さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

「ロドリゲス被り」は邪魔だが、なかなかのカードが並ぶ 7.20国技館発表

2024-06-01 00:01:41 | 関東ボクシング


そういうことで昨日、YouTubeで記者会見のライブ配信あり。
動画は見ていないんですが、カード自体はいろいろと「おお」という感じ。






中谷潤人vsビンセント・アストロラビオは既報どおり。WBC1位との指名試合。
ギジェルモ・リゴンドー相手に番狂わせを起こし、ジェイソン・マロニーに惜敗のファイター。
中谷が減量苦で不調のときならともかく、有利の予想は動かないですが、質より量の?攻撃ボクシングは、アレハンドロ・サンティアゴよりも、中谷にとっては相性が良くないかもしれません。


加納陸とアンソニー・オラスクアガ戦も、噂の通りここに入りました。
オラスクアガにすれば準ホーム、日本での試合。現状の力が充分出せると見ます。
オラスクアガは今後、フライ級に上げて心身共に充実となるか、或いは寺地拳四朗戦のダメージや、打ち合う傾向が悪く作用するか、その分かれ道がここ数戦で見えてくることでしょう。その観点で興味深い試合です。
加納は全力ファイトで食い下がると思いますが、やはり厳しい闘いとなりましょう。



さて、少し予想と違っていたのが、この後の二試合。

田中恒成は12位ジョナ「タ」ン・ロドリゲスと。1位KJカタラハとの試合になると思っていましたが、次回以降か。
ランクの数字を見て、最初、あーあ、と思ったんですが、この選手の試合はジェルウィン・アンカハス戦をWOWOWで見て、なかなかの熱戦、好ファイトだったことを思い出しました。
確かアンカハスがトップランクからPBCに移籍した初戦だったという記憶あり。
打ち合いでより精度の高いアンカハスに打ち負けていましたが、身体を晒してでも相打ち狙いで対抗する闘志は凄いもので、8回にボディでダウン、9回もボディ打たれて苦しいところから、終盤、逆にクリーンヒットでアンカハスを止める場面もあり。
判定で敗れましたが、試合後はアンカハスと共に膝をついて、互いの肩に手を置いて健闘を称え合っていました。巨人の星、甲子園編のようなシーンでありました。

今の力がどうかわからないし、質を比べる「品評」をすれば田中恒成が上でしょうが、この挑戦者、ランクの数字から想像するような選手ではない、と見ます。
むしろ前回闘ったクリスチャン・バカセグアより強敵かもしれません。案外悪くないカードではないか、と。



そして、ビジュアルでは相変わらず真ん中に置かれる那須川天心ですが、今回は想像以上に、上位から相手を選びました。
WBAバンタム級4位、WBAインターコンチネンタル王者のジョナ「サ」ン・ロドリゲスです。
田中恒成の相手と同姓同名です。表記でこうやって分けるみたいですが。難儀なことで...。
いっそファーストネームを省略し、それぞれのニックネームで呼ぶようにしたらいいかもしれません。


こちらはWBAのトップ10圏内で結果を出している選手。
元WBAスーパーフライ級王者カリド・ヤファイを初回、右フックでぐらつかせ、ダウンを奪って追撃のTKO勝ち。これでインターコンチネンタル王座獲得、上位進出。
WBAバンタム級挑戦者決定戦では、2位のアントニオ・バルガスとダウン応酬の末、7回終了TKO負け。
この試合も激しい内容で、初回にロドリゲスが右ロングフックで倒すが、2回はバルガスが逆にロドリゲスをダウン(この際、バルガスのダウン奪取は認められたが、倒れた後に打った咎で2点減点という裁定あり)。
その後はバルガスにパワーで打ち負け、7回に左フックでダウンさせられ、この回最後で棄権。しかし、4回にはロドリゲスの左フックでバルガスが大きくふらつくなど、見せ場も作っていました。

二試合見た感じでは、ガードは高いが、打ち合いになると安易にそれをほどいて打ちに行くなど、攻防全体の質は、世界上位としては不足あり。
しかし左右共に、ロングの距離で振る強打には威力があり、なかなか強い。
那須川は栗原慶太戦を先送りにして、今回は他を選んだらしいですが、そのわりに怖さのある相手を選んだものだ、と思います。
確かに穴のある相手ではありますが、那須川が防御面で隙を見せたら、一気に叩けるパンチを持っています。
4戦目で当たるには、危険な相手かもしれません。もしこの相手にすんなり勝てたら、得るものは大きい、とも言えますが。

