工事中の養生シートすら可愛い。




お土産物屋さんに並んでる小物ももちろん可愛いしね。

なんだか歩いてて「かわいーかわいー」と思って写真ばっかり撮っていた。

ちなみに、というかとても大事なことだけど、バンクーバーを歩いていて「女性がとてもお綺麗だなぁ」と感じた。もちろんポートランドもシアトルもお綺麗な女性は多いんだけど、アメリカの女性は傾向的に非常にナチュラルな人が多いと思った。化粧もそんなにせず、トレーナーとジーンズ、みたいなね。一方でカナダの女性はバシッと化粧してお洒落して、という人が多いような印象を受けた。あくまで個人的な印象ね。

バンクーバー、良い街でしたよ。

一方で、よく言われていることだけどギャスタウンの外れのほうはの治安は良くない。ストリートに住んでらっしゃるような方々がよく見受けられるエリアがあった。別に何か具体的な被害があったというわけではないし、よっぽど金ピカの格好してなければ特に問題ないとは思う。だからそんなに過敏になる必要はないと思うけどね。僕もそんなに小綺麗な格好ではなかったから意外と馴染んでたんじゃないかと思う。
ボランティアの方が道端でホットドッグを無料で配ってて、当然、僕にも差し出された(笑) 小奇麗な格好していないからね。

とにかくバンクーバーは良い街だった。今回は残念ながら1泊しか出来なかったけど、もう少し泊まりたかったなぁ。。
名所のスタンレーパークが雨だったのが心残り。

で、シアトルに宿を取っているので一路、シアトルに向かう。この道程が大変でねぇ。。

(続く)

シアトル・バンクーバー旅行記:二日目編

2015-04-10 10:11:54 | 日記
シアトルで一日過ごしたあと、カナダのバンクーバーに向かった。ちなみにシアトルはワシントン州で、近くにはワシントン州バンクーバーというところもある。(アメリカは同じ名前の市が多い) だからシアトルで「明日、バンクーバーに行ってまた明後日シアトルに戻ってくるよ」と言っても地元の人から「ふーん」と言われることが多々あった。「カナダの、ブリティッシュコロンビア州のバンクーバーに行く」というと「へぇ!それは長旅だねぇ」となる。

カナダまではレンタカーを借りる。日本からネットで格安のレンタカーを借りていて、3日で70ドルくらいだったので「やっぱり安いなぁ」と思っていたら、結局保険だなんだで210ドルになってしまった。あとで知ったけどアメリカのレンタカーは基本料金が安くてもろもろオプションで高い、という形式らしい。人によっては、仕事でよく運転する人なんかは自分で自動車保険にきっちり入っていて、「その人が運転する車なら全部保険でカバー」という形とかがあるみたい。だからそういう人ならレンタカーは基本料金だけで借りられるわけでめちゃくちゃお得。

まぁ、僕の3日で210ドルというのも日本で借りたらこれくらいになるし、ガソリン代込の値段だからまぁいいか。

アメリカで一人で車運転するよ、という話をしたら「え!?国際免許持ってるんですか!?」と驚かれる。持ってるよ、と答えると「すごいですね~」と言われる。ご存じない方もいらっしゃるようなので言っておきますが、日本の国際免許(だいたいの国で運転できる)はめちゃくちゃ簡単に取れます!
運転免許試験場に行って、何か申請書を書けば10分とかからずもらえます。必要なのは顔写真と手数料だけ。たぶん2000円くらいだったんじゃないかな。試験だの実技だのは何もいらない。

「左ハンドルでの運転は大変じゃなかった?」と聞かれるけどそりゃ確かに最初はちょっと違和感があったけど、慣れてしまえばそんなに大変でもない。特に他の車がいる場合にはその車についていけばいいだけだから。むしろ、誰も車がいない道や、大きなショッピングモールの駐車場なんかは「あれ?右だっけ?左だっけ?」と戸惑った。

運転はとにかく空気を読みさえすれば日本もアメリカもそんなに変わりない。空気読むことに関してはなんと言っても日本人ですからね、おかませください。

シアトルからバンクーバーまで直接ではなく、途中、スノコルミーというところに寄っていった。何があるかって?

