野乃さんの死亡経緯を考えてみます。
仮説につぐ仮説、私の脳内解釈の嵐なので独りよがりこの上ないのですが、文章が冗長にならないようにあえて断定的に書き綴ってみます。
(「HUGっと!プリキュア」11話より)
前提①
野乃さんが死亡(またはそれに準ずる状況)になったのがいつかは不明です。少なくとも、2030年のはぐたん誕生後のようなので便宜上2033年としてみます。
理由付けとしては「プリキュア30周年のメモリアル年だから」「はぐたんが3歳。プリキュア視聴年齢になる境だから」。
前提②
最終決戦の後ジョージはどこぞに旅立ちました。私としては「2033年の野乃はなを救いに向かった」と前向きにとらえたい。したがって彼が野乃さんを救える道筋を考えたい。
前提③
「未来は変えられない」のが基本路線。私たちが視聴したり、ジョージが語った未来はそのまま。「死なずに救われた」はない。
前提④
以前に「歴史が変わる前の野乃はなの『死因』はマザー化したこと」と推察してみました。(「歴史が変わる前の物語」)
その際に「歴史改変の前後で、変える必要のないことは変えない(何でもありなら推察のしようがないので)」と仮定を置きました。これを踏襲して、「歴史改変後(私たちが視聴したハグプリの世界線)でも、2033年に野乃はなはマザー化した」としてみる。
※ここでいう「歴史が変わる前の世界」は、「私たちが視聴する前のハグプリ世界」。「ルールーたちが語った未来世界」ではない(参考:「世界はいつ分岐したのか」)
前提⑤
プリキュアは初期視聴者の実年齢を意識したテーマを扱っています。そう私は思い込んでる。
10周年(15歳前後)は「プリキュアと同年代になり中高に通いだしたが、アニメのあのキラキラした世界と現実は違った」。
15周年(20歳前後)は「子供時代が終わり大人になった。これまでの経験が全く通じない理不尽な壁が立ちはだかる」。
30周年(35歳前後)で何があるかと考えると、様々なライフイベントの区切りとその後の結果に直面する年齢に思えます。
例えば結婚した/しないと決めた。家を買った/買わないと決めた。転職した/しないと決めた。そして今後の会社人生の道筋が見えた。
どちらを選択したから幸せといった話ではなく、選択するともう一つが消える。マリッジブルーやマイホームブルーのように、不幸というわけではないが陥ってしまう悩みです。
このテーマを掲げる総決算的な敵(15周年でいうところのミデン)に、16年以降のプリキュアさんらはおそらくこんな感じで立ち向かうと思う。
スタプリ:
家を買っても、その気になれば引っ越せる。永住するとかの固定観念は捨てよう。
(賃貸物件に住み続けるのを選んだとしても、必要なら老後でもなんでも家を買えばいい。適正年齢なんて固定観念は捨てよう)
ヒープリ:
結婚すると気ままな独身貴族の生活は終わる。でも幸せな未来のために、切り捨てる覚悟をしよう。
(独身のままだと伴侶や子と巡り合えなくなる。でも幸せな未来のために、切り捨てる覚悟をしよう)
トロプリ:
この先どうなるかは分からないけど、今の職場で一番大事なことに向き合い続けよう。
(この先どうなるかは分からないけど、転職した先で一番大事なことに向き合い続けよう)
ひとまず回答にはなるように思う。ですがこれらは「積極的に自分の望む選択をした」のが前提です。
「思い出があるから踏ん張れる」に対し、ミデンは「思い出のない者は踏ん張れない」とカウンターを突き付けました。
同じ構成でいくなら、30周年の敵が突き付けるのは「時間切れによる選択肢の自然消滅」(※注)でしょう。
転職したいと思っていたのだけど、何となく先延ばしにしている内に年齢制限にひっかかり、転職の道が絶たれた。今の職場でも特に何かを蓄積したわけではなく、管理職やら何らかの第一人者だとかにもなれそうにもない。
こんな「気が付いたら消去法でこうなっていただけ」な人。それが2033年の敵に思えます。
そしてこの人物像に「何もしない男」と評されるジョージはかなり当てはまる。
野乃さんと結婚しておいて「消去法で選んだ」「選択肢が自然消滅した」とか何言ってんだ感がありますが、仕事面に関しては分かる気はします。
