ちょいとネガティブな心持ちになったので、ちょいとネガティブに感想を書いてみる。
「スマイル」さんに対して否定的な感想を持っておられる方を結構見かけます。
なんとなく理解はできる。
確かに妙なシリーズだったなぁというのが素直な感想。
で、何でなのかを考えてみた。
「日常回が多くて一貫した目的がなかったから」というのは、テーマに関わる部分なので、あんまり理由にはしたくないなと思う。
(他のプリキュアさん達が一貫した目的があったかというと、意外と微妙ですし、あったかどうかで変わったか?とも思う)
色々考えて、思ったのが2つ。
一つは、制作者様サイドの思い入れが強すぎたんじゃなかろうか。
主要テーマの「メルヘンと現実」は、作り手側としては正に切実で、今もっとも痛感して伝えたいことだったんだと思います。
ただ受け手としては視点移動をかなり要求される(星空さんが「メルヘンに助けられる」側になったり、「メルヘンそのもの」になったりする)上に、意識してない人には全く響かないテーマだったのかなと。
そして扱っているテーマは複雑なのに、妙にすっきりした印象を受けるのは、制作者様的には悩みぬいて答えが出ていたからじゃないかな。
そのためか、視聴者側の理解のスピードよりも早い勢いで話が進んでいってるところがあった気がする。
なんというか、例えば最終回でわんわん泣いている星空さんらを見て、視聴者よりも先に内輪で盛り上がられてしまったような、取り残され感に似ているというか。
綺麗に技をかけられすぎて、技がかかってることに気付かなかったような感じというか。
もう一つは、妄想の余地が少ないシリーズだったからではないでしょうか。
「スマイル」さんで二次創作やろうとすると、結構シビアだと思うんですよ。
何せ劇中で、ロボ化やミニ化や入れ替わりやその他様々なことをやってしまってます。
プロが「なんでもあり」で楽しませようとしてきたら、生半可な妄想じゃ太刀打ちできないですよ。
反面、人間関係は存外淡白なので、いわゆる百合妄想だとかはしづらくなってる。
象徴的なところでいえば「海イベントで、普通に誘われない黄色」とか「元々そこまで仲良しでもない青と緑」とか。
テーマの「メルヘン」が、絵本・漫画・家族・道と、個人の事情に関与してるので、相互に絡みづらいのが痛かった。(しかも「大事なことは自分で考えよう」のおまけつき)
同様に「個人の夢」を扱った「プリキュア5」の場合は、「相性ばっちりだけどバラバラ」「夢を本気で叶えようとするとき、最後は人は一人だ。しかし孤独ではない」といった側面があったので、これを回避できました。
が、「メルヘン」でそれをやろうとすると、更に複雑怪奇な多重構造になってしまう。
(黄瀬さんの漫画に救われた星空さんが、絵本で青木さんを救い、それに影響を受けた青木さんが緑川さんに道を…略。さて、誰の何が誰にとっての「メルヘン」で、何の誰が何の「現実」だろうか)
唯一、日野さんの「人との絆」だけは懸け橋になりえた。
そういう意味では、日野さんが主役をやるのが正解だったのかもしれません。
考えてみれば夢原さんはそういうタイプですし。もしもレモネがメインだったらと思うとぞっとする。
適当なる改案:
メインが日野さん。
行動力があって人と絡むのが好きで、スポーツを頑張る日々。
そこに不思議行動が目立つ転入生・星空さんがやってくるところからスタート。
「絵本が好き」という日野さん的には理解不能な価値感を持つ星空さんを始め、
「漫画」や「家族」や「道」といった、他人からすれば妙なものを大事にする級友ら。
彼女らとの交友を通じ、「メルヘン」の素晴らしさを感じ取っていく日野さん。
また彼女たちも自己を見つめ、「メルヘンを救う」方向に成長していく。
それらの過程を経て、日野さんは「うちのメルヘンは友だち」と悟る。
…意外とまとまった気がする。
ということは、星空さんがまずかったんだろうか。
おかしいな、「赤毛のアン」はアン・シャーリーが主人公で何の問題もなかったのに。
「赤毛のアン」の構成と比較してみると、他愛のない日常話を繰り返し、ラスト間際でメルヘンから卒業するのは同じ。
実際、「赤毛のアン」に対する最もメジャーな感想は、「空想力豊かなアンが素敵」だと思います。
メルヘンからの卒業とかそんなことは、1巻を読んだだけではまず出てこない。
「スマイル」さんに対して「とにかく楽しいシリーズだったよね」みたいなもの。
「赤毛のアン」が真価を発揮するのは続編シリーズにおいて。
田舎村の親友たちと別れた後、大学で出会った恐るべき友や、メルヘンから脱却していく物語が燃え上がります。
それを思うと、「スマイル」さんは続編が存在してこそ、輝くのかもしれません。
中学を卒業した後、たまたま同じ高校になった青木さんと雪城先輩と水無月先輩の物語とか。
様々な道があるということで、他チームの良いところを吸収しつつも、「スマイル」組の矜持を発揮して己の道を確立していく展開とか、凄まじく熱そう。
…あれ。つまり最終回の「これから白紙の未来が始まる」終わり方か。
といった感じで。
考えをまとめてから書いたつもりが滅裂になりましたが、思うところを書いてみました。
「スマイル」さん自体は大好きです。
私生活でも仕事でも色々あった1年だったので、どんぴしゃり胸に刺さったテーマだった。
それだけに、何かを妙に叫びたい。
あと私的No.1は年間通じて青木さんでした。次点で星空さん。
