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ニュース:「星を継ぐもの」SF作家ホーガン氏が死去

2010年07月15日 | 小説・本
「星を継ぐもの」SF作家ホーガン氏が死去

[引用]

 英国出身のSF作家で「星を継ぐもの」などの作品で知られるジェームズ・P・ホーガン氏が12日、アイルランドの自宅で死去した。


 米ニューヨークの代理人が13日、明らかにした。69歳。死因は心不全。

 1977年、「星を継ぐもの」でデビューし、数年後、米国へ移住。晩年はアイルランドで暮らしていた。

[引用終]

なんてこった。
もうその言葉しか出てこない。
なんてこった。

代表作「星を継ぐもの」はあまりに有名すぎるので、今更紹介するのも憚られますが、未読の方には強くお勧め。

 「月面で人間の遺体が発見された」
 「調査の結果、5万年前のものと分かった」
 「これは一体、何だ?」

シンプルで巨大な謎に対し、各界の学者たちが叡智の限りを尽くすお話。
超科学は出てこない。派手な殺陣があるわけでもない。
でもこれほど熱い小説はなかなかない。
言語学者から生物学者、宇宙工学から生化学、数学に歴史に地質学にと、色んな方面の学者さん達が必死になってロジックを積み重ねる。
くだらない陰謀論や価値観の入る余地なんてない、理詰めの戦いがそこにある。そして得られた結論は、あまりにも素敵過ぎる。

「科学とは多くの仮説の検証の積み重ねだ」
「異なる根拠から出発した複数の仮説が、同じ結論にたどり着いた時、その結論の確からしさは相当に高い」等々。
個人的にかなりの多くの影響を受けた本です。

途中の経緯も格好いいのですが、ラストは圧巻。
拳を突き上げ、「だから人間は素晴らしい」と力強く確信する、そんなエンディング。
「理屈」と「感情」は相反するように思われがちですが、理屈によって、人は感情を揺さぶられることがある。
むしろ安っぽい感情論よりも、理詰めの感動ははるかに大きい。
激烈なる進化競争に勝ち抜いた人類万歳。絶望に立ち向かう勇気を与えてくれる名作です。


星を継ぐもの (創元SF文庫)

ちなみにAmazonさんのランキングで、今現在43位。
やっぱりこの影響なんだろうか。
多くの人の間で作品が広まれば、せめてものお見送りになるかもしれない。
コメント (1)
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