ドラマ「ツイン・ピークス」のロケ地ですよ!

いやぁ、高校の頃、ハマったなぁ。まさか自分がこの街に来られるなんて思ってもいなかった。感無量です。

ドラマで「ダブルRダイナー」として使われていたダイナーでドラマでも出ていたチェリーパイとコーヒーを頂く。

もちろん名所スノコルミーの滝も見る。


その後、一路、バンクーバーへ。

よく「アメリカのハイウェイは景色が変わらないので運転していてもつまらない」ということを聞く。僕は「とは言ってもそれなりに楽しいんじゃないの?」と思っていた。

だけど、実際運転してみてその気持はよく分かる。

そりゃ確かに多少は景色は変わる。でもそれって次の出口の看板に書かれているのがスタバだったのが今回はマックになって、次はタコベルになった、くらいの違いしかない。確実に一人では退屈だった。列車かバスで移動すれば寝られるんだけどねぇ。。今回はなにせスノコルミーまで行きたかったのでこれは車で行くしかなかった。

国境に高速道路の料金所のようなところがあって、そこで入国審査を受けるんだけど、1レーンだけめちゃくちゃ空いてた。ラッキーと思ってそこに入っていこうとしたら「Nexus Lane」と書いてある。あのですね、奥様、Nexusって英単語ご存じですか? 僕は申し訳ないけど知らなかった。運転しているもので携帯でパッと調べるわけにも行かない。係員から「Nexus Cardを見せろ」と言われる。ごめんなさい、知りませんと言っていると「とりあえず事務所に来い」とのこと。

あとで調べて見るとNexus Cardというのはカナダ国籍の人が申請するともらえるカードだそうで、それがあるとパッと入国できるものらしい。いやぁ、知りませんでした。

普通はなかなか入れない入国事務所に入れたのでまぁいいや。とりあえず「銃も武器も持ってない、単なる観光、1日だけ」と伝えてパスポートになんとかスタンプを押してもらえる。

やっとカナダに入って駐車場の係員さんに「I'm in Canada now.(やっとカナダに入れたよ)」とボヤくと「Welcome to Canada!」と笑ってくれた。カナダ人はとても気さく。ビジターセンター(観光案内所みたいなもの)は5時で閉館していた。

ちなみにアメリカ英語でセンターは「Center」ですがカナダでは「Centre」なのね。イギリス英語なのかな? トイレもアメリカでは「Restroom」だけどカナダで「Restroomどこ?」って聞くと一瞬怪訝な顔をされたあとに「ああ、Washroomね、それならあっち」と言われた。でも辞書を引くと「Washroomは主にアメリカで用いられる」って書いてあるのでよくわからないね。

そうそう、それからアメリカではマイル表示だったのがカナダではキロ表示になった。国境を超える前までは「バンクーバーまで50」と書かれていたのが国境を超えたら「バンクーバーまで80」となって「なんで増えるの?」と混乱したけど、これは50マイル=80キロってことだね。

とにかくまぁ、国境から1時間ほど走りバンクーバーに入る。郊外には可愛い家がたくさんありちょうど桜も咲いていた。

いい時期に来たものだ。

町中のポストもかわいい。


(続く)

シアトル・バンクーバー旅行記:一日目編

2015-04-09 09:41:48 | 日記
ポートランド旅行中、ちょっとシアトルとバンクーバーにも行ってきた。その話。

地図で見るとこんな感じ。


近そうに見えて、ポートランド→シアトルは270キロ、シアトル→バンクーバーも220キロ。東京から静岡がだいたい200キロなんでそこよりちょい遠いくらい。

ポートランド→シアトルは高速バスで行った。有名なアムトラックではなく新興っぽいボルトバスというもの。すごく安かったよ、えーっと片道17ドルくらいだった記憶が。2000円くらいで東京から静岡いけちゃうならなんの文句はない。