青系を贔屓にしたのは美翔さん以来だったかも。
「スマイル」さんに対して否定的な感想を持っておられる方を結構見かけます。
なんとなく理解はできる。
確かに妙なシリーズだったなぁというのが素直な感想。
で、何でなのかを考えてみた。
「日常回が多くて一貫した目的がなかったから」というのは、テーマに関わる部分なので、あんまり理由にはしたくないなと思う。
(他のプリキュアさん達が一貫した目的があったかというと、意外と微妙ですし、あったかどうかで変わったか?とも思う)
色々考えて、思ったのが2つ。
一つは、制作者様サイドの思い入れが強すぎたんじゃなかろうか。
主要テーマの「メルヘンと現実」は、作り手側としては正に切実で、今もっとも痛感して伝えたいことだったんだと思います。
ただ受け手としては視点移動をかなり要求される(星空さんが「メルヘンに助けられる」側になったり、「メルヘンそのもの」になったりする)上に、意識してない人には全く響かないテーマだったのかなと。
そして扱っているテーマは複雑なのに、妙にすっきりした印象を受けるのは、制作者様的には悩みぬいて答えが出ていたからじゃないかな。
そのためか、視聴者側の理解のスピードよりも早い勢いで話が進んでいってるところがあった気がする。
なんというか、例えば最終回でわんわん泣いている星空さんらを見て、視聴者よりも先に内輪で盛り上がられてしまったような、取り残され感に似ているというか。
綺麗に技をかけられすぎて、技がかかってることに気付かなかったような感じというか。
もう一つは、妄想の余地が少ないシリーズだったからではないでしょうか。
「スマイル」さんで二次創作やろうとすると、結構シビアだと思うんですよ。
何せ劇中で、ロボ化やミニ化や入れ替わりやその他様々なことをやってしまってます。
プロが「なんでもあり」で楽しませようとしてきたら、生半可な妄想じゃ太刀打ちできないですよ。
反面、人間関係は存外淡白なので、いわゆる百合妄想だとかはしづらくなってる。
象徴的なところでいえば「海イベントで、普通に誘われない黄色」とか「元々そこまで仲良しでもない青と緑」とか。
テーマの「メルヘン」が、絵本・漫画・家族・道と、個人の事情に関与してるので、相互に絡みづらいのが痛かった。(しかも「大事なことは自分で考えよう」のおまけつき)
同様に「個人の夢」を扱った「プリキュア5」の場合は、「相性ばっちりだけどバラバラ」「夢を本気で叶えようとするとき、最後は人は一人だ。しかし孤独ではない」といった側面があったので、これを回避できました。
が、「メルヘン」でそれをやろうとすると、更に複雑怪奇な多重構造になってしまう。
(黄瀬さんの漫画に救われた星空さんが、絵本で青木さんを救い、それに影響を受けた青木さんが緑川さんに道を…略。さて、誰の何が誰にとっての「メルヘン」で、何の誰が何の「現実」だろうか)
唯一、日野さんの「人との絆」だけは懸け橋になりえた。
そういう意味では、日野さんが主役をやるのが正解だったのかもしれません。
考えてみれば夢原さんはそういうタイプですし。もしもレモネがメインだったらと思うとぞっとする。
適当なる改案:
メインが日野さん。
行動力があって人と絡むのが好きで、スポーツを頑張る日々。
そこに不思議行動が目立つ転入生・星空さんがやってくるところからスタート。
「絵本が好き」という日野さん的には理解不能な価値感を持つ星空さんを始め、
「漫画」や「家族」や「道」といった、他人からすれば妙なものを大事にする級友ら。
彼女らとの交友を通じ、「メルヘン」の素晴らしさを感じ取っていく日野さん。
また彼女たちも自己を見つめ、「メルヘンを救う」方向に成長していく。
それらの過程を経て、日野さんは「うちのメルヘンは友だち」と悟る。
…意外とまとまった気がする。
ということは、星空さんがまずかったんだろうか。
おかしいな、「赤毛のアン」はアン・シャーリーが主人公で何の問題もなかったのに。
「赤毛のアン」の構成と比較してみると、他愛のない日常話を繰り返し、ラスト間際でメルヘンから卒業するのは同じ。
実際、「赤毛のアン」に対する最もメジャーな感想は、「空想力豊かなアンが素敵」だと思います。
メルヘンからの卒業とかそんなことは、1巻を読んだだけではまず出てこない。
「スマイル」さんに対して「とにかく楽しいシリーズだったよね」みたいなもの。
「赤毛のアン」が真価を発揮するのは続編シリーズにおいて。
田舎村の親友たちと別れた後、大学で出会った恐るべき友や、メルヘンから脱却していく物語が燃え上がります。
それを思うと、「スマイル」さんは続編が存在してこそ、輝くのかもしれません。
中学を卒業した後、たまたま同じ高校になった青木さんと雪城先輩と水無月先輩の物語とか。
様々な道があるということで、他チームの良いところを吸収しつつも、「スマイル」組の矜持を発揮して己の道を確立していく展開とか、凄まじく熱そう。
…あれ。つまり最終回の「これから白紙の未来が始まる」終わり方か。
といった感じで。
考えをまとめてから書いたつもりが滅裂になりましたが、思うところを書いてみました。
「スマイル」さん自体は大好きです。
私生活でも仕事でも色々あった1年だったので、どんぴしゃり胸に刺さったテーマだった。
それだけに、何かを妙に叫びたい。
あと私的No.1は年間通じて青木さんでした。次点で星空さん。
青系を贔屓にしたのは美翔さん以来だったかも。