Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

コマンダンテ/COMANDANTE

2007-07-02 00:10:58 | 映画 か行
               *公式サイト
2003年/アメリカ・スペイン/100分
監督:オリバー・ストーン
出演:フィデル・カストロ、オリバー・ストーン

オリバー・ストーン監督が自らインタビュアーをつとめ、アメリカと国交を持たぬ隣国、キューバの最高指導者であり、20世紀最後の革命家フィデル・カストロに真っ向から挑む、1対1の真剣勝負。
カストロは「いつでも撮影をやめることが出来るなら」という条件の下、このインタビューに同意した。製作チームは30時間以上にも亘りインタビューをおさめたが、カストロはただの一度もカメラを止める要請はしなかった。(チラシより)

「モーターサイクル・ダイアリーズ」、「チェ・ゲバラとカストロ」というキューバ革命に関する作品を以前観ていたので(チェ・ゲバラはガエル君!)今回そのカストロ本人の話が聞けるというのにいたく興味をそそられた。

フィデル・カストロとオリバー・ストーンとの丁々発止のやり取りは時に鋭く、時にかわしたり、そして時にお茶目な(と言ったら失礼かなぁ?)ユーモアを交えて飽きさせない。思わず「あはは!」と笑っちゃうような場面もあり、また革命当時のキューバの映像、盟友チェ・ゲバラの映像も随所に挟み込まれている。
二人とカストロの通訳者(彼女に関してオリバー・ストーンはつっこんだ質問をしているが、やんわりかわされていた)の英語とスペイン語の音声、そのバックにキューバ音楽が流れる。そしてここには彼の様々な顔が映し出される。そのどれもが素顔かもしれないが、それは彼の一瞬を垣間見たに過ぎず、全体像としての本当の素顔はそれらの顔のずっとずっと向こうにあって、誰もしかとそれを見ることはないだろうと思われた。
それはオリバー・ストーンも同じだと感じる。どちらもカメラが回り続けていることで意識的にしろ無意識にしろ自分自身を演出し、演じているところがあるからではないだろろうか。カストロはカストロを、オリバー・ストーンはオリバー・ストーンを。

☆2006年7月、フィデル・カストロは病に倒れ、現在政治的権限を暫定的に弟のラウル・カストロ第一副議長他に引き渡している。
コメント (2)
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