明日18日、揃って防衛戦を行う寺地拳四朗と中谷潤人、前々日会見の記事が出ています。
写真を見ると、一見して頬のこけ具合が目に付きます。
プロ転向以降、ライトフライ級で通している拳四朗はもちろん、井上尚弥同様にさらなる転級が遠くないと言われる中谷潤人も同様です。
前日計量まで僅かの時期だけに当然ではありますが、会見に出席して質問に応えるだけでも大変やろうなあ、と心配になりますね。
何とか事無くクリアして、良いコンディションで試合に臨めるように、と願うばかりです。
拳四朗の相手ヘッキー・ブトラーは田口良一、京口紘人戦でお馴染みですが、はしっこく前後左右に動いてビジーファイトに持ち込むタイプで、闘い方、勝ち方がよく練られたファイターです。
京口戦で敗れてからもしぶとく再浮上してきたことには驚きます。35歳になって、多少闘い方が変わっているのかもしれません。
より効率を上げ、無駄を省く部分がないとさすがに厳しいはずで、しかしその闘い方が拳四朗に通じるかどうか、ですね。
拳四朗の側はというと、最近は激闘が増えて来て、ファイター化が成功しているとも言えるでしょう。
もちろんそこには危機があり、陥穽もあるはずで、心配ではありますが...本人はそれによって得た好評を、あっけらかんと喜んでいる様子で、でもどこか冷静な風でもあり...相変わらずつかみどころが無いというか。
相手が京口やオラスクアガみたいな「まとも」に来るタイプでは無い、でも忙しない選手なので、その辺がどう出るかな、というところです。
中谷潤人はアンドリュー・モロニー戦をベガスに沈めた強烈KOにより、一気に世界に名を売りました。
この階級を長く支配したファン・フランシスコ・エストラーダとローマン・ゴンサレスが不活発な今、こちらもすでに階級最強なのではないか、と思えるほどです。
こういう選手に限って、それを実際に証明する機会がなかなか得られない場合があって、それは115ポンド時代の井上尚弥にも通じるところがあります。
ベガスでの勝利で名を売って、次に何か大きな名前の相手と組まれていれば、と思うところですが、エストラーダにロマゴン、井岡一翔といった面々は、それぞれにご都合もあってすぐには無理なのでしょう。
若く新たな強者が現れても、王者の立場にある者が挑戦を受けず「ビッグマッチの舞台でないと」「メリットが云々」なんていう逃げ口上が通じてしまうボクシング界の現状は、どうにも見ていて気分がよろしくないですが...。
とはいえ今回のアルジ・コルテスは、ナチョ・ベリスタイン門下の若手で、エストラーダ相手に予想外の健闘をしたことで知られる選手です。
中谷が減量の影響を隠せず、相手が攻撃的な良さを前面に出してくれば、苦戦することもあり得るでしょう。
逆に、この相手を寄せ付けない感じで勝つなら、中谷潤人の実力が改めて証明される、という試合になりますが。はてさて。
明日はAmazonPrimeVideoによるライブ配信。18時からの予定。
アンソニー・オラスクアガの試合があり、その後が中谷潤人vsコルテス。
次に来るのが那須川天心の試合(だいたい20時固定、とか?)。
で、最後が拳四朗vsブトラーです。
今回は那須川をセミに持ってきましたが、前回は井上拓真の試合があんな感じで、色々あった結果、ということでしょうか。
正直、中谷潤人の試合を前にやってしまうと、後に続く選手は辛い、となる可能性が高いんではないか、それは井上拓真とはだいぶ違うところやのに...と思ったりもします。
まあ、ボクシングの試合というものは、企まざるスペクタクルが生まれることはあれど、意図して面白く出来るものではないので、どう並べたらベストか、なんて考えること自体が無駄なのかもしれません。
まあ、全部揃って凄い試合、それぞれに見どころありな試合だった、となれば、それが一番良いのですけど。なかなかそんなわけにはいかんものですが。