いよいよ一週間前、ということで、フルトンvs井上戦の予告動画(というか、なんて言えば良いんですかね?)が、渋谷スクランブル交差点のモニタに流れたんだそうです。
なんか、地元の座間駅でも同様だそうですが(笑)。
TV放送がないぶん、TVでの取り扱いは限定的かもしれませんが、ある意味それよりも大々的、と言えましょう。
渋谷スクランブル交差点ビジョンがジャックされた
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) July 17, 2023
決戦まで残り僅か pic.twitter.com/qAfEsS5O8Z
今回は久々に挑戦者ということで、それを意識したフレーズが用意されていますね。
内容はどうあれ、基本、井上有利と見られている試合でもあるんですが、敢えてそれに反した取り上げ方、でもありましょう。
先日書いたプレビューでは触れませんでしたが、米国におけるフルトン有利を唱える一部の声は、主にフィラデルフィア勢から上がっている、というだけでなく、やはり近年のボクシング界におけるエリート層、アフロ・アメリカン勢の軽量級代表である、というところが大きいのだろう、と感じます。
世界タイトルマッチにおける、日本勢との闘いで言えば、思い浮かぶ限りですが、デビー・ムーアvs高山一夫が最初なんでしょうか。エディ・パーキンスvs髙橋美徳がそれに続くのだと思います。フレディ・リトルvs南久雄も。
もちろん善戦もあれば完敗もありますが、いずれも、総じて力の差を見せられた、という内容だったと言えるでしょう。無冠戦ですが、サンディ・サドラーvs金子繁治も、その括りかもしれません。
全部振り返っていると切りがないですが、軽量級で言えば、やはり最大の星は、当時のアメリカ軽量級を代表するトップアマからプロ入りした技巧派、グレグ・リチャードソンを僅か8戦目で攻略した破天荒なヒーロー、辰吉丈一郎による殊勲の勝利ですね。
その前の世代では、殿堂入り王者ジェフ・チャンドラーに三度挑んで、初戦惜しくも引き分けの後連敗した、村田英次郎の奮闘がありました。
しかし、軽量級中心だからとはいえ、こうした組み合わせは、そんなに多くはないですね。スティーブ・ジョンストンvs坂本博之や、竹原慎二vsウィリアム・ジョッピーくらいですか。
あちらから見て、重いクラスの試合に、そんなに出て来ない日本人ボクサーの印象は、やはり薄いものなのでしょう。
とはいえ、林壮一氏による、毎度お馴染みティム・ウィザースプーンのインタビューでは、井上尚弥の試合をつぶさに見ている人ほど、同郷のフルトンを推したいものの...という感じですね。
ESPNの解説者ティモシー・ブラドリーや、対戦経験のあるジェイソン・マロニーに至っては、井上はレベルが違う、と断言していますね。
で、先日書いたように、フルトンと井上が闘って、要はチャンドラーvs村田の二戦目のような試合になるか、それともリチャードソンvs辰吉のようになるか、というところですが、やはり予想としては後者であろう、と思います。
徐々にボディ攻撃か、或いは左の差し合いで真っ向から切り崩していくか。だとしたら凄いことですが。
もちろんアーリーKOも期待しますが、そういうのとは違う盛り上がりになるのもまた良し、です。
いよいよ近づいてきました。連日の猛暑ですが、両者ともに最終調整、しっかり仕上げてくることでしょう。楽しみですね。