まず初日はシアトルをぶらぶら観光。
バスがついたところがちょうどシアトルマリナーズの本拠地セーフィコ・フィールドとセンチュリーリンクパーク(NFLシーホークスとMLSサウンダーズの本拠地)。



セーフィコフィールドの壁にはイチローの安打記録を記念して写真が貼ってある。


シアトル美術館のモニュメント「ハンマリング・マン」、ハンマーを振り下ろしている。


そして有名なパイクプレイスマーケット。



中央にある魚屋さんは「空飛ぶ魚屋さん」として有名。賑やかに楽しく魚を売っている。


ちょっと歩くとスターバックス一号店がある。(中央向かいに大きなスタバがあるけど、それは一号店じゃないそう) 

一号店は茶色主体の落ち着いた雰囲気。ロゴも当時のままのものを使っている。市場近くにあるだけあって、朝早くからやっていて便利だった。僕はこの旅行中、時差ボケもあるのかもしれないけど朝5時位に起きてたからね。

タンブラーやマグカップもここでしか売っていない1号店デザインのものがある。僕は取っ手のついたタンブラーをひとつ自分用に買ってきた。

市場の脇道を入って行くとよくわからないけどカラフルな壁の通路がある。

「このカラフルなのはなんだろうな?」と思ったらチューイングガムでした。つまりね、この壁にみんなが噛み終えたチューイングガムをくっつけてるみたい。触らないで良かったよ(笑)

それからシアトルのスペースニードルタワー。

トップからはシアトルが一望できる。

ちなみにこの写真の真ん中にうっすら見えるのがマウントレーニア。

いいな、と思ったのはセルフィーシステムがあって、チケットのバーコードをかざすと自動で写真を撮ってくれる機械がある。

僕みたいな一人旅には助かるね。しかも普通だとなかなか撮れない高い位置から撮ってくれるし。撮った写真はタワー内にある機械から自分のメールに送ることが可能。(各種SNSにそのままアップも出来たはず)
本当はここと同じ敷地にあるEMP博物館というロック関係の博物館でスターウォーズ展を見たかったんだけど、タワーを楽しみすぎて閉館5分前。これはまた後日来ることにして、とりえずビール。




マック&ジャックというシアトルの地ビールと、マック&チーズボール(マカロニとチーズを揚げたもの、に更にチーズをふりかけてある)。

カロリー?ありましたねぇ、そんな言葉も。。

(続く)

ポートランド旅行記その4「ポートランドスポーツ事情」

2015-04-08 10:57:34 | スポーツ
アメリカといえばスポーツも外せない。

ポートランドで有名なスポーツチームと言えばまずNBAのトレイルブレイザーズ。このチームはたぶん何度かプレイオフでいいところまで行っているはずで昔はクライド・ドレクスラーというジョーダン時代のいい選手がいたのでとても有名。

それからMLSのティンバーズ。そしてアイスホッケーWHLのウィンターホークス。

アメリカで4大スポーツと言えばNFL(アメフト)、MLB(野球)、NBA(バスケ)、NHL(ホッケー)だけど、ポートランドにはこの中ではNBAしかない。ウィンターホークスはいわばNHLの下部組織に所属している。なのでやっぱりトレイルブレイザーズの人気が高い。

今回、まず観に行ったのはウィンターホークス。

本拠地はトレイルブレイザーズと共有しており立派な会場。
(ところで、この会場はアイスホッケーをやった数日後にバスケも開催されていて、リンクとコートをどうしているのか最後までわからないままだった。アイスリンクの上にコートを張っているのかな?でもだとしたら寒いよねぇ。。一回一回リンクを溶かしていたら大変だろうし、、)

