さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

再起戦で戴冠 U-NEXTダイナミック4回目、今回の主役は飯村樹輝弥

2023-07-03 00:28:33 | 関東ボクシング



土曜日のダイナミックグローブ、U-NEXTお引っ越し後、4回目のライブ配信でした。
簡単に感想。



メインの中川健太、白石聖戦は、中川が余裕の試合運びで、多彩な左を打ち分け、右フック返しやボディ攻撃も決めて、少なめの手数、抑え気味の闘いながら、クリアな勝利。
採点はほぼフルマークか、よほど辛くつけても10対2までと思っていたら、ちょっと驚きの数字が三つ並びましたが。


白石は韓国でのアンソニー・オラスクアガ戦が流れ(実況が「敵地での一戦」と言っていましたが、中立国です)、その代わりにというと違うのかもですが、セットされたタイトルマッチでした。
しかし内容的には、しっかり見られ、当てられ、クリンチでも中川の体幹の強さに翻弄され、苦しい展開に終始しました。



セミはU-NEXT移行最初のダイナミックグローブで戴冠した、地味ながら粘りと技巧が光るサウスポー、永田丈晶の初防衛戦。
相手がエスネス・ドミンゴにKO負けして以来、試合をしておらず、これが再起戦となる飯村樹輝弥とあって、予想以前にどうなんだろうか、と思うマッチメイクでしたが、捲土重来を期す飯村が、気合い充分の闘いぶり。

飯村が右ストレートをリードに、リターンに、カウンターにと惜しみなく使い、ボディアッパーから連打攻撃に持ち込みたい永田に対抗。
拮抗した展開が続いたものの、ラウンド毎のポイントを多く拾ったのは飯村の方、という印象。
採点は僅差でしたが、飯村の勝利は納得いくものでした。

両者共に、相手のペースに負けず対抗する、というところに主眼があって、緩急の妙や切れ味の鋭さは期待出来ない、おそらくKOはないだろう、と最初からわかってしまった試合で、そこはちょっと物足りないところでしたが、両者果敢に、懸命に打ち合う好ファイトでありました。



アンダーでは豊嶋亮太が再起戦に5回KO勝ち。相手の力からして、順当なところ。
勝った豊嶋がリングを降りたその直後に、あの佐々木尽がリングに登場し、来週土曜日の試合についてアピールする、というのは、何とも言えない気持ちにもなりましたが。


4回戦では、ミドル級新人王戦が行われ、赤井英五郎が登場。
これが3度目の新人王挑戦。鈴木輝に初回TKO勝ち。
早々に打ちかかってロープに詰め、コンビネーションではなくラッシュを仕掛けて、上へのヒットは不正確ながら、左ボディがマトモに入って、ロープを背負ったままの鈴木が反撃の手を出せなくなり、ストップ、という流れでした。

正直、いくら新人王戦とはいえ、ボクシングになってない、という感じがしますが、とにかく勝ったので、次は「格さん」役で知られる伊吹吾郎さんの孫、伊吹遼平と対戦、ということで話題になっておりますね。


こちらは試合当日、父君のご様子。






上カツ丼の御利益あり、でしたかね(笑)。




さて、U-NEXTですが、ダイナミックグローブのみならず、トレジャーボクシング興行に加え、来週は八王子の試合もやってくれるなど、ボクシングファンとしては有り難いところです。
聞けば帝拳が窓口、という従来の体制から、横浜光がかなりの部分を担う体制になっているのだそうで、なるほどカードや出場選手の間口が広がっているように見えるのも、その「カラー」の現れ、ということかもしれません。
この辺、帝拳も、というか本田会長も、いつまでも自分が中心ではなく、世代交代を考えているのかもしれませんね。
もちろん世界的なビッグカードとなれば、話は別なのでしょうが。


今のところ、他の配信に比べてカードは弱めですが、いずれこれらの試合の中を勝ち上がってきた選手が、大を成す選手となる日が来るかもしれません。
TV時代の最後の方に、G+放送の試合を数多く闘った中谷潤人が、今や世界注目のチャンピオンになったように。


Who's Next の謳い文句でいけば、その可能性を掴んだ今回の主役は、飯村樹輝弥ということになりましょうか。
正直、ドミンゴ戦を見たときは、今後ちょっと苦しいかも、と思ってしまいましたが、一気の挽回、大逆転、という戴冠劇でした。今回は脱帽、です。



コメント (2)
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