Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

中世タイムトラベル

2012-02-29 23:59:17 | 音楽
朝から冷たい雨が降っていた週末に、ロマネスク美術から「モンセラートの朱い本」まで、いうなれば10世紀から14世紀までの時空間旅行に出掛けた。

先ずは10世紀~12,3世紀のロマネスク美術の旅。
場所は早稲田奉仕園内にあるスコットホール、こちらは東京都剪定歴史建造物に指定されているという古い教会でレンガ造りの外観と内部のロマネスク風窓。
 
訪れた「中世美術の粋~深遠なるロマネスク芸術の世界~」は『ユーラシア旅行社』が企画・開催したもので、去年「ろまねすく通信」で、第1部が添乗員の方による写真をたくさん使ってのロマネスク入門編、そして第2部は講師に金沢百枝氏を迎えてイタリア・ロマネスクを中心としたお話が聴けるとの記事を読んで申し込み、この日を楽しみにしていたのだ。
会場はほぼ満席(かなり前に定員150名に達したということで申し込みは締め切られていたという人気!!)、ロマネスク美術に興味を持っている、またそれを実際巡る旅行をと考えて足を運んでいる人の多さに吃驚!!またこちらの旅行社のリピーターの方もかなり多いようだった。

添乗員の方は中世の時代区分から始まり、ロマネスク美術が発生した10~12,3世紀辺りのその姿が見られる教会を具体的に写真を次々スクリーンに映し出して話してくださったのだが、話しぶりも軽快で面白く聞き入ってしまった。さすが添乗員さん!!気付けばざざっとフランス・イタリア・スペイン・スイス・イギリスと広範囲にわたるロマネスク芸術の旅をしていたのだった。
そして第2部に登場した金沢百枝氏の講演がまたよかった。とんぼの本の「イタリア古寺巡礼」2冊とも持って読んでいるので、余計興味深く、また書かれたご本人だ~、と思うと親近感を持って耳を傾けていた。この日最初に取り上げたのはミラノのサンタンブロージョ聖堂でだったのも嬉しく11月のことを思い出しながら聞けて、自分の中でかの聖堂の印象が一段と深まった気がした。300枚程の写真を用意してらしたとのことでイタリア・ロマネスクを各地に見ることが出来て、ほんと楽しかった
なにより聞いていていいなあ、と思ったのは氏のロマネスク美術に対する深い思い、とにかく好きで好きで、という気持ちが伝わってくること、柱頭にひょこっと現れている人にも動物にも「可愛い」と仰るその口調に、それら全てを心から愛でてらっしゃるのが伝わってきて素敵だった。

1時ちょっと前に講演は終了し早稲田から四谷に向かったのだが、寒くはあっても朝の雨は止んでいたのでやれやれと思いながら移動した。
四谷のサン・パウロ宣教センターでの杉本ゆり氏による「モンセラートの朱い本」の講座を聞きにいったのだった。机が取り払われて椅子だけが並べられた狭い会議室は定員15名ちょっとでぎっしり満員で熱気に溢れていた。
先ず中世音楽へのアプローチから始まり、モンセラート修道院&写本概要、モンセラート写本の特徴、1曲ごとの注釈そしてまとめという流れに沿って講座は進み、"Cuncti simus"は全員で歌ってと盛り沢山な内容だった。色々勉強になって面白かったが、中でもカンティガスとの比較の話と朱い本で使われている言語の話題、写本のここにこういうことが書かれているんですよ、などという話は特に面白かった。
この日は一日、中世世界を旅してきて、講座の帰りは友人と新宿まで歩いてトルコ料理で(やっぱりヨーロッパとアジアの接点はトルコ!?)旅の疲れを癒してから帰宅した。
コメント
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