名古屋での試合が、直前で興行丸ごと中止となっていた力石政法の次戦が、イタリアで決まったとのこと。
3月22日(日本時間23日)イタリアのローマで、WBC6位マイケル・マグネッシと。
WBC挑戦者決定戦と、シルバータイトルマッチを兼ねる試合で、記事によるとシルバータイトルマッチが日本では認められていないからイタリア開催になった、とありますが、先方も当然地元でやりたかったことでしょう。
何より、双方にとって、挑戦者決定戦であることが大事のはずです。日本側からすれば、単にイタリア人のランカーと試合するためなら、イタリア遠征なんて論外です。
元々厳しいというか、イタリアのみならず、欧州遠征自体に良い話があまりないですね。
最近はどうか知りませんが、平仲明信がイタリアに遠征し、ファン・マルチン・コッジ(イタリアルーツのアルゼンチン人)に挑んだときなど、報酬のみならず待遇が本当に酷かったとか。
まともに試合させる気なんか、さらさら無いのやな、というレベルの話がいくつも重なったそうです。
そういう状況下にありながら、強打の王者コッジをKO寸前まで追い詰めたんですから、あの人、ホンマ強かったんやなー...と改めて思うところですが。
話は戻って力石ですが、WBCランキングを見ると、上から1位ムカハマクチャ・マカボフ、2位に五輪金のブラジル人ロブソン・コンセイソン、3位ロッキー・フェルナンデス(王者フォスターに敗れたばかり)、4位が「ミスター曰く付き」シャフカッツ・ラキモフ。
1位と4位がタジキスタン人という珍しい顔ぶれですが、いずれも王者オシャキー・フォスターにすぐ挑む情勢にあるかというと、1位マカボフにしてからが、ちょっとわからない。
言えば、上がなかなか片付きそうにない状況で、これに続くのが5位力石、6位マグネッシ。
ですから、イタリア側からしても、日本から力石が来てくれて、そのカードが挑戦者決定戦になるというのは、「勝負」であると同時に、けっこう良い話なのでしょう。
もっとも、最上位の挑戦権が獲得出来るかどうかは、はっきりしてはいませんが。5位と6位の試合の勝者が、1位を蹴落とす、ともならないでしょうし。
力石の所属する緑ジムは、改称してLUSH緑ジム、となったそうです。
このスポンサーは英国本拠のコスメブランドの会社ではなく、静岡のマーケティング会社で、静岡のLUSHジム(旧称「平石ジム」)のスポンサーでもあるようです。
WBCに顔の利く亀田プロの交渉とはまた別に、そちらの後押しも大きかったのでしょう。
とはいえ、やはりイタリアに行って、万全の状態で闘えるためのサポート体制が取れるかどうかは、未知数です。
帝拳プロモーションが欧州で闘う他ジムの選手をサポートしたような事例に及ばずとも、費用や人手をかけて何か出来るのかどうか。
実力的には、日本でやれば力石に充分勝機ありというカードだと思いますが、実力以外のところも含めての勝負になるでしょうね。
しかし、名古屋での試合が興行丸ごと中止になり、その次に世界挑戦者決定戦、でもイタリア遠征、とは...予想外の角度から話が飛んできた、という印象です。
力石が何とか良いコンディションでリングに上がり、勝利してほしいものですが、そこがやはり不安で...先の試合中止の後、本人がその部分で問題を抱えていると語ってもいましたし。
また、そもそもあの体格で130ポンドは限界ではないか、という点も。
しかし、当面、現状のまま上を目指す、と定まったわけです。とにかく健闘を祈るばかり、ですね。