Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ボルベール<帰郷>/VOLVER

2007-07-14 00:03:15 | 映画 は行
             *公式サイト
2006年/スペイン/120分
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、ロラ・ドゥエニャス、ブランカ・ポルティージョ、チュス・ランプレアヴェ

張り切って行ってまいりました「ボルベール<帰郷>」
前売り券を手に入れられなかったので、「一体どれだけ混んでいるのだろう?」と、どきどきしたのですが、そんなに混んでもいず、好きな場所を選べたのでよかった~。

扱われている題材、事件はこの上なく重く暗いのだけれど、それはあくまで題材に過ぎず、全編通して響く生命への賛歌、母であり娘であり女である、全てひっくるめた「女性」への賛歌の高らかな響きに知らず知らず自分の心が呼応し、実に素直に身を委ねていることに気付く。
ラ・マンチャの乾いた風景、陽に輝くその白さが眩ければ眩いほど、その影の暗さはまた濃く映る。その影の濃さにそれぞれの秘密、絆、因果が絡み合いその闇はより一層深く濃く感じられるのだ。そしてその上に散りばめられた鮮やかに乱舞する色彩に目は喜び心が浮き立つ。
登場する女性は誰もがたくましく潔く、魅力的。大胆と繊細、激情と冷静、運命に翻弄される姿と、それに果敢に立ち向かう姿、相反するすべてが不思議なユーモアを伴って輝き渦巻いている。

どんなに強く見えても人は「ボルベール<帰郷>」する場所を求め、彷徨い迷いながら生きている・・「だけど思い出してみて、ほらそこにある!」と風がやさしく頬を撫で呼びかけてくる。
コメント (8)
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