Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

記憶を開ける鍵

2006-01-28 00:01:50 | 音楽
自分ではもうすっかり忘れて記憶の片隅に追いやられていた事が、匂い、色、音楽といったきっかけで突然思い出されることがある。それはまるで鍵のかかった扉に「きっかけ」という鍵が差し込まれ、あっ!開いたという感じ

今週、伴奏に伺っている合唱団では選曲の真っ最中で実際に伴奏を付け歌いながら最終的に候補曲を絞った。
その時、指揮者が「この曲、私は歌ったことがないのに何故か知ってるんです。初めて聞いたのに懐かしさがこみ上げてうるうるしてしまいましたよかったら、この曲候補の中の一曲に残して欲しいです。やってみたいです」
それは高田三郎氏の「心の四季」の中の一曲だった。

指揮者「高田さんの合唱作品というのは以前からよく歌われてたのですか?」
団員「この組曲は30年くらい前に大流行し多くの合唱団で歌われました。」  
団員「最近また見直されて歌われることが増えてます。」
指揮者「実は私の母は合唱の伴奏をしてました」
団員「えっ♪じゃあ、先生はきっとお腹の中で聞いてらしたんですよ!」
指揮者「・・・

この曲が鍵となり、今まで存在する事さえ気付かなかった扉がパタッと開いて彼女の記憶を甦らせたかのようだった。
お腹の中にいる時から、子どもは耳を澄ませて外界の音を聞いているというのは本当のことなんだ!と目の前でこんな展開になると素直に感動してしまった。

遠い遠い自分でも意識していなかった記憶の扉を開く鍵があるのですね
コメント (10)
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