ということで昨日はABEMAの大晦日ライブ配信をのんびり見ての年越しでした。
坂晃典の試合がそのまま行われていれば「のんびり」なんて言ってられませんでしたが。
なんか、格闘技の方はPPVだったそうですが、そこでも計量パス出来なかった選手がいたそうですね。
どちらも大変みたいです。
さて、日本ボクシング界屈指の逸材、そのひとりと目される堤駿斗ですが、プロ転向後4戦目にして初のKO勝ちを飾りました。
一見して、身体付きに厚みが出てきた堤に対し、こちらも結構大柄に見えるルイス・ベントゥーラが積極的に打って出る。
しかし堤、足で捌かず、近い間合いでジャブを上下に突き、初回中盤にはベントゥーラ鼻血。
さらにショートパンチの交換でボディを打つ。終盤には得意の右アッパーで脅かし、左フック下、上へと繋げる攻撃。
3分終えて、これまでの3戦とは「シフト」が違って見える。
巧さ故に迷ってもいた?ここまでの3戦より、強くジャブを突いて出る印象。
また、相手のベントゥーラも好選手だが、心身の耐久力で言えば、堤が闘った過去3戦の相手よりは落ちそう。
キャリア11戦、11勝9KO無敗、確かに好戦績だが、「歴戦」という選手とはまた違う。
言えば堤駿斗にとり、自分と似た段階にいる選手との、初の対戦だなあ、と。
初回劣勢のベントゥーラ、2回巻き返しに来る。肩付けて押し合い、初回に見た堤の右アッパーに対し、右クロスを飛ばす。
身体寄せて左ボディの応酬。しかし常に、堤の方が先手、正確に当てている。右クロスから左ボディ。
堤、押し合いになっても引かない。身体の強さを感じる。
時折ヒットは喫するが、反面、防御センスも感じさせる。
相手のパンチをガード、ブロックしておいてのリターンを端緒に、得意のパンチをコンビで繰り出していく流れへ。
ベントゥーラ、左ボディや右を叩くが、堤はガードしてから左フックカウンター、右アッパーへ。
右アッパーは、先に出すと右クロスのお返しが来るが、左フック決めておいて、相手のガードが定まらないうちに追撃すると、効果抜群。
終盤は堤が左フックカウンター(上)左ボディ、ジャブで「作って」右アッパー。「打ちまくる」という絵。
ベントゥーラのマウスピースが後方へ飛ぶ。その前のパンチで口から落ちかけていたところに右アッパーが当たった、という感じではあったが。
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3回、ベントゥーラ引き続き出て、打ち合いに持ち込む。しかし堤打ち勝つ。ベントゥーラは左フック一発だけ、相打ちあり。
堤右アッパーダブル覗かせる。ベントゥーラ左フックダブル(上→下)。すると堤も左ダブルお返し、こちらも上から下、正確に当てている。
余裕と闘志が同時に伝わってくる。妙な言い方ではありますが。
この流れでショートの攻防続き、堤が左ボディから左フック上。今度は下から上のダブルを決めると、ベントゥーラがダウン。
座ってカウントを聞き、立ち上がったベントゥーラだが、鼻からの出血がはっきり見え、痛々しい。
再開、堤左右を叩いて激しく追撃。ベントゥーラも打ち返すが、右アッパーで後方へよろめく。
前に出ることで保っていた、という面があったが、それが崩れた。
さらに鋭く詰める堤、左ボディフックから、右フックでベントゥーラ倒れ、レフェリーが即座にストップ。
プロ転向後、初のKO勝ちとなりました。
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堤駿斗やその周辺は、やっぱりKO勝ちをしたいという気持ちが強かったのでしょうが、それは試合内容の中に、概ね良い形で出ていたと思います。
足で捌かず、攻めてくる相手を正面から左ジャブを突き、というより叩き、堅いガードを押し立てて、リターンパンチやカウンターのボディブロー、そして防御を端緒にしたコンビネーションを強く、正確に当てていく。
それはとにかく倒したい、と急いて、無理をして、というレベルとは一線を画すものがありましたし、攻撃的な中にも質の高さ、冷静さが感じられ、なおかつ闘志もほの見える。
また、対戦相手もなかなか力があり、単に安直な攻め落としをやって勝てるような選手ではなかったことも、この勝利の価値だと思います。
この試合をそっくりそのまま、米国リング、トップランクやPBC興行のアンダーカードに置いても、違和感ないだろう、と感じたほどでした。
また、もしそうだったとしたら、この充実した内容から、要注目の若手として、あちらのファンにも堤駿斗の名前がマークされていたのではないか、とも。
若く偉大なアマチュアボクサーとしての経歴を見るまでもなく、過去3戦の試合ぶりで、逸材であることは充分わかっていた選手ですが、どうも巧く噛み合っていない印象もあったところ、4戦目で鮮やかな勝利を得たことで、ひとつ大きな自信を手にしたことでしょう。
こういう試合を先にやって、その上で「歴戦の強者」的な相手とやっておけば良かったのかもしれませんが、まあそれは済んだことですので。
堤駿斗、初KO勝利は考え得る中で、かなり上々の部類だと言える、内容を伴うものになりました。
自分の体調不良で流した試合をしっかり片付けたし、今年はさらなるステップアップを期待してよさそうですね。
マッチメイクがどういうものになるか、ちょっと心配ですが...日本チャンピオン松本圭佑や、今度WBOアジアタイトルに出る藤田健児といった、アマチュア時代のライバルとの対戦など、あってほしいと思いますが、どうなりますか。はてさて、です。
今年も数多くの試合をライブで見られる一年になりそうです。
色々良いことも良くないこともありますが、ファンの一人として、思うところを率直に書いていきたいと思います。
年頭はこの観戦記をもって、皆様への挨拶に代えさせていただきます。
拙いブログではありますが、本年も広いお心で、お付き合いください。よろしくお願いします。
※写真提供いただいたので追加します。
いつもどおり「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。ありがとうございます。