アイスホッケーは日本ではなかなか人気が出ないけど、僕は常々、「生で観たらこんな面白いスポーツは無い」と思っていた。なにせスケート靴履いているので他の球技とはスピード感がまるで違う。

ウィンターホークスを観るのは初めてだったけど7-1というビッグゲームで快勝。たとえ2部のチームでも立派な会場を使い、結構な人が入っているというのはやはりアメリカのスポーツの底辺の広さを感じる。

次にトレイルブレイザーズも見に行った。

こちらはさすがNBAだけあって会場は満員。NBAはかなり商業的になっていて1秒たりとも暇な時間が無い。常にスポンサーの広告が入るし何かしらアトラクションが行われている。タイムアウトの時間には観客をコートに上げてシュート合戦させたり。スポーツというかいわばショウですね、こうなると。センターのロビン・ロペスという選手が良かったです。この選手が入るとチーム全体の動きが変わる。ゴール下にこのデカイ選手が入るだけでリバウンドが取りやすいしポストにもなる。相手にきちっとスクリーンをかけていた。

さて、今回特に面白かったのはなんと言ってもティンバーズ。これはMLS(メジャーリーグサッカー)というアメリカのプロサッカーリーグに所属している。MLSはたぶんアメリカワールドカップの年に設立されたからもう20年の歴史があるんじゃないかと思う。アメリカがサッカー後進国と呼ばれたのは昔の話で今ではずいぶん強くなっている。(こないだのワールドカップでもいい戦いをしましたしね) なにせ人口が多いし層が厚いので人気さえあればそりゃ強くなるよなぁ。

その中でポートランド・ティンバーズは設立が1975年、MLSに入って5年というチーム。プロチームがブレイザーズしか無いからか、ティンバーズもずいぶん人気がある。試合の日ともなれば町中にティンバーズグッズを身につけた人があふれる。

今回は友人の友人のご厚意でシーズンチケットの席を確保していただきゴール裏で観ることができた。どこのスタジアムでもゴール裏は熱狂的なサポーターの定位置。


ウィンターホークスの試合も、ブレイザーズの試合ももちろん良かった。でも今回、ベストだったのはなんと言ってもティンバーズ。ホッケーやバスケはやっぱりちょっとお上品というかショウを見ている感じなんだけど、ティンバーズはもう「俺のチーム!」という感じがとてもあった。サポーターは熱狂的。サッカーってどちらかといえば万国共通、労働者階級のスポーツなのでその熱さってのが僕にはちょうどいい。飛び交う言葉も決して上品とはいえない。Fu*k!だとか商売的女性の息子!的な言葉が飛び交っている。熱狂的に「応援しているなぁ」という感じがする。

ティンバーズには昔、日本の鈴木隆行がいた。彼の活躍でティンバーズがMLSの昇格できたこともあり、僕が日本人だと言うとみな「タカユキ・スズキを知っているか?いい選手だった」と言ってくれる。僕は「もちろん!彼は僕の故郷のチームにいたんだよ」と言うとみな本当に喜んでくれる。更にはみな何かくれる。バッヂだのワッペンだの。本当に嬉しいことだ。ティンバーズのチャント(応援歌)の中にはアントラーズのものをコピーしたものもあり、これまたとても嬉しい。こんなに遠く離れたところで多くの人達が僕の故郷を知っていてくれるなんて本当に涙が出るくらいに嬉しかった。

NBAはいうなればバスケと言うよりも「NBA」なんだけど、MLSは紛れもなく「サッカー」だった。バスケとホッケーを観ていて僕は「観光で観戦しに来ました」という感じて、もちろんそれはそれで悪くない。でもティンバーズのゲームはすぐに「俺のチーム、俺のスタジアム!」と思えた。サポーターの暖かさがまるで違う。

ティンバーズの「Timber」は材木のこと。それにあやかってホームゲームでは選手がゴールするとフィールドで材木をチェーンソーで切るパフォーマンスがある。これまた無骨でいいですね。試合終了後、選手はサポーター側に挨拶に来て、ゴールを決めた選手はここで切った材木を掲げる。こういうのはいいねぇ。

