漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

ハローサマー、グッドバイ

2008年08月09日 | 読書録

「ハローサマー、グッドバイ」 マイクル・コーニイ著 山岸真訳
河出文庫 河出書房新社刊

を読む。

 旅行中に読もうと思って持っていった本だが、結局読まなくて、帰ってきてから読んだ。
 かつてサンリオSF文庫から出ていた作品の、新訳である。一部に熱狂的なファンがいるということは知っていたが、持っていなかったため、今回が初読。期待にたがわぬ上質なジュヴナイルで、同じように甘酸っぱいファンタジーSFであるハインラインの「夏への扉」がもはや古く感じる現在でも、この小説は十分に楽しめる。殊に、中高生には、ぜひお勧めしたい。
 「夏」をタイトルに冠したSF作品には、この作品や「夏への扉」をはじめ、菊池秀行の「インベーダー・サマー」やジョン・クロウリーの「エンジン・サマー」など、挙げれば色々とあるが、どれも独特の郷愁を持った、ジュブナイルの名品が多い気もする。