ただ、契約ウェイトがわかりません。本人は前回より1ポンド軽いくらいだと思う、と言っています。120ポンドですかね。
体重決めずに、やることだけは決まっている試合が、いったい何ほどのものか、と思ったりもしますが、それはひとまず置くとして...。



そういうことで、全体的に見どころのあるカードが並んだ、良いラインナップだと思います。
これが土曜日、両国国技館で開催ですから、首都圏在住のボクシングファンなら見に行かないと嘘です。絶対に行くべきです(笑)。
私はいろいろあって、現時点では保留ですが...。


ただ、この「ロドリゲス被り」だけは、正直、どうにかならんかったんですか、と思いますね(笑)。
最初見たとき、スーパーフライ級の方の選手について、ぱっと思い出せなかったので、KJカタラハと書くべきところを主催者がミスしたのかと思ったくらいです。
まあ、それぞれ互いのことを横目で見ながらマッチメイクをするわけでもなし、偶然こうなって、仕方ないのかもしれませんが。


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さて、今日はU-NEXTでライブ配信あり。
坂晃典vs波田大和の一戦が実質メインと言って良いでしょう。





坂はけしてサウスポー苦手という選手ではないですが、それも込みで波田大和の強打はやはり要注意です。
どうしても好打を許してしまう、特に最近の試合ぶりはそうで、今回はその辺に改善が見られるかどうかですね。

かつてホールで、同じ帝拳の末吉大に快勝した試合の再現を期待したいですが、はてさて。


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4 コメント

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Unknown (月庵)
2024-06-01 12:12:35
加納の『世界路線』について散々なことを言ってきた自覚はありますが、実際この組み合わせならノーチャンスではないと思います。オラスクアガは攻撃偏重を通り越して防御に無頓着なところがあると明確な欠点があり、そこをうまく突けるかどうかの一語に尽きる。先に効かされてしまったらジエンドだと思いますが、序盤の猛攻をそれほどダメージなく切り抜けられれば……それが一番の問題ですが。

田中と那須川は今後の路線を占う査定試合ということなんでしょうね。特に那須川は、この相手に明確に勝てるのなら栗原とやる必要ないと思います。このキャリアでもうこのくらいのレベルの相手とやらせるのかという思いはありますが、やはりセンスに関してはずば抜けたものがある選手ですからね。地盤固めをしっかりやりさえすれば世界を取れないほうがおかしい、というレベルの素質はあるのだから、その地盤固めをちゃんとやるのであれば個人的には何も言うことはないですね。まだボクシングスタイルを模索している段階の選手に先を急がせるべきではないですが、ここで結果出したらそうはならないのでしょうが……。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-06-01 17:27:29
>月庵さん

なるほど、確かに長丁場に持ち込めば、加納にもチャンスが出てくるかもしれません。加納の方に分があるのは試合数の多さ、そして苦しい、拮抗した試合展開を何度も経験していること、ですしね。ただ、その展開に辿り着くまでに、やはり無事では済まないだろうなあ、と思いもしますが。同感です。
那須川の相手は、世界4位というには足りないですが(実際、前戦負けている選手です)、それでも今の那須川にとっては十分な相手でしょう。ただ、体格面含め、劣るところもあります。スピードもそうでしょうが、攻防の繋ぎ目がはっきり見えるところもそうですね。闘志と強打は侮れないですが。
栗原との比較は正直、どちらも良し悪しあるので、ちょっと難しいですかね。栗原はここのところ、陥落と奪還を繰り返しているので、次の試合でどういう風に闘えるのかが読めませんが、対那須川となったとき、単なる戦力比較では測れない部分のプラスアルファがあるかもしれませんので。
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Unknown (のぶ)
2024-06-01 23:33:55
おっしゃるとおり、もう一人を「ニックネーム+ロドリゲス」にしてもらいたいです。
ボクシング界、というか中南米、ロドリゲス多いですよね。
あとはエルナンデス、ゴンサレス、ルイス、ロペス、マルティネス…、あとなんかあったら教えてください(笑)
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-06-02 00:42:51
>のぶさん

だいたい網羅されていますね(笑)。あとは「ゴメス」も定番ですね。ラミレス、カルモナ、ヒメネス、モレノ等がそれに続きそうです。中南米って名前のバリエーションが少ないのかもしれません。だからニックネームつけることが多いのだと。サッカーなんかでもそうですね。
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