何だか急な話のように思えますが、WBAが井上尚弥に対し、元WBA、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフとの指名試合を指令したとのこと。
7月14日までを交渉期限とし、その後は入札へ、といういつもの運びですね。
それに対しての大橋会長のコメントが出ています。
【ボクシング】井上尚弥、9月に有明アリーナでドヘニーと防衛戦 大橋秀行会長はWBAから指令されたアフマダリエフ戦を「その次にしてもいい」 - サンスポ https://t.co/vUXiblSPQi @SANSPOCOMより
— 尾﨑 陽介(サンスポ)/Yosuke Osaki (@mrqis10i6ho) June 14, 2024
9月に有明アリーナで、TJドヘニーとの試合が内定している。
WBAの「ノーマル王座」なら、期限は9ヶ月だが、井上はスーパー王者なので、前例に倣えば、期限は18ヶ月まで延ばせるはず。
9月のあと、年末にもアフマダリエフと闘ってもいい。しかしWBAが認めないなら、剥奪も仕方ない。
大橋会長としては、ドヘニー戦を破談にしてまで、9月にアフマダリエフとやるつもりはないわけですね。
確かにWBAスーパー王者への指名試合の期限なんて、どこまで延びるんやろう...という事例には事欠きません。
少なくとも、9月の後、年内にも、という話を進めるなら、やれ剥奪だ何だという話になる方がおかしいですね。
それにしても、あまり話題にならずアピールもしていないアフマダリエフの話が飛び出してきて、虚を突かれた感じです。
これはアフマダリエフがどうというより、WBAが「わしらの顔も立てろ」と言っているに過ぎないのかもしれませんが。
大橋会長もどうでもアフマダリエフとやらないつもりではなく、WBAからしても、本当に井上尚弥からタイトルを剥ぎ取ったところで、承認料の額が減るだけで、何も得なことはないはず、です。
基本的には、大橋会長の話のとおり、9月ドヘニー、年内にアフマダリエフという流れで行くのではないでしょうか。
サム・グッドマンは残念ながら、さらに後退でしょうね。事情はどうあれ、交渉して自ら断った、という事実がありますから。
ただし、もしWBA王座が空位になれば、その王座を獲った新たな王者が、その上で井上尚弥と闘うとしたら、その試合は形式上「王者同士」の試合になる。
それを狙ってアフマダリエフ陣営が動いた、という可能性は...ないこともないかなあ、程度ですが、ゼロだとも言い切れないですね。
まあ、WBAの新王者との対戦を、井上が受けなかったらそれまで、ですが。
また、その王座を中谷潤人が奪えば、それこそ日本人同士のビッグマッチで、また東京ドーム興行が出来るんではないか、という想像もあり得ます。
最近、井上尚弥のコメント(あと4、5試合はSバンタムで、という)や、その他諸々、選手や関係者の言動や、その報じ方、伝えられ方を見ていると、もう一度井上尚弥メインで東京ドーム興行をしよう、その相手として中谷潤人の存在を世間にアピールしていこう、という、業界有力者の意思があるのでは、と感じます。
もちろん、中谷潤人がそれに相応しい実力を証明し続けられるか、にかかっている話ではあるんですが。
個人的には、もしSバンタムに長く留まるならベルトはできるだけ手放した方が良いと思う派です。理由としては指名戦の問題だけでなく、王座が空いているとトップランカー同士の対戦が組まれて、自ずと対戦相手(対抗王者)の評価が現時点よりは上がると思うからです
短期間で上げるなら相手はその時点での評価で選ぶことになるため4団体防衛戦の方がインパクトがあるかもしれません。しかし、長期間いるなら相手は評価を上げる時間は十分ありますし、王座を保持していると対戦の可能性があるトップランカーは順番が来るまで調整試合しかせず対戦相手の評価がイマイチ上がらないままというのを防ぐためにも、あえてランカー同士の対戦を促した方が結果として自分へ良い評価が返ってくるのではと思います
