さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

115ポンドは最後で良いかも 中谷潤人、粘闘男コルテスに判定勝ち

2023-09-21 00:04:49 | 関東ボクシング




月曜のダブル世界戦、もうひとつの方は中谷潤人vsアルジ・コルテス戦。
ファン・フランシスコ・エストラーダにボディでダウンさせられるも健闘し、僅差と見える内容に持ち込んで敗れた小柄なファイター、コルテスを鮮やかに倒せれば、ありがちな比較論に過ぎずとも、中谷の評価がさらに上がるか、というところでしたが、結果としてはそうはなりませんでした。



前日計量で頬のみならず、目も落ちくぼんでいた中谷、減量は相当キツそうに見えました。当日計量時代だったら無理だっただろう、と思う「絵」でした。
コンディションはどうかいな、と心配でしたが、立ち姿が若干...「スッ」と立てていない、というか。
相手が小柄なせいもありますが、のぞき込むような格好で、それが若干左に傾いているかな、と見え、良い感じがしない。


しかし序盤は、逆ワンツーの右(初回)左ストレート(2、3回)など、目を引くヒットでリード。
ただ、右リードが甘いというか、手先で外へと相手を払うようなものがあり、これも「大儀」ゆえ、かなあ、と見えてしまう。

とはいえ4回もカードの真ん中を左で破るなど、リーチ差を生かしてコルテスをリード。
5回には、それまで出していなかった左ボディアッパーを、相手の読みを外して打ち込み、コルテスをダウンさせる。
完全に腹筋を締めるタイミングを外されて打たれたコルテス、ダメージ甚大。

コルテス、マウスピースを吐いて入れ直し、間は取れたが焼け石に水。中谷左右を上に当て、右でボディを狙い、これが効いてか、二度目のダウン。
詰めは滑らかにとは見えませんでしたが、やっていること自体は適切な判断によるもの。
次の6回早々、中谷のワンツー、左ボディストレートでコルテス、前にのめって倒れる。これも完全にダウンでしたが、レフェリーがミスジャッジ、スリップと裁定。
しかしコルテス、ますます厳しい状況。

ところがこの回、中谷が打って離れた間際にコルテスが左アッパー、大きな空振りのあと、それに隠すように?右を放つ。
中谷の重心が浮いているところに、このパンチが顔面を捉える。中谷ダメージあったか、クリンチでしのぐ。

中盤に詰め切れるか、と思っていた展開でしたが、一転。
思えばエストラーダ戦でも7回に腹で倒れ、もう終わりかと思ったら、そこからしぶとかったのがコルテスでした。

7回から中谷はコルテスの攻撃をしのぎつつ、回復を図る。
8回も同様の流れでしたが、徐々に回復したか、9回には左ボディブローを決めつつ、右サイドに身体を逃がす技を見せる。
これが「上」に決まったのがアンドリュー・マロニー戦の最終回でしたが...何しろコルテス効いて、止まる。
中谷、左ボディで追撃、コルテス三度目のダウン。

コルテス、ボディが弱点というか...打たれ方が悪くて効いてしまう、という方が正しいのか。
この辺もエストラーダ戦と同様で、ちょっと気配りが行き届かない感あり。


終盤は中谷が左ストレートを決めるが、コルテスなおも果敢に打ち返し、左フックのヒットもあり。
最終回、打ち合いに持ち込むがまた中谷の左ボディで崩れる。これもスリップだったが、実質五度目のダウンみたいなもの。
最後、中谷が出るがコルテス粘り抜く。判定は大差で中谷でした。



コルテスの粘り、健闘は称えられるべきですが、ボディの打たれ方を筆頭に、色々と世界上位に比べると不備が目に付く選手でもあり。
中谷潤人の今の立場からすれば、健闘を許さず下して欲しい挑戦者だったと思います。

しかし、試合を見終えて思ったのは、もうこのクラスで闘うには限界が来ている、この現状では無理もない、というものでした。
むしろ、しぶとく食い下がってくるコルテス相手に、最後まで崩れず闘い抜いただけで、今日は充分だった、と。




今後に関しては、スーパーフライ級の、他団体の王者たちが不活発だったり、互いの対戦があるかないか、というところだったりで、大きな試合が組めるものかどうか、不透明です。
しかし、そういう話以前の問題として、今回の試合を見て、中谷潤人115ポンドはもう最後で良いのでは、と強く思った次第です。

バンタム級はさいわいというのか何というのか、井上尚弥が統一した王座が、また当たり前のように4つに分かれていて、言い方悪いですがどれかひとつくらい(ホンマに悪い言い方や...)、挑戦出来んものかな、と。

WBA王者井上拓真は、アンカハスと決まり、その次は石田匠のはず?です。
WBC王者サンティアゴとIBF王者ロドリゲスは、PBCの選手(ロドリゲスの方は西田凌佑との話があるらしいですが)なので、トップランクで試合をしている中谷とは、組みにくそうです。
残念ながら、井上尚弥と闘ったスティーブン・フルトンに対し、従来とは比較にならない好条件が出たのとは、事情が違いますし。


そうなると、トップランクで試合をしている者同士でもある、WBO王者ジェイソン・マロニーあたり、受けてくれないものですかね?
兄弟の敵討ち、というような話は、変な煽り方になってしまいますが、そういうことも含めて、これなら何とかなりませんか。誰に訊いているのかよくわかりませんが...。



コメント (7)
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