そういうことで8回戦、3つめは武居由樹が登場。田中恒成との対戦では完敗したものの、強いところも見せていたロニー・バルドナドとの対戦。
井上尚弥の存在もあり、スーパーバンタムからバンタムに下げることも視野に入れての、54キロ契約の試合でした。
しかし、見た印象ではあまりよろしくない。
プレスかけて強打を見せ、バルドナドを下がらせてはみたが、そこから先に攻めの組み立てが無い。
上に強打を振ってミスし、上体がのめる、という具合で、バルドナドの右ストレートを好打される場面も。
2回までは、減量の悪影響か、と見えました。下にパンチ散らして目先を変え、自分のバランスも修正しないと、と思っていた3回早々、左ボディストレートかアッパーか、視認しにくいパンチが何しろ下に入って、それで試合が終わりました。
オールKOレコードをまた伸ばした武居ですが、バンタム級での展望については、正直、この試合では測りかねます。
キックボクサーの経験は充分、勝負度胸も武器(強打)もあり、しかし「ボクサー」としての精密さなどは、キャリアの浅さ故に、まだ高望みは出来ない...今後、那須川天心を通じても見えてくるかもしれない、歪な部分が、階級を下げることで露呈されなければ良いけど、という心配の方が、若干勝っています。
続いてセミセミ、日本ユースのライトフライ級タイトルマッチ、坂間叶夢vs堀川龍。
戦績で言えば7戦7勝6KOの坂間が良いが、闘ってきた相手の質、中身でいえば格上は堀川の方。
しかし痩身ながら長身、リーチに恵まれ、無駄のないジャブ、ストレートの攻撃に徹する坂間が主導権を握り、堀川の反撃もありつつ、徐々に抑え込み、捉えていく流れ。
最終回、左ダブル、トリプルのボディ攻撃などもあり、ダメージを蓄積した堀川を、坂間が捉えてTKO勝ちとなりました。
坂間は新人王の時から目を引く素質の持ち主でしたが、堀川龍から上げたこの勝利は、ホープとしての存在をアピールするに申し分の無い内容と結果でした。
井上岳志や竹迫司登など、重いクラスに強いワールドスポーツジムですが、軽量級でも良い選手が出てきましたね。
さて、ある程度覚悟していたこととはいえ、この前後から試合ごとにざっくりと休憩が入るようになります。
坂間、堀川戦が18時頃から始まったのでしたかね。この前もけっこうな時間が空いたように思いますが、それが終わって、さあ、なかなか次が始まらない。
世界タイトルだから色々ある、という範疇の話ではなく、要は最初からこのあたりと決めた時間設定があって、その通りにやっているだけ、なのでしょう。
だったら最初から、その時間(目安でいいので)を知らせてくれたらええようなものなんですが...。
結局7時半くらいになり、ロベイシー・ラミレスと清水聡の試合が始まりました。
この試合が5回で終わる。20時前後になっていたか。その後、リングアナがメインの時間について何か言ったのですが、音声が不明瞭で、何と言ったのか、聞き取れず。
そうこうするうちに、大型モニターに、見覚えのある映像が。
先日Leminoで配信があった、井上フルトン戦プレビュー番組が流れ始める。
時刻は20時10分過ぎ。あれ、この番組、正味28分くらいあるぞ、と。これ、今から全部流すわけ?
