ということであっという間に次のライブ配信がやってくる昨今、昨日はABEMAのDANGAN興行、ライブ配信を楽しく見ておりました。
簡単に感想です。
カードとしてメインと言えるのは、日本スーパーフライ級タイトルマッチ、強打のサウスポー高山涼深に、WBOアジアタイトルを日本タイトル挑戦切符として使った?技巧の村地翼が挑む一戦。
序盤、村地が右回りのフットワークでスタート。高山にしたら、強打を秘める左から打っていきたくなる流れ。
しかしおそらく、それが村地の罠というか狙い。左から打っていくとき、どうしてもバランスが乱れがちになるのが強打のサウスポーというもの。
村地、高山の左ストレートを誘い出し、それを外して、逆に右ストレートなどでヒットを取る。
3回、高山はプレスかけて出て、右フックでダウンを奪うが、村地のダメージはさほど。
4回、村地が巧く立て直し、逆に右クロスのヒットで、高山が少し効いたかと見える場面も。
5回も村地リード。途中採点は5ラウンズで6ポイントを争う数字で、3対3が一者、4対2で村地が二者。
さうぽん採点は二者のと同じ。ダウンのあった3回以外全部村地、と見ました。
高山は右リードを強く叩いて止めてから、という攻め口が欲しいが、なかなかそうもいかない。
しかし左の威力が村地を脅かし始める。6回は前半村地だったが、後半高山の左強打が決まり、村地が止まり始める。
7回、足で外すよりクリンチで凌ぐ回数が増えた村地に、高山の左強打が再三飛ぶ。
8回、クリンチの多い村地からレフェリーが減点。状況次第、人が違えば放置しているところだろうが...と、微妙な印象でもあるが。
再開後、高山の左が決まり、続いてボディへ。スリップダウンあり、また再開。
直後、相打ち気味に高山の左が入って、少しもつれて村地膝をつく。ダメージによる、という裁定でダウンとなる。
村地立つが、高山の強打が左右とも続けて入り、村地三度目のダウンと同時に、レフェリーが止めました。
村地はパワーのある高山とまともにやり合わず、相手の力を躱す闘い方を練ってきましたが、最後は高山の強打が、その戦略を打ち砕きました。
アマ歴は豊富とはいえ、プロキャリアがまだ少ない高山にとっては、一試合で数試合分の「学び」があった試合ではないか、と思います。
対象的な両者が持ち味を出して、スリルのある展開を見せてくれた好ファイトでした。
特に挑戦者、村地翼の健闘が光った、と思います。
順番でいうとこの試合はセミ。メインは京口紘人vsジャーベン・ママの一戦。
ママが113ポンドということで、フライ級を1ポンドオーバー、当日計量でバンタムの体重なら試合成立という話でしたが、最近のあれこれからすれば小さい話やなあ、たった1ポンドかあ、まだ良心的な...とか思ってしまいますね。
それはさておき、試合自体は京口が、柔軟かつ強靱な下半身から、ボディブローやアッパーを多用する攻撃ボクシングでママを圧倒。
3回終わり間際に、ボディを再三叩いていた左アッパーを上に返して、ママをダウンさせる。レフェリー、カウント進めてKOとなりました。
相手も別に、話にならんという選手ではなかったですが、相手どうというより、試合開始の時点から、京口が非常に良いコンディションにあると見えて、それでもうこの試合はOKかな、という印象。
今後は国内外、フライ級で良い相手との試合が見たいですね。
セミセミは丸田陽七太再起戦。海外で組まれるはずだった再起戦は、先方のご都合で一方的に断られたのだそうで、ブランクが伸びてしまいましたが、今回はライト級で再起戦。
相手のポンラワット・ナジンダーは、一発振ったらパンチはありそうでしたが、何しろライト級でも速くて遠い丸田に、パンチを出す機会自体が乏しい。
丸田がボディを叩いて上に右クロス、追撃という流れで3回にKO勝ち。
こちらも相手どうではなく、丸田のコンディションが非常に良く見えて、今後に期待したくなりました。
とまあ、拮抗する内容になるであろう、という日本タイトルマッチを、元王者の再起路線カードで挟むという、いえばがっつりした具を軽めのパンで挟んだサンドイッチみたいな興行で...なんというか、見る分にはこういうのが楽でいいかな、なんて思ったりもしました。
先日のAmazonPrime興行のような、全試合がっつり、というのが4つ並ぶのも、それはそれで良いでしょうが、反面、見ていて気が張る試合ばかりだと、ちょっとしんどいかなあ、という気もしますので。
そりゃ、あんまり強くない外国人ばかり並べられても困りますが(そういう興行、よく見たもんですわ...)、要は何ごともバランス大事、なのかもしれませんね。