ジョージは経営に興味がなく、自己満足的な研究もどきに打ち込み、世捨て人的に過ごしていた。だがある時、アカルイアスを切り盛りする野乃さんを見て、自分の現状とのギャップにショックを受けた。今から頑張ろうにも、全く何も分からない。はぐたんの育児も同様で、何もしなかったツケで何も分からない。
研究者として大成する道も見えず、「何もしない」「何もない」に気づいてしまった。
この絶望の隙を誰かに突かれ敵化したとして、16年以降のプリキュアさん達は助けてくれない気がする。というか「知らんがな」としか言いようがない。うん、いやそれ辛いのは分かるけどさ、今からでも努力するしかないんじゃないの?としか。
【※注「同じ構成でいくなら、30周年の敵が突き付けるのは「時間切れによる選択肢の自然消滅」」:カウンターとしてはもう一つ「選んだ選択肢が結果的に間違いだった」もあると思う。16年以降のプリキュアたちは、こっちの問題には対処できそう】
ですが野乃さんは救いに向かう気がする。彼女の「思い出があるから立ち上がれる」は、この局面ではネガティブな側面もある全肯定に走りそうです。
確かに何もしなかった。でもここまで生きてきたんだ。それを否定するな、とばかりに。
この状況は第三者的には「嘲笑される」と言ってもいい、愚かな行動だとも思う。ジョージの語った描写には合致します。当事者なだけに自嘲もありそう。
そしてここまでの無条件の庇護は、象徴的な『親』=「マザー」化の道に思えます。
スタプリ以降のチームの静止を振り切ってジョージを助けようとし、結果「普通の女の子」であるプリキュアから「神」的な存在になってしまった。死んではいないが、プリキュア的にはバッドエンドでしょう。(じゃあ九条さんやはーちゃんはどうなんだとか細かくは色々ありますが)
経緯がこれなら、最終決戦の後ジョージが再び2033年まで道を歩み、その過程で自己を身に着ければマザー化した野乃さんを救う道もありそうです。
かつての「何もない男」のジョージには果たせなかった救済ができる。歴史は変わってはいないが、未来は変えられる。
話の筋はそれなりに通ってるんじゃないかと思ってみる。
参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
仮説につぐ仮説、私の脳内解釈の嵐なので独りよがりこの上ないのですが、文章が冗長にならないようにあえて断定的に書き綴ってみます。
(「HUGっと!プリキュア」11話より)
前提①
野乃さんが死亡(またはそれに準ずる状況)になったのがいつかは不明です。少なくとも、2030年のはぐたん誕生後のようなので便宜上2033年としてみます。
理由付けとしては「プリキュア30周年のメモリアル年だから」「はぐたんが3歳。プリキュア視聴年齢になる境だから」。
前提②
最終決戦の後ジョージはどこぞに旅立ちました。私としては「2033年の野乃はなを救いに向かった」と前向きにとらえたい。したがって彼が野乃さんを救える道筋を考えたい。
前提③
「未来は変えられない」のが基本路線。私たちが視聴したり、ジョージが語った未来はそのまま。「死なずに救われた」はない。
前提④
以前に「歴史が変わる前の野乃はなの『死因』はマザー化したこと」と推察してみました。(「歴史が変わる前の物語」)
その際に「歴史改変の前後で、変える必要のないことは変えない(何でもありなら推察のしようがないので)」と仮定を置きました。これを踏襲して、「歴史改変後(私たちが視聴したハグプリの世界線)でも、2033年に野乃はなはマザー化した」としてみる。
※ここでいう「歴史が変わる前の世界」は、「私たちが視聴する前のハグプリ世界」。「ルールーたちが語った未来世界」ではない(参考:「世界はいつ分岐したのか」)
前提⑤
プリキュアは初期視聴者の実年齢を意識したテーマを扱っています。そう私は思い込んでる。
10周年(15歳前後)は「プリキュアと同年代になり中高に通いだしたが、アニメのあのキラキラした世界と現実は違った」。
15周年(20歳前後)は「子供時代が終わり大人になった。これまでの経験が全く通じない理不尽な壁が立ちはだかる」。
30周年(35歳前後)で何があるかと考えると、様々なライフイベントの区切りとその後の結果に直面する年齢に思えます。
例えば結婚した/しないと決めた。家を買った/買わないと決めた。転職した/しないと決めた。そして今後の会社人生の道筋が見えた。