さすがに開いた口が塞がりませんでした。
で、結局たっぷり全部流れて、終わったら場内、やっとかー!ということで、拍手が沸き起こる。
しかしまだしばらく、何も始まらない。しばし経ち、やっとリングアナや関係者がリングに入り、セレモニー。
スティーブン・フルトンと井上尚弥が闘い始めたのは、結局21時くらいになっていました。
まあ、平日夜のライブ配信ですから、多くに見てもらおうと思ったら、20時台よりも21時台の方が良いんでしょう。
日本でも、昔日の世界戦は22時からゴングだった例もあると聞きます。
海外ならもっと遅い時間に始めるのはざらですし。
しかし、それも交通の便が良かったり、それまでの時間潰しが出来たり、余裕のある快適な空間があるからこその話です。
交通の便が良いとはお世辞にも言えない会場で、狭くて暗い座席に長時間。
我々は安い席だからまだ仕方ないと言えば言える。
しかしリングサイド22万円の席も、別に両側に肘掛けがあるでもない、大して変わらん椅子に座っている。
誰ぞ怒り出す人おったりせんのやろうか、と。昔なら逆に、その筋の怖い人を怒らせたらいかん、早うせな、てなものだったんでしょうが...。
本当に、観客軽視もここに極まれり、というしかありません。
「そんなに配信の方が大事なら、後楽園ホールでやってそれを流せば良い」と友人が憤っていましたが、そんなわけいかんとわかっていても、言いたくもなろうというものです。
なんならリングサイド100万円でも取ってやればいい。南側の一番上で20万円くらいか。
そうなれば、私も潔く諦めて、家で配信を見ることでしょう(笑)。
本当に、最後に井上尚弥さえ出せば文句ないだろう、とでも言われているような気分でした。
実際、その通りでもあるので仕方ないんですが、さすがに次回からは、こちらも対策をしないといかんな、と思い始めています。
アンダーに良いカードが組まれれば、それも直に見たいのはやまやまなれど、40分、50分、或いは1時間というサイズの休憩を二度、三度、四度と挟まれるのは、心身ともに厳し過ぎる。
会場入りの時間を遅くして、最後の方の試合だけは会場で見て、アンダーは配信でチェックするとか。
不本意でもありますが、そうでもしないと、やってられません。
本当に、私のような者に、こんなことを考えさせるというのは、相当なものです(笑)
以前、名古屋で石原英康の世界戦を見たとき、メイン前に1時間10分休憩というのを食らった経験がありますが、全体のボリュームで言えば、比較にすらなりませんね。
そして例の如く、帰り道は出口一カ所限定、会場を出てからも照明が不足していて暗いため、階段のある出口を封鎖しており、スロープのある狭い通路に人を集中させる導線により、なかなか人が捌けず、えらく時間がかかる。
完全に「詰まって」しまう時間帯もけっこうあって、苛々させられました。
このイベントの主催者は、本当に、人の都合や時間というものを、いったい何だと思っているんだろう?と首をひねってしまいます。
まあ、プロモーターといっても所詮は「会長」と称される、正体不明、責任不明瞭の存在であって、イベントや興行の良し悪しなどを問うに値しない者でしかありません。
ですので、こんなことも言うだけ時間の無駄、なのですが。
そういうことで、井上尚弥は素晴らしい、しかしイベント、興行としては最低最悪の部類でした。
井上尚弥が出ていなければ、絶対に会場に足を運びはしなかった。改めて、そう断言出来ます。下の下、でしたね。
えー、ロベイシー・ラミレスvs清水聡戦の感想は、また後日ということで。
まあ、特に皆様と違うことを思っているわけではないのですが。あくまで簡単なものです、ハイ。
写真提供は「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。いつもありがとうございます。
坂間くんは強打ありながらきちんと組み立てやプレッシャーのかけ方を考えており、楽しみではあります。
本当にボクシングを観戦に行くといつも思うのですが、あの価格設定とサービス具合のバランスの悪さは解消されないですよね。高いお金払って来たファンが、中継のために待ちぼうけ喰らう、グッズ販売もショボい。一部会場は椅子もトイレもなってない。バリアフリーの面も悪い。
野球も最近テーマパーク化し、サッカーバスケも然り。観戦に来たお客さんをもてなす気のない手法ではファンは来ません。こう言った他スポーツと比べてもチケット代高い訳だし、魅せる工夫をできるプロデューサー的な人を雇う必要ありそうですね。
それだけ。