それからティンバーズのマスコットというか目印は斧。サポーターが斧を持った写真がたくさんあっていちいちカッコイイ。

子供ががおーとかやっているのも微笑ましいけど、女性が無表情で斧を持っているのも強そうでいい。

この写真シリーズはチームが撮影場所とカメラマンを用意してサポーターの写真を撮ってパンフなんかに使っているみたい。街でも大きなポスターになって貼られている。


ちなみにティンバーズの合言葉のひとつは「No Pity(容赦無し)」。フットボールクラブ・ポートランドティンバーズを略して「FC PT」、その「PT」と音が似てる「Pity」をもじっている。試合中もサポーターが「FC PT! No Pity!」と歌っていた。

今回の試合はティンバーズが先制し、その後追いつかれ、そこを後半90分に勝ち越し、よっしゃーと思ったらその2分後に同点でゲームセット、というもうなんつうかすごい試合でした。しかしながら相手はLAギャラクシーという強豪チームだったのでまぁ勝ち点1をとれただけでも上出来なんじゃないかと思う。

もうとにかくね、ティンバーズはいちおしです。まだまだ比較的新しいチームだからそんなに強くは無いんだけど、大丈夫、サポーターが熱いチームはどの国でも強くなりますよ。


ティンバーズサポーターは「Timbers Army」という名前らしくて、そのホームページに書いてある言葉がグッと来る。

「if you want to be Timbers Army then you already are…」
(もしあなたがティンバーズアーミーになりたいと思うなら、もうあなたはすでにティンバーズアーミーなのだ、、)

泣かせるねぇ、やっぱりサッカーは世界どこでもこうでなくっちゃ。

ポートランド旅行記その3「ポートランドビール事情」

2015-04-01 09:53:52 | 食べ物
ポートランドと切っても切り離せないのがビール。というか僕の旅行ではどこに行こうと切っても切り離せない。

ポートランドには50以上のブリュワリー、つまり醸造所があってビール造りがとても盛ん。醸造所はだいたいバーやレストランを併設しておりそこでビールが飲める。

覚えている限りで僕が行ったのは5、6軒。

そういうブリュワリーはだいたい「サンプラー」というセットがあって、いろんなビールをちょっとずつ飲める。

だいたい1杯1oz、つまり30ccくらい。グイッと飲めば一口、くいくい飲めば三口。これで味を確かめて気に入ったのを1パイント、つまり約500ccで頼むというのがいいんだろう。でもねぇ、サンプラーだけで結構酔っ払っちゃうし飲んでる内に何が美味かったか分からなくなっちゃうんだよねぇ。
サンプラーのパターンは「その醸造所のメインどころのビールを6杯」というのが基本の形だけど、醸造所によって「好きなもの何杯でも(ただしもちろんお金は取られる)」とか、「好きなの9杯」とか「決まったの5杯に季節のオススメ1杯」とかバリエーションがある。



ここはなんでも好きなの6杯書いて、というパターン。

どのブリュワリーでもサンプラーを飲んでると少なくともひとつは「おお!これは!」と思える味がある。「ビールってこんなに味が違うのね」と改めて思う。そりゃもちろん僕だって普通のビール(つまりピルスナー)と黒ビール(つまりスタウト)の違いくらいは分かる。でも同じ種類でも醸造所によってまったく違う。たまに「え!?なんだこの香りの良さは!?」とか思う時が多々あった。それは時に喉ごしの良さだったり後味の良さだったりしたわけだけど。

とにかくサンプラーで言えばどこで飲んでも少なくともひとつは「おお旨い!こりゃなんだ!?」と思うものがあった。ビール好きならポートランドのブリュワリーに行ってサンプラーを頼めば絶対にがっかりすることは無いと僕は断言できる。

