さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

Leminoライブ配信で女子ボクサー熱闘 山中菫、初の兄妹世界獲得

2024-01-13 05:07:44 | 関東ボクシング



ということで普段あまり見ない女子ボクシングですが、初のLeminoフェニックスバトル、オール女子興行のライブ配信の感想です。


メインイベントはWBA、WBOアトム級タイトルマッチ、王者の黒木優子と挑戦者、松田恵里のサウスポー対決。
右リードのヒットでポイントを重ねた松田が、強打で追い上げる黒木を振り切り、スプリットで10回判定勝ち。
サウスポー対決、やや前傾で懐を深く使い、右リードの間合いを維持した松田が、黒木のプレスを凌いでいた印象。
判定は割れましたが、意外に思うくらいでした。


セミはピンクの衣装や髪で目立つサウスポー晝田瑞希が、韓国のパク・ヒジョンに6回TKO勝ち。
WBOスーパーフライ級王座を防衛。
長身のパク相手に初回から踏み込んでの左ストレートをクリーンヒットし、その後もタイミングの良い左を先手で、カウンターでと決め続けました。
左拳の「合わせ」の巧さと鋭さは、若い頃の西岡利晃に似ているなあ、と思ったり。

試合としてはワンサイドでしたが、パクの奮戦も感動的。しかしそれとは別に、晝田の攻撃技術がパクの防御対応を完全に上回る展開が続き、どこかで止めるか棄権するか、してもいいのではと思いました。
晝田は6回の好機に、アッパー織り込んで攻めたら、もっと早くストップ出来たのでは、とも。しかし素質に恵まれた好選手でした。


セミセミは兄の山中竜也が見守る中、山中菫が長身のIBFアトム級王者、岩川美花に判定勝ち。
初の兄妹世界獲得となりました。
長身のボクサー岩川が、低いガードから繰り出す連打と間合いの調整で、短躯のサウスポー山中をコントロールしようとするがかなわず、山中の左、返しの右フックなどを打たれ、攻め込まれる。
しかし両者、ラウンドの中に岩川が連打をヒット、山中が単発ながら強打を決め、と互いに良いところを見せる熱戦。
ジャッジは山中のヒットとその有効性を評価したようで、妥当にも思いましたが、採点はもっと競っていた印象でした。



今回、総じて熱戦続きでした。やはりLeminoフェニックスバトルという、国内のシーンにおいては檜舞台と言える興行で、オール女子のラインナップが実現したことは、出場した女子ボクサーにとっても一段と気合いの入ることだったのでしょう。
また、先日DAZNでも配信された吉田実代の世界奪取のように、海外のリングでのビッグチャンスに繋げたい、という意欲を持つ選手も多くいるようで、その辺も頼もしく感じました。


今回のライブ配信が、普段の男子中心のそれと比べてどのくらいの視聴者数を得たかはわかりませんが、Leminoは解説に長谷川穂積、亀海喜寛を配し、力を入れて中継番組を作っていましたし、今後もこうしたラインナップが実現するかもしれません。
それが女子ボクシングを、より多く広くに見られる契機になるかどうか、断じることは出来ませんが、可能性は大いにあると感じました。
実際、見ていて目を引かれる試合が続きました。これなら、充分に、と率直に感じた次第です。

コメント (3)
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