武居の今後ですが、どうも情勢的には、バンタムで来年中にもひと山作ろうという感じみたいですね。今回の内容がそれほど前向きなものかは、半々くらいの印象でした。坂間は若手の中でひとつ抜け出したかな、という試合でした。
今回、グッズに関しては盛況で、充実もしていたのでしょうが、他の面は、まあ毎度のこととはいえ...もちろん、他と比べて試合数も事情も違いますが、それにしてもあんなに...と色々言いたくもなります。番組の収録スタジオで、お金もらって座ってる観覧客じゃないんですからね、我々。魅せる工夫、プロデューサー、という次元の高い話じゃなくて、普通の商売人としての常識やろう、と思うのです。まあ同じ事ばかりですが、イベントの責任者を別に立ててほしい、と思いますね。肝心の主催者が、メインのイベント始まったら、観客に背中や尻向けて、勝負を気にしているんですから、まともな話になるわけがないんです。
>オーザックさん
仰る通りです。しかし井上尚弥が出るから、仕方ないのです。困ったものです。
もともと大橋会長がこの段階で世界うんぬん言ってるのは違和感ありましたが、ただ、じゃあ数年経験を積めば世界が穫れると自信を持って送り出せる選手になるかと言うと、それも想像がつかない。むしろ勢いで突っ走り、一発入れば誰が相手でもチャンスがあるという目論見かもしれません。
興行に対する不満は書き出すときりがなく、あのメインがなければ、ボクシングなど二度と見に行かないと思うレベルですね。自分はこの試合は生で見たいなと思っても、あれこれ考えてやめることが多いです。ボクシング興行はマイナス要素が多すぎて。
自分は第四試合から行ったのでまだましでしたが、単純に試合数が多すぎますよね。これだと時間も読みにくく、間も空く。セミの時間は場内アナウンスがあったと思いましたが、メインは気付きませんでした。今回、バンテージがすんなり行ってるのかとそっちの気がかりもあり。米国の配信ではもう少し長めに映していたのか、巻き直しさせられている?、という情報も見かけ、無事に試合開始してくれればそれでいい、という気持ちで待っていました。
あの1Rの終盤は足が引っかかったのですか。自分は全く気付かず、かつ井上の背中側から見ていたので、何だ今のは???となってました。考えたらあんな無意味なこと井上がするわけないですね。
今後武居が、世界レベルで足が動き、外せる選手に今の備えで闘えるのかどうか、ですね。ただ、スーパーバンタムでの試合を見ると、いくつか組み立てもあるし、自分の武器に頼りすぎず、見せておいて他のことをやる、というところもあったりして、やはり闘い慣れしている良さがあるなあ、と思ったのですが、今回は言えば何をやろうとしているか、相手にも傍目にも全部見られていたなあ、という感じです。ボディ攻撃とて同様でしたが、フィニッシュはバルドナドが右打って身体戻す前のタイミングで入ったので、あれは凄かったですね。それこそ、あの間で打ち込めるなら、ちょっとしたタイトルホルダーでも倒れるでしょう。しかし、というところです。大橋会長は「そういう相手」と組める機会を探っていくのでしょうね。悪いですが武居でフルトンやラミレスのレベルを攻略しようとは、さらさら思っていないでしょう。
興行については、一文字たりとも違わず同じ事を友人が言っていました(笑)。本当に、井上尚弥を人質に取られているようなものだ、と私も返しましたが(笑)。
私もなんだかんだ、会場観戦は全然しなくなりましたね。配信で見られるから、という以外にも色々事情はあるんですが、やはり仰る通り、いつまで不条理というか、酷い扱いに耐えねばならんのだろう、という気持ちも、理由のひとつです。おまけに妙ちくりんで無責任な裁定がまかり通って、メディアも全然それに触れないし。プロスポーツの公式戦と呼ぶに値しない、嫌なものを見せられて、何でそれを我慢して飲み込んで、とやらな次の試合を見られんんのや、気分悪いなあ、と。
メイン前、というかセミ終了後、リングアナが何時何分とか、言ってたのは言ってたんです。でも音声不明瞭でした。モニタに何か表示でもしてくれたら良いのですがね。私は逆にセミ前のアナウンスに気付きませんでした。
バンテージは結局、相手の良いように合わせたみたいですね。まあ、それできっちり倒されてりゃ世話無いわ、と(笑)。この辺りもさすが井上尚弥、痛快ですね。
初回のは、引っかかったというより、つま先同士で突っかかったんじゃないですかね。前に出した足で色々と、井上に制限をかけようとしていたんでしょう。もちろん踏んだりするのも含めて。右同士でそういう発想があるんだなあ、とひとつ勉強になりました。