滞在中、一番気に入ったのは「Widmer Brothers」、ウィドミアというところ。

これは地ビールとはいえだいぶ大きな会社らしくて、様々なイベントのスポンサーになっていたり、色んなバーでここのビールが飲める。たとえば、滞在中、シャムロックランというロードレースに出たんだけど、この大会のスポンサーがウィドミアであり、走った後にはもちろんスポンサーであるウィドミアのビールを振舞ってくれた。


とにかくここの「インディアン・ペール・エール」略してIPAと言う種類と「ハーフバイゼン」というのが美味しかった。IPAは日本の普通のビールより少し重みがあって、香りがいい。ハーフバイゼンはそれより少し軽くて更に香りがいい。ハーフバイゼンはレモンをかざして飲むのが一般的らしいけど、僕はこのビールそのものの味が好きなのであまりやらなかった。

そういえば、ポートランドでいろいろ飲んで、僕はビールに色んな味がついてるのが好みではないな、と分かった。とにかく色んな味のビールがあるもんで、ブルベリーやエスプレッソ、中には唐辛子のフレーバーがついてるビールなんかもある。それ自体はまったく否定しないしそういうのが好きな人がいるのもよくわかる。でも、僕はそういうのは美味しく頂いたけど次も頼むかと言うと疑問だなぁと思っていた。

とにかく僕が好きなのは余計な香りがせず、小麦やホップの香りが良くて飲みやすくて、喉を過ぎた後にほのかにその香りが残るもの。「そんな贅沢なビールなんかねぇよ!」と思うでしょう?でもね、ポートランドの醸造所で飲んでるとけっこうあるんですよ。

醸造所はどれも素晴らしかったけど、僕はとにかくウィドミアが良かった。とにかくここのビールは間違いなく美味いと思った。

醸造所併設のバーも少しこじんまりとしていて趣があって、ドイツ、ハンブルグあたりを思い出す。(いや、行ったことないけど)

「土地の酒はその土地に馴染めば馴染むほど美味い」と村上春樹が書いてたけどほんとにその通りだと思う。夕方の明るい内に、ポートランドはいわゆるサマータイムだったので夕方6時でも十分明るいんだけど、バーに入ってウィドミアIPAをグイっとやると「これだぜ!」という感じがする。スーパーでここのビールが瓶で売っているので自宅でも飲める。

それから僕が行ったのは、

・デシューツ

これは街の中心部にあって随分人気らしい。ウィドミアが少し大きくなっている分、こちらのほうがこじんまりとした地元感があって、地元民には好まれているんじゃないかと思う。

・サスクワッチブリュワリー
 
僕が単にサスクワッチ(これについては後ほど述べる)が好きなので行ってみた。街からは少し離れているけど、こじんまりとしたバーで店員さんも感じが良い。ここはここでまたそれぞれ個性があるビールで美味い。

その他、何軒か行ったけど割愛。とにかくどの醸造所でも、サンプラーを頼んでいろいろ飲んでみれば「え!?」と驚くくらい香りや味が良いビールがひとつはあると思う。街中で歩ける範囲にたくさんのブリュワリーがあって、更に市内バスや路面電車を使うと少し遠いブリュワリーにも簡単にいける。ぷらっと入ったバーでサンプラーを飲み、気に入ったものを1パイント飲み、次のブリュワリーへ、なんてやっていると本当にビール好きにとっては最高の時間を送ることが出来る。

オレゴンはワインも有名だけど、どうしてもワイナリーめぐりというと車が必要になってしまって、「今日はぷらっと回ってみるか」なんていう手軽な感じにはならない。いつかゆっくりオレゴンワイナリーめぐりなんてしてみたいものだけどね。

余談だけど、シアトルで一番美味しかったのはマック&ジャックというもの。

これはシアトルのバーではだいたいどこでも飲める。

繰り返しになるけど、とにかくポートランドブリュワリー巡りはまずサンプラー。

なんて話していると、ウィドミアIPAが飲みたくなってくるなぁ。。