さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

勝つことに専念出来るか否か、その明暗 保田克也判定勝ち、中垣龍汰朗連敗

2023-09-13 14:01:09 | 関東ボクシング



ということで昨夜のFODプレミアム、フェニックスバトル配信の簡単な感想です。


メインは保田克也がジュン・ミンホに判定勝ち。
攻防のアクションが少ない展開にも焦ることなく、相手の疲れ、フォームの乱れを待ち、終盤に増えた正確なヒットをポイントに繋げる保田の闘いぶりは、勝つことにしっかりと照準を合わせたもので、打たれないこと、相手に打つ機会を多く与えないことが出来ている、という面では、秀でたものが見えたと思います。
それを見て面白いとは思わないんですが「徹した」部分が見えることは、それはそれとして評価されるべきだろう、とも。


アンダーに出た同じ大橋ジムのサウスポー、アマチュア8冠の中垣龍汰朗は、アマ時代に敗れているという馬場龍成との再起戦対決に敗れ、痛恨の連敗。

一発強打を秘めるではない技巧派で、華奢なイメージの中垣ですが、プロ転向後思うに任せぬ試合が続く中、攻撃的といえば聞こえは良いが、本来の持ち味、特徴を無視したファイター寄りの闘い方になっていて、それが全然奏功していない。
右リードを省略?して、左を好打するが、一発では倒せない。
ならば、打った後動いて外さないとおかしいのですが、そこで動かず、さらに打つための位置取りを続け、相手の反撃をもらうパターンの繰り返し。
その上、好打はあれど、追撃して相手を圧倒する攻撃のボリュームが足りない。ならば動いて外さねば。でもそうしない。
結果、馬場龍成の闘志溢れるアタックに圧され、判定を落としました。必然の結果と見えました。


この両者の闘いは、実に対照的なものに見えて、メインを見ながら色々考えてしまいました。
プロとして、メインイベンターとして「魅せる」という部分で言えば、保田克也を称賛することは出来ないでしょうが、ある意味では勝利するために一切の妥協をしない、という言い方をすれば、それは一つの正解なのかもしれない。
少なくとも、中垣龍汰朗のように、自分本来の良さを、持ち味をかなぐり捨てて、攻撃的に闘うこと自体が目的になってしまっていて、肝心の結果を得られず、そしてそれを「これでは無理も無い」と見られてしまう選手よりは、ボクサーとして正しい在りようなのではないか、と。


ボクシングというもの、勝負の世界というのは、単に厳しいだけでなく、難しいものでもある。
セミの石井武志初黒星、リト・ダンテ戦の内容と結果も併せて、そんなことを改めて思った次第です。



あと、山崎裕生、見事KO勝ちでしたね。
感心な若者、という意味で応援したくなってしまいますが、ただ、相手の選手はどうにもいただけませんでしたね。
まあ、キャリアの全てを、弱い相手との試合無しで築き上げるわけにもいかないでしょうし、その辺はこれから...なんか、随分甘い感じになってしまってますが(笑)。



コメント (2)
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