Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

僕と未来とブエノスアイレス

2006-10-05 00:01:05 | 映画 は行
             *公式サイト
2006年/アルゼンチン・フランス・イタリア・スペイン/100分
監督・脚本:ダニエル・ブルマン  
出演:ダニエル・エンドレール/アドリアーナ・アイゼンベルグ/ ホルヘ・デリア/
セルジオ・ボリス/シルビナ・ボスコ/ディエゴ・コロル/ロシタ・ロンドネール

公開された時に観たかったのだがレイトショーだったので諦めた作品。それがTSUTAYAに出ていたので早速、借りてきた。
舞台はブエノスアイレスの下町にある人情商店街(ガレリア)、そこで繰り広げられ紡ぎだされる人々の物語にいつの間にか引き込まれていた。そこに住む一人一人が存在感に溢れて個性的で目が離せない。ガレリアの住人は「主人公アリエルとその家族はポーランド系ユダヤ人、ラジオの修理屋はイタリア人、風水グッズを扱うカップルは韓国人、生地商人のラビン兄弟はイスラム風、陰で金融商売をしているアリエルの親友はリトアニア人」(「goo映画」解説より)とそんな移民の人々で構成されている商店街。作品は軽いコメディータッチでそこで起きる悲喜こもごもがさらりと描かれる。けれど、アリエルの祖父母はポーランドでナチに迫害され身一つでアルゼンチンへ逃げてきたという背景を持つなど、明るく見えて実はそれぞれが背中に背負っているものは重い。
印象に残るのは、ユダヤ人のコミュニティーの絆の固さ。そうでなければユダヤ人としてのアイデンティティを保てないほど過酷な歴史の中を生き抜いてきたのではなかろうか、などということをふと思ったりする。そしてそれは一人彼らだけではなく、なんて思ったりもして・・・。
そうしたもの一切合財を飲み込んで時間は未来に向かって流れていく。未来もそう悪くないんじゃなぁい、と思わせる希望を感じさせながら。
コメント (2)
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