どちらを選択したから幸せといった話ではなく、選択するともう一つが消える。マリッジブルーやマイホームブルーのように、不幸というわけではないが陥ってしまう悩みです。
このテーマを掲げる総決算的な敵(15周年でいうところのミデン)に、16年以降のプリキュアさんらはおそらくこんな感じで立ち向かうと思う。
スタプリ:
家を買っても、その気になれば引っ越せる。永住するとかの固定観念は捨てよう。
(賃貸物件に住み続けるのを選んだとしても、必要なら老後でもなんでも家を買えばいい。適正年齢なんて固定観念は捨てよう)
ヒープリ:
結婚すると気ままな独身貴族の生活は終わる。でも幸せな未来のために、切り捨てる覚悟をしよう。
(独身のままだと伴侶や子と巡り合えなくなる。でも幸せな未来のために、切り捨てる覚悟をしよう)
トロプリ:
この先どうなるかは分からないけど、今の職場で一番大事なことに向き合い続けよう。
(この先どうなるかは分からないけど、転職した先で一番大事なことに向き合い続けよう)
ひとまず回答にはなるように思う。ですがこれらは「積極的に自分の望む選択をした」のが前提です。
「思い出があるから踏ん張れる」に対し、ミデンは「思い出のない者は踏ん張れない」とカウンターを突き付けました。
同じ構成でいくなら、30周年の敵が突き付けるのは「時間切れによる選択肢の自然消滅」(※注)でしょう。
転職したいと思っていたのだけど、何となく先延ばしにしている内に年齢制限にひっかかり、転職の道が絶たれた。今の職場でも特に何かを蓄積したわけではなく、管理職やら何らかの第一人者だとかにもなれそうにもない。
こんな「気が付いたら消去法でこうなっていただけ」な人。それが2033年の敵に思えます。
そしてこの人物像に「何もしない男」と評されるジョージはかなり当てはまる。
野乃さんと結婚しておいて「消去法で選んだ」「選択肢が自然消滅した」とか何言ってんだ感がありますが、仕事面に関しては分かる気はします。
ジョージは経営に興味がなく、自己満足的な研究もどきに打ち込み、世捨て人的に過ごしていた。だがある時、アカルイアスを切り盛りする野乃さんを見て、自分の現状とのギャップにショックを受けた。今から頑張ろうにも、全く何も分からない。はぐたんの育児も同様で、何もしなかったツケで何も分からない。
研究者として大成する道も見えず、「何もしない」「何もない」に気づいてしまった。
この絶望の隙を誰かに突かれ敵化したとして、16年以降のプリキュアさん達は助けてくれない気がする。というか「知らんがな」としか言いようがない。うん、いやそれ辛いのは分かるけどさ、今からでも努力するしかないんじゃないの?としか。
【※注「同じ構成でいくなら、30周年の敵が突き付けるのは「時間切れによる選択肢の自然消滅」」:カウンターとしてはもう一つ「選んだ選択肢が結果的に間違いだった」もあると思う。16年以降のプリキュアたちは、こっちの問題には対処できそう】
ですが野乃さんは救いに向かう気がする。彼女の「思い出があるから立ち上がれる」は、この局面ではネガティブな側面もある全肯定に走りそうです。
確かに何もしなかった。でもここまで生きてきたんだ。それを否定するな、とばかりに。
この状況は第三者的には「嘲笑される」と言ってもいい、愚かな行動だとも思う。ジョージの語った描写には合致します。当事者なだけに自嘲もありそう。
そしてここまでの無条件の庇護は、象徴的な『親』=「マザー」化の道に思えます。
スタプリ以降のチームの静止を振り切ってジョージを助けようとし、結果「普通の女の子」であるプリキュアから「神」的な存在になってしまった。死んではいないが、プリキュア的にはバッドエンドでしょう。(じゃあ九条さんやはーちゃんはどうなんだとか細かくは色々ありますが)
経緯がこれなら、最終決戦の後ジョージが再び2033年まで道を歩み、その過程で自己を身に着ければマザー化した野乃さんを救う道もありそうです。
かつての「何もない男」のジョージには果たせなかった救済ができる。歴史は変わってはいないが、未来は変えられる。
話の筋はそれなりに通ってるんじゃないかと思ってみる。
参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)