実際は実力は変わらなくても、トーナメント(っぽいこと)をやれば一人残りますし、なんやかんやテイラーなどライト級の選手に蹂躙された当時のSライト級の選手たちのように、その時点pfpに入ったりとではちゃんと評価は上がりますからね笑笑
裏があるとしたら、来日せずにサウジで闘いたいアフマダリエフを、トルキ・アルシャイフが後押ししているとか、想像はしましたが、実際サウジがアフマダリエフを推すという情報は、今のところないですし、あの長官殿、やりたいことがあったら聞かれもせんのにXとかで全部書いちゃいますからね。まあ、ボブ・アラムや本田会長を向こうに回して、珍しく回りくどいやり方をした、という可能性はあるのかもしれませんが...その辺はちょっとわからないですね。
ベルトのいくつかを返上して、空位決定戦で上位同士が戦って新王者が生まれたら、相手の評価が上がって、それに勝てば...というのはなるほど、評価の面ではそうかもしれませんね。あと4、5戦、というのが微妙ではありますが。ただ、大橋会長にしたら対戦相手に払う報酬が上がるので、それはマイナスですね。フルトンなんか凄い条件だったようですし、タパレスとて同様だったことでしょう。
まあ、そうするに足る相手なら良いでしょうが...嫌な話ですがルイス・ネリーは王者では無いのにドーム興行の相手たりうる、非常に都合の良い相手だったのでしょうね。
そして今後、井上とドームで闘いうる選手がいるとしたら、今のところ、中谷潤人なのでしょう。帝拳や大橋は、井上の相手として成長してほしい、と期待しているんじゃないでしょうか。その流れで、井上がひとつかふたつタイトルを手放し、それを中谷が手にして...という展開は、意図の有無はともかく、あり得るかもしれませんね。
ウェンブリーのオファーは悪くないように思えますが、そんな簡単な話ではないのかもしれません。何人かの選手がサウジアラビアから階級差マッチのオファーをもらって断っているようです。上の階級の選手に無茶な減量を強いるような条件であったり、どうも「間の階級でやればいいじゃない」という発想のようで。閣下は井上とジャーボンテイ・デービスの試合を望んでいましたし、ハーンは少し前に井上とジェシー・ロドリゲスの対戦を提案したとか。サウジとの付き合いの先にあるのがそういう話であれば、慎重になった方がいいでしょうね。
ボブ・アラムがやけに否定的なので、TR
と MR の主導権争いなどもあるのでしょうかね。自分には何が正解か分かりませんが、井上のキャリアと名声を第一に考えて、長い目で見て適切な選択をして欲しい、と思います。
アラムもアフマダリエフがトップランクで闘っていたら違うことを言うんでしょうが(笑)。そのサウジの英国興行、ウェンブリーでジョシュアのセミという話は、そりゃあちらから見たら納まりが良いのかもしれませんが、井上にとって良い話なのか疑問ですね。日本でアフマダリエフとやるとなれば、ドームは無理でもそれに次ぐ大箱でやっても埋まるでしょうし。仮にWBA入札になって、サウジマネーがどの程度投入されるものか。まさか15億だ20億だ、とはならないんでは、と。そうなったらしょうがないですが、日本でやるのとちょぼちょぼだったら行く意味ないですよね。まあ、英国でやるならあちらはリアム・デイビースを推したいんでしょうけど。英国人が世界最強の王者を招いて挑む、それこそシュガー・レイ・ロビンソン対ランディー・ターピン戦の再現です。そりゃ大盛り上がりでしょう。あちらでは、ですが。
あの長官殿、ジャーボンテイ・デービス戦の話を普通にしてましたね。他にもそんな話があったんですか。ジェシー・ロドリゲスは本人が井上戦についてコメントしてるようですが、そういう話が内々にあったのだとしたら、そりゃ言うだろう、と。なるほどですね。
アラムはこの辺の話に噛めないんだとしたら不満でしょうね。自分に利があれば言うことはコロッと変わるでしょうが、今のところその道筋が見えないんでしょう。
仰る通り、井上の存在が大きいが故に、世界規模で大きな渦巻きのような話があれこれと出てくることでしょうが、まずは井上のコンディション優先で、しっかり構えてほしいですね。