各媒体で目にするCMや広告での取り扱いを見るに、AmazonPrimeの「売り」は、やはり那須川天心なのでしょうが、ある意味メインの寺地拳四朗や那須川以上に、心に染みるカードが、アルテム・ダラキアンvsユーリ阿久井政悟です。
戦禍のウクライナから、一度の延期を経て、戦争の影響で航空機のルートも遠回りを強いられる中、それこそ30時間ばかりのフライトで来日したチャンピオン。
前回の試合ぶりも、好調時のそれと比べると、迫力に欠けた印象でしたが、破天荒なスタイルの反面、アマチュア歴から相当なものがあるレベルの高い選手なので、拙い試合があったら逆に、それを修正する良いきっかけにしてしまうようなところもありましょう。
また、日本での調整も、基本的にどの国に行くよりも容易いというか、妨害行為など(一部を除けば)まず無いので、大丈夫だと思います。
何より、祖国ウクライナはロシアの暴虐のみならず、国際政治の思惑にも翻弄され、苦難のさなかにありますが、祖国に勝利を届けたいというダラキアンの闘志は、静かに、しかし熱く燃えていることでしょう。
対する地方ジムの雄、岡山の希望とも言えるユーリ阿久井政悟もまた、地理的なハンデを乗り越えての世界挑戦に、遂に辿り着きました。
挑む相手が、所属が違えば回避していたレベルのチャンピオンであることなど、やはり色々と「違う」のは事実ですが、その困難をも、その実力で乗り越えて戴冠してほしい、と期待します。
こちらの記事では、両者共、互いへのリスペクトを語っています。
そこには戦争のような嘘偽りも、狂気と打算がないまぜになった支配欲もない。
その上で、今日のリング上では、互いの意志、それぞれの思いで固めた拳をもって、この両者が真っ向から闘い、勝者と敗者が分かたれることになります。
それを見て何を思うかは、見終えた上で人それぞれでしょうが...ボクシングの試合というものは、基本、平静な気持ちで見ていられないものが多いですけど、今日のこの試合ほど、その傾向が強いものは滅多に無いですね。
とまあ、そういう気持ちでいる反面、昨日の計量後、フェイスオフではこんな場面が。
WBA世界フライ級タイトルマッチ#ダラキアンvsユーリ阿久井政悟あわや大惨事!?世界戦前に“ゴツン”「ゴメン!」◎ダラキアン:50.4Kg◎ユーリ阿久井政悟:50.8Kgこちらの2人も一発でクリア✅#プライムボクシング pic.twitter.com/NScBN1tUnU
— Prime Video(プライムビデオ) (@PrimeVideo_JP) January 22, 2024
微笑ましいというか、なんかほっとするというのか。
まあ、試合中やなくて良かった、というところでもありますね(笑)。